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土場ここほれワンワン油田 油田発掘事情と運営方針 温泉が欲しかっただけであった この油田の試掘というよりも発祥は、随分前に遡る。 ゲームで砂漠に水というより温泉を掘り起こすために、 弓下アリアン・嵐夫妻が、アキリーズ温泉王に依頼。 行った試掘により、見事原油が湧き出す源泉を掘り当ててしまったのが最初である。 場所的に海が近かったので海からとることにした とはいえ、掘り起こしたものは仕方なく。大規模な油田を掘り返すべく海上油田をつくることにした。 海辺は工業地帯が広く分布しており、燃料輸送の利便性と、周囲への影響を鑑みた結果である。 エネルギー政策について 基本方針は燃料の自給自足である。ただし、労働環境や運営にかかるコストを考え、輸入品のが安いのであれば 民間に関しては輸入燃料に依存することを推奨している。軍事面において独立しないのは不安が残るので 他所のコスト高は呑むが、それで経済を停滞させることは国の方針に反する。経済の国らしい判断であった。 このあたりの判断材料については治安維持の情報を含むため、燃料工場でも情報セキュリティの批准が決定された。 情報セキュリティ教育(汎用版) 対象となる範囲 どれぐらいの人間にどの程度教育するのか 工場で働いている人間は優先的に確実に教育すること。 また、出入りの業者や、パートナーとなる企業についても 秘密保持契約を結んで定期的に同じような教育を行ってもらうよう指導していく。 重要な製品を取り扱う工場においては、関連企業の教育が未達成の場合は、取引停止をしてもよい。 工場内部で取り扱う情報について 情報の種類 公開情報 社外に公開されている情報で、パンフレットや社の方針として社外に周知している情報。 公開済みの製品名や、製品制作の簡単なコンセプトなど、広告すべき事象もこれにあたる。 社内情報とその取扱 業務上取り扱う情報のうち、社外の人でも知っている情報以外は、全て社内情報である。 座席表や、社内の連絡先リストなどがこれにあたる。 ここに属する情報は、情報管理規制の対象範囲であり、工場として情報の統制を行う必要がある。 また、必要に応じて社内の開示情報を制限することがあるので社内でも気軽な発言は推奨されない。 社外への持ち出しは、所属長の許可が必要で、離席時は整理整頓すること。帰宅時は机上に書類をおかないこと。 2級秘密情報(関係部門外には秘密) 漏洩時の影響があり、関係部門ならびに関係者以外に開示してはならない情報で、 「市場競争力への影響があるノウハウ情報」「試験データや経理情報など社会的信用への影響がある情報」 「プライバシーへの影響がある個人情報」「契約により開示範囲が限定されている他社の情報」などがあげられる。 工程表や議事録もこちらに含まれるので注意すること。 社外への持ち出しは、所属長の許可が必要で、離席時は整理整頓すること。 帰宅時は施錠されないエリアでは、キャビネットに施錠保管すること。 複製は禁止されてる。 1級秘密情報(関係者以外には秘密) 漏洩時の影響が大きく、関係者以外には開示してはいけない情報。 製品の不具合に関する情報や、事件、事故に関する情報。 設計図、技術資料(新型I=Dのコア技術)、守秘義務により他社から入手した情報などがこれにあたる。 社外への持ち出しは、所属長の許可が必要。また契約により秘密保持が義務づけられている。 離席時・離席時あわせてキャビネットに保管し、施錠管理する。 代表者の許可のない複製や社外への提示は禁止され、処罰の対象になる。 極秘情報 漏洩した場合の影響が深刻かつ重大なもの、ごく限られた者以外に開示してはいけない。 公開前の事業計画(戦略、目論見)や新製品に関する情報、新会社設立に関する情報など 経営首脳陣が扱う情報のほとんどがこれにあたる。 また、第七世界人関連間での情報、TLOに関するもの、星見関連情報なども指定があれば ここに含まれる。 社外への持ち出しは、所属長の許可が必要かつ暗号化による盗難防止策がとられる。 契約により秘密保持が義務づけられている。 書類には全て通し番号をつけ、台帳管理し保有者を明確化しておくこと。 離席時・離席時あわせてキャビネットに保管し、施錠管理する。 取扱責任者の許可のない複製は禁止。漏洩時は重い処分がある。 業務における情報セキュリティ対策 情報資産とその管理について 紙文書や電子データだけではなく、電子データの収められたハードウェアや 情報資産を管理するためのシステムなど、工場及び工場の所属する会社、藩国にとって 価値を持つもの全般を指す。 情報資産台帳を作成する 各チームごとに保有している情報資産がどれだけあるか把握し、 それらの資産をどう扱うべきか理解するために情報資産台帳を作成している。 顧客リストや、見積書、請求書、契約書類、教育マニュアル、人事データなど 必要なデータを列挙すること。 社員証や、印鑑、名刺なども資産としてカウントし、誰がどれだけ使ったか記録しておくこと。 業務時の対応リスト 離席時の対応 離席時には、机やキャビネット内部に保管する。特に重要なものは鍵をかけておく。 印刷時は、すぐにプリンタまで取りに行く。 重要な情報データの複製は、必要最低限に留める。また特に重要なものは管理者に許可を得ること。 データの廃棄方法 社内情報の木足された書類は、廃棄後に再生できないよう、 決められた確実な廃棄を行う。早い話が、簡単にゴミ箱にすてないこと。 構内に書類を廃棄するための回収ボックスを設置し、 収集したものは溶解または焼却処理を行う。 電子データや、媒体にはいったものに関しては媒体を捨てる場合 対応部署を設置し、媒体そのものを物理的に破壊する。 盗難・紛失への対応 外部記憶媒体に関しては、盗難、紛失した場合にそなえ、その全てを事前に暗号化しておく。 持ち出し用の記憶媒体は、各部門で施錠・台帳管理を行い、部門ごとに管理、貸し出し方法の確認を行う。 貸し出し後のデータは削除し、速やかに返却すること。(原則は毎日返却。長期出張時はこの限りではない) 工場の外の対応 外では、誰が話を聞いているかわからないため、いかなるときも業務の話は避けること。 SNSなどでも業務の情報は発信しないこと。 セキュリティーゾーンの設定 重要施設には関係者以外の立ち入りを制限する 工場では、作成しているものの重要度に応じて関係者以外、 立ち入りを禁止するエリアを作成すること。 この禁止エリアに許可のない一般人を立ち入らせる場合は、常に付き添いをおこない。 怪しい人物を内部にいれないようにすること。 禁止エリアの分類 レベル1 工場の門の内側、共用エリアであり、食堂(厨房は除く)などのフリーエリア。 門で来客対応した後は、特に行動制限は行わない。ただし、このレベル1ゾーンの近くに 書類置き場や、プリンタなどは設置しない。 レベル2 工場事務所、工場で製品を作っている内部がこれにあたる。扉などで仕切られており、 社外の第三者に対して、入室・行動制限を行う。基本的に社員の付き添いが必要。 レベル3 I=Dの細かい組み立てや、設計を行う場所。扉などで区切られる、 たとえ社員であっても許可されたもの以外は入室制限が行われる。 レベル4 コンピュータルームや、サーバなど、I=Dのコアな設計情報が詰まったデータが追いてある部屋。 ロックされた扉で区分けされており、特別に許可されたもの以外の入室・行動制限を行う。 ここは特殊で、工場内部で暴動がおきたとしても、ロックをかけ一週間は外に出なくても 済むよう、食料・水の備蓄を常に行なっている。 社員への教育の実施 教育の詳細 概略 情報セキュリティ教育とは、工場内部で利用している技術情報、機密情報の 取扱ルールについて教育するものである。原則、年に一回行い、教育後、 秘密情報の取扱について誓約書を提出する。 情報の重要性 工場内部で作られるものには「軍事機密」が含まれる。 特に新しいI=Dの技術などは、流出することで、他国に多大な迷惑をかけることになる。 それを事前に防ぐためには、一人ひとりの自覚と対策が必要になるのだ。 年間計画 情報セキュリティ教育は、年間を通して行われる。内容は下記の通り。 ・各部門(担当部署・チーム)の担当者を制定する。この担当者は年ごとに各部署の社員が持ち回りで行う。 ・担当者を集めて、情報セキュリティ部門からの説明及び資料の配布を行う。 ・担当者は、資料をもとに、各部門での具体的な運用、手順を補足説明する。 ・担当者は説明後、チームメンバーに誓約書を書いてもらう。 ・その後、二ヶ月おきに、情報セキュリティ教育の結果が出ているか抜き打ちテストをおこなう。  テストは選択式で、担当者が配布・回収する。点数が低いメンバーについては補足説明をおこない理解してもらうこと。 過去の問題点 過去、情報漏えいになりかけた事例の8割は、盗難、紛失であり 残り1割は私有機器の使用であった。 主原因は、基本ルールが守られていないことにあり、移動前のチェックシートでの 現物確認忘れ、手元から離す、本来必要ではなかった持ち出し(出張等)、返却せずに借りっぱなしなどがある。 年に一度、基本ルールを徹底し「このぐらいはよいか」と思わせないことが重要である。 情報教育の実施と理解度の確認 年に一度、部門の情報セキュリティ担当者は、メンバーに対し、下記の教育を行い 機密情報保持契約を更新すること。 ・この工場の情報には、どんなものがあるのか ・情報が漏洩した場合、どのような被害があるのか ・業務上に注意すべき点 所在地 実のところ不明にしたいがだいたいコウベ沖 セキュリティ面から不明にしておきたかったが、実際はコウベの沖合、 リアルでいうところの神戸空港の近くに人工島を作って発掘作業をしている。 海上燃料プラットフォーム概要(帝國共通版) 石油プラットフォームの構造と安全対策 化石燃料の掘削・生産のための海上構造物 石油プラットフォームは、海底から石油や天然ガスを掘削・生産するために必要な労働者や機械類を収容する、海上に設置される大きな構造物である。 人工島もしくは浮かせた構造物 石油プラットフォームは、環境に応じて、プラットフォームを海底につないで人工島にするか、あるいは浮かせた状態にする。 設置における大陸棚もしくは深海対応 一般的に、石油プラットフォームは大陸棚に設置されるが、技術の進歩に伴いより深海での掘削・石油生産が可能になり、石油価格の高騰に伴いコスト的にも見合うものとなる。 指向性の掘削技術による技術向上 指向性の掘削技術により、1つのプラットフォームから異なる深度の複数の場所(約8km以内)に向けて、30ほどの坑井の掘削を行うことが可能である。 アンビリカルケーブルに接続された遠隔坑井 多くのプラットフォームでは、アンビリカルケーブルに接続された遠隔坑井があり、そこからさらに多数の坑井に分岐していることもある。 プラットフォームはいくつかの異なる種類に分類される 石油プラットフォームは、移動可能な構造物としては比較的大きい部類に属する。プラットフォームはいくつかの異なる種類に分類される。 衝撃に耐えられる人工島構造 プラットフォームはギザギザの淵を持っていて氷山の衝撃に耐えられるようになっており、小さなコンクリート製の島のように設計されている。 海底に設置されている重力着底型構造物 海底に設置されている重力着底型構造物は、貯蔵タンク以外の部分はバラストで占められており常にその安定性に寄与している。 防火壁で区画された複数のモジュールで構成 プラットフォームは、防火壁で区画された複数のモジュールで構成されている。安全上の考慮により危険な工程は人員を配置する場所から離れて行われるよう各モジュールは設計されている。 安全基準としてのシステムつくりとその義務 プラットフォームの安全基準として、情報伝達の瑕疵・防火壁の不十分さを避けるシステムつくりを義務付けられている。 安全構造として消化ポンプや非常口 安全構造として、ガスラインを閉鎖し消火ポンプを作動させる安全システムの構築、従業員の非常口を充足させることが義務付けられている。 石油プラットフォームの事故と安全リスク 石油プラットフォームの典型例として、厳しい環境の中で、しばしば非常に高圧で振る舞いの予想しづらい物質を掘り出すというその運営の本質上、リスクを含んでおりごく稀に事故に見舞われる可能性がある。 自己軽減のためのリグの分割 事故に見舞われる可能性を軽減するために、石油採掘に使うリグから居住区画を離して別なリグに設置するという教訓が得られている。 テロの攻撃目標化とみなす対策 石油業界に絡む反対運動や陰謀、あるいは石油や天然ガスの経済に占める重要度から、プラットフォームはテロリストの攻撃目標になりうると考えられている。 プラットフォーム攻撃への対処訓練・避難訓練 テロリストの攻撃目標になりうると考えられているため、海上のテロ対策に関係する当局は、しばしばプラットフォーム攻撃への対処訓練・避難訓練を行っている。 環境への影響とプラットフォームの廃棄リスク プラットフォームを撤去するのに、浮力タンクに溜まった重金属が水の中に浸透するという問題が、その廃棄に際してはリスクがある。 解体未了のプラットフォームによる漁船の損害 完全に解体されずに残ったプラットフォームの位置を船舶が通過する時の問題もあり、漁船が網を引っ掛けるなどの問題がある。 プラットフォームの人工漁礁に転用および、その未来への展望 多大な費用を掛けて撤去するのではなく、人工漁礁に転用されている。その地域の魚種にとってプラットフォームが隠れ場所となっていることを発見したためである。 プラットフォームの構造的な違いと種類 固定式プラットフォームの構造 固定式の概要とその構造 ジャッキアップ型、甲板昇降型とも呼ばれる。石油掘削装置を搭載した主たる船体部分と、昇降可能な脚で構成される。 固定式のコンクリートや鋼鉄でできた脚 固定式プラットフォームは、コンクリートや鋼鉄でできた脚(レグ)を持ち、その脚を直接海底に固定して建設される。 固定式の掘削設備や石油の生産設備 固定式プラットフォームは、脚の上に掘削設備や石油の生産設備、作業員のための設備などを設置するデッキを載せている。 固定式の長期間の使用を想定しての設計思想 固定式プラットフォームは、固定されていて動かない性質を利用して、長期間の使用を想定して設計されていることが主である。 固定式の素材は鋼鉄やコンクリート 固定式プラットフォームの素材としては、鋼鉄やコンクリートのケーソンなどが用いられる。鋼鉄のケーソンは、中空の鋼鉄の管のようなものを使い、海底にねじ込まれる。 ケーソンのコンディープと呼ばれる構想 コンクリートのケーソンは、コンディープと呼ばれる構想によって使われるようになり、内部が石油を貯蔵できるタンクになっていることが多い。 固定式のタンクとケーソンによる浮揚 タンクはケーソンを浮かせるためによく用いられ、海岸付近で建設して設置位置まで輸送して、海底に沈めて設置するために用いられる。 固定式の深さの経済的指標 固定式プラットフォームは、その構造上、約520mほどまでの深さならば経済的であると言われる。これは深度による掘削限界との兼ね合いである。 コンプライアント・タワー 細くて柔軟な塔状の構造物を積み重ねた基礎の上に設備を収容 コンプライアント・タワーは、細くて柔軟な塔状の構造物を積み重ねた基礎の上に、掘削生産設備を収容したデッキを載せているものである。 コンプライアント・タワーの深さの経済的指標 コンプライアント・タワーは横方向の大きなたわみや力に耐えられるように設計され、深さが450mから900mくらいまでの範囲で使用される。 コンプライアント・タワーの輸送と投下と海底への着底 コンプライアント・タワーは、横倒しにして艀で運送される。そのあと海中に投下し、直立させたうえ海底へ着底させる。 半潜水式プラットフォーム(セミサブ型、半潜水型)とは 半潜水式の脚部は海の中にある 半潜水式プラットフォーム(セミサブ型、半潜水型)は、全体としては海に浮いている構造である。脚部は海の中にある。 半潜水式は浮力と重量を持つ 半潜水式プラットフォームは、構造物を浮かせられるだけの浮力を持ちながら、構造物の上部を上に向けて立っていられるだけの重さを持っている。 半潜水式は場所や深度を移動させることが可能 半潜水式プラットフォームは、場所を移動させることが可能で、浮力タンクに水を入れることで上下させることも可能である。 半潜水式と自動船位保持装置 半潜水式プラットフォームは通常、掘削作業中は錨を入れて固定するが、自動船位保持装置によっても場所を設定することができる。 半潜水式の深さの経済的指標 半潜水式プラットフォームは、180mから1800mほどまでの深さで使用可能でで、水深の深い海底油田の掘削が可能となる。 半潜水式は海象の厳しい海域での稼働が可能 半潜水式プラットフォームは、船体の揺れも少なく安定していることから、海象の厳しい海域での稼働が可能である。 甲板昇降式プラットフォーム 甲板昇降式の移動と稼動方式について 甲板昇降式プラットフォームは、ジャッキアップ式とも呼ばれ、船のように移動して、備え付けられた脚を海底に降ろして接地させる。 甲板昇降式の深さの経済的指標 甲板昇降式プラットフォームは、潮流などの自然環境に合わせて甲板をジャッキアップして設置する。浅い海でのみ用いられる。 緊張係留式プラットフォーム(TLP) 水に浮く構造物をケーブルで海底に固定 緊張係留式プラットフォーム(TLP: Tension-leg platform)は、水に浮く構造物をケーブルで海底に、ほとんどの縦方向の動きが起きないような方法で固定したものである。 構造物には強い浮力が掛かるように設計 緊張係留式プラットフォームは、構造物には強い浮力が掛かるように設計されており、ケーブルで海底へ強く引っ張ることでほとんど移動しない構造物を実現している。 緊張係留式の深さの経済的指標 緊張係留式プラットフォームは、2000mほどの深さまで使用される。従来からの緊張係留式プラットフォームは、セミサブのような4つのコラムを備えた構造をしている。 MOSES mini TLPについて MOSES mini TLPと言われるものはより低コストで、200mから1100mほどの範囲で使用される。mini TLPは深海探査における初期生産プラットフォームなどとしても用いられる。 無人設備(Normally unmanned installation) 無人設備の構成と小型対応 無人設備(Normally unmanned installation)は、デッキとヘリパッド、緊急のシェルターで構成された小さなプラットフォームである。 無人設備による遠隔制御 通常の運営では遠隔制御で動くように設計されており、定期保守作業やその他の作業の必要な時にだけ作業員が訪問する。 