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 ――この世界に、冒険者と呼ばれる存在はいない。
 人を襲うモンスターも居ないし、俺みたいな未成年が大っぴらに酒を飲んだら警察に注意される。
 勿論、魔王なんて存在もゲームやアニメにしか存在しない。
 それが日本だ。
 それが俺が生まれ、16歳まで育った世界なのだ。
 さて、そんな世界に居る今の俺、佐藤和真は。

「ハァ……」

 自分の部屋で落ち込んでいた。
 それはもう猛烈に落ち込んでいた。
 今の俺は多分冬将軍に殺されたときより落ち込んでる。
 その原因は

「…………」

 目の前にいるこいつだ。
 歳は俺より下だろうか、多分めぐみんと同じくらいだろう。
 特に特徴のある見た目じゃない、口で説明するなら赤い帽子を被った少年と言った感じだ。
 だがこいつはただの少年じゃない。
 何でもサーヴァントとか言う死後の英霊で、クラスはトレーナーらしい。
 そして俺はコイツと聖杯戦争とか言う、どんな願いでもかなう聖杯を掛けた殺し合いに巻き込まれたらしい。
 ……とりあえず色々言いたいことはあるが

「俺は元の世界に帰れるのか?」

 これが一番重要な話だ。
 俺はあのろくでもない世界が気に入っている。
 借金や厄介な仲間が居るが、それでもあの世界は嫌いじゃない。
 エリスは可愛いし、ウィズは美人だし、あのシュワシュワが飲みたい。
 そして何よりサキュバスのお姉さんのお店に行きたい。
 前はアクアのせいで散々だったし。
 そんな思いを自分のサーヴァントにぶつけると。

「…………」

 俺のサーヴァントは何も言ってくれなかった。
 いや何か言えよ。
 何なのこいつ、RPGの主人公かっていうくらい喋らないんだけど。
 一応、聖杯戦争とこの東京が偽りだという点はきちんと説明してくれたが、後はほとんど喋ってない。
 コミュ障なんだろうか。

「まあ、分からないっていうならしょうがない。それよりお前戦えるのか? 正直俺より弱そうなんだけど」

 はっきり言って目の前の少年はとても英雄に見えない。ステータスもほとんど最低ランクだし。
 英雄と聞いてまず思いつくのは、癪だがあの魔剣の人ミツルギだ。
 神から与えられた剣で、強力な魔物とか倒すみたいなイメージだ。
 対して目の前のこいつはどうだ、武器の一つも持ってない。
 何だったら魔王軍の幹部やデストロイヤー倒すのに尽力した俺の方がサーヴァントに近いような気さえする。

『最弱職でヒキニートのカズマさんが英雄とかありえないでしょ、プークスクス』

 何となく居ないはずのアクマに馬鹿にされた気がしたので帰ったら報復してやろう。

「…………」

 すると俺の言葉をどう取ったのか、トレーナーは立ち上がり外へ向かっていく。

「お、おい?」
「…………」

 頼むから何か言ってくれ。


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 トレーナーが外に出ていき、俺がそれに慌ててついていく。
 そして着いたのは人気のない路地裏だった。

「なあ、こんな所で何を……」
「…………」

 俺の問いかけには当然答えず、トレーナーはどこにしまっていたのか赤と白のボールを1つ出し放り投げる。
 するとそこから40センチくらいの黄色いネズミが現れた。
 ……ネズミだよな?

「これがお前の宝具とかいう奴か?」
「…………」

 トレーナーは首を縦に振った。
 使い魔とかそういう存在なのだろうか?
 なるほど、これなら武器の一つも持ってなくても戦えるのは分かった。

「こいつ一匹だけか?」
「…………」

 俺が聞くと、トレーナーは腰から5つのさっきと同じボールを取り出す。
 全部で6匹と言いたいらしい。

「じゃあ残りの奴も――」
「お前もマスターだな!?」

 いきなり叫び声が聞こえたので振り返ると、そこには何かチンピラ臭い奴と、いかにも暗殺者と言った外見をした奴いた。

「……アサシンのマスターか」
「ああ、そうだ!」

 俺のカマ掛けに律儀に答える相手マスター。
 いや隠せよ。暗殺者の正面戦闘なんて多分アクアでもしないぞ。

「いけっ、アサシン!」 

 アサシンのマスターがそう言うと、アサシンは目にもとまらぬ速さでトレーナーに向かっていく。
 俺がどうにかしなければとトレーナーに向かっていこうとするがその前に

「ピカチュウ、でんこうせっか」

 さっき出していたネズミに指示をだし、自身への攻撃を防ぐ。
 ……あのネズミ、ピカチュウって言うのか。

「何だよそいつ!? アサシン、まずはその黄色いのからやっちまえ!!」

 どうでもいいけどあいつ、何で俺を狙わないんだ?

「ピカチュウ、10まんボルト」

 俺があまり考えない方がいい事を考えていると、トレーナーがピカチュウにまた指示を出していた。
 ピカチュウが指示を聞くと、ピカチュウの体から電気が発せられ、それがアサシンに向かっていく。

「ぐわあああああ――――っ!!」
「ア、アサシ――――――ン!!」

 電撃を受けたアサシンに駆け寄る相手マスター。
 その姿にはさっきまであったこっちを見下すようなものは無く、ただ純粋にアサシンを心配しているようだ。
 一方俺は、これから激戦になるのではとか考えてたせいか俺は若干拍子抜けしていた。

「グフッ、やはり水をつかさどる私は電気に勝てなかったか……」
「消えるなアサシン! お前には叶えたい夢があるんだろ!!」

 おいやめろ、絆の力見せるイベントとかマジでやめろ。
 倒しにくくなるだろ! おい本当にやめろって!

