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Ver3.4(VerRe:3.0) |
Ver3.4(VerRe:3.0) |
身長(人型時) |
1.62[meter] |
体重(人型時) |
46.5[kg] |
最大風速 |
120[m/s] |
今の仕事 |
殺し屋 |
妖としての名 |
かまいたち |
血縁 |
三人兄弟 |
イラストレーター |
chatalaw |
フレーバーテキスト |
夜は丑三つ時。男が闇に包まれた曲り辻を、小さな明かりを頼りに歩いていると、その中にすぅっと人影が浮かび上がった。男は少しびくりとしたが、よく見るとその人影は少年だった。なんだ子供かと安堵していると、少年がにこりと笑い、話しかけてきた。
「どう? びっくりした?」 「あぁ、少しね。君、こんな夜更けにどうしたんだい?」 「少しかぁ…やっぱ兄貴は驚かすの上手かったんだなぁ。あんたは何してるの? 探しもの?」 「はは、そうだね。夜回りさ。悪い奴がいないか探してるんだ」 「そっかぁ… 可哀そうになぁ」 「…?」 「あんたみたいのを探してる、悪い奴に見つかっちゃったからさ」
少年がそう言うと、一陣の風が吹いた。風が通りすぎると――
男は小さなたくさんの“赤い四角”に変わっていた。
切り刻まれたその切り口は鋭すぎて、四角の面から一滴の赤いものがこぼれ出ることもない。
「ほんと かわいそうになぁ」
少年は小さな四角をひとつ摘みあげ、やっぱり綺麗だな、とクスリと笑った。
かつて少年は三匹だった。兄が転ばせ、少年が切り、弟が薬をぬる。ずっと昔からそうしてきた。そういう妖であった。それを、ずっとずっと続けていくうちに、少年はいつの間にか、切った時に薄ら見える紅い色が好きになり、魅入られてしまった。
「せっかく切ったのにさ、すぐくっ付けちゃうなんてもったいないでしょ」
何故これ程に紅が好きになったのか…それには何かきっかけがあったのだが――なんだったっけ? 少年は少しだけ考えてみたが、思い出せなかったので、すぐにまた赤い四角に見入った。
「まーた遊んでんのか? しっかし…見事なもんだな、まったくよ」
気付くと、少年の後ろに深く頭巾をかぶり、全身に紋を彫り込んだ男が立っていた。
「やぁ、おっさん」 「おっさん言うなって言ってんだろ。オメェに仕事だぜ」
少年は赤い四角を放り投げ、げんなりした顔で言った。
「えぇ~、おっさんの仕事めんどくさいから嫌なんだよなぁ…。でも、今は気分がいいから、相手しだいじゃ快くって感じかな」
頭巾の男は無邪気に二カッと笑う少年を見て、めんどくさいのはお前だと言わんばかりにため息をついた。
「ケッ 生意気いってんな妖怪。でもまぁ喜びな。そいつは――とびきりの紅だぜ」 |
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