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Ver3/【神威】オキクルミ - (2016/12/16 (金) 12:25:48) の編集履歴(バックアップ)
【神威】オキクルミ(R)
- 基本情報
名前 |
【神威】オキクルミ |
種族 |
海種 |
ジョブ |
マジシャン |
召喚コスト |
30 |
<タイプ> |
帝剣 |
タイプ |
アイヌラックル |
HP |
400 |
ATK |
60 |
DEF |
20 |
覚醒 |
可 |
超覚醒 |
可 |
アーツ |
無 |
CV |
高橋 未奈美 |
備考 |
海種〔オキクルミ〕との同時登録不可 |
アビリティ |
召喚 |
サクリスマヘイスト |
攻撃間隔が短くなる。 ただし、スマッシュアタックができなくなる。 |
覚醒 |
なし |
超覚醒 |
カムイランケタム |
防御力が上がる。 さらに、同じ敵ユニットに連続で攻撃を当てると、一定回数目の攻撃を当てたときに、 相手とその周囲にいる敵ユニットにダメージを与え、移動速度を一定時間下げる。 |
- ステータス
状態 |
HP |
ATK/DEF |
召喚 |
400 |
60/20 |
覚醒 |
??? |
??/?? |
超覚醒 |
??? |
140/150 70/150〔シュータースタイル時〕 |
- DATA・フレーバーテキスト
-
+
|
Ver3.5[R] |
Ver3.5[R] |
身長 |
1.46[meter] |
体重 |
38[kg] |
性格 |
正義感強く、純朴 |
好物 |
ラタシケプ |
趣味 |
ムックリ作り |
最近気になるもの |
イペタム |
イラストレーター |
クレタ |
フレーバーテキスト |
――from“Ver3.5ウエソヨマ”
オキクルミと魔女ウエソヨマの戦いの最中、突如現れた正義の天秤の女神アストレイア。
女神はオキクルミに、『13の剣』の候補者として、彼女の力を見定めにきたと告げました。
「…ところで、その『13の剣』というのはいったい…」 「ああ、ごめんなさい。色々と説明をすっ飛ばしていたわね。えっと、あなたはまだ知らないでしょうけど、 この世界は今、ウエソヨマのいる闇黒の国の魔物ですら及びのつかない深い闇を持つ、『混沌』という存在に狙われているの。 そして、その混沌に連なる闇の者たちの企てが、世界を滅びへと導いているわ。 それを阻止するには、特別な力を持つ13人が『剣』となって、その闇を打ち払う必要があるの。わたしはその13人を探してるってわけ」
初めて聞く女神の話に、オキクルミは言葉を失いました。人の暮らしを脅かそうとするものが、 闇黒の国の者以外にもいるなんて… しかし、そのようなものたちから人々を守れる『剣』というものになれるなら、 これほどうれしいことはない――
しかし、女神はため息交じりに続けます。
「…でも、今のあなたでは、『13の剣』にはなれそうにもないわね」
女神の意外な一言に、オキクルミは思わず尋ねました。
「…それはなぜだ!?」
女神はすぐには答えず、オキクルミを暫く見つめると、ゆっくりと話しだしました。
「あなたの優しさは、ただの“甘さ”だからよ。そんなことじゃ、 あなたはいずれ人を守るどころか、人を滅ぼしかねないもの」
――人を滅ぼす…この私が!?
