・自由英作文対策について
とにかく構造立てて書く訓練をしよう。
難しい英単語を使う必要はない。一文一文については、正しい英文を書こう。
文全体の繋がりとしては、指示語、接続詞に習熟したい。
解く際に心がけるのは、とにかく読む側の立場になって考える事。
自分が書いた英文をあらためて読み返したときに、読みやすく、意味が入ってきやすいものであればあるほどよい。
自由英作文は、エッセイ調の英文(センターでよく見るような)を1パラグラフまともに書ければいいわけだから
①背伸びしない。中学生レベルの英語でもおk
②構成はきちんと。接続詞の使い方とかは、過去の出題英文からパクり倒す
③設問を丁寧になぞって書く。経験に照らしてとか言われたら過去形を使う、とか
④立場をはっきさせ、読みやすい英文を書く。誤解される可能性をゼロに近付ける。
こういうことを気を付ければ減点がなくなるのだと考え
あとはひたすら色んなテーマで書く練習。
赤本とかの模範解答は、「予備校講師や大学院生が、ちょっと英語できるからって調子に乗って」書いた英文なので、
こりゃ受験生書けませんわ…な作文が多いのでほぼ無視。使えそうな表現はパクる。
東大や阪大など、自由作文テーマ型のやつを課す国立大の問題を解き、いい先生が居れば添削してもらう、
いなければ数日のインターバルを置いて自分で添削。
時間さえあければ「うっわwwwこんな英文書いたんやwww」ってなるので
じゅうぶん客観的に添削できる。
・和文英訳について
暗唱例文は大事な段階だけど、それだけですべてが片付くわけではない。
九大の英語では一筋縄には訳せない日本語表現も問われる。
そのときに、日本語表現の表している意味をおさえ、字面にとらわれず内容を表す英文を書くことが大切。
例えば、「人間関係の潤滑油」という日本語を英訳する場合を考えてみて欲しい。
人間関係、っていう表現くらいなら、すらすらでてくるだろう。
潤滑油、はどうだろう。少なくとも俺には、辞書をひかなきゃわからない。
だけど、訳すうえでは潤滑油という単語を使わなくても表現は出来る。
人間関係の潤滑油、というのは、要するに人間関係をなだらかにするもの、よりやりやすくするもの、ということだから
せいぜい make~ smootherみたいな形にすれば意味合いはあらわせる。
そして、そういう風な表現で減点はされない。
このように、和文英訳では、字面の表現にまどわされず、
その言葉が発せられてる場、意味合いを抑え、日本語にすることが必要なのです。
和文英訳の勉強方法。
どのレベルまで仕上げたいかによる。
とりあえずドラインはやるとして、旧帝系はプラス過去問
京大・阪大になると過去問やる前に一冊何か挟みたいなって感じ
でもって英作文の勉強方法の前に共有したい前提は
①英作文で満点は狙わない
②赤本などの解答は作成者がかっこつけて書いている場合が多いのであてにしない
以上より、第一次答案作成(ふつうに演習)後、解答や解説を読み、無理なく自分が使えそうな表現については取り込み、
第二次答案作成(自己ベスト答案作成)をする、という流れになる。
【和文英訳で部分点狙いの方法】
①和文の思い切った簡略化
②和文を思い切って説明的に訳す
和文英訳においては、表現の微妙なニュアンスを追い駆けると文全体が破綻したり、
あるいはかえって木を見て森を見ずな解答になってしまいがち。
採点をする時、採点官がいちいち和文と英文を見比べて、うなりながら採点してくれると思い込んでいるのか、
がんばって細部の表現にこだわる受験生はけっこう多いとは思う。
だけど考えてみて欲しい、君の和文英訳答案には英文のみが書かれているはずだ。
英文を読んで意味がわからないのであれば、頑張って和文と見比べたとして、「君の答案」に点数がつくはずないだろう。
和文英訳で一番のポイントは、英文として成立する文を作成することなのだ。
その観点からいえば、和文英訳で高得点を取る第一歩は和文の簡略化である。
簡略化、という言葉がキーポイント。
あくまで意味はズラさずに、表現を簡単にしていく、っていう作業をしてみよう。
また一方で、意味をずらさず、表現を簡単にすることを目指すとき、実は簡略化の他にもう一つ方法がある。
すなわち、「説明的に訳す」ことである。難しい熟語も、文の形にして展開すると意外と簡単に訳せるものだ。
では例題。手元に阪大の青本があったので阪大文学部2004年の問題から。
偉大な思想家の思想を咀嚼するには、長期に渡る集中的な読書が必要である。
その営みを支援するのに必要なのは、読解力よりはむしろ忠誠心である。
知識よりはむしろ信念である。
「偉大な思想家」とは「理解できること」よりも「理解できないこと」の方から読者が大きな利益を引き出すことのできる思想家のことである。
以上の例文を英訳する問題。難易度的には、あらゆる和文英訳の中でも最上級クラス。
さて、難解そうな表現をほぐしていこう。
まず、「咀嚼する」これは「理解する」程度に簡略化する。
「長期に渡る集中的な読書」、は「長い間、集中して読書する」くらいでよい。
「その営みを支援するのに必要なのは」だが、ここの「営み」は指示語で示してよく、最も簡略化するならばTo do so,
it is necessary to doかな。
「読解力よりはむしろ忠誠心」については、ここの和文の中では筆者語(本来の辞書的な意味や、一般に使われる意味ではなくて、筆者独自の表現)だととらえて
「難しい文を理解するための能力よりは、難しい文を理解しようとするための根気強さ」みたいな説明的な訳出をほどこすとよい。
