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…俺はこなたの事をどう考えているんだろう…?
今、俺の胸がこんなにドキドキしているのは、こなたを『女』として感じているからなのだろうか?
…それとも昨日の夢のせいなのだろうか?

俺の心は迷い、その場で答えは出せそうになかった。

男「…こなた、聞いてくれる?」

こなた「………うん。」

男「俺も…こなたが好きだ。…でもな…」

こなたがグッと目をつぶった。

男「俺、今はお前の事を『女』として好きなのか分からない。」

こなた「………えっ?」

男「俺にとって、お前はかけがえのない友達だ。」

こなた「…うん。」

男「だから当然、好き。それは間違いない。…でも俺は『友達として好き』と『異性として好き』の区別が分からない…。」

こなた「…。」

男「だから…今安易にお前に『好き』とは言えない。」

こなたの目から涙がこぼれた。
…俺の見る、こなたの初めての涙だった。

男「!!!ごっ…ごめん!!でも…俺簡単にお前に好きって言えない!勘違いで言ってお前を不幸にしたくないんだ!!」

こなた「…違うよ、男。」

男「えっ…?」

こなた「嬉しくてさ…男が私の事覚えててくれた上、『かけがえのない』とか言ってくれてさ…」

こなたはまた俺に抱きつき、今度は声を出して泣いた。
俺もなんだか涙が出てきた。
しばらくの間、俺達はまた、抱き合って泣いていた。

男「こなた…。」

こなた「うん。」

男「さっきの続き。…もう少し考えさせて。」

こなた「うん…待ってる。」

男「…」

こなた「…」

男「…あのさ…話変わるけど月曜誕生日だよな。」

こなた「…!!」

男「ちゃんとプレゼント持ってくからさ、家に遊び行ってもいい?…昔みたいに誕生パーティーしたいな。『友達』として。」

こなた「……ずるいなー男は…そんな事言われたらどんどん男の事好きになるじゃないか………知らないよ?私が男の事好きになりすぎて、コトノハ化しても。」

男「そ…それは勘弁してくれ。」

こなた「…へへへ。」

男「でも…言えて良かった…。」

こなた「…私も。」


こなた「じゃあそろそろ帰るよ。」

男「うん。送ってこうか?」

こなた「いいの?」

男「いいよ。変な意味じゃなく。」

こなた「私は変な意味でいいんだけどなー」

男「じゃあ送らん。」

こなた「ウソだよー!!送ってーダーリン!!」

男「バカが。ほら行くぞ。」

こなたと並んで夜道を歩く。
告白を受けた後だからだろうか。なんだか新鮮だ。

俺が気を抜いていると、こなたが俺の手を握った。

男「ちょ…!!」

こなた「昔はよく手繋いで歩いたじゃん。」

男「幼稚園とかだろ!!!」

こなた「…つかさとは手繋げて、私はダメな訳?」

男「!!!………見てたのか?」

こなた「………ん。」

男「あれは…街灯のないとこでつかさが怖いって言うからああしたんだよ。」

こなた「…夜道怖いよぉ。」

男「ウソつけ!!」

こなた「………ダメ?」

男「………しょうがないな……今日だけな……。」

こなた「おーとこー♪」

男「ばっ…バカ!抱きつくな!」

こなたの家に着いた。
玄関が開くと、こなたの父親が立っていた。

そうじろう「おかえり、こなた。…君は?」

男「あークラスメイトです。」

こなた「家まで送ってくれたんだよ。」

そうじろう「……もしかして、男君かい?」

男「!そ…そうです。」

そうじろう「いやー懐かしいな。そう言えば君とはヴァンパイアセイバーの決着がついてなかったな。今度ぜひ続きをやろうか。」

男「ははは…そうですねー(相変わらずだな…)」

そうじろう「まあ、とにかく君とは一度ゆっくり話さなくてはね…いつの間にこなたとそう言う関係になったのか聞かなくてはな。」

男「ちょ…誤解です!!」

こなた「正解です。」

そうじろう「ほぅ…」

男「こなた!!」

男「ご…誤解ですから!本当に!!とにかく今日は帰ります、おやすみなさい!」

そうじろう「まぁ、一度遊びにおいで。」

別れ際のこなたの父親の顔は、意外にも穏やかだった。
こなたはニヤニヤしていた…。

ともかく俺は、こなたに『ありがとう』と言えた充実感に満たされた。
その日は久しぶりにぐっすりと眠った。