掘削船あるいはDrillshipの運用 掘削設備を備えた船 掘削船あるいはドリルシップ(Drillship)は、掘削設備を備えた船である。主に深海において新しい油井の探査掘削を行ったり、科学探査を行ったりするために用いられる。 補修・仕上げ作業の石油プラットフォーム 油井に管を通したりバルブを取り付けたりといった補修・仕上げ作業の石油プラットフォームとして用いられることもある。 新規建造もしくはタンカーの船体を改造 海上油田の業者や出資者の設計と仕様に基づいて建造されるが、タンカーの船体を改造して油井上に位置を保つための自動船位保持装置を搭載して造られることもある。 2500m以上の深海で掘削する能力 掘削船が持つ最大の利点は、2500m以上の深海で掘削する能力があり、高速で移動できるので油田の間を移動するための時間を節約でき、半潜水式掘削装置やジャッキアップ・リグなどと比べて完全に自立していることである。 掘削するためのライザーと防噴装置 掘削するために、掘削船からライザー(Marine riser tensioner)と呼ばれるパイプが海底へ下ろされ、その最下部に油井と接続する防噴装置(Blowout preventer)が取り付けられている。 探査掘削を行う手段のうちの1つ 掘削船は探査掘削を行う手段のうちの1つであり、他に半潜水式掘削装置(セミサブマーシブル)やジャッキアップリグなどで行うことができる。 プラットフォームへの整備と輸送と補給 エネルギーと水の供給 典型的な石油プラットフォームはエネルギーと水の供給については自給自足で、発電設備を備え海水の脱塩処理により水を作り出している。 生産設備は環境への影響を最小限に設計 石油やガスを生産するために必要な設備も全て備えられており、全ての生産設備は環境への影響を最小限にするように設計されている。 生産した原油やガスの貯蔵と輸送について 生産した原油やガスは、石油タンカーかLNGタンカーかパイプラインで地上へ送られるか、浮体式貯蔵設備や積出設備に送られるようになっている。 石油やガスの生産・処理に用いられる装置 石油やガスの生産・処理に用いられる装置は、坑口装置(wellhead)、分岐管(manifold)、不純物分離装置(セパレータ、production separator)、ガス乾燥装置、ガス圧縮装置、注水ポンプ、石油・ガス計量装置、主油ポンプ(main oil line pump)などである。 緊急支援船による問題対応 大型のプラットフォームは、小さな緊急支援船(ESV: Emergency Support Vessels)に支援されており、例えば捜索救難活動が必要になった場合など、何か問題が起きた場合に呼び出される。 牽引船による補給・救難・消防 牽引船(AHTS: Anchor Handling Tug Supply Vessels)も補給を行うと共に、プラットフォームを所定の位置へ牽引し、救難・消防船として待機している。 プラットフォーム補給船(PSV: Platform Supply Vessels) 補給船が常にプラットフォームへ補給を行う。 通常の運営が行われている時は、プラットフォーム補給船(PSV: Platform Supply Vessels)が常にプラットフォームへ補給を行う。 海上の石油プラットフォームへ補給を行うための設計 プラットフォーム補給船(Platform supply vessel、略PSV)は、海上の石油プラットフォームへ補給を行うために特別に設計された船である。 支援船の機能と任務 これらの支援船は全長が20~100mほどあり、様々な任務をこなす。これらの船の主な機能は石油プラットフォームやその他の沖合い施設へ、あるいは施設から、物資や人員を輸送することである。 支援船の積み荷と主な機能 プラットフォーム補給船の主な機能は、石油プラットフォームへ補給物資を輸送し、その他の積み荷を陸へ持ち帰ることである。 支援船のスペース内容物 ばら積み貨物のスペースには、掘削によって発生した泥、粉末セメント、ディーゼル油、飲料・非飲料用水、掘削過程で用いられる化学薬品などのタンクがある。 支援船では物資輸送であって原油輸送には用いない 石油プラットフォームは燃料、水、化学薬品をほとんど常時必要としている。ある種の化学薬品は適切にリサイクルし廃棄するために陸へ返却する必要があるが、油井で産出した原油は通常はプラットフォーム補給船によって輸送することはない。 支援船の甲板上の設置 これらの船の大きな甲板を使って、一般的な道具やまた専門的な道具を輸送する。多くの場合、甲板上の積み荷と甲板下のばら積み貨物タンクの両方で組み合わせて輸送する。 支援船の任務遂行と消防能力 多くの船はある特定の仕事を遂行するように建造され、あるいは改造されている。これらの船の中には石油プラットフォーム火災に対して消防能力を備えているものもある。 支援船の石油流出抑制と除去設備 石油流出を抑制し、海に漏れた石油を除去するための設備を備えているものもある。また、既存の油井に対してその生産能力を増大させるための道具や化学薬品、人員を乗せている船もある。 石油タンカーについて 石油タンカーの構造と運用 石油タンカーの基本的な分類 石油タンカーは、石油をばら積みで運ぶために設計された船である。石油タンカーには2つの基本的な分類があり、原油タンカーとプロダクトタンカーに分けられる。 原油タンカーとプロダクトタンカー 原油タンカーは大量の原油を油田から製油所まで輸送する。プロダクトタンカーは一般的にかなり小さく、石油化学製品を製油所から消費市場の近くまで輸送するために設計されている。 大きさによるタンカーの分類 石油タンカーは、その使用目的だけではなく大きさによっても分類されている。載貨重量トン数にして数千トン程度の内水面・沿岸用タンカーから、巨大なマンモススーパータンカーまである。 特殊化した石油タンカー 特殊化した石油タンカーとして、動いている船に燃料を補給することのできる補給艦がある。標準の石油タンカーの設計の派生形としては他に、鉱石・石油兼用船などがある。 独立区画に分割されている石油タンク 石油タンカーは一般に8つから12のタンクを備えている。各タンクは前後方向の間仕切りにより2つから3つの独立区画に分割されている。 防油区画(cofferdam) 石油タンカーの防油区画(cofferdam)は、熱・火災・衝突防護のために2つの間仕切りの間に空けられた小さな区画である。 防油区画の船体配置箇所 タンカーは通常タンクの最前部および最後部に防油区画を備えており、個別のタンクの間に備えていることもしばしばある。 タンカーの積み荷配管につながるポンプ室 ポンプ室にはタンカーの積み荷配管につながっている全てのポンプを収容している。ポンプ室は通常船の全幅に渡って設置されている。 バラスト水を入れて安定させる 二重船殻設計の利点としては、緊急事態に際してバラスト水を入れて安定させることが容易であり、積み荷のタンクに海水をバラスト水として入れる必要を減じて腐食を少なくしている。 二重船殻設計の利点と安全性メリット 環境保護の観点から好ましく、積み荷の積み降ろしがより速く完全で簡単にでき、タンクの洗浄が効率的で、衝撃の小さな衝突事故や座礁事故に際して保護となる。 二重船殻設計のバラストタンクの整備・清掃性 二重船殻設計の欠点として、建造価格が高価で、バラストタンクの換気と清掃が困難で、バラストタンクの継続的な監視と整備が必要である。 二重船殻設計の欠点と構造的デメリット 横方向の自由表面を広げ、保守しなければならない表面積が増え、蒸気検出システムが必ず備わっていなければならないことがある。 不活性ガスシステムについてその運用 不活性ガスシステム防衛機構 燃料油それ自体はとても発火しづらいが、その炭化水素ガスはある濃度で空気と混合されると爆発性がある。石油タンカーの不活性ガスシステムはその防衛機構である。 不活性ガスを注入するその目的 不活性ガスシステムの目的は、不活性ガスを注入し、タンクの内側に炭化水素ガスが燃えることのできないような環境を作ることである。 蒸気が発火できる最小濃度 炭化水素ガスと空気の混合しているところに不活性ガスが送り込まれることにより、蒸気が発火できる最小濃度(下限界)が大きくなる。 燃焼可能範囲が消滅する濃度 不活性ガスが送り込まれることにより、蒸気が発火できる最大濃度(上限界)も下がる。タンク内の酸素の濃度が11%以下になった時、上限界と下限界は収束して燃焼可能範囲が消滅する。 酸素の濃度が5%未満の空気 不活性ガスシステムは酸素の濃度が5%未満の空気を送る。タンクから積み荷が排出されるにつれて、この不活性ガスが充填されて次の積み荷が積み込まれるまで安全な状態を保つ。 ガスを安全に追い出す作業 タンクから炭化水素ガスを安全に追い出す作業は、炭化水素ガスの濃度が約1%を下回るまで不活性ガスで追い出すことによって実施される。その結果、不活性ガスを空気が置き換えても、炭化水素ガスの濃度は下限界まで到達することはなく安全である。 石油の積み込み 石油を船のタンクに流し込む 石油タンカーへの積み込みは、ポンプで石油を船のタンクに流し込むことによって行われる。石油がタンクに入るにつれて、タンク内の空気を何らかの方法で排出する必要がある。 タンク内の空気の移送先 タンク内の空気は大気中に放出されるか、あるいは空気戻し配管によりポンプステーションへ送り返される。