「主文。被告人を無期懲役に処す」
東京地方裁判所541法廷でこの日、一つの裁判が終わった。
被告人の男は些細なことから友人と喧嘩をし、二人を殺害するに至った。
警察に逮捕された際、男はひどく酔っており、自分はマスターだ、NPCを殺して何が悪い、などと意味不明の供述を続けていた。
その後も反省の態度は見受けられず、検察は悪質な犯行であると判断、死刑を求刑するに至ったのである。
裁判員の中にも死刑に処することを主張する者がいたが、裁判長である四季映姫は無期懲役を選んだ。
突発的な犯行であるということや判例などを考慮し、結局このような判決となったのである。
大きな仕事を終え彼女は家路につく。日はとうに暮れ、辺りは暗闇に包まれていた。
彼女の隣にはおそらく中学生ぐらいであろう少女がついている。
「あの男はマスターだった。刑務所に入れられたら厄介だわ。拘置所に収監されていた方が……」
「私は裁判官です。私事に囚われて公正な裁きを下さないなどということは許されません」
――さかのぼることしばらく。
「それでは今日入ってきたニュースです。東京都で発生している連続殺人事件ですが、被害者の数は百名を超えるとみられています。
警視庁は、夜間の1人での外出は控えるようにとの声明を発表し……」
民放はおもしろおかしく大々的な特集を組んでいるものの、NHKは相変わらず淡々としていた。
日本は比較的治安の良い国だと考えていたのだが、その評価を考え直さなければならないかもしれないと四季映姫は思った。
もちろんこうして法律関係の仕事に就いていると、否が応でも残忍な犯罪と直面することは多々ある。
しかし今回の犯罪はあまりに度が過ぎている。
この事件の前は戦後最悪の犯罪と言えたオウム真理教事件もここまで死者を出してはいなかった。
幻想郷で閻魔として働いていたときも、これほどの大罪を犯した人間は……幻想郷? 閻魔?
違和感を感じた。日常を送っていればまず出会うこともない2つの単語。
いや、閻魔はまだ良いとして幻想郷? 幻想郷とはなんだろうか? そもそも私はなぜ東京で裁判官などやっているのだろうか?
いや、なぜそんな疑問がわく? 私は大学在学中に予備試験に合格し、その後司法試験にも合格したのではないか?
いや、大学? 司法試験? なぜ閻魔がそんなものを?
そして四季映姫は思い出すことになる。幻想郷での閻魔としての役割を。
「あなたが私のマスター?」
そして四季映姫の前に1人の少女が現れた。黒い髪に黒い瞳、そして黒いセーラー服。
淡々と表情一つ変えることなく、言葉を紡いでいく。
「……あなたは間違っています」
キャスターが彼女に聖杯戦争の
ルールや自らについて説明した後、四季映姫はそう言っ放った。
「……私は正義の味方じゃないわ」
「しかし人は長い年月をかけて法や倫理といったものを作ってきました。正義というものは目に見えませんが、確かに存在します。私は私刑を許すことはできません」
キャスターは表情を変えることはなかった。
そして、自分を止めようとした1人の男のことを思い出した。
そして、自分と似た境遇であり唯一地獄へ流すことを止めた1人の少年のことを思い出した。
そして、自分が罪を肩代わりし魂を解放した1人の少女のことを思い出した。
マスターとキャスター。
片や長きに渡り公正な裁きを行ってきた存在。片や長きに渡り人の業ともいうべき所行を遂行してきた存在。
同じ閻魔の名を冠するとはいえ、両者は決して交わることのない平行線である。
「私は必ずあなたを止めて、いえ、救ってみせます」
そう告げる四季映姫の顔を、キャスターはやはりいつもの仏頂面で見つめていた。
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家路につく二人の会話を聞いていたのは赤や青の色をした藁人形であった。
「やれやれ、あたしたちも面倒なことになったねえ、輪入道」
「まったく、もう少しお嬢に協力的なマスターがついていてくれれば良かったんだがな」
「しかし俺たちはこの聖杯戦争ではかなり不利な立ち位置にいるんじゃないか?」
「まあね。だって舞台が東京中だろう? 他の主従がどこにいるかさえもなかなか分からないっていうのに、