アナウンサー『週末は低気圧の影響で関東北部は大雨となり…』

男「週末は雨かぁ…。」

俺は眠い目をこすると、顔を洗い朝食を済ませ家を出た。

最寄りの駅に向かうと、改札でこなたが待っていた。

男「おわっ!」

こなた「『おわっ!』とはなんだー!せっかく待っててあげたのに!」

男「いつも通り、最寄りの駅から乗れよな。」

こなた「はいはいツンデレツンデレ。」

男「かがみと一緒にするなー!」

こなた「幼なじみが一緒に学校行こうって言ってんだよ?フラグばっきばっきにする気?」

男「遅刻するから先行くぞ。」

こなた「…なる程。そんなに手をつないで欲しいのか。」

男「…俺が悪かった。早く行かないと本当に遅刻するぞ。」

こなた「うん。早起きするためにオフィーリアとの戦いは録画で我慢したんだよ!!」

男「全く…たまにはアニメみないで寝ろ。」

こなた「男と…朝一緒に行けるならそれもいいかな…。」

男「…。」

次の駅でつかさ達が乗ってくることはなかった。
みんなとは教室で会った。

つかさ「おはよ!男君、こなちゃん!」

みゆき「お二人とも、おはようございます。」

男・こなた「おはよー。」

思わず声がハモった。

授業中、ずっとこなたの事を考えていた。
俺はこなたが好きなのか…
…いや…『愛しているのか』を。

こなたの言葉を思い出す。
『好きだった………ずっと』
『…どんどん男の事好きになる…』
『ただいま………男』

気付くと俺は口を開けて明後日の方向を見ながらぼーっとしていた。
ノートには、無意識に描いたこなたの絵で埋め尽くされていた。

…白石にノートをチラ見された。

白石「男…何書いてるんだ?」

男「あ…あぁ、ピカ○ュウ。」

白石「……よく分かんないけどピカ○ュウにはアンテナは無いぞ。」

…自慢じゃないが、俺の絵はこなた並に上手い。 

『月曜はこなたの誕生日か…プレゼント何買ってやろうかな…』
『日曜日に買いに行くか…』
『………あれ?日曜って何か予定あったような…?』

次の駅でつかさ達が乗ってくることはなかった。
みんなとは教室で会った。

つかさ「おはよ!男君、こなちゃん!」

みゆき「お二人とも、おはようございます。」

男・こなた「おはよー。」

思わず声がハモった。

授業中、ずっとこなたの事を考えていた。
俺はこなたが好きなのか…
…いや…『愛しているのか』を。

こなたの言葉を思い出す。
『好きだった………ずっと』
『…どんどん男の事好きになる…』
『ただいま………男』

気付くと俺は口を開けて明後日の方向を見ながらぼーっとしていた。
ノートには、無意識に描いたこなたの絵で埋め尽くされていた。

…白石にノートをチラ見された。

白石「男…何書いてるんだ?」

男「あ…あぁ、ピカ○ュウ。」

白石「……よく分かんないけどピカ○ュウにはアンテナは無いぞ。」

…自慢じゃないが、俺の絵はこなた並に上手い。 

『月曜はこなたの誕生日か…プレゼント何買ってやろうかな…』
『日曜日に買いに行くか…』
『………あれ?日曜って何か予定あったような…?』

土曜日の放課後。
今日は半日授業だ。

いつもの通りみんなで下校する。

みゆき「こなたさん、確か月曜日はお誕生日でしたよね?」

こなた「うん。そーだよ。」

かがみ「そっか、じゃあみんなでパーティーね。」

つかさ「うちでやるー?」

こなた「んー迷惑かかりそうだしうちでいーよ。ありがとう。」

かがみ「…なんかやけに素直ね。」

こなた「私も大人になったという事だよ、かがみん。そういう訳でプレゼントは期待してるよ。」

かがみ「…なんだか褒めて損したわ。」

こなた「男も来るよね?」

男「あ、うん。放課後こなたの家集合でいいんだな?」

こなた「うん。プレゼントは(ry」

かがみ「しつこい!」

何だかどちらにしろ月曜はこなたの家に行くことになったようだ。
…まぁ今回は誕生パーティーだし、こなたの父親と変に絡む事は無いだろうな…。

みんなと別れて自分の家に向かう。
『明日はつかさと映画かー。』

こなたの事で、つかさと2人っきりで遊びに行くのは少し気が引けたが、こなたとの関係はあくまで『幼なじみ』だ。
とりあえず明日の事はこなたには言わずにおこう。
それにこなたの誕生日プレゼントを買うとなれば、あながち『デート』でもないだろう…。

