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Ver3.4(VerRe:3.0) |
Ver3.4(VerRe:3.0) |
全長 |
3.08[meter] |
重量 |
110[kg] |
触覚の機能① |
あらゆる電磁波の送受信 |
触覚の機能② |
イドの吸引 |
知能 |
人並み以上 |
絶食期間 |
継続中 |
イラストレーター |
タナカケルビン |
フレーバーテキスト |
クァールは2つのものを探していた。 ひとつめは「イド」。クァールの空腹を満たすのは、殺したての獲物の血に含まれる細胞原形質――イドだけだ。 しかし、枯れかけたこの星で、最後に狩りをしたのは…いや、死骸ではない、生きた個体を見たのはいつのことだったろうか。 獲物を爪で裂く感触、溢れる血の温かさ、長い触角を刺してイドを吸い出すときのあの高揚…もう長いこと、そのすべてを味わっていない。
ふたつめは仲間。元来クァールには生殖機能が無く、生涯を一頭で終える生き物だ。 当然、生まれた「実験場」にいた他のクァールともすぐに別れてしまったし、一人きりでいることに対し、退屈とか、寂しいとか、そんな気持ちは抱かない生き物の筈だった。 だが、獲物を求めて彷徨い続け、もしかして、もうこの星には自分以外の生き物などいないのでは… そう考えているうちに、だんだんと“そんな気持ち”がわいてきたのだ――誰でもいい、誰かに会いたい。 そうして、いつものようにとぼとぼと歩いていたときだった――クァールの触角が、偶然、その「信号」を捉えたのは。
…星……母艦ヘ…コチラ… …… …『アイツ』… ……スフィーユ応答セヨ……
ピコピコと聞きなれない響き。クァールは触角をゆらめかせ、信号の発信源を探った。 ここから遠く離れた地――しかし、そこには確かに「誰か」がいる。 クァールの心は躍った。飢えて空っぽの腹が痛むとか、「誰か」が何者なのかとか、そのようなことは考えていられなかった。 ただ、そこに行かなければ…それしか考えられなかった。クァールはすぐさま信号を解析し、その送り主へと返信した。 「コチラ スフィーユ ソチラノ座標ヲ連絡セヨ」 |
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