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「こんにち・・・はぁ」
睦月はドアを開けて、事務所の中を覗いてみた。
あいにく、誰もいないようだ。
人が来るまで中で待ってみることにした。
ソファにカバンを置き、しばらく中をうろうろしてみたり、ポスターを眺めてみたりした。
やがてそれにも飽きると、適当な机の上を物色してみた。
「つまんなそう」
机の上には、帳簿やカタログが所狭しと置かれており、
それらに重なるようにキャンペーン用のボールペンや小さな人形などがゴチャゴチャと散乱している。
カエルをかたどった指人形を、指にはめてみた。
「オイ、ワカバヤシクン! イッショニショクジデモ、ドウカネ? ゲコ!」
ぴくぴくと指を動かしてしゃべってみる。
ひとりではつまらない。
小さな事務所の中をひととり見てまわってから、睦月はソファに横になった。
「ふぁ~あ」
用事から帰ってきた若林は、忙しそうに事務所に入って来ると、額の汗を拭きながら自分の席に向かった。
まだ20代後半くらいの、背の高い男だ。
ちらりと事務所の中に目をやる。
彼のほかに3人いる社員の机は、まだ空いたままだ。
誰もまだ外回りから戻っていないようだ。
時計を見るともう4時をまわっていた。
まだまだ仕事は山積みだ。
人が足りなさすぎる。
ぜったい今日中には終わらない。
やれやれ、と思いながら、遅い昼食用に買ってきたハンバーガーを、紙袋から取り出した。
そしてソファに目をやった途端、目に飛び込んできた女性の脚にギョッとして、危うくハンバーガーを落としそうになった。
「だ、誰だっ?!」
入口に鍵をかけていかなかったのは自分だ。うろたえながら若林は腰を浮かせた。
「あっ・・・」
ソファに、見覚えのある女子高校生が寝ていた。
ちょっと前に、知り合った子だった。
日曜日、ひとりで映画を観に行き、ロビーで煙草を吸っていたら話しかけてきたのだ。
「すっごく面白かったね!」
その子もひとりで観に来ていたらしい。興奮で目が輝いていた。
誰でもいいから感動をわかちあいたいのだろうかと、若林は適当に返事をした。
パンフレットを買ってやったが、深い意味はなかった。
嬉しそうにニコニコしながら、女の子はお礼を言った。
喫茶店に誘って、ずいぶん長いあいだ2人で映画の話をした。
別にそのあと、どうなったわけでもない。
ただ最後に、若林は会社の名刺を渡したのだ。
「おい」
ソファに近づきながら、声をかけた。
彼女は仰向けにソファに眠っていた。
寝顔があまりにも子供っぽいのに苦笑したが、乱れた黒髪には、少々心を動かされた。
伸ばした脚を組んで、ソファの肘掛けに乗せている。
首をかしげてしばらく見ていたが、咳払いをして、肩を叩いた。
「おい、起きろ」
しかし意外にもぐっすり寝ていた彼女は、なかなか起きなかった。
警戒心がないのだろうか。
安心しきった寝顔だ。
「起きろったら」
何度目かで、ようやくムニャムニャと口を動かしながら、うっすらと目を開けた。
「あっ」
若林がいることに驚き、ついで自分が眠っていたことを知り、急いで体を起こした。
ソファに座り直して、照れたように若林を見上げる。
「えへへ。こんちは」
顔をしかめながら、若林は腰に手を当てた。
「びっくりしたよ。まさか来るとは思わなかった」
「来ちゃだめ?」
「いいけど・・・ほかの奴がいなくてよかった」
前に会ったときは私服だったが、今日は学校帰りなのか、制服だった。
「あたしが来たとき、誰もいなかったよ」
「うん、みんな仕事で外に出てる」
「ああ・・・営業?」
「それもあるけど、打合せとか、撮影とか、いろいろ」
「ふうん」
興味はなさそうだった。
若林の話を聞きつつも、事務所の中を見回している。