また、釣り合いを保つために積み込み作業中にバラスト水を移動させることが普通である。 積み込みは低圧でゆっくりと開始 積み込みは、設備がうまく動作していて接続がきちんとしていることを確認するために、低圧でゆっくりと開始される。 満タンになる状態はとても危険な時期 積み込みが安定した圧力になり、タンクがほぼ一杯になった「topping-off(満タン)」の段階まで維持される。満タンになる状態は石油を扱う上でとても危険な時期であり、取り扱い手順は特に注意深く行われる。 タンクの複数の異なる計量装置 タンクの計量装置により担当者はあとどれくらいタンクに空間が残っているかを知ることができるようになっており、全てのタンカーは少なくとも複数の異なる計量装置を備えている。 バルブの動作による最終的な停止 タンカーが石油で満たされるにつれて、乗員はバルブを開いたり閉じたりして石油の流れを変え、ポンプ設備と緊密に連絡をとって石油の流れを減らし最終的に止めるようにする。 タンカーからの積み降ろし 船に設置された積み荷ポンプ タンカーから石油を積み降ろすのは積み込みの逆回しに似るが、その際に石油を陸上へ送るために用いられるのは船に設置された積み荷ポンプである。 接続がきちんとしていることを確認 積み込みのときと同じ様に、設備がうまく動作していて接続がきちんとしていることを確認するために、低圧でゆっくりと開始される。その後、安定した圧力となり積み降ろし作業中維持され タンクの石油残量・接続箇所や船のポンプ室 積み降ろし作業中、タンクの石油残量が注意深く監視され、またマニフォールドの接続箇所や船のポンプ室など重要な場所も監視される。 地上側の受け入れ設備と緊密な連絡 担当者の指示の下、船員がバルブを開いたり閉じたりして石油の流れを変え、地上側の受け入れ設備と緊密な連絡を取って石油の流れを減らし、最終的に停止させる。 石油タンクの清掃とその諸注意 石油の種類の変更にともなうタンクの清掃 時によって異なるが様々な理由によりタンクを清掃する必要がある。タンク内に入れて輸送する石油の種類を変更するということがあるためである。 石油蒸気の無い状態の確保への保守検査 タンク内に入って検査したり保守したりする必要がある時には、単に清掃するだけではなく石油蒸気の無い状態にしなければならない。 専用の原油洗浄システム ほとんどの原油タンカーでは清掃用に専用の原油洗浄システムが備えられており、タンク洗浄システムを通じて積み荷の一部を循環させることで、ワックスやアスファルト状物質を取り除くようになっている。 可搬式の自動タンク洗浄装置 粘り気の少ない積み荷を輸送するタンクは水で洗浄される。高圧ウォータージェットでタンクを洗浄する備え付け、あるいは可搬式の自動タンク洗浄装置が広く用いられている。 回転式の高圧ウォータージェット こうしたシステムの中には回転式の高圧ウォータージェットによってタンク内面すべてに湯を吹き付けるために用いるものもある。 原油を抜いてから入念な洗浄作業 船舶は検査や修理のために定期的な入渠が求められるが、その前には必ず原油を抜いてから入念な洗浄作業を行う。この時、使用される洗浄作業によって汚れた海水は、油槽の底からポンプで吸い出されて船内のスロップタンク(Slop tank)へ送られる。 スロップタンク(Slop tank) スロップタンクは、原油輸送時には他の油槽と同様に原油で満たされるが、油槽の洗浄時には油水分離槽として用いられる。 スロップタンク内の汚水とその行き先 スロップタンク内の汚水は十分な時間の後に油が上に浮いた下側のほぼ清浄な海水だけが船外へ排出され、油は適正な成分か確認されてから陸上施設へと送られる。 新鮮な空気をタンクに送り込んでガスを追い出す タンクが洗浄された後、タンクは石油蒸気の無い状態にされることがある。これは新鮮な空気をタンクに送り込んで溜まっていたガスを追い出すなどの方法がある。 石油蒸気が無い(free)状態 特別に訓練された人員が環境中の炭化水素ガス濃度を計測できる携帯ガス計測器によりタンクの環境を監視する。濃度がタンカーの規制で定められたある値を下回ると、タンク内に石油蒸気が無い(free)状態と宣言される。 手作業での清掃作業とその必要装備・人員 石油蒸気がなくなった後、手作業での清掃作業がさらに行われることがある。この作業には、閉鎖環境への立ち入り手続き、防護服、指定された安全管理者、人工呼吸器の使用が必要である。 LNGタンカーの解説 LNGタンカーの概要と構造システム LNGとタンカーの運用形態 LNGタンカー(liquefied natural gas tanker)あるいはLNG船(LNG carrier)は液化天然ガス(LNG)を専門に輸送する船舶である。液化天然ガスは比重が軽く0.5以下であり、メタンを主成分としていて-161.5℃以下でなければ常圧下で液体とはならない。 LNGタンカーの低温断熱タンクと特徴的な外観 LNGタンカーには、大型の低温断熱タンクを船体内に複数備えているため特徴的な外観である。内部には極低温のLNGが充填される。 LNGタンカーの喫水線上の船体シルエット LNGタンカーは、船体に対する荷の体積が必然的に大きくなり、船体のシルエットでも喫水線上の部分が大きく見える。 LNGタンカーの加圧タンクや断熱層と輸送積載量利点 LNGタンカーは、加圧タンクや断熱層を備えているが、原油の比重約0.85と比べてもかなり軽いため、他のタンカーと比べても輸送量が大きい事が特徴。 LNGタンカーの船体構造体と安全配慮 LNGタンカーは、超低温条件下でも船体構造材が脆性破壊を起こさない工夫や火気に対する安全配慮が図られている。なお天然ガスの発火温度は632℃であり、火焔速度は38cm/秒と比較的遅い。 LNGタンカーのタンクの構造と種類 LNGタンカーのタンクの形状と列配置など タンクの形状には独立球型、メンブレン型、独立角型、独立円筒型などがあり、4個から10個程度のタンクを船体内に一列に備え、上部は甲板上に出ていることが多い。 LNGタンカーのタンクの断熱材と保護構造 メンブレン型を除けば、独立支持タンクがLNGに圧力をかけて保持しており、その周囲は断熱材で囲まれている。いずれの形式でも船体は二重船殻構造をとり、事故からタンクを保護している。 球形タンク方式の概要と素材内容 タンクが船体から独立しており、それ自身で内部のLNGを閉じ込めるための圧力を維持し、LNGの重量を受け止める方式。アルミ合金、9%ニッケル鋼、ステンレス鋼が使われている。 球形タンク方式の構成を支える強靭な合金 極低温に曝されるLNGタンクを構成する部材は、極低温下でもタンク内を高圧に保つために強靭でなければならない為、極低温にも耐える合金が使われる。モス(Moss)方式などLNGタンカーの古くからの方式。 球形タンク方式の熱変化に対応する形状の趣旨 高圧に耐えると同時に内部への熱の侵入を最小にするために球形となる。熱変化による膨張と収縮が起きるため、船体への固定方法にも工夫が求められる。 球形タンク方式の支持と船体への溶接 船体からは独立した球形タンクの赤道部が円筒状の金属製のタンク支持部(スカート)の上端で支えられ、支持部下端は台座甲板と呼ばれる船倉内壁に溶接される。 球形タンク方式の構造解析と安全性による検査空間の確保 力学的な構造解析が完璧に出来るため、安全性を確保しながら部材厚を薄く出来ると共に、検査や保守の為の空間が船倉内で確保されている。 球形タンク方式の生産性と整備性と品質管理 溶接箇所が少なく単純な突合せ溶接のみで建造できるため、短工期で作られて、品質管理が容易となる。また自動溶接にも対応しやすい 球形タンク方式の空間利用効率のデメリット 球形であるため船倉の空間利用効率が悪く、もともと重量の割りに大きな体積を占めるLNGという貨物の特徴もあり、大きな球状タンクの上部が上甲板から大きく飛び出した位置での積載が求められてしまう。 球形タンク方式の衝撃吸収度による安全性の高さ スロッシング衝撃が小さい(船体の揺れによる被害を緩和できる)また、船体の多少のひずみがそのままタンクの変形とはならないため、他船との衝突や座礁などの事故発生時にも漏洩などに対する安全性が高い。 メンブレン方式による改善案とその構造 メンブレン方式とは、球形独立タンクの欠点を改善するために開発された方式。内部のLNGの圧力と重量をタンクだけでなく船体も使って受け止める方式。 メンブレン方式の柔軟な強度とその素材内容 タンクは薄膜と呼んでも良いくらいの厚みの低温対応のインバー合金で作り、タンク支持を兼ねる断熱材をはさんで船体そのものによって保持され強度が保たれている。収縮による変形にも柔軟に対応することができる。 メンブレン方式の船体との設置とその強度負担分散 タンク外壁は船倉内壁と密着しており、薄いタンクは密閉と超低温を維持する機能だけを担い、圧力や重量の支持は船体が負担する。 メンブレン方式の見晴らしの良さと重量メリット 四角い船倉空間を無駄なく使えるために上甲板からの突出が少ないため見晴らしが良く、タンクの重量も軽く出来るという利点が大きい。 メンブレン方式の空間利用効率メリット 船倉の空間利用効率が良いため、搭載量増大と上甲板上の突出を最小限に出来る。タンクの熱容量が小さいために積卸時の熱の無駄が少ない。 