なによりも人を守りたいと願うオキクルミに、女神の思いがけない言葉は刃のように突き刺さりました。
「オキクルミ、あなたの“優しさ”には、何ものにも惑わされない“強さ”と“厳しさ”が足りないの。 その意味は、あなた自身で見つけなければならない ――そうでなければ、本当の意味で人々を守ることなんてできないわ」
――本当の意味で人々を守る…
女神の言葉の真意が計れず、オキクルミは下を向いて黙り込んでしまいました。
するとその時、突然、方々からたくさんの家々が壊される音や、人々の悲鳴が聞こえてきました。 見れば、近くの村々から炎が上がり、禍々しい気配が漂ってくるではありませんか。
「これは…!? 女神よ、これがあなたの言う『混沌』の仕業だというのか!?」
しかし、苦々しい顔で答えたのは魔女ウエソヨマでした。
「いや、こりゃあ闇黒の国のやつらだ。ここらにはオレたちの国につながる『穴』がいくつもあんのさ。 チッ、あんなに炎を上げたら危ねぇっつーのに! あいつら見境なく殺そうとしやがって…!」 <ホントダゾ! セイゼイウエソヨマミテェニ、犬小屋作ル材料アツメニ廃屋壊スクライニシトケダゾ!>
「うるせぇし長ぇぞイペタム!」 <スマンゾ!>
オキクルミは血相を変えてカムイチカップに飛び乗ると、魔物の軍勢に襲われている村へと飛び立ちました。 魔女も慌ててオキクルミの後に続きます。
女神はそれを厳しい眼差しで見送りながら呟きました。
「オキクルミ、きっとこの戦いはあなたの試練となるわ。 あなたが『13の剣』たりえるか…。もう一度よく見定めさせてもらうわよ」
* * * *
オキクルミは、魔物の襲撃を受けている村々をひとつひとつ飛びまわり、魔物に応戦する人々すべてを助けて回りました。
魔女は魔女で、オキクルミを襲うかのように振舞いながら、人間の子供や動物達をドサクサに紛れつつ戦火から守ります。
しかし、魔物の大群を相手に、オキクルミは次第に疲弊してゆきました。そして数十体目の魔物を倒した時、 オキクルミはその疲れから、おもわず膝をついてしまったのです。
魔物達はその瞬間を逃さず、オキクルミに狙いを定めると、いっせいに矢を放ちました。
――しまった…!
その時、目の前で桃色の魔力が弾け、飛んできた矢を全て消し炭と化したのです。
「ちぃー! 外したかー おのれー、ウロチョロとすばしっこいガキめー」
魔女は雰囲気口惜しそうに毒づくと、魔女をじーっと見つめる魔物達に向かって言い放ちました。
「な、何見てんだこら! こいつはオレが殺っといてやるよ! テメェらはもう帰っていいぜ!」 <ダゼゾォ!>
魔物達は互いに顔を見合わせ、少し戸惑った様子を見せつつも、 「あ、そうですか」と、オキクルミと魔女を残してゾロゾロと引き上げていってしまいました。
満足げな顔でそれを見送る魔女に、オキクルミはおずおずと言いました。
「…あの、その…ありがとう…」
「あ? ベべ、べつにテメェを助けたわけじゃねぇし!」 <スッゲェ大根芝居ダッタゾ!>
「黙れイペタム!」 <黙ラネェゾ!>
赤らめた頬をポリポリと掻きながら、魔女は続けました。
「…つうか、オレが言うのもなんだけどよ、人間どもは案外しぶとく応戦してるみてぇじゃん。 だからあんなザコども、テメェがいちいち相手にしなくても大丈夫なんじゃねぇの?」
しかしオキクルミはよろよろと立ち上がりながら言いました。
「でも、私は…全ての人を守りたいんだ」
* * * *
方々の村を助けて回りながら、ふたりはようやく最後の村の前まで辿り着きました。
しかし、村からは煙が数本立ちのぼるだけで、人の声も魔物の声も聞こえてきません。
―――静かすぎる…。
