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【2日目】







「ーーー問おう、ぬしが俺(おい)のますたぁか」


「ま、・・ます?え、誰?」


自宅であるマンションの一室で、少女ーー巴マミは混乱していた。


気付いたら知らない土地で暮らしている事になっていた。
その事に動揺していたら、いきなり目の前に武者の格好の男が現れて、訳の分からないことを言い始めた。
起こる事々が余りにも急で、彼女の理解が追いつかない。


「いや、問うまでもなか。そん左手の令呪が、俺のますたぁである“しるし”じゃ」


言われてみると、彼女の左手の甲の皮膚には奇妙な紋章が浮き出ていた。
十字を円で囲ったような、プラスドライバーの先端を上から見たような。
男の衣服にも同様のものが描かれている。

(な、なにこれ?刺青?魔女の口づけにも似てるけど・・・)

すると、これは全て魔女が見せる幻覚のような物なのだろうか。
だったらこの武者のような格好をした男が魔女?それとも使い魔?
そもそもこの男の言う“マスター”とは何なのか。
とりあえず、この男が一連の“怪異”に関わっているのは間違いないのだろう。
そう結論付けた彼女は、一先ず男へ尋ねることにした。


「えっと、貴方は一体、「む!これは!!」


男は少女から問われる言葉を遮り、“ズザッ”っという音が聞こえんばかりの勢いで窓の方へと向く。
窓の外は夜景が広がるばかり。会話を断ち切る程の何かが有るとは思えない。



「ーーー“戦”」



男の口角が歪む。瞳孔が開く。毛が逆立つ。




「“戦のにおい”じゃ!!」





そのまま膝を上げ、身体を捻らせ、





窓を思い切り蹴り破った。





「え、」


男の突然の奇行にマミは呆然とする。


「何ば呆けちょるますたぁ、はよう行くど!」


男はそんな様子にはお構い無しに、マミの腕を掴み、肩に担ぎ、外へと飛び出た。

そこでマミはようやく気を取り戻すが、既に遅い。
常人とは思えない力でマミを拘束しており、身動きが取れない。


「ちょ、ちょっと!」
「いかん!!相手は離れていっとる!!」


男は各部屋のベランダを足場にし、猿のような俊敏さでマンションを降り、コンクリートの地面へと難なく着地する。


そのまま男はマミを抱えながら、弾丸の如き速さで夜の街へと突っ走った。


◆◇◆



男ーー“島津豊久”はサーヴァントだ。


その名も、『ドリフター』


彼はサーヴァントではあるが、確固たる願いを持っている訳では無い。
波の流れに身体を委ねた結果、聖杯戦争へと辿り着いた。
その名の通り“漂流者”であった。

だからドリフターは走る。戦場を走る。東京を走る。

戦を、

首級を求め。

それしか彼は知らないから。


◆◇◆


赤と黄の閃光が深夜の街を駆ける。
彼らは、常人の眼には一種の怪物、いや、“妖怪”として映るに違いない。
サーヴァントの全力疾走。見た者の常識が、それらが“人”である事を拒否する。

「首置いてけ!!」

ドリフターは止まらない。
止めるべき主である少女は半分伸びている。

「おいの首が!!」

ドリフターの前に障害があれば破壊してでも走る。
立てられた看板があれば、蹴り倒して走る。
放置された自転車があれば、蹴り飛ばして走る。
違法駐車された自動車があれば、踏み壊して走る。

「おいの大将首が!!」

ガードレールが、街灯が、
車が、バス停が、電柱が、道路標識が、
自動販売機が、塀が、壁が、棚が、椅子が、机が、窓が、柵が、信号が、車が、

「首、首、首、首、首、首、首、首、首、首、首」

ドリフターは既に“敵サーヴァント達の交戦”の気配を見失っていた。
どちらかが敗れたか。逃走したか。
何れにせよ、戦い収束し、相手はその場から去っていった。
おまけに近代都市という慣れない土地。追跡は不可能。

それでもドリフターは止まらなかった。

気分の高揚のままに、都市を駆けた。

だが、永遠に街を荒らすかと思われたドリフターの蛮行も、とうとう終わりを迎える。
彼の前方に見えるのは、深い黒に浸染した空(スカイ)へと伸びる一本の真新しい電波塔。