どうしたものかと思案していると、腹が鳴った。とりあえず自分の席に戻って、ハンバーガーを一口かじった。
それから彼女に向かって、紙袋を持ち上げてみせた。
「食べる」
「うん、食べる」
言うが早いか、彼女はソファから小走りにかけてきた。
こんな狭い事務所の中で走らなくてもいいのに、と思うのだが、そこらへんはやっぱり子供なのだろう。
彼女が通りすぎた机の上から、風でひらひらと書類が舞い落ちた。
紙袋の中をゴソゴソとかきまわす。
「いっぱいあるね・・・こんなに食べるの?」
また買いに行くのが面倒なので、夕食分も一緒に買ってきたのだ。
ふと、若林が持っているハンバーガーに目をとめて、声を上げた。
「あー、テリヤキ食べちゃったあ。あたし、それ好きなのに」
「え、ああ、悪い」
べつに謝る必要はないのだが。
「それがいいなあ」
「これ1つしかないんだ。悪いな」
「それでいいってば」
「え?」
手に持ったテリヤキハンバーガーに目を落とす。
すでに一口かじってある。
そこを彼女に見せた。
「食べちゃったよ」
「うん、いいよ」
きょとんとした表情で、ハンバーガーを差し出してみた。
なんの気後れもなく、ありがと、と言いながら受け取った。
そして、若林がかじったところから、平気で食べ始める。
じっと見られていることに気がつくと、ハンバーガーにかぶりついたまま、くすくす笑った。
「なんで見るのぉ」
「いや、平気なのかなと思って」
「なにが」
「なんでもない」
本人が気にしないなら、それでいい。
紙袋からほかのハンバーガーを取り出した。彼女が立ったまま食べているので、誰かの椅子を引っ張ってきて、自分の近くに座らせた。
一緒に買ってきたコーラを差し出したが、彼女は首を振った。
口の中がハンバーガーでいっぱいだ。
「コーラ、嫌い」
そう言って、唇の横についたマヨネーズを、舌先でペロリと舐めとった。
2人とも、しばらく無言で食べた。
「ごちそうさまでした」
包み紙を丸めてごみ箱に放り、若林を見ている。
彼の方が照れてしまった。
「名前、なんていうの」
背もたれに体を預けていた彼女は、驚いたように体を起こした。
「えっ、言わなかったっけ?!」
「う、うん」
ずっと映画の話しかしなかったし、ずっと、君、としか呼ばなかったのだ。
少女は、飯山睦月と名乗った。
「『むつき』って、いい名前だよね」
「うん、まあね」
「あのねえ、睦月って1月のことなんだよ」
「知ってるよ」
「本当。物知りなんだね」
「誰だって知ってるよ」
「ええー? あたしの友達、誰も知らなかったよ」
「これから習うんだろうさ。じゃあ1月生まれなんだ」
「ううん、4月」
若林は思わずコーラを噴きそうになった。
4月は卯月だ。
親が間違えたのだろうか。
そのとおりで、睦月はあっけらかんと笑った。
「あのねえ、お父さんがね、まちがえたんだって」
「だって自分の子供の名前だろう」
「わざわざ区役所に辞書持っていって書いたのに、すっごく焦ってて、まちがえたんだって」
「へえ」
「お母さんすっごく怒ったって」
「そりゃそうだ」
「いまでもね、夫婦ゲンカするときに出るよ、その話。お母さんの最終兵器だから」
若林は笑った。
「でも、睦月の方が音がきれいだから、好き。気に入ってる」
彼女は立ち上がり、事務所に置いてある、紙パックのジュースの販売機の前に立った。
ポケットから100円玉を出して、何にしようかと迷っている。
若林は2個目のハンバーガーを食べ終え、包み紙を丸めながら、その後ろ姿を眺めた。
「何年生だっけ」
「あたし? 1年だよ」
イチゴジュースを選んだ。
ごとん、と音がして転がり出たジュースを取りに、背を屈める。
紺色の短いスカートが持ち上がって、お尻が見えそうだ。
思わず首を下げて、期待してしまう。