あたしたちは噂が東京中にばらまかれているんだからさ。お嬢がサーヴァントだっていうのもすぐにばれちゃうよ」
「それにマスターがあんな調子じゃあな。まあお嬢のためにも俺たちが頑張らなきゃいけないだろうな」
黒い藁人形はため息まじりにそう答えた。お嬢はある1人の少女を救うため、自らを犠牲にした。
この世から人間の怨みがなくなるまで、実質永遠に、地獄少女の責務を果たさねばならない。
お嬢を救うことができるのはもはや聖杯ぐらいしかないのだと輪入道は考えた。
「おっと、早速依頼があったようだぜ」
「それじゃあ俺は行ってくるよ」
青い藁人形がそう答えた。
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「呼んだ?」
「ここは……?」
夕焼けで赤く塗りつぶされた世界。1人の少女と1人の青年に、1人の女が向かい合い立っていた。
「私は、閻魔あい」
「地獄少女……? あなたサーヴァント? それ、真名なの?」
「…………」
「……まあいいわ。あいつを地獄に流した後すぐにマスターを見つけ出してあげるから」
「一目連」
「OK、お嬢」
青年はネックレスに口づけをし、赤い糸のついた青い藁人形へと姿を変えた。
「受け取りなさい。あなたが本当に怨みを晴らしたいと思うなら、その赤い糸を解けばいい。
糸を解けば、私と正式に契約を交わしたことになる。
怨みの相手は、速やかに地獄へと流されるわ。
ただし、怨みを晴らしたら、あなた自身にも代償を支払ってもらう。
人を呪わば穴二つ。 糸を解けばあなたの魂は地獄に落ちる。
極楽浄士には行けず、あなたの魂は 痛みと苦しみを味わいながら、永遠に彷徨うことになるわ。死んだ後の話だけど」
「私はあいつに騙された。二人で協力して脱出しようなんて言って……あいつが欲しかったのは結局、聖杯だけだったのよ!
ずっと、ずっと、聖杯戦争が始まる前から私はあいつのことを想っていたのに! 許せない。死ぬよりも辛い目に……!」
そして女は赤い糸を解いた。
「怨み、聞き届けたり」
拘置所に収監されている男は、有罪判決を受けた後とは思えないほどに楽しそうな様子だった。
この裁判がまるで茶番であると考えているかのようであった。
「しかしわざわざ警察に捕まるなんて随分と物好きだな、マスター」
「いやいや、刑務所の中が一番安全なんだよ。それに必要とあれば君に頼んで脱獄でも何でもすればいい」
「はっはっは、考えたじゃないか」
「そうだろ? 君がいるから別に死刑でも問題はなかったんだがね。しかしあいつもついでに殺しておけばよか――」
「お、おい、マスター、どこに行ってしまったんだ?」
男は椅子に縛りつけられていた。腕や足、胴体には革ひもが取り付けられていて、身動きをとることはできない。
さらに頭にはヘルメットの様なものが取り付けられていた。
「ここはどこだ? アーチャー、どこにいる? おい、誰か! 誰かいないのか!」
椅子に座らされている男を老人と青年、女と少年が取り囲む。
「おい、お前ら! 助けろ!」
「それでは死刑を執行します」
少年は喚く男を無視してそう告げる。
「では、スイッチ、オン」
女が手元のスイッチを押した。
「うわああああああああ!!!」
男の体がびくんと跳ねる。流れる高圧電流が男の体を焼いた。
「おっといけねえ、充電しないとな」
そう言って老人がモーターを回転させる。
「う、ううう……」
男の体からは煙が上がり、肉の焼ける嫌な匂いが立ちこめる。
「では再開します」
「や、やめ……ろ……ぐああああああああ!!!」
男の体が再び痙攣を起こした。
「おっかしいなあ、まだ死なないのか?」
青年がそう漏らす。
「こりゃあ、電圧を更に上げないとな」
「た、頼む……ぎゃあああああああああ!!!」
男の肌は焼け焦げ、目玉は飛び出していた。
「助け……て……」
「自分の罪を認める気になったかい?」
女が尋ねる。
「俺が……何をした……」
「女を散々弄んで、人殺しもしたじゃないか。自分が悪いと思わないのかい?」
「え、NPCごときがどうなろうと知ったことか。それにあいつは敵だったんだ。利用して何が悪い……」
「ほう、そうかい」
老人に向かって男は吐き捨てる。
「これは聖杯戦争なんだから勝てばいいんだ! 俺は何も悪いことなんてしていない!」
「聞いたかい、お嬢」