これを丁度いい高台と見たドリフターは、疾走に更に勢いを付け、コンクリートの地を砕く程の脚力で蹴り上がり、宙へと跳び上がる。
そして己の主を肩に抱えながら、器用に電波塔の鉄骨の一部に着地する。衝撃で足場が少し歪曲した。

そして己が駆けてきた方へと身体を向け、周囲に存在する全ての空気を取り込めんばかりに息を吸い。


「首置いてけぇぇえええええええええッ!!!!」


夜の東京へ猛々しく叫んだ。














(わ、わけが・・・)

巴マミの心情は、訳が分からないというレベルをとうに超えていた。





【CLASS】
ドリフター

【真名】
島津豊久@ドリフターズ

【属性】
混沌・善

【ステータス】
筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:E 幸運:B 宝具:C+

(首置いてけ発動時)
筋力:B+ 耐久:B 敏捷:B+ 魔力:D 幸運:B 宝具:C+

【クラススキル】
漂流者:B
一般的にサーヴァントは召喚される際、生活する上で不都合が無いように現代知識が与えられるのだが、ドリフターはそれを有していない。
独特な考えを持つドリフターは人々にとって異端者であり、異なる文化や価値観を与える伝道者である。
ドリフターは自らの信念に基づいて行動し、行き着いた世界を変化させる。

【保有スキル】
戦闘続行:B(EX)
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

勇猛:A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

直感:B
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

【宝具】
『首置いてけ』
ランク:C+ 種別:対首宝具 レンジ:- 最大補足:1
ドリフターの「首」に対する蛮族めいた執着が宝具へと昇華した。
敵マスターを、或いは敵サーヴァントを「大将首」であるとドリフターが認識した時、
その首を刈り取るか、相手が降伏するか、戦闘から離脱するまでステータスが上に記した値に変化する。

『捨て奸』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:-
ドリフターが生前用いた敵中突破の手段が宝具となった。
内容は大雑把に言えば、「小規模の隊が死ぬまで戦い、本隊を逃げ切らせる」というもの。
本来は幾らかの兵が必要である戦法だが、兵を召喚する宝具やスキルをドリフターは持ち合わせていない為、一人で行う。
この宝具を開放した時、ドリフターにはスキル「単独行動:A+」が追加される。
さらにドリフターは瀕死の傷を受ける度に、スキル「戦闘続行」の値が、BからA、AからA+、A+からA++、A++からA+++へと終わりなく上昇する。
ただし、宝具解放時から4ターン後にドリフターは消滅する。

【weapon】
野太刀と火縄式の短筒。

【人物背景】
戦国時代の島津家の武将。
薩摩隼人を絵に描いたような血気盛んな性格。
戦場では鬼神の如き強さを見せ、指揮官としても優秀。
その様は「全知全能が戦に特化している」とも言われた。
ただし、少し残念な子。

西軍として参戦した関ヶ原の戦いで若くして命を落とした




ーーーらしい。

【サーヴァントの願い】
首級。




【マスター】
巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ

【weapon】
無数のマスケット銃

【能力・技能】
魔法少女としての戦闘センスは極めて高い。
無数の銃を生成して戦う事を主な戦闘方法としているが、体術においても優秀。
またリボンを操り相手を拘束したりすることも可能。
必殺技は巨大な銃で相手を砲撃する、「ティロ・フィナーレ」

【人物背景】
交通事故で瀕死だった彼女は、キュウベイと契約し「魔法少女」となることで生還する。
周囲には面倒見の良いお姉さんの様な振る舞いをするが、実際は年相応の少女。
心許せる家族も、自分の正体を明かせる親しい友人もいない中で、たった一人魔女と戦う生活に孤独と寂しさを感じている。

今回のマミの参戦した時期はTV版3話、お菓子の魔女と戦う前である。

【マスターとしての願い】
現状の打開。


【基本方針・戦術】
こんなんでもドリフターの得意戦法は“集団戦”
フォローする人が居てこそドリフターの一騎当千は真価を発揮する。
だが同盟相手を探すより先ず、主従の話し合いが必要。



候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 23:45