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Ver3.4(VerRe:3.0) |
Ver3.4(VerRe:3.0) |
全長 |
1.02[merter] |
重量 |
17[kg] |
序列 |
4番目の大侯爵 |
率いるもの |
30の悪魔の軍団 |
白い毛 |
ふわふわ |
異名 |
サミジナ |
イラストレーター |
小玉 |
フレーバーテキスト |
「ちょっとだけでいいのです。 今日こそマフマフさせてもらえませんか?」 王様がもじもじと言いました。 ガミジンは白い目で王を見やると、ぷいとそっぽを向いてしまいます。 なぜそんなことを言うのか、馬鹿にしているのか、 ふんふんと鼻を鳴らしながら怒ると、王様はふにゃっと笑います。
「ふにゃ~、鼻がムズムズするのですか? …ガミジンさんかわいいです」 ガミジンはさらに不機嫌になりました。 自分は序列4番の地獄の大侯爵、恐ろしき悪魔です。 それなのに、王様は自分の恐ろしさをまるでわかっておらず、 顔をあわせるたび、こんなことを言うのです。 「むぅ…どうしたらマフマフさせてくれるのでしょうか…」 威厳ある悪魔であるガミジンにとって、 こんな子供の王様にマフマフされるなんて、たまったものではありません。 ガミジンはプリプリとお部屋を出ていこうとしました。 「あっ、待ってください! そうだ! ガミジンさん、ふたりで知恵比べなどどうでしょう。 とーぜん、私が勝ったらマフマフさせてもらうということで♪」 王様との知恵比べ…それは、ガミジンにとってはなかなか魅力的なものでした。 何せこの王様は、子供といえど神に祝福された知恵者。 諸学に深く通じ、召喚者へ正しい知恵を授けることを信条とするガミジンにとっては、 悪くない時間潰しになりえるでしょう。 そういうことなら、たまには一緒に過ごしてやってもいいか―― ふたりは早速知恵比べを始めました。 しかし、まる一日たっても勝負はつきません。 「むむぅ、さすがガミジンさん。これはもうマフマフどころではありません。 王様の沽券に関わりますからね。 王様は立派な…王様に…あふ…」 とうとう王様は、疲れて眠ってしまいました。 やっぱり子供だな――ガミジンがふんふん鼻を鳴らして勝ち誇り、 部屋を出ていこうとすると、王様が小さく寝言を言いました。 「…とう様…かあ様…ソロモンは、とう様のように立派な王様に…」 王様は、つむった目にちょっぴり小さな光を浮かべていました。 ガミジンは立ち止まり少し考えた後、踵を返してトコトコ王様に近づくと、 ため息をついて、尻尾の先の白い毛をそっとその顔にそえてやりました。 「…エヘヘ…かぁ様、フワフワ…あったかい…ニャム…」 ――ふん、やっぱり子供だな。 |
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