オキクルミが妙な胸のざわめきを覚えつつ村に入ろうとしたその時、オキクルミはひと際邪悪な気配が漂ってくるのを感じました。 見ると、村のやぐらの屋根に、まるで岩のように大きくてゴツゴツとした魔人が立っているではありませんか。
「…モシコタだ! やっぱあのヤローの仕業だったか」 <出タナ節操無シノ岩石ヤローメ!>
「おいガキんちょ、アイツはモシレチク・コタネチクって魔人だ。今までのザコとは違ぇぞ…。ちっと出方を考えたほうがいいぜ」 <オレラハ見ツカルト面倒クセェカラ手ハカセネェゾ!>
しかしオキクルミは魔女の忠告を聞かず、すぐに魔人の元へと飛んで行ってしまいました。
「おい! 村から出ていけ!!」
「…あぁ? なんだべさ テメェは」
「わたしはアイヌラックルだ! これ以上人間に手出しはさせない!」
「ハッ、テメェがウワサの神っ子か。ずーいぶんと悠長なヤツだな。今頃来たところで、もう手遅れなんじゃねぇべか?」
魔人は冷たい笑みを浮かべながら、眼下に目を向けました。
その視線を追い、やぐらの下を見下ろしたオキクルミは息を飲みました。
村の至る所は大きく陥没しており、家々はめちゃくちゃに破壊され、 幾人もの人々があちこちに無残な姿で倒れているではありませんか。 その中には小さな子供の姿もありました。
「お前…!!」
総毛立ったオキクルミは、怒りにわななく腕を振るい、渾身の力で神剣を撃ち込みました。
しかし魔人は岩のような体をさらに丸めて固まると、神剣の一撃をガキンと跳ね返したのです。 そして、自分の神剣が効かず、動揺しているオキクルミに、 見た目にそぐわぬ素早さで近づき、強烈な拳をたたき込みました。
やぐらから吹き飛ばされたオキクルミは、地面に強かに叩きつけられてしまいます。
地面に落ちた衝撃で息ができず倒れ伏すオキクルミを、魔人は変わらず冷たい目で笑いました。
「悪ぃ悪ぃ、いきなり来るもんだからよぉ、驚いて手ぇ出ちまったべさ。 あぁ…そういや、あっちゃこっちゃで手下どもの邪魔してくれたっつうのはテメェだべ?」
そう言うと魔人は右手を軽く上げ、空間をゴンゴンと叩きました。
するとどうでしょう、魔人の叩いた空間にぽっかりと『穴』が空き、 その中から魔物の大群がゾロゾロと這い出て来るではありませんか。
「オメェらよぉ、あの神っ子が邪魔してたみてぇだから、もっぺん散って暴れてくんべさ」
魔人の指示を受け、魔物の群れはオキクルミが救ってきた村々へと飛び立っていきました。
「…や、やめ…ろ……!!」
オキクルミは気力を振り絞って立ち上がり、飛び上がると、方々へ向かおうとする魔物たちに追いすがり、必死に剣を振るいます。 しかし、不意に彼女の背後に現れた魔人に、赤子をあしらうかの如く弾き飛ばされ、瓦礫の中へと放り込まれてしまいました。
「どこさ見てんだべか。テメェの相手はオレ様だべ? …しっかし、手応えねぇなぁ。テメェ、それでも神様かい?」
このまま魔物達を放っておけば、あの女神が言ったように、本当に人間が全滅してしまうかもしれない。 しかし、この魔人を放ってもおけない―――しかし……自分にこの魔人を倒すことなどできるのだろうか…
オキクルミの心に、今まで感じたことのない焦りと恐怖が湧きあがります。
―――でも、私は――――
「――何度でも言うよ…私は、アイヌラックルだ」
オキクルミは、震える足を手で押さえ、立ち上がりました。
「私は…人を守り…人と共に…!」
オキクルミは今一度、魔人に立ち向かいました。 しかし、オキクルミはまたも易々と魔人に投げ飛ばされてしまいます。
魔人は、息も絶え絶えのオキクルミに近づき、 つまらなそうに見下ろすと、右腕を大きく振りかぶりました。
「…もうやめんべ、飽きたわ」
そして、そう言い終わると同時に、魔人は拳を振り下ろしました。
―――バヂヂィィイイ!!!