俺は、明日買うこなたへのプレゼントを考えながら家に帰った。


その夜。
こなたは滅多に使わない携帯電話の『電話』機能を使った。

トゥルルル…
トゥルルル…
トゥルルル…
…ガチャ

かがみ「こなた?どうしたの、こんな時間に。」

こなた「…いやー愛しのかがみんが何してるか気になってさー!」

かがみ「バカ!何意味不明のこと言ってんのよ!…もう、用がないなら切るわよ。」

こなた「あー!ウソだよかがみん!用があるから電話したんだよー!!」

かがみ「…さてはまた宿題分からないのがあるんでしょ?」

こなた「んー…ハズレ。」

かがみ「ん?じゃあ何?」

こなた「…そばに誰かいる?」

かがみ「え…?………居ないわよ。どうしたの?」

こなた「…かがみんに報告しなきゃいけない事があるんだ。」

かがみ「……うん、何?」

こなた「男に…………こっ…コクハクした。」

かがみ「…………。」

こなた「…………。」

かがみ「……それで、男はなんて言ったの?」

こなた「…好きだけど、まだ女として好きか分からないって。」

かがみ「……そっか。」

こなた「…でもね、男は私のこと覚えててくれた。」

かがみ「うん。」

こなた「嬉しかった…。」

かがみ「うん。」

こなた「かがみん、私………頑張るね。」

かがみ「………。」

こなた「………かがみん?」

かがみ「うん。頑張りなさいね。」

こなた「うん…ありがとう、かがみん!それだけ言いたかった。じゃあおやすみ!!」

かがみ「うん、おやすみ。」

かがみはケータイを閉じた。

かがみはなんだか無性にのどが渇いたので一階のリビングに降りていった。

ちょうどつかさがお風呂から出たとこだった。

台所で牛乳を飲んでいるつかさ。

つかさ「うっぷ…がんばってゆきちゃんみたいに…」

かがみ「つかさ、バスタオルだけで歩くのやめなさい。」

つかさ「うぐっ!!!…えふっ!!えふっ!!」

かがみ「ご…ごめん、つかさ。」

つかさが振り返る。

つかさ「お姉ちゃん!今の聞いて…!!!!どっどうしたの?!!」

かがみ「えっ?」

つかさ「ど…どうって…お姉ちゃん…顔…」

かがみ「…顔?」

かがみはリビングに掛かる鏡を見た。
鏡に映る自分の顔は、真っ赤な目から信じられないくらいの涙があふれ、それなのに口元は不自然に笑っていた。

かがみ「…目にゴミが入ってね、洗いにきたのよ。」

つかさ「う…うん…大丈夫?」

かがみ「大丈夫よ。…風邪引く前に服着なさいね。」

つかさ「う…うん。おやすみなさい。」

かがみは洗面所で顔を洗い、鏡の中の自分と目を合わせ呟いた。

かがみ「…ごめんね…こなた。」

日曜日。
つかさの最寄駅の改札で待ち合わせる。

改札に着くと、もうそこにはつかさが待っていた。

男「おはよう。待った?」

つかさ「今来たとこだよ。行こっ!」

なかなか強い雨が降っていたが、つかさはご機嫌だった。
電車に揺られながらつかさと話す。

つかさ「えへへー♪見たかったんだー×××の●太郎―!」

男「×××の●太郎、好きなの?」

つかさ「んー何となく。」

男「…ふーん。」
『×××の●太郎はデートって感じじゃないな…』

アナウンス「糟日部~糟日部です。」
俺達は電車を降りた。
やはり雨が強い。

俺が傘をさすと、つかさは自分の傘は出さずに俺の傘に入ってきた。

つかさ「映画館のあるショッピングモールまでそんなに距離ないし、男君の傘に入れて。」

男「あ…うん。」

つかさと相合傘をしながら、『こなたに見られたら、何か言われるんだろうな…』とか考える。

男「あっ」

つかさ「どうしたの?」

男「そういえばさ、明日のこなたのプレゼント買ってないから、映画観た後買い物していい?」

つかさ「…うん、いいよ。」

男「ありがと。買うの、どこがいいかな?」

つかさ「うーん…ショッピングモールの中にあるお店でいいんじゃないかな?」

男「そうだね。」

つかさ「そう言えばショッピングモールの中にご飯食べるとこもあるんだよね?」

男「そうみたいだね。」

つかさ「男君は何食べたい?」

男「うーん…つかさの好きなものでいいよ。」

つかさ「えー男君の好きなものでいいよ?」

男「うーん…じゃあさ、お互い好きなもの食べられるバイキングにしようよ。」

つかさ「うん!…デザートもあるといいなー」

ショッピングモール『Ola garden』に着いた。
映画の時間を確認すると、ちょうど二時間程あったので先に食事をすることにした。
食品街のフロアーを歩くと、バイキングの店は一店舗だけあった。