LNGタンカーの船体構造と設計趣旨 LNGタンカーの二重船殻構造安全性 二重船殻構造安全性や断熱性、タンクの特殊な形状を吸収する必要性などによって、全てのLNGタンカーは二重船殻構造を備える。 LNGタンカーの二重船殻設計の歴史的経緯 二重船殻構造は初期のLNG船の設計においてLNGが漏れた場合にタンクを収めた船倉部に海水を導入することで極低温のLNGが直接船体を冷やすことがないように考慮された名残でもある。 LNGタンカーの極低温による船体の脆性破壊を避ける工夫 二重船殻構造設計は「Floodable cofferdam」と呼ばれ、極低温による船体の脆性破壊を避ける工夫であったが、船倉に海水が入っても十分な浮力を確保するために二重船殻とされたものである。 LNGタンクにかかる衝撃の加速度想定 LNG船では安全のためにLNGタンクにかかる衝撃を加速度として規定されている。前と左右で0.5G、後ろで0.25Gである。 タンク内壁の破損を避けるための隔壁設計 隔壁タンク内のLNGは流動性を持ち「復原性に対する自由水影響」による船体の不安定化や「スロッシング」によるタンク内壁の破損を避けるために、隔壁によって仕切られている。 安全空間の確保とその設計理念 機関室は安全のため、タンクの後方に配置し、タンクとの間を空き部屋やポンプルーム、燃料油により隔離するように設計されている。 LNGタンカーの運用各種設備の解説 LNGタンカーの燃料と推進プラント 航行中に気化した天然ガス(ボイルオフガス(BOG))を再液化するのは難しかったため、LNGと重油の両方を燃料とする「二元燃料ディーゼル・エンジン」(DFD)や重油のみを燃料とする「重油専燃ディーゼル・エンジン」(DRL)の採用がある。 LNGタンカーの今後の展望と新規推進機関 二元燃料ディーゼル・エンジンでは、ボイルオフガスの再液化を船上で行なえる小型再液化装置の実用化が要因となっており、今後は二元燃料ディーゼル発電・電気推進機関を筆頭にいくつかの電気推進船が登場している。 バラストタンク LNGタンカーはその荷物の性質上、常に片道は荷物を積まない状態で運航されている。そのような、タンク内が空の時には、専用のバラストタンクに海水を注水して浮力の相殺を行なう。 荷役のポンプ 搭載時には積荷であるLNGは陸上よりLNGタンカーにポンプで送り込まれるが、揚荷の場合にはLNG船側のポンプによって送出される。 双方の加圧状態を保つ 受け取る側のタンクからは同容積のLNGガスをやはり送る側がポンプによって送出することで、双方の加圧状態を保ち、空気の侵入を許さない。 イナートガスと空気を入れ替える安全対応 荷役時や検査のためにLNGタンクを空にして空気で満たす場合など、LNGタンク内部がLNGガスと空気の混合状態になるあらゆる場合に、空気の代わりに一度イナートガスを送り込んで、LNGガスが十分排出された後にイナートガスと空気を入れ替える。これにより爆発・燃焼といった事故が防げる。 救急救命艇の配備 油槽船やLNG船で火災が発生した場合には大きな火炎となって周囲を焼き尽くす事態が考えられるため、これらのタンカーでは特別に設計された救命艇が装備されている。 救命艇の準備対応と射出 45度ほどに傾けて後部甲板等に用意された自由降下式救命艇に必要な避難乗員が搭乗して準備が整うと、斜めの角度で海面に向けて落下して衝撃と共にはずみで火災現場である本船から遠ざかる。 救命艇の散水システムと避難 この救命艇は全体が密封可能なカプセル状になっており、低速ながら自航して屋根に散水しながら避難が可能となっている。 救命艇の酸素確保と耐火装備 火炎によって周囲の酸素が失われる場合に備えて、1時間ならば艇内に備え付けの酸素ボンベによって乗員の呼吸が可能になっている。 浮体式貯蔵設備の内容・分類・運用 浮体式生産貯蔵積出設備(floating production, storage and offloading) 浮体式生産貯蔵積出設備(floating production, storage and offloading、略称:FPSO)は海洋上で石油や天然ガスを生産・貯蔵・積出する浮体式施設である。 石油の処理設備を備えた大きな船 浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)は、いわば石油の処理設備を備えた大きな船であり、長期間にわたって一地点に固定されて使用される。 浮体式生産システムの種類 浮体式生産システムには、浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)、浮体式貯蔵積出設備(FSO: Floating Storage and Offloading)、浮体式貯蔵設備(FSU: Floating Storage Unit)などの種類がある。 船舶状の形状をしているプラットフォーム 浮体式生産貯蔵積出設備の多くが船舶状の形状をしている石油プラットフォームの一種で、炭化水素を処理し貯蔵する施設を持つ。 浮体式の取出・貯蔵・輸送システム 近隣の石油プラットフォームか海中のテンプレートから炭化水素を輸送し石油やガスを取出・貯蔵し、タンカーで積み出すか、パイプラインで輸送する。 海洋沖で利用される生産貯蔵システム 浮体式生産貯蔵積出設備は比較的容易に設置出来、石油輸送の為の固定パイプラインの設置が必要ではないため、主に海洋沖で利用される。 浮体式の建設期間の短縮化が可能 浮体式生産貯蔵積出設備により陸上基地では必要となる土建工事やLNGタンク建設工事が不要となり、また現地での規制による手続きが比較的早いため、建設期間の短縮化が可能となる。 浮体式の費用削減・移動柔軟性 石油生産の費用を削減でき、設備は移動させることが可能であり、緊急対応や他場所への転用が可能となる、生産の柔軟性などが得られるという長所がある。 ターレットスタイルの繋留システム 浮体式生産貯蔵積出設備は通常海底に繋留されている。天候が荒れる傾向のある地域では、ターレットスタイルの繋留システムが用いられることがある。ターレットシステムにより設備を回転させて海のうねりと風の影響が最小になるようにできる。 タンカーの船体を流用される場合 浮体式貯蔵積出設備や浮体式生産貯蔵積出設備はしばしば役目を終えた古いタンカーから改造されるが、新しい船体が建造されることもある。 生産設備を持たず、貯蔵・積出のみ主目的とする場合 生産設備を持たず、貯蔵・積出のみを目的としたものはFPSOの中でもFSO(浮体式貯蔵積出設備、floating storage and offloading vessel)と呼ばれる。 液化天然ガスを積み下ろし常温・常圧化し貯蔵する場合 液化天然ガスをLNGタンカーから積み下ろし常温・常圧化し貯蔵、その後陸上パイプラインなどに送出する浮体式設備は、FSRU(浮体式貯蔵再ガス化設備floating storage and regasification unit)と呼ばれる。 再ガス化工程を伴わず貯蔵を主目的とする場合 液化天然ガスの再ガス化工程を伴わず貯蔵を主目的とする場合はFSU(浮体式貯蔵設備、floating storage unit)と呼ぶ。 プラットフォーム乗組員・作業者 個別の乗組員の人数や構成 プラットフォームにより乗組員の人数や構成は大きく異なっている。プラットフォームは本質的にかなりのコストが掛かるものである。 作業員の作業時間とシフト体系 作業員は日勤と夜勤の8~12時間程度までのシフト勤務として、2チームの完全な乗組員の組み合わせが常時乗り組んでいる。作業員は定期的に交代しており、2週間から4週間程度の陸上での休暇がある。 プラットフォームの使用設備と福利厚生 プラットフォームには、作業員のための居住スペースとして寝台、ロッカー、私物収納スペースなどがある。また洗面台、シャワー、トイレなどがある。 プラットフォームの各運用スペースと区画 プラットフォームには、メイン作業指揮施設、機械区画、居住・調理スペースがある。娯楽スペースやカフェテリアを備えているものもある。 プラットフォームの調理と食事の対応、栄養補給の完備 プラットフォームには、調理・食事スペースとして、想定される期間に十分な食料品が保管されている。冷蔵庫や冷凍庫、業務用のオーブンなどが調理担当者のために用意されている。 プラットフォームの常勤の乗組員 業務管理 ここに示した全ての職種が全てのプラットフォームにあるわけでは必ずしもなく、小さなプラットフォームでは1人が複数の分野を受け持っていることもある。 プラットフォームの最高責任者 OIM(Offshore Installation Manager):勤務シフトの間、プラットフォームの運営に関して決定を行う最高責任者 運用基幹要員 OTL(Operations Team Leader):プラットフォームにおける作業運営上の責任者 OOE(Offshore Operations Engineer):プラットフォームにおける技術上の責任者 石油生産の船舶運用責任者 Dynamic Positioning Operator:航法、船の操作、プラットフォームの管理、事故時の消防設備の操作 2nd Mate、3rd Mate:旗国の定める人員要求を満たす、救難船の操作、貨物の取り扱い、消防班のリーダー 石油生産要員 石油生産要員 管制室オペレータ:特に生産設備のあるプラットフォームに必要 生産技術者:生産プラントの運営 バラスト管理者:バラストの管理、消火システムの操作 設備構築要員 設備構築要員 クレーン操縦手:プラットフォームの周りでのクレーンによる荷役作業 足場職人:高所作業が必要な時に作業員用の足場を組む 機械・電気の保守技術者 施設周辺要員 施設周辺要員 給仕:料理・洗濯・掃除などの雑用 舵取り:救命ボートの管理と操作 ヘリコプターパイロット:ヘリコプターにより乗務員を他のプラットフォームへあるいは陸上へ輸送する 必要時に配置される要員 掘削関連の乗組員 掘削関連の乗組員は掘削作業時にのみ配置される。 