(※たいていの場合、筆者語は説明的に訳さないと意味が通らない)
「知識よりはむしろ信念である」についても同様。「どれだけ多くのことを知っているかよりは、どれだけ強く知ろうと思っているかである」みたいな感じかな。
最後のところについても筆者語が多い。基本的に「」で囲まれてる後は全部筆者語だと思ってよい。筆者によって、強調される意味合いが付与されているわけだからね。
ってことで、説明的に訳すことを考えて、
>本当に偉大な思想家と呼ぶべき人物は、その人物の著書を読んだとき、
読者が理解できた部分よりも、理解できない部分によって、刺激を受けたり成長したりするような思想家だ
くらいにすればよいだろう。あとは語順を調整すれば、英文にするのは難しくない。
上記のような手続きを踏むと、意味を損なわず、かつ表現を簡略化または説明化することで、
無理なく訳せる範囲まで持ち込めるわけよ。
英作文で部分点を稼ぐ方法の第一段階は上記のプロセスです。
旧帝あたりを受ける人で、英作文が苦手な人は、とりあえず上記のことができれば合格点は取れます。
【表現を簡略化するために必要なこと】
表現を簡略化して和文英訳をする際、絶対にやってはいけないのは、和文の意味を取り違えること。
難解な漢字熟語やことわざなどで表現できない、みたいなやつは、ただ簡単に言いかえればいいのだが、
筆者語の扱いには注意しよう。筆者語は文脈上筆者が力点を置いている言葉なわけだから、取り違えると文全体が破綻しうる。
さっきの和文でいえば、例えば「咀嚼する」ってのを「理解する」って意味で使うのはよくある話なわけで、
まあたいていの受験生はunderstandにするわけよ。間違ってもeatにはしない。
だけど、筆者語である「読解力よりは忠誠心」っていう、まあある意味説明不足な部分、
ここでhonestyとか書いちゃったら意味は絶対通じないわけよ。
ここで言ってる「忠誠心」っていうのは、「信念」と並列されているものだから、
要は精神的なやる気の量だとか、どれだけ熱意をもって読書に取り組むかだとか、どれだけ没頭するかだとか、そういう話なわけだ。
間違っても、素直に真っ直ぐ命令に従う、みたいな、日本語の意味での忠誠心、ではないわけよ。
こういう筆者語の部分で訳し間違えると、英文読んで何言ってんのかわからないものができちゃうわけね。
っていうわけなので、表現を簡略化するために必要なのは、
①和文のうち、筆者語とそうでないところを区別すること
②筆者語については、本文における意味を説明的に表現すること
とまとめられる。
筆者語の意味を掴むための方法としては、まあいつも言ってることだけど、
文法的には ①指示語②接続詞
意味的には ③同義④反義⑤具体化⑥抽象化⑦原因⑧結果
これらに着目することですわな。
【採点基準について】
一応補足的に言っておくけど、受験生が直接的に相手にするのは問題でも模範解答でもなく採点基準だからね
採点基準に合うような答案を書くことを心がけよう
国語や英語の記述答案は、ここ5点、ここ5点で10点くるな、とかわかるのが理想
赤本の記述問題は自分で採点基準ふってみて採点してみてな
模範解答を目指すんじゃなくて、採点基準を目指す答案を目指すことが目的やからね
なぜそこが採点基準に入るのか、なぜ入らないのか、おおよそ良問であれば厳密な線引きがあるはずなので。
基本的には「採点基準」「落としたら対象外にするドボン基準」「減点法」の組み合わせだと思われる。
東大型の和訳問題は配点が小さいし、訳出部分も少ないから、
恐らくは「ここのasが理解できてなかったらドボン、あとは減点法」
みたいなドボン基準+減点法の採点だと思う
一方で京大・阪大型の和訳問題は配点が大きいし、訳出部分も多い
恐らくは句や節の単位でも採点基準がふられてる。
構文上のミスがあればそこの句・節は採点対象にはならずドボン
また本文の意味に明らかに反するようなものもドボンと思われる
そのうえであとは減点法かな
つまり採点基準、ドボン基準、減点の3つ複合型採点
あくまで推測だけど、大きく外れてない自信はある。
和文英訳問題については、文法事項などを直接問うタイプの、日本語⇒英語直結型は
ドボン採点+減点法だと思っていい
一方で京大・阪大・東北大みたいな、日本語の文意を汲み取って意味から英語を構成するタイプのものは
ここの切れ目までが10点、ここの切れ目までが5点、みたいな振られ方をしてての減点法
減点要素としては、
構文のミス>意味が伝わらないミス>語法上のミス
の順番で減点が大きくなると思われる。
これも、大きく外れてないと思う。
ちなみに、阪大の和訳英訳は「和訳せよ」「英訳せよ」という聞き方ではなくて
「意味を日本語で表せ」「意味を英語で表せ」っていう聞き方になってるから
採点基準が比較的ゆるいと推測できる。
テーマ型などの自由英作文は、
a 内容点 (質問に答えているか、程度:別に意見の質は問わない)
b 文法点 (英語を正しく使えているか 減点優先度は構文>意味>語法)
で、aに反せばドボン、bは減点法
って感じだと思う
が、自由英作文の採点基準については和訳英訳ほどの自信はない。
【直訳と意訳】
逐語訳(文法構造を反映させた和訳)を軸に、適宜意味が通りやすくなるように調整する程度で十分。
解釈系参考書の模範訳や、模試での正解例などは、作成者がプライドにかけて作成する渾身の訳、の場合があって
かなり意訳が強い場合がある。そこまで気にしないでよい。
和訳における一番の減点ポイントは構文把握のレベルなのだからね。