男「自然食バイキングかー。ここでいい?」

つかさ「うん!」

男「あっ、デザートあるみたいだよ。」

つかさ「ホントだ!!やったー♪」

男「じゃ入ろうか。」

つかさ「すごいねー!お野菜のメニューが充実してるよ。」

男「うん。ドレッシングとかもヘルシーなものが充実してるね。」

つかさ「うん!…あれ?これなんだろう?」

男「んーと…あぁそれは『バルサミコ酢』だよ。イタリアのお酢。」

つかさ「ばるさみこす…?」

男「うん。」

つかさ「…」

男「…」

つかさ「えいっ!」

男「…煮魚には合わないと思うよ。」

つかさ「………うん、合わないね。」

つかさ「ね、男君。」

つかさがデザートの抹茶プリンを食べながら俺に話しかける。

男「ん?何?」

俺は手元の、野菜のフランを見ながら答えた。

つかさ「…男君は、こなちゃんと幼馴染なんだよね?」

男「うん、そう…だ…よ…?」

俺は目をつかさに合わせると、そこに居たのは前にわんこシティで見た、つかさだった。
つかさの目は大きく見開かれ、ジッと俺を見ている。

つかさ「…最近さ、男君、こなちゃんと、どんどん仲良くなってる気がするんだけど…」

男「…」

つかさ「…もしかして、『幼馴染』だって事、言ったの?」

男「…!」

俺はすっかり忘れていた。
『…そうだった。この子は実は鋭いんだった…。』

男「…」

つかさ「…言ったんだね。」

男「…うん。何で分かったの?」

つかさ「何となく、こなちゃんの態度とか。」

男「そっか。」

つかさ「…それにさ、私…男君の事ずっと見てるから。」

男「…え?」

つかさ「…男君がね、勉強教えてくれたり一緒に遊んでくれたりして本当に嬉しかった。」
つかさ「男君はさ、優しいし、かっこいいし…」
つかさ「…今日言うって決めてたんだ。」

男「………。」

つかさ「私も、男君が好きだよ。」

男「…つかさ…」

つかさ「こなちゃんも、男君が好きだよね?」

男「えっ?!」

つかさ「分からないの?こなちゃんの気持ち。」

男「…(言えない…告白されたなんて…)」

つかさ「きっとさ、そのうちこなちゃんは男君に言うと思うな。」

男「…そうかな…。」

つかさ「…こなちゃんはさ、大事な友達だよ?でも………男君は渡さないつもりだから…!」

男「つかさ………俺……」

つかさ「男君!」

男「…うん。」

つかさ「私の事好き?」

男「お…俺、つかさの事は大切な友達だと思うけど…好きかどうかは……」

つかさ「…じゃあ、こなちゃんの事好き?」

男「それも…こなたは確かに幼馴染で大切な友達だけど、でも…好きかどうかは…」

つかさ「………じゃあ、私頑張るよ?」

男「え?」

つかさ「男君が…こなちゃんより、私の事好きになってくれるように頑張るから。」

男「……。」
大きな目で、まっすぐ俺を見つめながら言うつかさを見ていると、少し恐怖さえ覚えて、とても『ダメ』なんて言えなかった。
もちろん、こなたとの事も言えなかった。
ある意味、つかさと遊びに行く事で一番恐れていたことが起こったんだと実感した。