リグ管理者(Tool pusher) 掘削作業員(Roughneck、Roustabout) 会社側の代表者(Company man):運営・探査会社側の代表者。 泥水技術者(Mud engineer):掘削に際して先端部の泥の除去、潤滑などを行う。 デリック扱い手(Derrickhand):デリックを操作してボーリングのパイプを取り扱う。 地質学者(Geologist) 坑井管理の乗組員 坑井管理の乗組員は坑井管理を行う時に配置される。 坑井管理管理者(well services supervisor) ワイヤ・管操作員(wireline or coiled tubing operator) ポンプ操縦員(pump operator) 生産支援船舶の乗組員と対応設備 各支援船の乗員と契約周り 各支援船の乗員は最大20人ほどである。乗務員は通常、3週間から6週間、時にはもっと長い期間、船上で働き生活する契約をしている。 乗員の休暇とシフト 船の所有者や運航者にもよるが、2週間から4週間程度の陸上での休暇がある。他の多くの船と同じように、プラットフォーム補給船での作業は8~12時間程度までのシフト勤務として編成されている。 船上生活におけるスペース 船上生活では、各船員・作業員は1日のうちどれかの部分を受け持つシフトを組んでいる。船には、運航するための船橋、機械スペース、居住スペース、調理・食事スペースがある。 メインデッキの運用など 作業スペースや娯楽スペースを備えているものもある。広いメインデッキは時折プレハブ小屋を建てるために使われることもある。 船上生活の居住性とその内容 居住スペースには、寝台、ロッカー、私物収納スペースなどがある。また洗面台、シャワー、トイレなどがある。上級船員の居住スペースは小さな作業机、個人用の洗面台やシャワー、トイレなどを備えていることもある。 船上生活での調理と食事と調理設備 調理・食事スペースには、想定される航海の期間に十分な食料品が保管されている。ウォークインタイプの冷蔵庫や、大きなシンク、貯蔵庫やカウンターなどが調理担当者のために用意されている。 油井と採掘のプロセス 油井の概要と探査によるサイトの捜索 油田において原油を採掘するために使う井戸 油井とは、油田において原油を採掘するために使う井戸のこと。地上もしくは海上から油層(原油を含有する地層)にボーリング穴を穿ち、パイプが入れられる。 油井の探索に用いる様々な化学的知見 最新科学的知見とデータ分析、電気検層、人工衛星による地質写真、人工地震探査、地上の目視探査、海上からの音響探査などを用いる。 油田探索は地質学者の仕事による 油田探索のプロセスは全て地質学者の仕事である。各種走査により、油田の存在の可能性が高いと思われるサイトを特定する。 三次元地震探鉱技術 三次元地震探鉱技術では、人工地震探査や音響探査のデータをコンピュータの高速演算によって解析することが出来る。 見逃されていた油田の探索 地下の立体的な内部構造が手に取るように判るようになったためにこれまで見逃されていた油田が見つかるようになっている。 時間軸を加味した新たなる探鉱技術 油の汲み出しをはじめてからも探鉱を行い続けて操作する方法は、三次元地震探鉱に時間軸が加わるために四次元地震探鉱技術と呼ばれる。 継続して行う事による極限までの抽出 油の汲み出しをはじめてからも三次元地震探鉱を行い続けることで地下での原油の移動状況が判るため、地下に残る原油を減らすことが可能となっている 試し掘りのプロセスにともなう探索方法 油田の存在の可能性が高いと思われるサイトに試し掘りを行う 探索によって油田の存在の可能性が高いと思われるサイトにおいて試し掘りを行う。試し掘りによって油層が発見できれば次の段階へと進むが、発見できなければ探索を続行する。 ボーリングコアと呼ばれる地下のサンプル 試し掘りでは随時「(ボーリング)コア」と呼ばれる地下のサンプルが掘り出されるので、それによっても油層が付近に存在するかといった情報が得られる。 試掘井と区別する場合は探鉱井と呼称する 試掘井の近くにさらに井戸を複数掘る場合があり、それらは最初の試掘井と区別する場合には主に探鉱井と呼ばれる。 自噴が発生した時の注意 試し掘りにおいて、幸い油層に当り、内部の圧力が高い状態では原油や天然ガスは自ら噴出する(自噴する)ので注意しなくてはいけない。 暴噴からの安全性との避難 可燃性や高い毒性を持つ高圧の噴出物を受け入れる準備が出来ていないうちでの噴出は暴噴(Blowout)と呼ばれ、作業者は直ちに遮断スイッチを押して避難する。 遮断スイッチの機能とバルブ閉鎖 遮断スイッチは深さ数百フィート、又は地表面にあらかじめ固定されているサーフェース・ケーシング(Surface casing)と呼ばれる装置の頭部のブローアウト・プリベンター(Blowout preventer、BOP、防噴装置)を作動させてBOPのバルブを閉鎖する。 油田とガス田の区別について 試し掘りの段階で採算が取れるだけの原油または原油とガスが採れる油田(ガス油田)と、天然ガスしか出ないガス田に分かれる。 生産井の掘削の複数化 普通は試掘井とは別に、原油汲み出し用の生産井をいくつか掘る。これは試掘井が石油の無い深さに穴をあけていたりするためでもある。 効率性のための集油・送油・貯油施設 生産井の建設・掘削と同時平行で、効率性のために生産井の周囲地上に集油・送油・貯油施設の建設が行なわれることが多い。 基本的な石油・天然ガス掘削方法 石油・天然ガス掘削のロータリー方式構成 石油掘削の基本的なロータリー方式での基本的な構成は「やぐら」「掘削管」「泥水」の大きく3つに大別させられる。 油井やぐらと掘削管の構造 油井やぐらは、ロータリー装置、クレーン類、エンジン類(電動、蒸気、ディーゼル)に分岐され、掘削管はドリルビットを主とする。 泥水の構成内容と薬品類 泥水調整剤(水、油、ベントナイト、バライト、クロム、化学薬品)、ポンプやフィルター、泥水ピット、ホースと配管類に分岐される。 ドリルとその回転力 動力とドリルの連動性 エンジンで作られた力はドローウォークと呼ばれる回転輪を介してやぐらの基部中央にあるロータリー・テーブルの回転ギヤを回す。 ギアからの回転とドリルビット ギヤによってロータリー・テーブルは50-300回/分で回され、四角形の中央の穴に通されたケリーパイプを回す。ケリーパイプの回転は掘削パイプを経由して先端のドリルカラー、ドリルビットに伝えられる。 ドリル・ストリング クレーンで吊り下げられたパイプ類の全体は、地下深くに長く連なるために、まとめて「ドリル・ストリング」と呼ばれる。 回転の伝わりの構造と非連動性 クレーンで吊り下げられた部分は上から、トラベリング・ブロック、フック、ロータリー・スイベルと続き、ロータリー・スイベルは自由に回転することでこの上部につながれたホースに回転が伝わらないようになっている。 ケリーパイプとドリルカラー スイベルの下に断面が四角のケリーパイプがぶら下がり、ケリーパイプの下に多数のドリルパイプが接続されている。先端部にはドリルカラーと呼ばれるパイプがあり、その最も端にドリルビットがある。 ドリルビットとその種類の使い分け 掘削パイプの先端部に付けられたドリルビットが地層を削ってゆく。地層には柔らかいものや硬いものがあり、種類によって使い分ける。 ドリルビットの地層対応による素材運用 柔らかい地層では刃先が鋼鉄でも問題無いが、硬い地層では刃先にタングステン・カーバイドやダイヤモンドが使われる。 泥水の構造と運用目的 泥水の移動経路 泥水は油井脇のプール(泥水ピット)で泥水調整剤によって調合され、ポンプで油井上部から掘削管内部へと送られる。 泥水は先端のドリルビットから噴出して摩擦熱を奪う 掘削管を通った泥水は先端のドリルビットから噴出して掘削の為の回転に伴う摩擦熱を奪う。泥水は、ドリルビットによって地下岩石などが粉砕された掘りクズと一緒に掘削管の外側を上昇して地上に到達する。 泥水は掘削孔の内部を保護し水の浸入を防ぐ 地上に戻ってきた泥水は、フィルターによって大きな掘りクズが取り除かれ元のプールに返される。泥水は掘削孔の内部に横の壁が崩れる事や、地層中に水が浸入するのを防いでいる。 生産井の運用と各種開設 管の周囲をコンクリートで固める 生産井の掘削では油層直上の不透層まで通常通り掘り、掘削管を抜いて先端が開いた「水止管」や「ケーシング」と呼ばれる鉄管を入れなおして管の周囲をコンクリートで固める。 チュービングと呼ばれる掘削管 この管の内部に細めの「チュービング」と呼ばれる掘削管を通して不透層を掘りぬき、目的の油層で再び掘削管を抜く。 パッカーと呼ばれる閉鎖部 チュービングの先端部に小さな穴がたくさん開いた採油管を入れて生産井は完成する。