「…………」

 その様子をトレーナーはただじっと見ている。

「なあマスターのあんた! 虫のいい頼みだと思うがここは負けを認めるから見逃してくれ!!」
「…………」

 アサシンのマスターとトレーナーが同時にこっちを見る。
 懇願するようなマスターの視線に耐えかねて俺は思わず首を縦に振る。

「ありがとう! この恩は絶対忘れないぜ!!」

 そう言ってマスターはアサシンを背負って去って行った。

「……これで良かったのか?」
「…………」

 俺の問いに、やっぱりトレーナーは答えてくれなかった。





【クラス】
トレーナー

【真名】
レッド@ポケットモンスター 金・銀・クリスタル

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運A 宝具A

【属性】
中立・中庸

【クラススキル】
トレーナー:A
怪物を育成し、戦わせるものに与えられるスキル。
Aランクであれば最高峰の腕前。

【保有スキル】
攻撃無効:-(A)
普段は機能していない。
だが、トレーナーの宝具『ポケモンバトル』が展開されると、このスキルは自身とマスター、そして相手マスターに対して直接攻撃が無効となる。

仕切り直し:E~A
戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
場に出ている『共に歩んだ仲間たち(ポケットモンスター)』の力量が、相手より上回っているだけこのスキルのランクは高くなる。

【宝具】
『共に歩んだ仲間たち(ポケットモンスター)』
ランク:A 種別:対?宝具 レンジ:??? 最大補足:6
トレーナーの手持ちポケモンにして、共に歩んだ仲間たち。
内容はピカチュウ・エーフィ・カビゴン・フシギバナ・リザードン・カメックスの6匹。
この宝具はいかなる攻撃でも死亡することは無い。
ただし、一定以上のダメージを受けると「ひんし」となる。
そして、6匹全てが「ひんし」になるとトレーナーは聖杯戦争に敗北となり消滅する。
「ひんし」を回復させるためにはトレーナーが一休み(ベッドなどで一定時間休息を取る)しなければならない。この間、マスターは無防備となる。
また、この宝具が繰り出せる技にはわざポイント(以下PP)があり、繰り出せる回数が決まっている。
PPがなくなるとこの宝具は「わるあがき」しか出来なくなってしまう。
PPを回復させる場合もトレーナーは一休みしなければならない。

『ポケモンバトル』
ランク:C 種別:特殊 レンジ:- 最大補足:-
トレーナーの居た世界のルールが、聖杯戦争に際して宝具と化したもの。
戦意を持ったマスター、サーヴァントもしくはその使い魔がトレーナーの前に現れる、またはトレーナーがマスター、サーヴァントもしくはその使い魔に勝負を挑むと発動する宝具。
この宝具が発動すると、トレーナーは一体ずつしか『共に歩んだ仲間たち(ポケットモンスター)』を繰り出せず、また相手も一体ずつしか戦闘できなくなる。
ただし、群体型に関しては群体で一体としてカウントされる。
また、この宝具が発動している間は自身マスター及び相手マスターは自軍に対して支援しか行う事が出来ず、相手に対する直接攻撃は禁止となる。

『ダメだ!  しょうぶの さいちゅうに あいてに せなかは みせられない!』
ランク:C 種別:特殊 レンジ:- 最大補足:-
トレーナーの居た世界のルールが、聖杯戦争に際して宝具と化したもの。
マスターとサーヴァントが共に行動している相手に『ポケモンバトル』が発動すると発動する宝具。
この宝具が発動すると、お互いに勝敗が決するまで逃走できなくなる。これは逃走用のスキルや宝具も無効化する。
そして決着がついた際、勝利したマスターに敗北したマスターの所持金半分が強制的に移動する。
最後にサーヴァントを失ったマスターは、マスター自身が最後に休息した場所の前に強制的に転移される。
ただし、サーヴァントを失う前にマスターの意志で降参することは可能。
この場合、所持金の移動は起こるものの強制的な転移は起こらない。

【weapon】
『共に歩んだ仲間たち(ポケットモンスター)』

【人物背景】
カントー地方ポケモンリーグチャンピオン。
だが、彼はその頂に立ったことで満足な戦いが出来る相手が殆ど居なくなってしまった。

【サーヴァントとしての願い】
より強い相手と戦いたい。



【マスター】
佐藤和真@この素晴らしい世界に祝福を!

【マスターとしての願い】
借金を返済したい

【weapon】
片手剣

【能力・技能】
  • 冒険者
カズマが就いている職業。
基本職で最弱ではあるものの、全ての職業のスキルが覚えられる。

  • スキル
カズマが他の冒険者から学んだスキル。
敵の気配を察知する「敵感知」
自身の気配を消す「潜伏」
暗闇でも目が効く「千里眼」
相手の持ち物をランダムで奪う「スティール」
相手に触れ発動すると魔力を奪う「ドレインタッチ」
後は、攻撃には使えない初級魔法がカズマの使えるスキルである。

  • 幸運
冒険者には必要ないが、非常に高い。

  • 悪知恵
カズマの強さ。
彼はこれと幸運の高さを駆使して弱いスキルで戦っている。

【人物背景】
アクセルの街で活動する冒険者。
元々は現代日本で暮らしていた引きこもりだったが、トラクターに轢かれそうになったことでショック死しファンタジー世界に転生した。
頑張る時は頑張るが、頑張る必要がなくなるととことんだらけるタイプの男。

【方針】
聖杯は欲しいけど人殺しは……。
とりあえず前は田舎暮らしだったし東京を楽しんでみたい。

【備考】
参戦時期は機動要塞デスロイヤー撃破後です。
与えられた役割は高校生ですが、NPC時代から引きこもっていました。



候補作投下順



最終更新:2016年03月14日 01:32