つかさ「男君、映画始まっちゃうから行こっ?」

男「あ…うん。」

そう言うつかさの目は、いつもの『柊つかさ』に戻っていた。
俺達は会計を済ませると映画館のフロアに向かった。

つかさ「前の方座ろっ?」

男「うん。」

館内が暗くなって、スクリーンに宣伝が出始めた。
映画が始まってしばらくすると、俺の手をつかさがつかんだ。

男「!」

俺は驚いてつかさを見る。
つかさはいつも通りの顔でスクリーンを見つめてる。
その瞬間俺の手を握るつかさの力が、少し強くなった気がした。

俺もスクリーンの方を向き映画を見た。

つかさは何も言わなかったが、確かに聞こえた気がした。

『ハナサナイヨ?』

映画が終わり、約束通り一緒にこなたのプレゼントを買いに行く。

つかさ「こなちゃんに、何買うの?」

…つかさにそんな気は無いのかもしれない。
…だが、少し声が怖い気がした。
俺は無難に和物の生活雑貨を選んだ。

つかさ「…こなちゃんてそう言うの好きなの?」

男「いや、たぶんそうでもないと思う。」

つかさ「………私の事は気にしないで選んでいいんだよ?」

男「いや、そうじゃなく(ホントはそれもあるけど)こなたは欲しい物は自分で買うと思うし、ホントに欲しそうなもの選ぶと、アニメのグッズとかになりそうだから…」

つかさ「そっか。」

男「うん。」

こなたのプレゼントを買ったのち、しばらくウインドーショッピンをして、帰路に着いた。

つかさの降りる駅が近づいた時、つかさは紙袋を取り出した。

つかさ「はい、これ勉強教えてくれたお礼だよ!」

男「あっ…ありがとう!」

つかさ「…家に帰ったら開けてね?」

男「うん。」

つかさ「…今日は楽しかった?」

男「うん。」

つかさ「良かった!…じゃあまた明日ね。おやすみなさい。」

つかさは電車を降りた。
俺も次の駅で降り、家に帰った。
家に着き、つかさの紙袋を開ける。
中にはハート形のクッキーと共に手紙が入っていた。

手紙『男君へ。』
  『今日は男君楽しんでくれたかな?』
  『私はたぶん、すごく楽しかった。』
  『だってね、私は男君といるだけで、すごく楽しいから。』
  『クッキーは一生懸命作りました。喜んでくれるとうれしいです。』
  『私、大好きな男君が振り向いてくれるまであきらめないよ。』


