割烹ネタ 照編

時系列は新婚さ〇いらっしゃい出演前。

年明けの須賀家。正月の元日からアパートのチャイムが鳴った。

咲「お姉ちゃん、あけましておめでとう。開けてほしいんだけど」
照「……んぅ……あ、咲……咲!?ちょっと待って今、片付けるから!」

 そういってインターホンとの通話を切った照。咲は気付いていないが家の中では照がバタバタと大騒ぎ。
 咲が部屋に入ったのは30分後だった。

咲「もー!いつまで待たせるのさ!」
照「アポ取ってない咲にも責任はある。でも、なんでこんな早く?」
咲「はやくって……もうじき、お昼だよ?お腹すいた」

 そういって照がテレビをつけてみると12時近くを示していた。

咲「年末の仕事納めが終わって面倒な飲み会も終わったからせっかくだし、家に帰ってきたんだけどお父さんたちが布団の中で裸で寝ていたから居づらくなってここに来たのに」

 そういうと照もキッチンに居る京太郎も苦笑いをしている。

咲「なのに、30分近く寒空の下。途中でコンビニ行って時間潰すことになってさ」
照「さっきまで寝ていたから」

 なぜと聞くと照が赤面する。京太郎のオカルトで大きくなった胸を押さえながら。

咲「……」

 すべてを察した咲はテーブルに突っ伏す。

照「京ちゃんすごくて。京ちゃんが2ラウンドの間に私は1回」
京太郎「逆だよ。涎垂らして生まれたての小鹿のように俺のこと呼びながら、俺が1ラウンドの間に照は3回」
咲「あああ゛あ゛ぁ゛!」

 そしてそのまま唸る。自分は独り身なのに実家に帰ってきてみれば両親の事後に出くわし姉夫婦の所に転がり込んだら姉も年越しでヤっていたらしい。しかも姉の痴態を聞く羽目になったのだ、項垂れもする。
 なにが悲しくて夫婦の営みの概要を言われなきゃいけない。

咲「洗濯機が回っている理由はそれか……」
京太郎「お雑煮できたぞ。あ、お節も出すか」
照「もう父さんたち起きてるだろうから咲は戻っていいよ」
咲「私のお雑煮は?お腹空いた」
京太郎「……餅いくつ?あと嫌いなものは?」
咲「お姉ちゃんと同じ二つ。嫌いなものはないよ。特別なもの入ってる?」
京太郎「鶏肉、牛蒡、人参、大根、刻み揚げ、白菜」
咲「うん、無いよ」

 本来、二人で食べるため一段のお節だ。

咲「美味しい」
照「当然、誰だと思ってるの?」

 仮にもプロだ美味しくて同然だと照は言う。

咲「いいなーお姉ちゃん、いつも美味しいの食べられるんでしょ?ねぇ、京ちゃん東京に出店の予定は?」

 当分はないと返事に項垂れる咲に対し、自分が来ればいいと照。

咲「なんでお姉ちゃんが京ちゃんと結婚したのかな?未だに不安だ」
照「だから毎回言っているけどインターハイで知り合ったのがきっかけだってば」

 しれっと嘘をつく照。インターハイを通して姉妹仲が改善されたというのに爆弾を放り込む度胸はなかった。真実を知るのは約半年後。

京太郎「食べ終わったら、初詣行って父さんたちの所で過ごすか」
照「そうだね。京ちゃん、願い事とかある」

 例年通り、家内安全と商売繁盛。

京太郎「あと、自分が直接どうにかしようとすることについての運気が少しでも良くなりますように」
照「何度も言うけど京ちゃんが手を加えなければ運は良いよ。去年だってサマージャンボ当たったし」
京太郎「お陰で店の設備も新調できたけど。なんとなく買っただけで、麻雀のように自分で考えて動くことで運を掴みたい。あと宝くじも照の強運のおかげだ」
照「京ちゃんがお客様に料理で力を与えているから、その分返ってきているんだよ」
咲「あああぁぁああ゛!」

 目の前で姉夫婦にイチャつかれ、初詣の後独り実家に帰る咲であった。

カンッ


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最終更新:2021年06月25日 22:22