油層上部付近のケーシングとチュービングの間には「パッカー」と呼ばれる閉鎖部が設けられる。 クリスマスツリーと呼ばれる坑口装置 自噴する生産井の地上部には「クリスマスツリー」と呼ばれる坑口装置が取り付けられる。クリスマスツリーはバルブ、圧力計、温度計、流量計、流量制御チョーク等により構成されている。 掘削技術とその詳細解説 トップドライブ方式 トップドライブ方式ロータリー・テーブルとケリーパイプを使わずロータリースイベルの下に減速機付き電動モーターを備えたトップドライブ方式が使用されている。 作業の手間と時間が1/3に削減 トップドライブ方式によって従来では、1本の掘削パイプの継ぎ足しごとに掘削が停止されていたが、掘削パイプが3本程度が1つにつなげられているため作業の手間と時間が1/3に削減できる。 傾斜掘り・水平掘り 掘削中に屈曲部を作ることで傾斜掘りとなり、更に屈曲を行なえばドリルの掘り進む方向が水平方向となって水平掘りになる。 10度ほど屈曲したドリル先端部を使って屈曲部を掘り進む 従来方式では曲げたい箇所にくると、掘削先端に鋼鉄のクサビ型ブロックを置いてドリルの方向を変えたが、 現在では元々10度ほど屈曲したドリル先端部を使って屈曲部を掘り進む。 ダウンホール・タービン このドリルは加圧された泥水の流れによって回転力が作られるダウンホール・タービンのため、直線掘りにしたい場合は地上から先端を含むパイプ全体をゆっくり回転させることで屈曲掘りを避けることが出来る。 ポンプ採油とその種類・方法各種 採油するためのポンプの種類と運用 自噴しない油層からオイルを汲み上げる方法の1つはポンプを使用する事である。採油するためのポンプには、いくつかの種類がある。 最適な方式を選定する必要がある 各々固有の機構および特性を有するので、その適用にあたっては、対象坑井における油層条件、坑井条件、地域条件および経済的条件を十分考慮し、最適な方式を選定する必要がある。 サッカーロッド・ポンプ サッカーロッド・ポンプとは、地上に往復運動をする装置を設置して、サッカーロッドを経由してパイプの底のピストンを駆動し、原油を汲み上げる。 最初期から登場し現在でも使用されている サッカーロッド・ポンプは、ポンプジャック、ビームポンプとも呼ばれる。最初期から登場し、現在でも使用されているが、徐々に他のより効率の良い方法に変わってきている。 サブマーシブル・ポンプ サブマーシブル・ポンプは、水用の井戸と同様にパイプの底にポンプを沈め、原油を汲み上げる方法で、くみ上げ能力が大きい。 小型の電動モーター付き多段タービン・ポンプ 小型の電動モーター付き多段タービン・ポンプをチュービングの下端に設置して、採油する地上設備も場所をとらないことから、海上油田での適用例が多い。 ガスリフト・ポンプ ガスリフト・ポンプは、二重になった内部のパイプからパイプ先端へガスを吹き込み、ガスの圧力と上昇力を利用して、外側のパイプで底から原油を押し上げる。ガスは再利用される。 ハイドローリック・ポンプ ハイドローリック・ポンプは、地上から原油を二重になった内部のパイプに圧力をかけて送り込み、この力で先端部のピストン・ポンプを上下に駆動して外側のパイプで底から原油を押し上げる。 汲み出しの各種方法の解説 一次回収(通常ポンプ汲み上げ) 一次回収(Primary recovery) 油層の圧力が高い状態では原油は自ら噴出する(自噴する)が、油層の圧力が低い状態では自噴せずポンプによって原油を汲み上げる。これらの方法を一次回収(Primary recovery)という。 一次回収のガスキャップと回収総量 天然ガスが油層の上部に溜まっている場合は、原油の汲み上げによってこのガスキャップが膨張し原油を押し出す。一次回収によって回収できる原油は総量の概算40%になる。 ガスキャップがない場合の膨張と泡の内容 ガスキャップがない場合は、原油の中に溶け込んだ天然ガスが泡となって膨張するだけであり、一次回収によって回収できる原油は総量の概算20%になる。 一次回収終了からの更なる方法 一次回収で回収できるのは油層に含まれる原油の一部でしかなく、一次回収では生産ができなくなった油井ではさらなる方法を用いて回収する。 二次回収(注入加圧汲み上げ) 二次回収(Secondary recovery) 二次回収(Secondary recovery)とは、原油を分離して後の水や天然ガスを油層に注入し残った原油を加圧して回収することである。 水攻法または、ガス圧入法 = 回復法 水を注入する方法は「水攻法」(Water flooding)、ガスを注入する方法は「ガス圧入法」(Gas injection)と呼ばれ、総称して回復法(Improved Oil Recovery)と呼ぶこともある。 回復法の初期運用 回復法によって総合的に回収量が増えると見込まれる場合には、一次回収の最初から水やガスを注入するようになっている。 二次回収:水攻法の水押し効果と回収総量 水攻法の「水押し効果」で回収できる原油は、内部で水が既に自然に接している場合で、一次回収分を含めて総量の概算60%になる。 二次回収:ガス圧入法の利用経緯 ガス圧入法は水押しほど有効ではないが、圧入する天然ガスは原油の回収に伴って産出されるガスであり、従来はガスフレアによって焼却処分されていた程である。 二次回収:天然ガスの利用と再生産 天然ガスは有効に利用されるため焼却処分はあまり行なわれないが、いずれにしても油井の現場にふんだんにあって原油を十分汲み出した後でも再び取り出せるため、ガス圧入法として利用される事が多い。 三次回収(強制回収汲み上げ) 三次回収(Enhanced Oil Recovery,EOR) 二次回収でも残った原油を回収するために三次回収(Enhanced Oil Recovery,EOR)または強制回収法と呼ばれる技術の開発、実用化が進んでいる。 原油の流動性を改善する 三次回収または強制回収法は、水蒸気・炭酸ガス・界面活性剤(洗剤)などを注入して原油の流動性を改善する方法である。 水蒸気攻法による凝結した水と共に流動化 水蒸気を圧入する方法は「水蒸気攻法」(Steam floods)と呼ばれ、水蒸気によって沈積した粘度の高い石油を温めてパラフィンとアスファルトを温め溶かして、凝結した水と共に流動化させる方法である。 ハフ・アンド・パフ法 水蒸気を回収井とは別の井戸から圧入する場合と「ハフ・アンド・パフ法」(Huff and paff)と呼ばれる水蒸気の注入と石油の回収を1つの回収井戸で交互に行なう方法がある。 炭素ガス攻法(気体又は水に溶かした二酸化炭素を圧入する) 二酸化炭素を圧入する方法は「炭素ガス攻法」(Carbon dioxiside floods)と呼ばれ気体又は水に溶かした二酸化炭素を圧入する方法である。 二酸化炭素は石油にはさらによく溶ける 二酸化炭素は水にも溶けるが、石油にはさらによく溶けるために、二酸化炭素を圧入すれば石油に溶け込み石油が膨張するために回収が容易となる。回収した石油からは二酸化炭素を分離させて再び圧入に使用する。 界面活性剤(洗剤)を圧入する洗剤攻法 界面活性剤(洗剤)を圧入する方法は「洗剤攻法」(Detargent floods)と呼ばれ、水に少量の洗剤を溶かして圧入する。 洗剤により岩石や砂との接着がはずれて流動性が増す 洗剤が油を細かな粒に包み込むため岩石や砂との接着がはずれて流動性が増す。浅い油層に対して効果が高く、深い層では高温のために洗剤が分解されてしまうため使用されない。 ミシブル攻法 「ミシブル攻法」(Miscible floods)と呼ばれる方法を使えば回収率が100%近くになる。これはブタン、プロパンといった液化ガスを注入する事で油層から原油を洗い流す方法である。 ブタン・プロパンと共に回収するガス ブタン、プロパンといったガスは比較的高価であるため、油層に漏れがなく水も含まれていない場合に限り、原油の回収後にこれらのガスも回収できる見込みがあれば実施される。 熱を加えて石油の流動性を高める火攻法 空気を吹き込んで火を付ける「火攻法」(Fire floods)と呼ばれる方法もある(空気の量を調整するので、油層内の石油が全て燃えたりすることはない)熱を加えて石油の流動性を高める方法である。 終了時の生産井の閉鎖 汲み出しが終了した後、原油とガスともに汲み出された後は穴は閉鎖され、装置類は全ては取り除かれて地上の場合は更地にされる。 燃料資源についての概要 石油という鉱物資源 石油の概要 石油とは、炭化水素を主成分として、ほかに少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油で、鉱物資源の一種である。 石油と原油の意味 石油の中でも、地下の油田から採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に原油という。 石油の種類に産する連産品 石油製品は連産品と呼ばれる。これは原油を精製してガソリンや灯油などを作る場合、ある特定の製品のみを作ることは出来ず、必ず全部の種類の油が生産されてしまうため、こう呼ばれている。 石油の精製と分留 石油の精製とは油を性質の違いで分ける事(分留)なので、精製する元の原油の種類によって、生産される製品の割合(留分)が異なってくる。留分の中でも需要の多いガソリンはより重い油を改質することで作ることができる。 