もうちょっと、というところで睦月は体を起こした。
くるりと振り返った途端、若林の視線とぶつかる。
「あー、覗いたあ!」
ちょっと睨みながら笑って、両手でお尻を押さえた。
若林はどきどきして、横を向いた。
「ばか、見てないよ」
「ほんとう~? あやしいなあ」
そう言いながらも、睦月はまた若林の方に戻ってくる。
「おじさんは、いくつ?」
「なんだよ、まだ若いんだよ、俺は」
「ふふ、じゃあ、何歳」
「27」
「へえ~。もっと若いと思った」
「いくつに見える」
「25ぐらいかな」
ジュウウ・・・と音を立てて、睦月がストローを吸う。
それから、あらためて驚いた声を出した。
「あ、じゃあ、12コも違うんだ。ええと、どういうんだっけ、こういうの」
「ひとまわり違う」
「そうそう、ひとまわり違う! ひとまわり!」
苦笑しながら、15才か・・・と若林は思った。
道理で子供っぽいわけだ。
若林が必死で就職活動をしている頃、睦月はまだランドセルを背負った小学生だったのだ。
「あっついね、ここ」
勝手に書類で仰いでいる睦月を見て、若林は腰を浮かせた。
「エアコン入れようか」
「あ、いい。脱ぐから」
睦月は、その言葉に若林がぎょっとしているのも知らず、さっさと上着を脱いだ。
「よっ」
かけ声とともに、ソファに放り投げる。
それはうまい具合に、睦月のカバンの上に落ちた。
「わー、うまい」
自分で手を叩いてニコニコしている。
「エアコン、キライなんだ」
「珍しいね」
「そう? エアコンの部屋にいると、頭痛がしてくるからキライ」
それから睦月は、キャスター付きの椅子を滑らせて、ぴったり隣りにやってきた。
ぎょっとして彼女の顔を見る。
「なんだ。どうした」
それには答えず、ただ黙って若林を見ている。
何かを企んでいるような、いたずらっぽい目だ。
いきなり手を伸ばして、彼のネクタイに触わった。
「おい、なんだよ」
「べつにぃ・・・」
睦月はネクタイをいじっている。
どういうつもりなのか、わからない。若林は、その腕をにぎってみた。
細くて、温かい。
特に嫌がりもしないので、握った手を上へ滑らせていった。
肘をこえた辺りで、我慢できなくなった睦月が、笑って体をよじった。
「ひゃはは。くすぐったい」
若林もつられて笑った。
それから睦月は、こう言った。
「ねえ、しよっか」
軽やかに立ち上がり、ソファまで一足に飛んでいった。
スプリングを弾ませながらお尻をおろし、抱っこをせがむ子供のように、両手を差し出した。
若林は誘われるまま、立ち上がっていた。
近づくと、手を出したまま、彼を見上げている。
体をかがめた彼の首筋に、彼女の腕が自然に巻きつき、2人の唇が重なった。
甘い。
睦月の唇は、イチゴジュースの味がした。
いけないと思いつつも、自分を止められない。
キスをしたまま隣りに腰を下ろして、その体を抱く。
痩せている、というほどではないが、大人に比べればやっぱり華奢だ。
大人にするように、可愛らしい唇のあいだに、舌を入れた。
大胆な言葉とは裏腹に、少しおどおどした睦月の舌が、おっかなびっくり若林の舌とからみあった。
甘ったるい吐息が、鼻孔をくすぐる。
まだ睦月の両腕は、若林の首にまわされたままだ。
感覚が鋭いのか、脇腹や背中を撫でてやると、びっくりしたように体を震わせる。
ひとまわり・・・年齢だけではなく、まるで体つきも、自分とはひとまわり小さいような気がした。
彼女の呼吸が、荒くなってくるのがわかる。
この子はひどく興奮している、と若林は思った。
年頃だから、これだけでひどく緊張し、興奮を高まらせているのだと。
睦月はむずがるように、悩ましげに体をくねらせていた。若林の背中を撫で、髪を触わり、熱い吐息を漏らしている。
しかし驚いたことに、彼女はもう片手をスカートに入れて、パンティを下ろそうとしていた。
