突然、知人の様子が変わったとしたら人はどのような行動をとるだろうか。
まず殆どの人間は困惑し、戸惑うだろう。
だが、次に取る行動は人によって千差万別であるように思える。
ある人は自身に被害が及ばぬようその人を忌避し、距離を取るだろう。
一方である人は理由を聞くなりして、その人に対し行動を起こすだろう。
教会に務める初老の牧師がとった行動は後者だった。
「……シスター・クラリス、なにか悩みごとがあるのではないですか?」
深く心配の色をにじませた神父の言葉に金髪の女性は困ったように眉を寄せる。
彼女の名はクラリス。この教会に務めるシスターの一人だ。
言葉にするならば清廉潔白、清楚可憐……そんな言葉がよく似合う女性だ。
だがそんな彼女に今朝から見過ごせない変化が起こっている。
とはいえ、彼女自身の立ち振舞いに変化はない。
では何が変わったのかというと……
「飲酒が悪いこととは言わない。
だが……その……あまりにも飲み過ぎではないのかね……?」
……そう、とにかく酒臭かったのだ。
一昨日、今まで一日も休むことのなかった執務を休んだ彼女。
そして今朝、教会にやってきた彼女から発せられた強烈なアルコール臭。
コレで心配するなという方が無理がある。
「知っての通り主も酒に溺れることを禁じておられる。
何か悩みごとがあるなら私が相談に乗ろう。
どこまで力になれるかは分からないが、酒に溺れるよりは力になれるはずだ」
どこまでも真摯な神父の言葉。
その言葉にクラリスは意を決したように、でも少し恥ずかしそうに口を開く。
「……ありがとうござます、神父様。
ですが……私自身はここ数日アルコールを口にしていないのです」
神父は困惑する。
ではその全身から漂うアルコール臭は一体何なのかと。
だがクラリスは嘘偽りを口にする女性ではない。
それに……これも気になってきたことではあるのだが、
強烈なアルコール臭にも関わらず彼女自身に酔っ払ったような言動は少しも見られないのだ。
ではどういうことだろうか、と神父が口を開く前にクラリスが言葉を重ねる。
「ですが……その……数日前に突然友人がやってきまして……
彼女がとてもお酒を嗜まれる方でしたので……」
言いにくそうに続けられる途切れ途切れの説明。
だが長い付き合いの神父はその説明で全てを理解した。
突然訪ねてきた友人がとにかく飲む人間であったと。
そしてそのアルコール臭が移ってしまったのだと。
なるほど、理屈は通っている。
だが一日二日でこれだけのアルコール臭を発するほど飲んだとなると、流石にその"彼女"とやらの体調が心配になってしまう。
「……そのご友人は今も家に?」
「ええ、今は落ち着いて寝ていると思いますけれど……」
本来なら病院などを進めるべきかもしれない。
だがそれは目の前の女性に更なる負担をかけてしまうかもしれない。
そう思い、神父は目の前の女性に判断を委ねた。
彼女は聡明だ。本当に助けが必要ならばそう行動するだろう――そう考えて。
「ではご友人にもお伝えなさい。
『あなた方の体を神に受け入れられる、生きた、聖なる犠牲として差し出しなさい。
これがあなた方の理性による神聖な奉仕です』と。
それに暫くでしたらお休みをとってもらっても構いませんよ。
その……どうしても手に負えない場合は私も力を貸しますから」
「………はい、ありがとうございます神父様」
「ええ、貴女と彼女に神の導きがあらんことを……」
■ ■ ■
「はぁ……困ってしまいました……」
自室に帰ったクラリスは深くため息を付いた。
香水などで気をつけてはみたものの、この臭いはごまかしきれるものではないらしい。
そしてその臭いを発する大元はクラリスの眼前にいた。
「ンゴォォォォォォォォ……!」
ベッドの上でいびきをかきながら眠るのは修道服の少女。
クラリスの胸辺りまでしかない小さな体躯に、不釣り合いなほど豊満な身体。
だが何よりも目を引くのはそのベールからつきだした二本の立派な角だ。
『サーヴァ……ウェッップ……ント……狂戦士(バーサーカー)…ヴォェッ……
召喚(じょうがん)に応じ…ヴィッ……参上ぅうう……み、水ぅ……』
自身を狂戦士(バーサーカー)と名乗る修道服の女は突如として彼女の前に現れた。
自室にいきなり現れた不審者。
その時クラリスは警察か何かに連絡すべきだったのかもしれない。
だがその人ならざる耳と2つの角に彼女は戸惑ってしまった。
そして何と言っても前後不覚に陥った泥酔者そのものの言動に、
面倒見のいいクラリスはついつい親身になって世話を焼いてしまったのだ。
そして夜が明け、少しだけ酔いの覚めた彼女から事情を聞いたクラリスはさらに混乱した。
曰く、聖杯戦争というものがこの東京で起こっているらしい。
曰く、聖杯戦争とはマスターとサーヴァント、二人一組で挑む戦いらしい。
曰く、そのマスターというものに自分は選ばれてしまったらしい。
曰く、聖杯が手に入れば何でも願いが叶うらしい。
そのことを告げられたクラリスは当然の事ながら混乱した。
聖杯とは彼女にとって書物の中に出てくるモノで、何でも願いが叶う都合のいい万能機などではない。
更にはそのために互いに戦い合わせるなど……彼女の信じる神が許す行為ではない。
だが酔っぱらいの戯言……と片付けてしまうには目の前の少女は異常すぎた。
自在に姿を消せるようだし、何よりその角は地肌から生えており作り物などでは決してなかった。
それに彼女自身、どうしても理解できないことがあったのだ。
「私は……いつアイドルを辞めてしまったのでしょうか……?」
……そう、クラリスはシスター兼アイドルだったはずだ。
所属する教会の財政を助ける手段を模索している時に、プロデューサーにスカウトされ、アイドルとなったのだ。