「闇に惑いし哀れな影よ、人を傷つけ貶めて、罪に溺れし業の魂」
「いっぺん、死んでみる?」
そう言って少女は袖をゆっくりと持ち上げた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
目を覚ました男は自分が、着物を着た少女が漕ぐ舟に乗っているのを見た。
辺りは暗く、川面に浮かぶ灯籠の光が大きな鳥居へ続いていた。
「ここは……? なんで舟に乗ってるんだ……?」
「あなたはもう、死んでいるのよ」
「ふ、ふざけるな! なんで俺が……おい、どこに連れて行くつもりなんだ! 俺はまだ……!」
「戦いなら、好きなだけさせてあげる。永遠に、終わることのない戦いを」
「この怨み、地獄へ流します」
舟はゆっくりと川面を進んで鳥居をくぐり、消えていった。
路地裏。女はその場にへたれ込んだ。
「終わった……ねえ、セイバー。本当に――」
「■■■■■■■■■■■■!!!!」
それが彼女の最後の言葉であった。
目覚めた女は舟の上にいた。
「ここはどこ……?」
「言ったでしょう。死んだ後、地獄に落ちるって」
「嘘……嫌よ、私はまだ死にたくない……! 一体誰が……! お願い、助けて……! 戻してよ!」
女の声は虚しく三途の川にこだまする。
【マスター】
四季映姫・ヤマザナドゥ@東方花映塚
【マスターとしての願い】
聖杯戦争に巻き込まれた魂を救済する。
【weapon】
浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)
この鏡の前では過去の行いが全て明かされてしまう。閻魔ごとに形状が違っており、映姫のものは手鏡の形をしている。
悔悟棒(かいごぼう)
閻魔が右手にもつ笏。この棒に罪状を書き記すと罪の重さに応じて重さが変わり、罪人を叩く回数が決まる。
最近エコのために文字を消して書き直せる素材に変えたらしい。
【能力・技能】
白黒はっきりつける程度の能力
彼女は自身の中に絶対の基準を持っているため、何者にも左右されず完全な判断を下すことができる。
【人物背景】
日本のどこかに存在する「幻想郷」で閻魔を勤めており、地獄の最高裁判長という肩書きを持つ。ちなみに「ヤマザナドゥ」は役職名である。
元はお地蔵様であった。自身の中に絶対的な善悪の基準を持っており迷うことがなく、その判決を覆すことは絶対にできない。
彼女の肩書きは「地獄の最高裁判長」となっているが、閻魔の頂点に立つ存在という訳ではない。
人口の増加に伴い死者の増えたことで足りなくなった手を補うため、お地蔵様から閻魔の役職に変わったのである。
元々説教臭い性格をしており、プライベートの時間は幻想郷に出てきて説教をして回るということに費やしている。
【ロール】
東京地方裁判所に勤務する裁判官
【方針】
キャスターが人を殺さないよう見張りつつ、自分以外の巻き込まれた者を探し出して共に聖杯戦争から脱出する。聖杯の破壊も考えている。
【CLASS】
キャスター
【真名】
閻魔あい@地獄少女
【属性】
中立・中庸
【パラメーター】
筋力:E 耐久:D 敏捷:E 魔力:A 幸運:E 宝具:EX
【クラススキル】
陣地作成:D(EX)
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
キャスターが形成するのは夕焼けに包まれた異界である。
道具作成:-
後述する宝具により所持しない。
【保有スキル】
魔術:B(EX)
光線や青白い炎を放つことが可能であり、その破壊力は寺社を吹き飛ばすほどである。また空間転移等の高位の魔術を扱うこともできる。
単独行動:B(EX)
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間程度現界可能。
対魔力:B(EX)
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
気配遮断:D(EX)
本来はアサシンに備わっているクラススキルであるが、周りのNPCに自然な形でとけ込むスキルという形で保持している。
隠密行動に適している。ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。召還する三藁もこのスキルを保持している。