クッキーはそれぞれが全て違うもので、見た目だけでもだいぶ手の込んでいることが分かった。
もちろん味もとてもおいしかった。

俺は布団に入って眠りにつくまで、必死に二人の事を考えた。

月曜日。
今日はこなたの誕生日だ。
授業が終わるとみんなでそのままこなたの家に行くことになった。


こなた「ただいまー」

みんな「おじゃましまーす。」

こなた「…おや、おとーさん居ないみたい。」

つかさ「お仕事?」

こなた「んーたぶん出版社に原稿を出しに行ったのではないかと。」

かがみ「結構忙しいのね。」

こなた「運動会シーズンとか学園祭シーズンは特にねー。」

みゆき「あら、そう言ったルポなども書いていらっしゃるのですか?」

こなた「………。」

かがみ「…それは仕事じゃない。」

みゆき「?」

こなた「まぁゆい姉さんのお世話にならないようにしてくれれば大丈夫だよ。」

かがみ「いや、それはもう末期の話だろ。」

つかさ「?」

こなたの部屋に入った。

こなた「じゃーさ、とりあえずみんなでゲームでもやろうよ。」

かがみ「またゲームかよ!まぁでもこなたとは決着をつけなきゃね。」

こなた「ノンノンかがみん、今日はみんな居るんだし格ゲーはやめてみんなで出来るのやろーよ。」

かがみ「それもそうね。何やろうか?」

みゆき「えと、私余り家ではゲームはしないので皆さんの好きなもので良いですよ?」

つかさ「うーん、五人で出来るのは無いよね?」

こなた「基本的には四人までだね。例外的に30人で洞窟に突入した事はあるけど。」

男「それは深夜にやってる事だろーが!」

こなた「ニヤリ…そういう訳で男、マルチタブ取ってきて。リビングにある。」

男「へいへい。」

俺がマルチタブを取って部屋に戻ると、なぜかTails of Eterniaが準備されていた。

男「おい…みんなでやれるのじゃなかったのか?」

こなた「Tailsもみんなで闘えるよ。」

男「戦闘だけだろーが!」

こなた「まぁまぁ、いっこだけやってみたい事があるんだよーそれやったら、みんなでスマブラやろーよ。」

男「ん?何?」

こなた「ラスボス。」

男「ちょっ!!!」

こなた「はい、つかさはメルディ。」

つかさ「えっ?えっ?私これやったことないよー!」

こなた「大丈夫。ひたすら逃げ回って、敵が遠くなったら魔法テキトーに。」

こなた「かがみんはファラ。いつも通り、欲望の赴くままに暴れて。」

かがみ「どういう意味よ!」

こなた「で、男はリッド。ひたすら私を守って。で、ヤバいアレが来たら跳ね返して。」

男「俺が主人公で良いのか?」

こなた「うん、別にクリア目的じゃないから。」

みゆき「わ…私は応援しますね。」


ラスボス戦開始一分後、こなたのブルーアースが炸裂した。

こなた「ふぅ…我が人生に一片の悔いも無し。」

…その後みんなでスマブラや格ゲーなどをした。

みんなで紅茶を飲みながら、つかさとかがみの作ったケーキを食べる。

こなた「うーん、うまい!サンキューつかさとかがみん。」

つかさ「へへっ、よかったー!」

かがみ「がんばって作ったかいがあったわね。」

こなた「味はすごくおいしいけどさ、なんて言うか、デコレーションはかがみん担当でしょ?」

かがみ「……なぜ分かった」

こなた「個性的なイチゴの配置と、かがみんの内面を表したような生クリーム。」

かがみ「どうせ私はガサツよ!」

こなた「まぁまぁ、私が食べさせてあげるから機嫌直してよ、かがみん。」

かがみ「誕生日なんだから逆でしょ!」

こなたとかがみがいつものやり取りをしていると、みゆきさんが言った。
みゆき「それにしてもみなさん、ゲームが上手ですね。」

こなた「わしのゲームテクは百八式まであるぞ。」

つかさ「どんだけー」

かがみ「まぁこなたは人生の三割はゲームしてるから上手いのは分かるけど、男が上手いのは驚いたわ。」

こなた「あれれーなんかバカにされてる気がするよー」

男「いや、スマブラとかやったことあるし、格ゲーも偶然やったこと有るのだったからだよ。基本はそんなにやらないし。」
『大半はこなたに仕込まれたんだがな…』

みゆき「そうですか?でも、始めにやったRPGではこなたさんと息ピッタリでしたし。」

つかさ「こなちゃん!」

こなた「え?何?」

つかさ「お手洗い貸して。」

こなた「あ…うん。廊下のドアだよ。」

つかさ「ありがとう。」

ガチャ。
つかさが出て行った。

男『…うわ…怒ってるな…息ピッタリがNGワードだな…』

男「あっそういえば、これ俺からプレゼント。」

こなた「おーさんきゅー。開けていい?」

男「うん。」

こなた「…塗箸と和食器?」

男「いや、お前の趣味じゃないのはよく分かってるけど、誕生日にアニメのDVDとかは無いだろ?だから…」

こなた「…そーじゃなくて、昨日ちょうど箸折っちゃったんだよね。」

男「…マジ?」

こなた「MJ」