幼い彼女の体では、じれったくて、ゆっくりなどしていられないのだろう。
その性急さに苦笑しながらも、若林は楽しんでいた。
靴にひっかかったパンティをもぎとると、睦月は彼の手をとり、自分のスカートの中に潜り込ませた。
彼の手は、ふっくらした下腹部とそこにある茂みに触れた。
いくぶん細い陰毛の、つやつやした感触は心地よいものだった。
陰毛ばかり触わっている若林の手首をつかみ、今度は直接、性器に押しつける。
熱いくらいに火照っていた。
彼を誘ってから、まだいくらも時間が経っていない。
こんなに短時間で火が点くとは、少女の体というものは、なんと面白いのだろう。
さらに睦月は、片脚をソファに上げて膝を立て、若林が触わりやすいようにしてくれた。
それでは、と指先を這わせてみて、睦月のそこがずいぶん可愛らしい形をしていることに気がついた。
ぷっくりとした膨らみの真ん中には、ただ1本の割れ目が走っているばかり。
手探りのまま、割れ目に沿って指先を這わせてやった。
「んん・・・」
睦月が息を大きく吸い込むのがわかる。
上から下へ。下から上へ。何度もなぞってみる。
動かす指が、少しずつ湿り気を帯びてくる。
睦月は、明らかに濡れてきていた。
わざとそれを教えてみた。
「濡れてるよ」
囁き声だが、はっきりと睦月にだけ聞こえるように。
すねたような声を出して彼女は恥ずかしがったが、効果は抜群だった。彼女の割れ目から、
とろり、と愛液の滴がこぼれ出たのだ。
「あ・・・あ、あ」
たまらない様子で、短い呼吸を苦しそうに続けている。
人差し指と薬指を使って、柔らかな割れ目を開いてみた。無防備な肉の谷間に中指を沈めてみると、
すでに愛液でいっぱいになっているのがわかる。
中指の先で、膣口をトントンと叩くような真似をしてみた。
すでに開き気味で柔らかかくなった膣口には愛液が溜まっており、ピチャピチャと小さな音を立てた。
「ほら、聞こえる?」
睦月にも、その音を聞かせてやった。彼女は泣きそうな声を出した。
「やだ、やだ、そんなこと、やだ」
恥ずかしがって首を横に振る。
「もう、もう、入れて」
どうも、じっくり時間をかけることには、慣れていないらしい。
彼女の相手は、いつもすぐ挿入するのだろう。
あまり苛めても可哀想だが、まだ少し楽しみたいと、クリトリスに指を滑らせてみた。
そこに触れた途端、睦月は体を震わせ、若林の舌をしゃぶりながら声を出した。
刺激が強すぎるのか、逃げるように腰を引いてしまう。
それを追い、クリトリスを見つけて、指の腹でこする。
「んんっ、や、やっ」
すでに睦月のクリトリスは、固く勃起し、充血して膨らんだ割れ目のあいだから、
ちょこんと頭を覗かせていた。愛液にまみれてヌルヌルのそれは、触わるとコリコリしていた。
喘ぎながらも、だんだん睦月は逃げていく。両脚ともソファの上に乗せ、腰を浮かせ、
ついに膝立ちになる。しかし抱きあったままなので、へっぴり腰のようになっていた。
このまま続ければ、次は立ち上がってしまいそうだ。
「ねえ、まだ? ねえ、まだ?」
我慢しきれず、彼をせっつく。
べそをかいたような声だった。
「どうした。痛いのか?」
そうではないと知りつつ、囁いてみると、必死で首を横に振った。
「こわいの、なんか」
「気持ちいいだろう」
「やだ、こわい。もう入れて、お願いだから」
頬にキスしてやり、それ以上、むりに触わるのは諦めた。
彼女の細いネクタイを取り、ワイシャツのボタンを外していく。
白いブラジャーがワイシャツのあいだから見えた。銀とグレーの糸で、
きれいな刺繍がほどこされている。華奢な体つきではあるが、乳房は立派に膨らんでいた。
まだワイシャツは着させたまま、背中に手を回して、ホックを外す。
解放された乳房に手を触れようとすると、なぜかそれは嫌がった。