【宝具】
『三藁』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
キャスターの使役する妖怪をサーヴァントとして召喚できる。『三藁』と表記されるが実際は四体である。
通常時は藁人形の姿をしており、この状態では魔力を消費することはない。人間か妖怪の姿になった場合魔力を消費する。
以下が召喚できるサーヴァントのステータスになる。
『輪入道』
筋力B 耐久C 敏捷D 魔力D 幸運E
三藁の中では最も長い間キャスターに仕えているリーダー的存在。藁人形時の色は黒。人間時には老人の姿をしており「不破龍堂」を名乗っているが、
キャスターが地獄流しに向かう際は妖怪「輪入道」に変身して彼女を送る役割を果たす。暴走するトラックを止めるほどの怪力の持ち主である。
妖怪となる前はある姫を追っ手から逃すために使われた馬車の車輪であったが、姫を守りきれず、後を追うこともできなかった無念から妖怪化した。
『一目連』
筋力E 耐久E 敏捷D 魔力C 幸運D
人間時には美形の青年の姿をしており、「石元蓮」を名乗っている。藁人形時の色は青。
前髪や頭頂・後頭部などに隠された「目」で様々な場所を覗き見る能力を持ち、依頼者やターゲットに関する情報を集める役割を果たす。
多くの人間の手を渡り、数々の人を切った刀の九十九神である。
『骨女』
筋力E 耐久D 敏捷E 魔力C 幸運E
人間時には妙齢の美女の姿をしている。藁人形時の色は赤。正体は骸骨であり、身体の一部を白骨化させることが可能。人間時には「曽根アンナ」を名乗っている。
様々な場所に忍び込んだり男性を誘惑したりすることが得意。妖怪となる前はつゆという名の人間であり商家に奉公していたが、遊郭に売り飛ばされた。
その後、別の遊女に裏切られて殺害され妖怪化した。
『山童』
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運C
風を操る能力を持つ。人間時には大人しく素直で礼儀正しい少年の姿をしている。藁人形時の色は黄。山で生まれた妖精の一種である。
『地獄流し(イッペン、シンデミル?)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大補足:4
キャスターに依頼を行い赤い糸のついた藁人形を受け取った者が糸を解き正式にキャスターと契約を交わすことで発動可能になる宝具。
依頼を受けるには依頼者のターゲットに対する強い怨みの感情が必要であり、1人が一生のうちに地獄に流すことができるのは1人だけである。
人間を対象にした宝具であり、サーヴァントをターゲットに指定することはできない。
依頼を受けた場合、依頼者が会場内のどこにいても即座に依頼者のもとに向かい、陣地を作成することができる。
この宝具が発動した場合、保有スキルとクラススキルのランクを括弧内の値に修正する。
また、ターゲットに対して行う魔術の成功率があらゆる障害を無視して100%になる。
発動した瞬間にターゲットを異空間に引きずりこみ、時には恐怖を味わわせた後、地獄へと流すことができる。地獄へと流された者は現世から消滅し、表向きは行方不明となる。
ただし契約者は死後地獄へと落ちることになり、胸にその証として刻印が刻まれる。キャスターが消滅してもこの刻印が消えることはない。
依頼者がすでに何らかの罪を犯し地獄に落ちることが確定している場合、キャスターの一切関与しない別途の代償が要求される。
依頼の段階ではこの宝具は発動しておらず、依頼者が糸を解いて発動した後は単独行動のスキルがEXとなる。そのため魔力の消費を心配する必要はない。
依頼者がターゲットの本名を知らない場合でも依頼を引き受けることは可能であるが、いずれにせよ依頼を受ける前にキャスター自らターゲットを割り出す必要がある。
依頼を受ける前には必ず相手に自らの真名を告げ、地獄流しのルールを説明しなければならない。
キャスターは基本的に依頼者や依頼内容を選ぶことはできず、それはターゲットが自身のマスターであっても例外ではない。
ちなみに「ターゲットが既に死亡」「本来の依頼者の代理人による依頼」「強い怨みの念を抱いていない」といった場合は依頼を受けることはできない。