石油の成分と炭化水素の混合物 石油の成分のほとんどは炭化水素であり、色々な炭化水素の混合物から構成されている。その他、硫黄化合物、窒素化合物、金属類も含まれている。 石油の成分分化と製品 工業的に有用な石油製品を作るためには、分留によって成分を分ける。精製することにより、天然ガス、ナフサ(ガソリン)、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルトなどが製品として得られる。 石油の精製生産工程 石油精製という工業プロセス 石油精製とは、原油を精製して燃料油、石油化学製品など多種多様な製品を製造する工業プロセスである。分化する事により用途に合わせた消費をおこなう事ができる。 原油分留の精製施設 原油を蒸留していくつかの留分にわけ、必要により分解、改質、化学処理、混合などの工程を加えてガソリン、灯油などの各種石油製品を製造する石油精製を行う工場・精製施設を製油所という。 石油精製工場と各種付帯設備の概要 石油精製工場は、原料受入から製品(他の装置の原料として使用される中間製品も含む)を製造する設備と各種付帯設備からなる。これらの設備は、その機能によって次のように分類できる。 常圧蒸留工程 原油(Crude Oil)は、上図左手の常圧蒸留装置(Atmospheric Distillation)に掛けられ、ナフサ(化学・ガソリン原料)・灯油(Kerosine)・軽油・A重油(Diesel Fuel)等を沸点分留で搾られる。残った絞り滓が常圧残渣油=C重油である。 白油化工程:減圧蒸留装置(Vacuum Distillation) 常圧蒸留装置の絞り滓の残渣油(常圧残渣油=C重油)が減圧蒸留装置(Vacuum Distillation)に掛けられて減圧軽油を搾られる。残渣の減圧残油は、アスファルトなどの原料にも使わ 流動接触分解装置(FCC) 軽質減圧軽油は、流動接触分解装置(FCC: Fluid Catalytic Cracker)で分解され、ブテン(合成ゴムやオクタン価向上剤原料)とナフサ・(灯油)・FCC軽油を産出する。触媒に析出した石油コークスは、空気吹き込みで燃焼され反応熱を供給する。 水素化分解装置(Hydro Cracker) 重質減圧軽油は、水素化分解装置(Hydro Cracker)で分解され、LPG・ブテン・ガソリン・(灯油)・軽油を産出する。 高粘度指数基油の原料 燃料生成のみが目的の場合、水素化分解工程で残留したボトム留分は通常リサイクルされるが、水素化分解によりパラフィンリッチと潤滑油原料に適した組成となっているため高粘度指数基油の原料として利用される事もある。 水素化による効能 水素化で鎖を切って軽い留分にするのでコークス析出はないが、水素を消費する。減圧軽油の代わりにパーム油などの植物油を水素化分解装置に掛けても、LPG・ブテン・ナフサ・ガソリン・(灯油)・軽油が取れることがわかっている。 熱分解装置(Delayed Coker) 減圧残渣油熱分解装置(Delayed Coker)に掛けられ、熱分解でナフサ・暖房軽油(Gas OIL)と石油コークス(Petro Coke)を産出する。石油コークスは、石炭の代替品として使用可能。 混合物の蒸留分離 蒸留は、混合物を各成分の沸点の差によって分離するプロセスである。原油を直接蒸留する常圧蒸留装置(トッパー)や、そこから得られる重油をさらに蒸留分離する減圧蒸留装置がある。蒸留によって分離された各生成物は、留分と呼ばれる。 重質留分からの分解装置 分解反応によって高沸点の重質留分から軽質油を得るプロセスである。流動接触分解(FCC)、熱分解、水素化分解(ハイドロクラッキング)などのプロセスがある。 不純物除去と性状改善 触媒の存在下で原料油に水素を加えて反応させ、硫黄などの不純物を除去する水素化精製や、触媒反応によってガソリンのオクタン価を高める接触改質が代表的である。 石油精製施設の付帯設備 製造設備が消費する電力、水、燃料、蒸気、圧縮空気などを供給するユーティリティー設備、廃水処理設備などの環境関連施設、入出荷に関わるタンク、パイプライン、貯油施設、港湾施設などがある。 精製施設における安全対策とその施設 火災防止のためタンクに固定泡消火設備、消火栓を完備している。また、漏油防止のため、オイルフェンスや吸着剤、回収船を備えている。 液化天然ガスについての概要 天然ガスとは化石燃料である炭化水素ガス 天然ガス(natural gas)とは、一般に天然に産する化石燃料である炭化水素ガスで、一般に、メタン、続いてエタンといった軽い炭素化合物を多く含み、その他の炭素化合物も含む。 液化天然ガス(LNG)とは冷却液化したもの 液化天然ガスとは、メタンを主成分とする天然ガスを、水分、硫黄化合物、二酸化炭素などの不純物を除去した後、超低温に冷却、液化したもの。LNGと略称する。 天然ガスの液化による減体積 天然ガスは約-160℃で液化するが、液化すると気体の約1/600の体積となり、輸送・貯蔵のために便利となる。 LNG化による貯蔵と輸送 天然ガスの保存管理の手段としてLNG化して一時貯蔵したり、遠方であったり供給地域が分散してパイプラインによる天然ガス輸送が困難な場合、LNG化して輸送される。 LNG製造プロセス 生産地で生産された天然ガスは、油田またはガス田で生産された天然ガスから、液化基地における脱水プロセス、酸性ガス除去プロセス、水銀除去プロセスで、水分、酸性ガス、水銀などが除去され、重質分が抽出される。 LNGタンカーによる海上輸送 精製された天然ガスはLNG製造プロセスで冷却液化され、LNGタンクに一時貯蔵される。LNGタンカーで海上輸送される。 受入基地とLNG気化装置 受入基地のLNGタンクに貯蔵された後、LNG気化装置によって天然ガスに戻され、パイプラインによって消費者に供給される。 ピークシェービングを目的とするLNG貯蔵 ピークシェービングを目的とするLNG貯蔵は、天然ガス供給が広域にわたって大規模に普及している地域を中心に世界各地で行われている。 液化天然ガスの生産工程 ガス原油セパレータ不純物分離工程 採ガス井で地表へと取り出されたものにはガス・油・水などが混ざっているため、まず、ガス原油セパレータに送られて、ガス、原油が分離される。ガス原油セパレータは単純に重さの違いによって分けるものである。 コンデンセート・セパレータ分離工程 ガス原油セパレータで分離されなかった油分は、コンデンセート・セパレータで分離される。コンデンセートはLPGや石油化学の原料として扱われる。残った水は環境汚染物質を除いた後に多くが地下へ圧入される。 脱湿処理工程 ガス成分だけがこの工程に送られる。グリコール・デハイドレータで、ガス成分にグリコールを接触させて残った水の成分である湿気を除去す 天然ガス不純物除去工程 重質炭化水素、硫黄、硫化水素、二酸化炭素、水銀を除去する。硫化水素(H2S)や二酸化炭素(CO2)はアミン溶液を使って、水銀は活性炭によって除去される。 ハイドレートの腐食対応 ハイドレートは配管を詰まらせる原因となり、硫化物は配管を含むあらゆる下流工程での処理装置を腐蝕させるため、硫化水素では4ppm以下、二酸化炭素では100ppm以下、水は1ppm以下にまで除去される。最終製品となった時の公害防止にも役立つ。 ヘリウムの処理内容 ヘリウムが多く含まれる(0.4%以上程度の)ガスでは、この工程で分離される。産出されるガス成分や下流工程での要求性状の違いによって処理内容が変わってくる。 LNGの出荷形態 冷凍工程LNGとして流通させる場合には-162℃以下に冷却して液化してから製品として出荷する。パイプラインによる出荷では、気体のままで製品とされる。 ピークシェービング 需要に対応する効率的供給システム 液体・固体の商品の場合は、需要変動対策は貯蔵とその払出しの計画的運用で対処できるが、ガスの場合は必ずしも容易ではない。ピークシェービングとは、時間的に変動する需要のピークに対応するための、効率的供給システムのことである。 需要の時間的変動とホルダーによる対応の限界 需要の時間的変動には日間変動(時間変動)と年間変動(季節変動)とがあるが、ガス供給事業の場合、日間変動に対してはガス・ホルダーによる一種の貯蔵で対応できるが、季節変動となると量が大きすぎてホルダーでは間に合わない。 ピーク期間の需要に合わせた製造能力と調整 製造ガスの場合にはピーク期間の需要に合わせた製造能力をもつか、ピーク期間中だけLPG、天然ガスなどを補充するかの方法があるが、ガス組成を調整することが問題となる。 天然ガスによるガス事業の問題 ピークシェービングが特に問題となるのは、天然ガスによるガス事業の場合である。一般に天然ガスはガス田からパイプラインによって供給される。 パイプラインの設備投資額 パイプラインの設備投資額は大きいので、その稼働率が事業全体の経済性に大きく影響し、ピーク需要に合わせた能力の設備を設置することは不経済である。 ピーク時期にだけ運転するなどの工夫 このために特にピーク時に供給量を補う手段の工夫が問題となる。天然ガスと似た組成のガス(SNG)を製造する装置を備えて、ピーク時期にだけ運転するといったピークシェービング法もある。

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