オキクルミが思わず目を閉じかけたその時、桃色の閃光が走りました。
見ると、目の前にオキクルミを守るように魔方陣を広げ、 魔人の拳を受け止める魔女が立ちはだかっているではありませんか。
「あれぇ? テメェは、ウエソヨマ!?」
「…ハハ、悪ぃな。こいつはオレの獲物だ。テメェの手出しは無用だぜ」
魔女は魔人に向かって不敵に笑って言いました。
しかし――
「ヘッ! はぐれ者が何言ってやがる。テメェがあの神っ子の周りでうろちょろしてたことぐれぇ、 こっちにゃ筒ぬけだべよ、なまらはんかくせぇわ」
そう言うと魔人は素早く魔女の手首を掴んで引き寄せ、ひねり上げてしまいました。
「いててて!!」 <コノヤロ! 岩石! ウエソヨマ放セゾ!!>
しかし魔女はギラリと目を光らせると、桃色の魔方陣を球のように広げ、 自身もろとも魔人を閉じ込めてしまったのです。こうなると、魔人は魔方陣が邪魔で、固く丸まることができません。
すると、魔女はオキクルミを見てニヤリと笑い叫びました。
「やれ!! ガキんちょ!!!」 <エ… マジゾ?>
~『フルー・アイヌラックル伝』~
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-
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-
+
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Ver3.5[VR] |
Ver3.5[VR] |
身長 |
1.46[meter] |
体重 |
38[kg] |
神騎 |
カムイチカップ |
特技① |
弓 |
特技② |
魚捕り |
特性 |
騙されやすい |
イラストレーター |
めいびい |
フレーバーテキスト |
――from“SSオキクルミ”
「やれ!! ガキんちょ!!!」 <エ… マジゾ?>
魔女ウエソヨマは、自身もろとも魔人モシレチク・コタネチクを魔方陣で封じ込め、 自分もろとも魔人を討つようにとオキクルミに叫びました。
「何言ってるべさ!? 本気かウエソヨマ!?」 <ソウダゾ! 本気カゾ!?>
魔人は激しく身をよじって抵抗しますが、魔女はそれを必死の形相で抑え込みます。 しかし魔方陣は魔人の剛力にパリパリとほころび始め、いつ消えてもおかしくありません。
「クソッ…早くしろ! もうもたねぇぞ!」 「でも、そんなことしたらお前まで…!」 <ソウダゾ! オレタチモダゾ!?>
躊躇して動けずにいるオキクルミに、魔女は叫びました。
「バカヤロー!! オレはかわいいものが守りたい!! テメェが守りたいのは何なんだよっ!?」
魔女の言葉に、オキクルミはハッとしました。
――オキクルミ、あなたの“優しさ”には、何ものにも惑わされない“強さ”と“厳しさ”が足りないの。 その意味は、あなた自身で見つけなければならない ――そうでなければ、本当の意味で人々を守ることなんてできないわ。
――人間どもは案外しぶとく応戦してるみてぇだし、 あんなザコども、テメェがいちいち相手にしなくても大丈夫なんじゃねぇの?
女神と魔女の言葉が、オキクルミの中で何度も繰り返されます。そして――
「そうか…そういうことだったのか」
――オキクルミは声を震わせてつぶやきました。
「人間は神と違ってもろくて弱い…。だから私は、人間を守ることばかりを考えていた。 でもそれは、人の持つ力を信じることができなかった、私の心の弱さゆえだったのだ。 だから私は、大局を見誤り、守れたはずの者たちを守ることができなかったのだな…」
すると、そう口にするオキクルミの体から青白い気炎が緩やかに立ち昇りはじめました。
オキクルミはゆっくり顔を上げると、涙をたたえた瞳で魔人をにらみつけます。
「…どれだけ不安であろうとも、私は人々を信じて、真っ先にお前を倒さなければならなかったんだ!」
オキクルミの気炎が天にも届かんばかりに昇り、両脇に浮かぶ神剣に青白い炎となって注がれていきました。
そして―――
「カムイ…ランケタム!」
父、カンナカムイより授かったオキクルミの神剣が、父神の神威である雷の如き神速で飛んだのです。
その切っ先はウエソヨマの魔方陣ごと魔人を貫くや、激しい氷白色の爆発と魔人の断末魔を同時に引き起こしました。
舞いあがった土煙が薄らいでいくとともに、辺りに静寂が戻っていきます。
魔人と魔女がいた場所には、もう何もなく、魔人は瓦礫もろとも跡形も無く消え去っていました。
