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Ver3.3 |
全長 |
15.4[meter] |
その部族は花獣の王と戦い続けていた。 その戦いは何代にも渡っていたが、歴代の首長たちは怯むことなく挑み続けた。
今もまた、花粉が立ち込める密林の中、部族は戦っていた。 おぞましい花獣を目の前にしたとき、若き戦士たちは恐怖に飲まれた。 逃げ出したい――誰もがそう思ったとき、戦士を率いる首長は大きく息を吸い込み、 怖気づく戦士たちに向かって叫んだ。
「戦士たちよ! 武勇を示せ! 名を上げよ! 立ち向かうのだ! 英雄となるのだ!」
かつて花獣と戦い、生き残った偉大な戦士である首長の一声。 戦士たちはその声に応えるように吼え、一斉に駆け出していく――
次々と花獣の蔓に捕らわれ、みなが食われていく中、 ふと、一人の戦士が首長の異変に気づいた。
首長は、焦点の合わない虚ろな目で、口の端から涎を垂らして突っ立っていた。 先程までの勇ましい堂々とした雰囲気はまるでない。 それどころか、蔦に捕らわれ、食われていく戦士を助けようともしない。 彼は、ただ、ひたすら、まるで何かに操られているかのように、ぼそぼそとこう呟いていた。
「行け… あぁ 美味い… もっとたくさん… 立ち向かうのだ…… あぁ 新鮮だ…」 |
重量 |
22[t] |
最高速度 |
82[km/h] |
捕食対象 |
ここしばらくは人間 |
花粉の毒 |
獲物を操る |
毒の効果期間 |
長期間・遺伝もする |
イラストレーター |
吉村 正人 |
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