性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
このガイドラインとは日本精神神経学会による日本の医学界における性同一性障害の診断基準や標準的な治療の方法の基準となるものを定めたものです。
このガイドラインはあくまで医師が
性同一性障害の診断や治療を進めるためのものとされています。いくつかの問題の対応や状況の変化などの必要性に応じて版が重ねられていき、現在は2011年からの第4版となっています。第4版の内容は日本における
性同一性障害の治療の歴史的経緯や第4版の策定の理由、ガイドラインの位置づけ、診断基準に治療の内容や方針、現在での問題点などが書かれてあります。
初版のガイドラインの策定経緯
日本国内における明確な診断基準や治療指針がないまま限られた個々の医師による治療行為が行われていたり海外での治療を受ける人もいるなか、1964年に起きたブルーボーイ事件とその判決に対する医療関係者の誤解などにより日本国内では医学としての診断基準や治療方針の確立することもなく正式な医療としての性別適合手術(当時:性転換手術)を行われることはありませんでした。その後の長い間、性別適合手術などは闇の治療として行われるか海外での治療に頼る状況となっていました。
そうした中、1992年に事故による怪我からのペニス再建手術を成功させた原科孝雄医師の元に
性同一性障害の患者が性別適合手術を望み訪れたことにより、原科孝雄医師を中心に正式な医療行為としての性別適合手術のための準備が長年にわたって行われることになりました。
そして1995年に埼玉医科大学の倫理委員会に性別適合手術の申請が出され、その答申の中の治療に必要な環境整備の一つに『関連する学会や専門家集団による診断基準の明確化と治療に関するガイドラインの策定』が挙げられており、それを受けて日本精神神経学会に特別委員会が設置されてガイドラインの策定が行われ、1997年に『性同一性障害に特別委の答申と提言』(初版ガイドライン)としてガイドラインが公表されることになりました。
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分野
参考リンク
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最終更新:2017年03月25日 02:28