オキクルミはゆっくりとその場に両膝をつくと、大きく息をつきました。
―――すると
「…まったく、テメェはつくづく優しいやつだよ」 <ハ・ハ・ハ、マジデ死ヌカト思ッタゾ!>
オキクルミが顔を上げると、そこには少し照れくさそうな笑みを浮かべた魔女と、 神剣に削られ、頭頂部の毛がゾリッと禿げあがったイペタムが、カムイチカップに咥えられてぶら下がっていました。
オキクルミも、少し照れくさそうに笑ってみせました。
「そっちこそ」
* * * *
頭領が倒されたことにより、戦意を喪失した魔物達が村々から次々と引き揚げていくのを、 オキクルミと魔女は瓦礫の上で並んで見守っていました。
「見ていたわよ。見事だったわ、オキクルミ」
そこに、まばゆい光を伴い女神が現れました。
「一時はどうなることかと思ったけど、ようやく自分の力であるべき“優しさ”に辿りつけたようね。 …ま、ギリギリ感は無きにしもだけど、今のあなたなら“合格”よ」
そう言うと、女神はオキクルミに右手を差し出しました。
「アイヌラックル・オキクルミ。『剣』として、私と一緒に来てくれないかしら」
オキクルミは女神の右手をしばし見つめるたのち、顔を上げて言いました。
「『剣』になるということは、この地を離れるということなのか?」
女神は頷いて「そうなるわね」と言いました。
オキクルミは、村々を見渡しました。
運よく逃げきれた村人たちが、一人また一人と戻ってきています。 彼らは犠牲者の死を嘆きつつも、死者を弔い、すでに村の立て直しに取り掛かっていました。
この地を離れることなど、オキクルミは考えたこともありませんでした。人は弱くて脆いから、 常に近くで守ってやらねばと思っていたからです。しかし――
――人は私が思うよりずっと、強くて逞しいのだな…。
オキクルミはもう一度女神の顔を見つめて言いました。
「しかし、『剣』になるということは、人を守ることでもあるのだな?」 「もちろんよ――私が保証する。今のあなたには、その力があるわ」
オキクルミは「そうか」と頷くと、女神の差し出した右手を力強く握りました。
~『フルー・アイヌラックル伝』 完~ |
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- 考察
- カムイランケタムは同じ敵ユニットに連続で攻撃した際、3回目の攻撃で、固定30?ダメージを追加で与える。
- シュータースタイルでも効果は発動する。
- キャラクター説明
- 勇者アイヌラックルを名乗り、人々を守るために旅をする半神半人の少女。
- 悪の魔女とは名ばかりのただの良い人だったウエソヨマとの出会い、告げられた「混沌を打ち破る13の剣」としての使命と自分の甘さ。
- そして訪れた大きな試練を経た彼女は新たな決意を固め、真に人々を護れる勇者となる事を決意するのであった。
- 関連動画
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編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします |
- ――from “SS オキクルミ”
「やれ!! ガキんちょ!!!」 <エ… マジゾ?>
魔女ウエソヨマは、自身もろとも魔人モシレチク・コタネチクを魔方陣で封じ込め、自分もろとも魔人を討つようにとオキクルミに叫びました。
「何言ってるべさ!? 本気かウエソヨマ!?」 <ソウダゾ! 本気カゾ!?>
魔人は激しく身をよじって抵抗しますが、魔女はそれを必死の形相で抑え込みます。しかし魔方陣は魔人の剛力にパリパリとほころび始め、いつ消えてもおかしくありません。
「クソッ…早くしろ! もうもたねぇぞ!」 「でも、そんなことしたらお前まで…!」 <ソウダゾ! オレタチモダゾ!?>
躊躇して動けずにいるオキクルミに、魔女は叫びました。
「バカヤロー!! オレはかわいいものが守りたい!! テメェが守りたいのは何なんだよっ!?」
魔女の言葉に、オキクルミはハッとしました。 -- (名無しさん) 2016-10-03 15:21:01
- ――オキクルミ、あなたの“優しさ”には、何ものにも惑わされない“強さ”と“厳しさ”が足りないの。その意味は、あなた自身で見つけなければならない――そうでなければ、本当の意味で人々を守ることなんてできないわ。
――人間どもは案外しぶとく応戦してるみてぇだし、あんなザコども、テメェがいちいち相手にしなくても大丈夫なんじゃねぇの?
