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その部屋には、兄弟の写真が飾られていた。
兄も弟も屈託のない笑顔を浮かべており、仲のいい兄弟であることがうかがえた。
だがこの瞬間、兄の顔めがけて刃物が突き立てられた。
突き立てたのは、写真に写る弟。
しかしその表情は、写真の中の笑顔とはかけ離れた、怨嗟に満ちたものだった。


◆ ◆ ◆


警察署長の父と、主婦の母。そして海外留学中の兄。
大好きな家族に囲まれた、幸せな日々。
そんな甘い幻想に浸っていたさっきまでの自分に、腹が立つ。

記憶を取り戻したうちはサスケは、怒りに震えていた。
忍者としての習性か大声を出すことは抑えているが、握りしめた拳にこもる力がいっこうに緩まない。

(落ち着け……。まずは状況の確認だ。
 ここはどこだ。いったい何が起きた)

ある程度頭が冷えてきたところで、サスケは今自分が置かれた状況について考え始める。
先ほどまでの自分は、この東京という街で暮らす中学生という記憶を植え付けられていた。
本来の記憶を取り戻した今でも、その記憶は残ったままだ。
強力な記憶操作の術をかけられていたことは間違いないだろう。
次に、この街はいったいなんなのか。
幻術にしては規模が大きすぎるし、細かすぎる。
これほどの幻術を使えるのはそれこそ憎き兄くらいだろうし、そもそもここまでやる必然性がない。
つまりここは、実際に存在する街だと考えるのが妥当だ。
しかしかなりの大都市であるにもかかわらず、「東京」という地名はサスケの記憶にはない。
よほどの辺境の地なのか、それとも……。

「ダメだな、情報が少なすぎる……」

溜息を漏らし、サスケは椅子に腰を下ろす。
その時、突如として彼以外の声が部屋に響いた。

「教えてやってもいいぞ」
「誰だ!」

反射的に、サスケは現れた人影にクナイを投げつける。
それはたしかに命中した。
だがクナイは弾かれ、攻撃された男は平然と立っていた。

「何……?」
「落ち着け。そんなものでは、俺たちサーヴァントに傷を負わせることはできない」
「サーヴァントだと? なんだそれは。俺が記憶をいじられてここに連れて来られたことに、何か関係あるのか?」
「落ち着けと言っているだろう。妙な真似をしなければ、全部話してやる。
 俺はお前の味方だからな。今のところは、だが……」

無表情を貫いたまま、男はそう告げた。


◆ ◆ ◆


「それが聖杯戦争、か……」
「ああ、そしてお前と組むことになったアーチャーのサーヴァントが、俺というわけだ」

数十分後、サスケはアーチャーを名乗る青年から、聖杯戦争に関する知識をあらかた教えられていた。

「どんな願いでも叶えてくれるとはな。まさに、俺におあつらえ向きじゃないか」
「叶えたい願いがあるのか」
「ああ……絶対に殺さなきゃいけない男がいる」

サスケの手が、再び拳を握る。

「殺したい理由は?」
「復讐だ。その男は俺の両親を殺し、一族を皆殺しにした……!」

決して忘れることのできない光景が、サスケの脳裏に再生される。
優しかったはずの兄が突如として一族を壊滅させ、両親までも手にかけたあの日。
あの悪夢が、サスケを復讐者へと変えた。
兄・うちはイタチを殺す。それがサスケの人生における、ただ一つの目標だった。

「本当にどんな願いでも叶うというのなら、あいつを直接殺すことも可能だろう。
 だが、それじゃいくら何でもあっけなさ過ぎる。
 あいつを上回るだけの力を手に入れて、俺自身の手で殺す……!」
「復讐か……。共感はしないが、まあまともな理由だな。
 付き合うには十分だ」

言葉の節々に殺意がにじむサスケとは対照的に、アーチャーは無表情のままだ。
その振る舞いからは、感情というものが一切感じられない。

「さて……一通り確認はしたし、名刺代わりに俺の能力を見せておこうか」

ふいにアーチャーは部屋の中を移動すると、無造作に置かれていたティッシュを一枚取る。
そしてそれを丸め、手のひらに乗せた。
怪訝そうな表情を浮かべるサスケの前で、アーチャーはもう一方の手で丸めたティッシュを軽く押す。
その瞬間、ティッシュは猛烈な速度でサスケの脇をかすめ、壁にめり込んだ。

