京太郎インタビューその5.5



久「…………」ゴロゴロ

和「どうしたんですか、部長は」

まこ「ああ。例のインタビューがあってから京太郎に良くしようと努めてるのに、ネットの心象が一向に良くならん事に拗ねて不貞寝しとるんじゃ」

和「評判を聞いて落ち込むくらいなら見なければいいのでは……」

まこ「分かっとっても気になったら見てしまうもんじゃろう。和もまた新たな称号を授けられて、ネット上で反論しとったの知っとるぞ?」

和「そ、それは仕方無いじゃないですか! 「生まれながらのムッツリクイーン」ですよ!? 生まれながらにムッツリな人間なんていませんし、そもそも私はムッツリじゃありません!!」

まこ「久も同じように仕方無いんじゃろ。まぁ、京太郎にはちゃんと好意的に受け止められてるようなのは救いじゃが」

咲「私はポンコツ度も魔王度も格上げされた評判なんですが」

まこ「それにしても、久が考えた咲とチャンプの関係についてのコメントはあれで良かったんじゃろうか」

和「……まぁ、咲さんのお姉さんがどう思ったかは分かりませんが、いずれ分かることを無理に隠すよりはいいというのには私達も納得しましたし、どう転ぶかはお二人次第ですね」

咲「優希ちゃぁああん! 二人が私のこと無視するよぅ!!」

優希「おーよしよし。京太郎が作ったお菓子でも食べて元気出すじぇ」

咲「京ちゃんってば、私達が目を離した隙に他所の女の子と仲良くなってきますね……」モグモグ

優希「見知らぬ土地にひたすらマーキングする犬のようだじぇ……」

和「穏乃とはあれからも……ドラゴ○ボール? の話題で盛り上がっていて、玄さんも恥ずかしい所を見せたにも関わらず、連絡は取り合っているようですし、憧や他の方とも間接的に連絡先交換しているようですし……」

まこ「風越の福路さんも何かと理由をつけては久だけでなく京太郎にも会いに来とるようじゃし、うちの雀荘でも加治木さんと一緒に東横さんが尋ねてきて京太郎と話しとったし、龍門渕さんも京太郎に無理させてないか確認しにくるしの……」

咲「……もう京ちゃんには、インタビューお断りしてもらった方がいいんじゃないでしょうか?」

優希「だじぇ。うちの評判が良くなる訳でもなし。得がないじぇ」

久「……それもどうかしら?」

まこ「お、復活した」


咲「というと?」

久「須賀君のインタビュー。今では雑誌でも動画でも一定の評価を得て、次を楽しみにしている視聴者は結構な数になってるわ。そんな中、突然インタビューを断るようになれば、どうなるかしら?」

和「……まぁ、次回を楽しみにしてた視聴者は良い気はしませんね」

まこ「マンガで言うなら、予告も無しに打ち切りを食らったようなもんじゃからの」

久「どころか、須賀君にインタビューを断らせた私達にあらぬ嫌疑をかけられて、それをフォローすることも出来ない。なんて事にだってなりかねないわ」

優希「ケンギ……燕返しとか無刀取りとかそういうやつか」

咲「優希ちゃん、それは剣技だよ」

久「それに、得が全く無い訳でもない」

和「? 得、ですか」

久「須賀君に自由行動させてる間、私達も自由行動だったり、大会に向けての対策だったり、今回みたいな会議してたりするでしょう?」

優希「それはそうだじぇ」

久「自由行動なんだから須賀君を監視下に置くわけにもいかないし、尾行なんて以ての外」

まこ「……ああ、そういうことか」

咲「な、何かわかったんですか?」


久「まこもお察しの通り、この動画を通せば須賀君が自由行動中に他校と何があったか、合法的に知れるじゃない。本人がネットの場で話してるんだから」

まこ「言えん部分は言えんじゃろうが、結構赤裸々に話しとるしのぅ。知らんままにしとくには手を広げ過ぎじゃし」

和「……確かに、逐一聞き出してうんざりされるよりは良いかと思いますが」

咲「い、いいんでしょうか? そんな事の為に……」

久「ま、下がったうちの評判を覆す為もあるけど、区切りが良い時にはちゃんとインタビューも終わらせてもらうわよ。私達が全国の頂点に立ったときに、……ね」

優希「部長……」

まこ「そもそもうちの評判が下がったのは9割方お主の行いに責任があるんじゃが」

久「さ! そうと決まったら初戦に向けて対策を練りましょうか!」パンパン



カン


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最終更新:2021年08月06日 21:22