女神と魔女の言葉が、オキクルミの中で何度も繰り返されます。そして――
「そうか…そういうことだったのか」
――オキクルミは声を震わせてつぶやきました。
「人間は神と違ってもろくて弱い…。だから私は、人間を守ることばかりを考えていた。でもそれは、人の持つ力を信じることができなかった、私の心の弱さゆえだったのだ。だから私は、大局を見誤り、守れたはずの者たちを守ることができなかったのだな…」 -- (名無しさん) 2016-10-03 15:21:29
- すると、そう口にするオキクルミの体から青白い気炎が緩やかに立ち昇りはじめました。
オキクルミはゆっくり顔を上げると、涙をたたえた瞳で魔人をにらみつけます。
「…どれだけ不安であろうとも、私は人々を信じて、真っ先にお前を倒さなければならなかったんだ!」
オキクルミの気炎が天にも届かんばかりに昇り、両脇に浮かぶ神剣に青白い炎となって注がれていきました。
そして―――
「カムイ…ランケタム!」
父、カンナカムイより授かったオキクルミの神剣が、父神の神威である雷の如き神速で飛んだのです。
その切っ先はウエソヨマの魔方陣ごと魔人を貫くや、激しい氷白色の爆発と魔人の断末魔を同時に引き起こしました。 -- (名無しさん) 2016-10-03 15:21:59
- 舞いあがった土煙が薄らいでいくとともに、辺りに静寂が戻っていきます。
魔人と魔女がいた場所には、もう何もなく、魔人は瓦礫もろとも跡形も無く消え去っていました。
オキクルミはゆっくりとその場に両膝をつくと、大きく息をつきました。
―――すると
「…まったく、テメェはつくづく優しいやつだよ」 <ハ・ハ・ハ、マジデ死ヌカト思ッタゾ!>
オキクルミが顔を上げると、そこには少し照れくさそうな笑みを浮かべた魔女と、神剣に削られ、頭頂部の毛がゾリッと禿げあがったイペタムが、カムイチカップに咥えられてぶら下がっていました。
オキクルミも、少し照れくさそうに笑ってみせました。
「そっちこそ」
* * * * -- (名無しさん) 2016-10-03 15:22:25
- 頭領が倒されたことにより、戦意を喪失した魔物達が村々から次々と引き揚げていくのを、オキクルミと魔女は瓦礫の上で並んで見守っていました。
「見ていたわよ。見事だったわ、オキクルミ」
そこに、まばゆい光を伴い女神が現れました。
「一時はどうなることかと思ったけど、ようやく自分の力であるべき“優しさ”に辿りつけたようね。…ま、ギリギリ感は無きにしもだけど、今のあなたなら“合格”よ」
そう言うと、女神はオキクルミに右手を差し出しました。
「アイヌラックル・オキクルミ。『剣』として、私と一緒に来てくれないかしら」
オキクルミは女神の右手をしばし見つめるたのち、顔を上げて言いました。
「『剣』になるということは、この地を離れるということなのか?」
女神は頷いて「そうなるわね」と言いました。 -- (名無しさん) 2016-10-03 15:22:52
- オキクルミは、村々を見渡しました。
運よく逃げきれた村人たちが、一人また一人と戻ってきています。彼らは犠牲者の死を嘆きつつも、死者を弔い、すでに村の立て直しに取り掛かっていました。
この地を離れることなど、オキクルミは考えたこともありませんでした。人は弱くて脆いから、常に近くで守ってやらねばと思っていたからです。しかし――
――人は私が思うよりずっと、強くて逞しいのだな…。
オキクルミはもう一度女神の顔を見つめて言いました。
「しかし、『剣』になるということは、人を守ることでもあるのだな?」 「もちろんよ――私が保証する。今のあなたには、その力があるわ」
オキクルミは「そうか」と頷くと、女神の差し出した右手を力強く握りました。
~『フルー・アイヌラックル伝』 完~ 身長 1.46[meter] 体重 38[kg] 神騎 カムイチカップ 特技① 弓 特技② 魚捕り 特性 騙されやすい めいびい -- (名無しさん) 2016-10-03 15:23:22
- VRの分です -- (名無しさん) 2016-10-03 15:23:48
- とりあえずRとVRのフレーバーテキスト埋めときました。
VRの情報ありがとうございます。 テキトーに改行挟んだりして推敲してないので、 読んでて改行とか気になる場合は改めて編集お願いします。 -- (名無しさん) 2016-10-03 22:29:54
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