だがこの教会は財政難になど陥っていない。
そして自分もアイドルではなく、一介のシスターとして生きてきたと記憶している。
まるでアイドルだったのが夢であるかのような不思議な感覚。
だがプロデューサーや事務所の仲間たちとの日々は夢だとするにはあまりにも鮮烈で、
夢などではないと彼女は自信を持って断言できるものだった。
だからこそ今の状況が不思議でならないのだ。
だがいつからこんなことになったのか。
思い出そうとするがどうにもはっきりしない。
「この手の痣も何か関係しているのでしょうか……」
自身の手にある奇妙な赤色の痣をじっと見つめる。
痛みもなく、いつの間にか出来たかもわからない奇妙な傷跡。
まるで噂に伝え聞く聖痕のようだが、傷というよりも幾何学的な模様のように見える。
そして不思議な事なのだが――なんだか目の前の修道服の女と"繋がっている"感じがする。
「とりあえず、起きたらもう一度話をお伺いするしかないようですね……」
そしてどうするか、決めましょう。
そう、クラリスは細い目の奥で決意を固めるのであった。
「……んん~もう飲めないにゃぁ……」
……耳に届く呑気な寝言に少しだけその決意が揺らがせながら。
【クラス】
バーサーカー
【真名】
ラムレッダ@グランブルーファンタジー
【パラメーター】
筋力C~C+ 耐久C 敏捷D 魔力D 幸運E 宝具C
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
Dランクのバーサーカーは酩酊状態により言語機能が単純化し、複雑な思考を長時間続けることが困難になる。
【保有スキル】
酒によって精神が混濁している為、他の精神干渉系魔術を低確率でシャットアウトする。
同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない……わけではなくある程度の意思疎通は可能。
だが酔っぱらいの言うことを信用してはいけない。
本人曰く『大丈夫~酔ってないにゃ~』とのことだが、酔っぱらいは皆そう言う。
あっちへフラフラ、こっちへふらふら。
てんで法則性のないその動きは達人であればあるほど惑わされる。
相手が何らかの対人戦闘術を使用した場合、回避にプラス補正が働く。
なお判定でファンブルが出た場合、その場で転倒する。
後述の宝具によって増加した魔力が臨界点に達した時、強制的に放出するスキル。
体内の魔力を流体化し、排出する――口から。
一定時間、筋力および耐久力のランクが1つダウンするが、
毒などのバッドステータスを受けていた場合、一定時間経過後、同時に回復することが出来る。
つまりとても"すっきり"する。
ただし魔力を排出すればするほど英霊としての格と女としての尊厳は下がっていく。
アルコールの摂取に起因する、一時的な頭痛持ち。
精神系スキルの成功率を著しく低下させる。
――つまり二日酔いである。
なおアルコールを再び摂取すると本スキルは非発動状態に戻る。
――つまり迎え酒である。
【Weapon】
【宝具】
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
そこらのチンピラを、凶暴なモンスターを、果ては星晶獣を酒瓶で殴り倒したという逸話の顕現。
自身の手にした酒瓶をDランク相当の宝具として扱うことが出来る。
酒瓶と判定されるのは『アルコールが入っている/入っていた容器』であり、酒樽や缶ビール等でも問題ない。
なお手から離れた瞬間その効能は消失する。
ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
飲んで飲まれて飲まれて飲んで――そしてやらかす。そんな逸話が宝具となったもの。
アルコールを摂取することで魔力に変換することが出来る。
更に増加した魔力に応じ、筋力、耐久力にボーナスがつく。
酔えば酔うほど強くなる酒の申し子としての宝具。
これによって魔力を持たないマスターでも長期的な現界が可能となる。
……が飲み過ぎると"魔力排出(酒)"スキルが強制的に発動する。
かといって酒を断つと"頭痛持ち"スキルが発動する。
また酒臭くなるというデメリットが存在しており、その匂いは霊体化したとしても周囲に漏れ出すほど
更には、魔力パスを通じてマスターに伝染するなど、最早一種の呪いとして完成されている。
【人物背景】
訳あり酔いどれロリ巨乳角付き修道女。
訳あって飲み屋でバイトをしていたが、客を酒瓶でぶん殴り、主人公たちについてくることになる。
決して悪人ではないのだが兎にも角にも酒癖が悪いダメドラフでもある。
なおエクストラクラス・呑兵衛(ドランカー)としての適性を持つ他、
マスターが社会人や学生であった場合、社会的に抹殺されることからアサシンとしての適性も持つ。
【サーヴァントとしての願い】
酒持って来いにゃぁ~
【運用方法】
飲め、殴れ、吐け。
【マスター】
クラリス@アイドルマスターシンデレラガールズ
【マスターとしての願い】
未定
【weapon】
なし。
強いて言うならアイドルとしての魅力か。
【人物背景】
シスターから訳あってシスター兼アイドルになった女性。
性格は落ち着いた常識人であり争いは好まないが、教会のため努力を続ける。
歌うことが好きで、聖歌が得意だが、アイドルソングに関してはなかなか慣れない。
今まで一度も目を見開いた画像がない、いわゆる糸目キャラだが四コマで目を見開いた時には
あの諸星きらりを眼光だけでおとなしくさせるほどの眼力の持ち主だということが判明している
【方針】
未定。とりあえずバーサーカーから詳しい話を聞く。
候補作投下順
最終更新:2016年03月14日 01:47