みゆき「すごいタイミングですね男さん!まるで男さんはこなたさんの心が分かるみたいですね!」

かがみ「…」

こなた「いやーさすが男。やっぱ私のこと昔から知ってるだけあるねー」

みゆき「?」

男「ばっ…!」

かがみ「…ふーん。」


こなた「…あ゛」

みゆき「えと…お二人は昔から知り合いなんですか?」

男「えっと…」

こなた「うん、お互い最近気付いたんだけどなんか小学校同じだったんだよなー男?」

男「うん。そうだったんだよ。最近気付いたんだけど。」
…なんとかこなたに合わせた。

かがみ「…へー。そういえばあんた中学入る前は都内にいたって言ってたわよね。」

こなた「う…うん。」

ガチャ。

つかさ「…どうしたの?みんな正座して。」

かがみ「…。」

男「えっと…。」

みゆき「簡単に要約しますと、こなたさんと男さんは幼なじみだったらしいです。」

こなた「う…うんうん。」

みゆき「そして二人は将来を誓い合った許婚だったのですっ!!」

こなた・男「ちょっ!!!!!!!」

みゆき「最後のは冗談ですよ?実は最近読んだ小説にそういうお話がありまして…」

こなた「みゆきさん、意外とそういうの好きなんだね…。」

みゆき「はい♪」

つかさ「…そーなんだ。」

かがみ「…ふーん。」


なんだかんだで時間も遅くなったので、そろそろお開きという事になった。

みゆき「明日は平日ですので、私はそろそろ帰ります。」

つかさ「…うん、私も帰るね。おねえちゃん、帰ろう?」

かがみ「…そうね。」

男「…じゃあ俺も。」

こなた「うん、今日はみんな、ありがとー!」

みんな「じゃあまた明日。」

夜も遅いので、みんなを送っていく事にした。
柊邸で、つかさとかがみと別れる。

男「それじゃ、お休み。」

かがみ「…うん。」
つかさ「おやすみ、男君。」

俺はみゆきさんを駅まで送ってくことにした。
みゆきさんが話す。

みゆき「…でも幼馴染と高校で偶然再会なんて、なんだかロマンチックですね?」

男「そかな?」

みゆき「本当に偶然なんですか?」

男「へ?」

みゆき「……『運命』などではないんでしょうか?」

男「いやいや!ホント偶然だから!」

みゆき「…そうですか。…では、本当にこなたさんと付き合ってる訳ではないんですね?」

男「うん。」

みゆき「でも実は男さんはこなたさんが好きだとか…?」

男「いやいやいやいや。」

みゆき「…そうですか。」

駅について、みゆきさんは電車に乗って行った。
…なんだか、みゆきさんの意外な一面を見たな。

男『それにしても、みゆきさんやかがみにまでバレるとはな…』


こなた『それにしても、みゆきさんやつかさにまでバレるとはなー…』

そうじろうが帰ってきた。

そうじろう「ただいまー遅くなってごめんよー。」

こなた「お帰り、おとーさん。」

そうじろう「…おや、男君は来なかったのかい?」

こなた「んーと、みんなが来てくれて、男だけ残るわけにはいかない状態になった。」

そうじろう「うーむ…そうか。男君とは一度ゆっくり話さないといけないからなー。」

こなた「お…おとーさん、あんまり男に変な事言わないでよ?」

そうじろう「ハハハ。大丈夫、この前のは冗談だから。」

こなた「ホントかなー…。」

こなたは自室に向かった。
最近こなたは、自分の変化に驚いていた。
いつもならこの後はオンラインタイムが待っているわけだが、最近のログイン率は明らかに低い。
その上、ここのところ男の夢をよく見る。
こなた「ははは…これが恋かー。やっとギャルゲの主人公達の気持ちが分かってきたよ。」
こなたは独り言をつぶやくと、布団を被って目をつぶった。
『抜け出してってぇー抜けd』
ピッ
こなた「ん…メール誰だ?」


『…いいよ、そうくん。結婚しよう。』
『…そうくん、私ね…赤ちゃんが出来たみたいなの…。』
『…そうくん、私はね、こうやって家族三人でいるのが一番幸せ…。』
『…そうくん…ごめんね…。こなたの事、お願いね?』

こなたが寝静まった後、そうじろうは写真を見ながらつぶやいた。
そうじろう「かなた…もう少しだよ…」

つかさとかがみは家に帰り、入浴後それぞれの部屋に戻った。

『…うん、やっぱりこなちゃん男君の事好きなんだね。』
『…今日こなちゃん、男君の事ずっと見てた。』
『…みんなに幼馴染だって事ばれちゃったね。』
『…やっぱり、みんな二人の事意識するんだろうな。』
『………』
『うんん。だめだめだめだめだめだめだめだめだめだめだめだめだめだめだめ。』
『…ちゃんと私の事も意識させなきゃ。』
『…こなちゃんなんかに、負けないんだから。』

つかさは自分の部屋を出て、隣の部屋のドアをノックした。
つかさ「おねーちゃん、話があるんだぁ。」

かがみ「…何?入っていいよ。」

かがみは机に向って座っていた。
風呂上りで湯冷めしないように、かがみはパジャマの上に服を一枚羽織っていた。
つかさが入ってくるとかがみは机の上のノートを、出ていた教科書で隠すと、ドアの方に向き直った。