依頼が可能なのはマスターのみであり、サーヴァントやNPCは依頼を行うことはできない。
ただしNPCからの依頼に限っては、同じNPCに対するものであれば魂喰いという形で擬似的に依頼を受けることが可能。
依頼者が一向に糸を解く気配がない場合には依頼を引き上げることができる。
依頼者が糸を解く前に死亡した場合などは、同じターゲットに強い怨みをもつ別の者が代わりに契約を交わすこともできる。
繰り返しになるがあくまでも依頼者本人がどのような形であれ(それが例え逆恨みであっても)個人的に強い怨みを持つ場合にのみ契約が可能であり、
単にターゲットがマスターだからなどといった理由では依頼を受けることはできないのである。
【weapon】
特になし
【人物背景】
安土桃山時代に村のためと称して7歳の時に人柱にされた少女。
好意を寄せていた幼なじみの少年、仙太郎の助けを借りて6年もの間山中に隠れ住んでいたが発見されてしまう。
その後両親と共に地中に埋められ、村人たちと土を被せてしまった仙太郎への強い怨みを抱きながら力つきる。
しかし復活して土中から脱出、村に火を放ち、多数の村民を殺害するという大罪を犯してしまう。
この罪はあまりに重すぎて地獄でも償いきれないため、地獄少女として働く責務を課せられる。
そして責務を果たしていく数百年間、自らの使命について考え続けていた。
基本的に朴念仁で感情を表に出すことは非常に少ない。
地獄少女の存在は江戸時代中期頃には文献で確認でき、現在では都市伝説のような存在となっている。
強い怨みを持つ者が深夜0時ちょうどにインターネット上で関連する語句を検索するかアドレスを打ち込むことで地獄少女との接触手段であるウェブサイト「地獄通信」にアクセスできる。
インターネットの誕生以前には怨みを持つ者が新聞の尋ね人欄の空白欄を見つめると浮かび上がってくる宛先へと依頼の手紙を書いてポストに投函したり、
「地獄絵馬」と呼ばれる真っ黒な絵馬を神社へと奉納させることで依頼者と接触を図っていた。
『三鼎』では霊として現世と冥界の狭間をさまよう少女、御影ゆずきに地獄少女としての役割を引き継がせるため、彼女に憑依していた。
その後地獄から送られた魂を得てゆずきの身体から離脱する。
ゆずきが地獄少女となったことでいったんは地獄へと戻るが、彼女が私怨により地獄流しを行おうとした際に再び現世へと姿を現す。
最後はゆずきの罰を代わりに受けることで彼女を成仏させ、自らは人間の怨みがなくなるまで解放されることのない永遠の地獄少女となった。
【サーヴァントとしての願い】
「地獄少女」というシステムを消し去り囚われた魂を解き放つ。
【基本戦術、方針、運用法】
魔力は高いものの、肉体的には極めて貧弱である。対魔力をもつ三騎士やライダーに対しては必然的にマスターの『地獄流し』を狙うしかない。
危険は大きいが、場合によっては他の主従と接触し契約を促して『地獄流し』を発動させることも必要になるかもしれない。
そのため情報収集が基本方針となるが、マスターは非協力的であるから単独行動のスキルを利用しつつ三藁を通じて情報を集めることになるであろう。
マスターが他の主従から怨みを買った場合、逆に自らの手で地獄に流さねばならなくなる場合すらあるのでマスター共々不用意な行動は慎むべきである。
宝具の発動時には令呪にすら抵抗するため、マスター自身がターゲットに指定された場合、発動前にキャスターに依頼を破棄させるか自害させる、
または依頼者が死亡するか依頼者自ら依頼を破棄する、もしくは発動後に令呪を二画使用するといったものが対抗手段となる。
(他者がターゲットの場合、気配遮断や陣地作成によりマスターが捕捉できなくなるため宝具の発動後に令呪を使用することは事実上不可能である)
しかしマスターの性格上無用な殺生は行わないであろうから、発動前に依頼者を説得するか依頼を破棄させる、もしくは令呪を二画使用することになるだろう。
地獄少女の噂は都市伝説として既に東京中に広まっている上、依頼者に対しては依頼の成否に関わらず必ず真名を告げなければいけないので十分な注意が必要である。
候補作投下順
最終更新:2016年03月03日 22:57