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Ver3.4(VerRe:3.0) |
Ver3.4(VerRe:3.0) |
体重 |
5.6[尺] |
体重 |
13.8[貫] |
前職 |
獄舎番頭 |
特技 |
捕り物 |
罪状 |
職務放棄・大逆罪 |
運命の字 |
「信」 |
イラストレーター |
風間 雷太 |
フレーバーテキスト |
「さて そろそろか…」 城の地下牢、その奥で、鎖に繋がれた一糸まとわぬ美しい牡丹の花が一輪。 その花の前で、幾人もの獄舎番たちが悲しそうな顔を浮かべている。
「――牢ってのはなぁ 入るときも出る時も 全てテメェで決めるのよ」 「お頭ぁ… でもさぁ…」 悲しむ獄舎番たちをよそに、花はどこ吹く風と笑って見せた。
「五月蠅ぇな アタシに気安く話しかけるんじゃねぇよ 今のアタシは大逆謀反の大罪人なんだ」 「けどよぉ それだってオレらをかばっただけで…」 花は、ころりと口の中で何かを転がした。
「だから 五月蠅ぇよ あれはアタシがそうしたかったからやったんだ …それに この中にその賊を捕れるやつがいるのかい?」 獄舎番たちは、悔しそうな顔をして皆下を向く。 「わかったなら枷を外しな――アタシがやる」 獄舎番たちは渋々と、花の枷を外し始めた。
「…相手はあの『村雨』の使い手だって話だ 斬られたら死んじまいますよ」 花は、ころりころりと口の中で何かを転がし、笑った。 「昨日の夜な 赤ん坊の頃に 夢の中であの珠をくれた人が 夢枕に立ったんだ… 悲しそうな顔してさ…アタシならやれるといったんだ」 枷を外された花は、手首を軽く回すと、口に含んでいた何かを吐き出した。
「こいつをなめてるとな 不思議と腹がすかねぇ 貧しかったアタシはこれに何度も救われた 恩は返さなきゃならねぇよ」 大事そうに掌にのせたそれは霊玉――浮かびし文字は『信』。
「それによ このままそんなガキ一人お縄につけらんねぇんじゃ オメェらまで馬鹿殿様に縛り首だぜ あの綺麗な姫さんならまだしも 不細工なオメェらまで夢枕に立たれちゃ ぐっすり眠れやしねぇんだよ」 「…ならせめて 危なくなったら そのまま逃げてください」 「ハッ! 五月蠅ぇ 五月蠅ぇ やると決めたらやる アタシはな 信じた道しかすすまねぇ アタシの十手と縄を持ってきな 信じた道なら散ってもいいさ それがこの あだ花牡丹――犬飼現八なんだ」
~『紅焔八犬伝』 肆~ |
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