つかさ「おねーちゃん。」

かがみ「どうしたの?」

つかさ「あのね…私ね…好きな人が出来たの。」

かがみ「………そう。」

つかさ「あのね…おねーちゃんだから言うけど…」

かがみ「……………」

つかさ「実は…男君なの!」

かがみ「…………」

つかさ「男君はね、優しくて、かっこよくて…私…ホントに好きになっちゃったみたいなの!」

かがみ「………」

つかさ「でもね…私見てて気付いたんだけど、こなちゃんも男君が好きみたいなの…。」

かがみ「……」

つかさ「だからね、おねーちゃんに味方になってほしいなーって思ってね…」

かがみ「…してよ。」

つかさ「へ?」

かがみ「いい加減にしてよ!!!」

つかさ「お…おねーちゃん?」

かがみ「……何でなのよ!なんでいっつも私が我慢しなきゃいけないのよ!!」

つかさ「…えっ?…えっ?」

かがみ「こなたもそう!つかさまで!!私の気持ちは何なのよ!!私だけ男の事好きになっちゃいけない訳?!!私だって…!私だって!!」

かがみは、つかさを押しのけると、そのままの格好で泣きながら、家を飛び出した。

かがみの向かった先は一つ。

男「ふぅ…明日からみゆきさん辺りに幼馴染ネタでいじられそうだな…つかさの目が怖いし、こなたと口裏合わせておこうかな…」

俺はケータイを取りこなたにメールを打った。

【to】
泉こなた
【タイトル】
17歳のこなたへ
【本文】
きょうは誕生日おめでとう。
なんか雰囲気的にあの後お前の家残る訳にもいかなかったから帰っちゃった。
約束破ってゴメンな。
ところでさ、みゆきさんが『幼馴染』でだいぶ盛り上がってたから、あんましうちらの昔の事言うのはやめようぜ?

ケータイを閉じた瞬間、インターホンが鳴った。
男「うおっ!!」
『…まさか、こなた直接乗り込んできたのか?!』

ガチャ。
男「え…かがみ…?」

かがみ「お……とこ…。」
俺は瞬間的に何か良くない事が起こりそうなのを感じた。
なぜかパジャマで、しかもサンダルで、その上涙を流しているかがみから、良い事なんて思いつかなかった。
男「お前…その格好で来たのか?…ってかとりあえず家入れよ!」

俺は泣きながら何も言わないかがみを無理やり家に入れた。
リビングでかがみと向かい合って座る。
とりあえずホットミルクを出した。
男「…あのさ、いったいどうしたの?嫌じゃなければ教えて?」

かがみ「私…つかさとケンカしたの…。」

男「えっ…?」

かがみ「…それで飛び出してきちゃった。」

男「と…とりあえず家の人に連絡しなきゃ。絶対心配してる。」

かがみ「待って!!」

男「か…かがみ…。」

かがみ「嫌!!今は帰りたくない!!」

男「………。でもかがみが無事な事だけ言わなきゃ。」

かがみ「うん…ケータイ持ってないから電話借りるね。」

男「うん。」

かがみが電話をしている。
少しかがみの怒鳴るような声が聞こえた。
かがみが電話を終えて帰ってきた。

かがみ「えへへ…親ともケンカしちゃった。」

男「後で一緒に謝ってやるよ。だからかがみも親とつかさにちゃんと謝れよ?」

かがみ「…うん。でも男は来なくていいや。女の子の友達の家泊まるって言ったし。ついて来たら修羅場になるわよ?」

男「………で、何でつかさとケンカしたの?」

長い沈黙が流れた。

かがみ「………つかさはね…男の事好きなんだって…。」

男「!!」

男「…つかさが、言ったの?」

かがみ「うん。……知ってた?」

男「……うん。」

かがみ「そっか…。」

かがみ「じゃあさ、こなたも………男の事好きなの知ってる?」

男「………………うん。」

かがみ「じゃあさ………………私が男好きなのは?」

男「…………へ?」

かがみ「やっぱ知らなかったんだ。男、鈍感だね。」

男「ゴ…ゴメン。」

かがみ「結構前にねーこなたから相談受けたんだ。」

男「…うん。」

かがみ「その時はね、私男の事諦めようと思った。」

男「…うん。」

かがみ「でもね、今日つかさにも言われたの。」

男「…。」

かがみ「私…どうしたらいいか分かんなくなって…つかさに怒鳴って…気づいたら家飛び出してた。」

男「かがみ…俺…。」

かがみ「…ごめんね…迷惑だよね…?ただでさえこなたかつかさか選ばなきゃいけない時に……でも私…あのまま家にいたら………。」

男「かがみ…俺の事そう言ってくれるのは嬉しい…でもな…二人にも言ったんだけど、俺はみんなの事大好きだけど、そういう風に好きなのかどうか分からないんだ…。」

かがみ「…男…ダメだよ…そんな事言わないで。私、男の事諦めるためにここに来たんだから。」

男「かがみ…。」

かがみ「……さっき、私の事『お前』って言ってくれたよね?」

男「あ…うん、言ったかも。」

かがみ「今日だけ私の事『お前』って言って。」

男「…今日だけ?」

かがみ「………今日だけは……泊めて?」

男「だっ…ダメだろそれは!」

かがみ「…何もしないって約束する。……今日だけで…諦めるから…男との思い出が欲しい…。」

かがみ「さっき女友達の家泊まるって言っちゃたし……それに…今日帰ったら…またつかさとケンカしちゃいそう…。」

(オートセーブしました。重要分岐④表。)

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最終更新:2008年07月03日 19:58