「…………!」

サスケは絶句していた。
能力そのものに驚いたというのもある。
だがそれ以上に、気を抜いていてまったく反応できなかった自分の迂闊さに腹が立っていた。

「これが俺の能力であり、宝具。『狙撃手(スナイパー)』だ。
 お前がくだらない理由で聖杯を狙うようなら、これで頭を撃ち抜いてとっとと帰るつもりだったが……。
 欲に駆られたバカではないようだからな。力になってやろう」

サスケの様子を気にすることもなく、アーチャーは淡々と告げる。
その態度が、サスケを余計にいらだたせた。

「ずいぶんと上からものを言ってくれるじゃねえか……。
 いいぜ、せいぜいこき使ってやるよ」
「ああ、やってみるがいい。楽しみにしているぞ」

アーチャーの顔に、初めて笑みが浮かぶ。
だがそれは、凍てついた氷の微笑だった。





【クラス】アーチャー
【真名】刃霧要
【出典】幽遊白書
【属性】中立・中庸

【パラメーター】筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:C 幸運:B 宝具:B

【クラススキル】
対魔力:D
魔術に対する抵抗力。
Dランクでは、一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:C
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
マスターを失っても、Cランクならば1日は現界可能。

【保有スキル】
ニヒリスト:B
感情の起伏に乏しく、他者の熱狂にも当てられない。
感情に作用するスキル・宝具の効果を受けづらい。

千里眼:E
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。
アーチャーの場合は、狙撃手としての目のよさを表している。


【宝具】
『狙撃手(スナイパー)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1-200 最大捕捉:5人
アーチャーが生前持っていた異能が、宝具となったもの。
無機物に霊気(魔力)を注ぐことで「弾丸」とし、何らかの力を加えることで射出する能力。
その威力は消しゴムの欠片にも、本物の銃弾に匹敵する殺傷力を持たせられるほど。
自動車などの大きなものも「弾丸」にできるが、質量が大きければそれだけ魔力の消費も大きくなる。
また相手の体に触れることで、「死紋十字班」という刻印を施すことができる。
レンジ内にこの刻印をつけた者がいる場合、「弾丸」は命中するか破壊されるまで相手を追尾し続ける。

【weapon】
拳銃

【人物背景】
人間界と魔界をつなげる「界境トンネル」を開こうとする仙水忍に協力した、能力者の一人。
仙水からは信頼されていたようで彼と行動を共にすることが多かったが、
仙水の思想に共感している様子はなく、非日常の刺激を求めていただけのようである。
冷静で表情の変化が少ないが、動物虐待に対し不快感をあらわにするなど全くの無感動気質ではない。
仙水の計画を阻止しようとする幽助たちとの戦いでは、自分の能力を活かし幽助を一方的に攻撃するものの、
突如現れた飛影に後ろから刺され戦闘不能に。
しかし急所を外されていたため、一命はとりとめた。
事件解決後は元の生活に戻るが、高校卒業と同時に失踪する。

【サーヴァントとしての願い】
暇潰し。

【基本戦術、方針、運用法】
完全な狙撃特化型アーチャー。宝具を使い、相手の射程外から攻撃するのが基本戦法となる。
近距離戦でも攻撃力が落ちるわけではないが、相手次第では一撃食らえばお陀仏のもろさなので極力避けた方がいい。

【マスター】うちはサスケ
【出典】NARUTO

【マスターとしての願い】
イタチを殺せるだけの力を手に入れる。

【weapon】
手裏剣などの忍具一式

【能力・技能】
○忍術
体内で練り上げた「チャクラ」と呼ばれるエネルギーにより、様々な現象を起こす術。
サスケは基本的な忍術に加え火遁の術を数種、そして雷遁を用いた必殺の突き「千鳥」を修得している。

○写輪眼
特定の一族だけが使える「血継限界」という分類に属する術。
うちは一族だけが発現させることのできる、特殊な瞳。
成長させれば様々な効果を持つが、現時点のサスケではまだ他者の技のコピー程度しかできない。

○呪印
邪悪なる忍者・大蛇丸に施された刻印。
サスケの感情が高ぶると彼の体に広がり、一時的に彼の戦闘力を強化する。
しかしその代償として、チャクラの消耗が非常に激しくなる。

【人物背景】
木の葉隠れの里の下忍。
名門・うちは一族の出身だったが、幼い頃に実の兄であるイタチがサスケ以外の一族を全て殺害。
イタチはそのまま里を抜けたため、うちは一族最後の一人となってしまう。
それ以来兄を殺すことを心に誓い、そのための強さを求め続けてきた。

今回はイタチに月読で倒され、入院していた時期からの参加。

【方針】
聖杯狙い。



候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 23:05