京太郎「ふー、やっとついたな」ドシッ

咲「ごめんね、京ちゃん。私達の荷物全部持たせちゃって」

京太郎「いやいいって、選手でもないのに連れてきてもらったんだ。これくらいさせてくれ」

和「何言ってるんですか。須賀くんだって立派な清澄の部員なんですから、一緒なのは当たり前ですよ」

まこ「そうじゃよ。特に責任とか感じたりせんでええからの」

京太郎「ありがとうございます。それじゃ、自分の部屋に荷物置いてくるんでまた後で」ガチャ

優希「よし!!じゃあ、さっそくタコスを求めて、その辺を散策するじぇ!!」

久「待ちなさい、優希。自由行動はせっかくだからこれを使ってからにしましょう。」

咲「あっ、それは例のシミュレーターですね」

久「そうよ、前と同じように自由行動に設定して…と」

まこ「また、咲が迷子になっとるぞ…。でも、今回は」


京太郎「咲ー!!」

咲「きょーぢゃーん」ナミダメ

優希「おお、さすが京太郎だじぇ。迷子になって数分で咲ちゃんを発見したじょ」

和「咲さんの手をひいて歩いてますね。…うらやましい。」

咲「うう、恥ずかしい…。なんでこの私はすぐに迷子になるんだろう」

まこ「そりゃ、おんしがすぐ迷子になるからじゃろ。さて、前のと同じ展開なら…」

久「やっぱり、今度は優希がタコス切れで倒れたわね。でも」


京太郎「大丈夫かっ!!優希」

優希「うう、京太郎~。タコス、タコスをくれー」

京太郎「タコス売ってるとこなら俺が探しとくから、ホテルにあるタコスチップス食べとけ。…ほれ、送ってやるから」

久「咲をすばやくホテルに送りとどけてから、すぐに優希のもとへ…さすがね」

咲「おんぶしてもらってる…。私が最後にしてもらったのいつだっけ」

優希「飼い主のピンチにすぐ駆けつける。さすが、私の犬だじぇ」

和「というか自由行動なのに須賀くん、ホテルからでてすぐ戻ってきてを繰り返してますね」

久「なんか申し訳なくなってくるわね。でもこれでようやく自由に…ってなんかその辺の人にさっきから話かけてるわね」

まこ「こやつ、この辺でタコスを売ってる店を聞きまわっとるんか。なんて律儀なやつなんじゃ」

優希「さ、さすがに申し訳ないじぇ。」

咲「うー、京ちゃん、昔からこういうところあるから…。あれ?今、京ちゃんに話かけようとしてる人って…」


美穂子「あのー、どうかなさいましたか?」

京太郎「ふ、福路さん!?」

久「ちょっ、なんで美穂子が出てくるのよ」

和「なんか、嫌な予感がしますね」


美穂子「なんで、私の名前を…って、あなたは確か清澄の片岡さんにタコスをもってきてた…」

京太郎「覚えててくれたんですか!!あっ、じゃあ改めて、清澄麻雀部1年の須賀京太郎です。」

美穂子「風越女子麻雀部 部長の福路美穂子です。それで、困ってるようだったので声をかけたんだけど」

京太郎「ああ、はい。うちの優希がタコスが欲しいらしくて、売ってるところがないかと聞きまわってるんですけど」

美穂子「すいません、分からないわ。でも、今ちょうど私が作ったタコスならここにあるから片岡さんに持ってってあげて」

京太郎「えっ、作ったって、なんで持ってるんですか?」

美穂子「いや、この前の合宿で片岡さんに料理ならタコスを作ってみて欲しいって言われたの。それでレシピを探して、思ったより簡単そうだったから作って、こっちでの挨拶ついでに持っていこうかと思ったの」

京太郎「優希のやつ…でも、それなら清澄の部屋まで一緒に行きませんか」

美穂子「ええ、よろこんで」

優希「そういえばそんなこと言った覚えあるじぇ」

咲「というか京ちゃん、ちょっとデレデレしてない?」


テクテク
京太郎「あのー、迷惑を承知でお願いしたいことがあるのですが」

美穂子「あら、何かしら?」

京太郎「タコスの作り方を教えてほしいんです」

美穂子「どうして?」

京太郎「俺、麻雀部員なんですけどほとんど素人で…。だから、あいつらの練習相手になれないぶん、他のところであいつらのサポートをしてやりたいんです。すぐにタコスが出せるようになれば役に立てるかと思って」

美穂子「そういうことなら、よろこんで。でも、いいの?あなただって麻雀打ちたいから麻雀部に入ったんでしょ」

京太郎「俺はこうでもしないとあいつらのとなりに立ってられない気がして」

美穂子「…やっぱり条件をつけるわ」

京太郎「えっ」

美穂子「私と一緒に時間があるときでいいから一緒に打ちましょう。そして麻雀のこと一緒に学びましょう」

京太郎「でも、福路さんだって個人戦があるし、俺が相手だと何の練習にもならないと…」

美穂子「いいえ、初心者に教えて基礎を学びなおすことも重要よ。それにあなたは本当は麻雀を打ちたいんでしょ。覚えてばっかりの一番楽しい時期に打てないなんてあんまりよ」

京太郎「福路さん…」

美穂子「久達は初めてのインターハイだし、そんな余裕ないかもしれない。だから、私で良ければお相手させてもらえないかしら」

京太郎「…ありがとうございます。福路さん。なら俺からも一つ条件が」

美穂子「んっ?」

京太郎「清澄と同じように福路さんのこともサポートさせてください。何かあったら俺にいってください。すぐに駆けつけますから」

美穂子「でも、」

京太郎「福路さんだって最後のインターハイなんて大事な時期に俺なんか指導してくれようとしてるですよ。それくらいさせてください。」

美穂子「もう強情ね」

京太郎「それはお互いさまですよ。…よろしくお願いします」

美穂子「はい」

ピッ
分析結果

誰かが困っていれば見逃せない須賀京太郎と福路美穂子は非常に相性が良い。須賀京太郎からすると福路美穂子は理想の女性であり、福路美穂子からすると須賀京太郎は一生懸命で素敵な男性であるため、一度会うようになればそのまま惹かれあっていくことになるだろう

清澄一同「…」

京太郎「戻りました。じゃあ、いまから自由行動を」

久「いえ、やっぱり今から打ちましょう。」

京太郎「えっ」

まこ「京太郎。すまんかった。最近、自分達のことばかり考えておんしのことをないがしろにしておった」

京太郎「いえ、そんなことは」

優希「私達がここにいるのお前がいたからだじぇ。だから、お前の上達が少しでもはやくなるよう協力させてくれ」

京太郎「優希…」

和「あなたを自分達の思いばかりで勝手に動かしてしまっていました。いままでの分だと思ってしっかりと指導させてください。」

京太郎「でも、みんなの練習が…」

咲「大丈夫だよ!!いつものお礼だと思って。それに初心者と打って基本を思い出すのも練習だって言ってたし」

京太郎「誰がだよ。…でも、ありがとな」

その後、今までの分を取り戻すかのようにしっかりと京太郎と打った清澄だった。

続く?



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最終更新:2020年06月15日 02:30