「だめ、だめ」
「いいじゃないか」
「やだ、おっぱいは、やなの」
なおも乳房を握ろうとすると、本当にいやがって若林の手を掴んで止めた。
「くすぐったいから、やだ」
苦笑しながら、若林はベルトを外し、ズボンとトランクスを下ろした。
すでに若林の方も、我慢できない状態なのだ。
彼もソファの上で膝立ちになり、睦月の手を取って、勃起したペニスを握らせてみた。
「あっ、熱い」
引っ込めそうになる手を上から押さえ、しっかり握らせる。
おっかなびっくり、ペニスの先端から根元まで、触わった。
ペニスの先端をまさぐり、ヌルヌルしている様子に、驚いたようだった。
「触わったことないのか」
「あんまり・・・」
睦月の手を押さえながら、ゆっくりペニスをしごかせた。
びっくりしているが、それでもおとなしく従っている。
また彼女の息が荒くなってきた。
「どうだ?」
「い、入れて、はやく」
「これを入れたいか?」
「うん、うん」
「根元まで全部?」
「は、はやくう」
「だめだ。もっとちゃんとしごいてからだ」
「ああ・・・」
熱い息を吐きながら、睦月は一生懸命、ペニスをしごいた。
溢れる液体が、彼女の手の中で、濡れた音を立てている。
これが体の中に入って来るところを想像しているのだろうか、
途中で何度か、感極まったような声を出した。
「もういい? ねえ、もう、入れてくれる?」
びっくりした睦月が、大声を上げた。
夢中で手を伸ばし、彼の肩口を掴むと、ぎゅっと握った。
少々きつい挿入に苦労しながら、ゆっくりと力強く、根元まで挿入していく。
今まで若林が体験したどの女性よりも、中は狭かった。
睦月は唇を開いたまま、じっと動かない。
若林の肩に、彼女の爪が食い込んでいる。
ゆっくり、ゆっくり、彼女の中に、若林のペニスがもぐりこんでいく。
「ほうら、入っていく・・・ほら、これで全部、入った」
下腹部を密着させて、それを教えてやった。途端に、睦月が止めていた息を吐く。
「あぁ・・・やあ、もう、ああ! ああ!」
まだ動いてもいないのに、首を振って、よがっている。
彼女の下腹部の中を、若林のペニスが満たしているのだ。
彼は、少しずつ腰を動かし始めた。
「ああっ!」
すぐに睦月がのけぞった。
最初は思うように動けなかったものの、溢れてくる愛液のおかげで、徐々にスムーズになっていった。
彼女を突き上げる腰の動きが、一定のリズムを刻み始める。
ソファの上で、睦月の体が前後に揺れた。
「あぅ、あぅ、あぅ」
揺さぶられながら、睦月がよがって声を上げた。
声が途切れると、2人の性器が密着して交わる、濡れたいやらしい音が聞こえた。
「あ、あ、いい」
睦月は首を振って髪を乱しながら、何度も体を反らせた。
きつい、ざらついた感触が彼のペニスを強くこすり上げてくる。
目をつぶって苦しそうに喘いでいる睦月の表情からは、とても想像できない。
まるで彼女の下半身が勝手に動き出し、彼のペニスにむしゃぶりついているようだった。
「う、ああっ」
若林も、とうとう声を出した。
我慢できずに漏れた声だった。
体を沈めて睦月を抱き、唇を奪い、舌を絡める。
しかし腰だけはリズミカルに振り続けている。
「あ、ああ、睦月・・・睦月! ああ!」
乱暴にブラジャーをはねのけ、乳房を露出させた。
目の前に曝け出される、白い乳房。
それが今は、うっすらと赤味を帯びている。
両手の指を立てて、夢中でそれを握った。
「あぁ、やっ、やぁっ・・・」
睦月が声を上げるのも構わず、むしゃぶりついた。
乳房とは反対に小さな可愛らしい乳首を舌先でねぶり、音を立てて、続けざまに吸った。
「あ、あんっ、あっ、あっ」
彼の下では、悶える睦月が盛んに体をくねらせている。
くすぐったい感覚が、彼女の全身を敏感にさせ、強く感じさせているのだろう。
彼の手が乳房の膨らみをこするたびに声を出し、切ない喘ぎ声と一緒に、体をのけぞらせた。
もう若林は限界に近かった。
このまま。
このまま睦月の中に。
猛然と腰を振った。
「ああぁぁーっ ああぁぁーっ!」
のけぞる彼女の体を押さえつけるように、夢中で突き進む。
「あっ、ああっ、こわい、こわい、いっちゃう!」
「睦月! 睦月!」
「いっちゃう! いっちゃう! あああぁーっ!」
ひと声、大きく喘ぐと、睦月は絶頂に達した。
大きく頭を反らせて、白い喉を見せる。
両脚を空中に突っ張り、ブルブルと震わせた。
そして、若林も達した。
睦月の体を力いっぱい抱きしめながら、熱い精液を彼女の中へと、ほとばしらせた。
「あーあ、ワイシャツ、しわくちゃだあ」
睦月が唇をとがらせる。
終わって少したつと、もう彼女はけろっとしていた。
ベルトを締めながら、若林はその唇に自分の唇をくっつけた。
ぶぶぶぅ・・・と睦月が息を吹いた。
「うわ、こら」
「ひゃははは!」
睦月ははしゃいで笑った。
やがて、外回りから社員の1人が帰ってきた。
事務所に女子高生がいるのを見て、怪訝な顔をする。
しまった、と思った。
帰ってきた男は、一番のうるさ型の山下だ。
「君、年いくつ」
若林には目もくれず、立ったまま睦月に聞く。最初から詰問口調だ。
答えそうになる睦月を若林が止めた。
「山下さん。ただの知り合いですから」
「お前に聞いてないよ」
「この子は関係ないので」
「ここにいるのに関係ないこと、ないだろう」
そしてまた睦月に目を向ける。
「この男と何をしてたんだね」
「え、えっと」
口ごもりながら、睦月は若林に体を寄せた。
彼の手をそっと握る。
それがまた山下の気に入らなかったようだ。
「何をしてたんだ、お前達は!」
その剣幕に、2人とも首をすくめた。
「いや、とりあえず、もう帰しますから、説明はあとで・・・」
若林は睦月をかばうようにしながら、肩を押さえてドアに行かせようとした。
ところが、睦月が抵抗する。
落ち着かない様子で、彼にささやいた。
「ねえ、トイレ行きたい」
「外で見つけろって」
「今じゃないとダメなの!」
軽く地団太を踏む睦月。
しかたなく一角にあるトイレのドアを指差すと、小走りに駆け込んだ。
バタンとドアが閉まり、ガラガラとトイレットペーパーを引き出す音がする。
少ししてから、トイレのドアが細く開いた。
「ねえっ、あたしのカバンから、ナプキン出して」
「え? あ、せ、生理か?」
「違うの、アレがどんどん出てきちゃってるんだってば! すっごいいっぱい!」
声をひそめているつもりらしいが、それは山下にも丸聞こえである。
若林はすぐに思い当たった。
アレとは、彼の精液のことだ。
急いでカバンに飛びつき、中を引っ掻き回した。
山下も気づいたらしく、口をあんぐりと開けて、目を剥いた。
何か言おうとしたが、慌てた睦月の声が割り込んだ。
「はやく、はやく! ホントに生理になっちゃったあ!」
「おじゃましました~!」
事務所の戸口に立ちながら、睦月は山下に向かって、わざと明るい大きな声を出した。
山下は自分の席に座っていて、頬杖をついたまま、ただジロリと2人を見た。
睦月はエヘヘと笑う。
いきなり若林の首に抱きついて、キスをした。
「またね! 今度どっか行こうね!」
驚いている彼を残し、風のように出ていった。
事務所の中は、急に静かになった。
さて、どう言い訳すべきだろうか。
エヘンと山下が咳払いする。
若林を睨みながら、待っている。
だが若林は、なかなか山下の方を向かない。
振り向くことが、できなかった。
なぜなら、彼はこの状況にもかかわらず、顔がにやけてしまって、
どうしようもなかったからだ。

(おわり)

最終更新:2006年07月11日 04:02