「ごめん豪炎寺、待った?」
ぜえぜえと息を切らせて円堂が走って来た。
俺もさっき来たばかりだ、と円堂に気を使わせないように答える。
実際は約束の時間より30分も前から待っていたのだが、それは俺の勝手な行動だから口には出さない。
―楽しみにしてた、なんて俺の柄じゃないが。
いつも傍に
今日は日曜日。
フットボールフロンティアも決勝リーグへと進みいよいよ部活も本腰を入れる時期となった。
だが今日は監督の都合がつかず、更にはグラウンドや河川敷、イナビカリ修練場も運が悪く使えない。
昨日の部活中に知ったことなので急だったが、俺はこの日曜日を有意義に活動しようと思った。
円堂も2つ返事でOKしてくれて、今日1日は2人きりで遊ぶことになった。
…まぁ、つまり…デート、なわけだが。
「そっか、ならよかったー」
息を整えた円堂は俺の返答に安心したのか、満面の笑みを浮かべる。
…畜生、可愛い…
しかも私服の円堂というのも珍しく、フード付きのノースリーブと短パンという夏場らしい格好をしていた。
…正直、理性がどこまで持つかわからない。
「で、まずはどこ行くんだ?」
「そうだな…お前が行きたいところでいい。」
なんだよそれー、と笑われる。
お前と一緒ならどこでもいい、ということなのだがやはりコイツは鈍いようだ。
…遠まわしより直球にすべきだったか…
「行きたいところでいいって言われてもなー…そうだ!スパイク見に行きたい。」
…色気のかけらもない…だけどそれがコイツのいいところだと思う。
子供っぽい発言に、俺は思わず目を細める。
「じゃ、そこに行くか…ほら。」
俺は円堂に手を差し出す。
円堂は俺が何をしたいのかわかったのか、少し恥ずかしそうな様子で俺の手を握った。
…緊張してるのか、円堂の手はとても熱かった。
スパイクを見たり、ジャージを試着してみたりと、意外とこういった店でもデートになるんだなと思う。
…まぁそんなのコイツ相手くらいだろうけど。
店で一通り楽しんだ後、俺達は近くのファーストフード店へ入った。
昼飯は俺が奢ろうと思ったのだが、ちゃんと昼飯代は貰ってきた、と断られる。
…少しくらい俺を立てろよ…円堂には伝わらないか…
「次はどこ行く?」
昼食を食べ終わって店を出ると、俺は午後をどうするか円堂に尋ねる。
「次は豪炎寺が決めていいよ、俺はどこでもいいから………と一緒なら。」
円堂は最後の方だけボソボソと喋る。
何を言いたいかはその恥ずかしそうな仕草ですぐわかった。
…可愛いこと言ってくれるな…本当に。
俺はわかった、とだけ言うと円堂の腕を掴んで映画館へ向かう。
本当は手を繋ぎたいけど、街中でそんなことをしたら円堂が恥ずかしがるだろう。
同性ということもあり、世間の目は冷たい。
―俺は平気だけどな。
映画はこの時期なせいかホラーが多かった。
怖がる円堂、というのも面白そうだがあまり嫌がることはしたくない。
ということでここは無難にアクション映画にしておくことにする。
席は当然だが最後尾だ。視力には自信があるし、そもそも人目につかない。
デートの定番といえば映画館だが、あながち間違いではないかもしれないな。
「うわーすっげぇ!かっこいいなー!」
円堂はアクション俳優の見事な動きに目をキラキラと輝かせている。
我ながら子供のようだが、その円堂の反応に少しムッとした。
…映画館で後ろを気にするような奴はまずいないだろうな。
俺は円堂の顔をこちらの方へ向ける。
円堂が抗議しようと口を開いた瞬間、俺は円堂の口内へと舌を入れた。
そして、俺はゆっくりと円堂の中を犯していく。
「ん…んんっ!」
円堂が驚いて目を丸くし、そして真っ赤になっていく。
次第に息が乱れてきたので、そろそろ解放してやる。
円堂は解放されるや否や慌てた様子で呼吸を整え、俺に文句を言ってきた。
「ばか、何考えてんだよこんなとこで!」
3列ほど前に人がいるためか、やや声を抑えている。
「暗いし映画の音もあるだろ、煩くしなきゃバレない。」
そういって円堂の腰に手を回し、抱きよせる。
もう映画なんて俺にはどうでもよかった。
「円堂…俺とあの俳優、どっちが好きなんだ?」
「ど…どういう意味だよ…」
円堂は質問の意図がよくわかっていないのか、困っているようだ。
―自分じゃわかってないか。
「お前にとって、俺とあの俳優どっちがかっこいいんだよ。」
ようやく質問の意図がわかったのか、円堂はまたも赤面する。
「言わなきゃもう1回舌入れるぞ。」
「…えんじ…豪炎寺に決まってるだろ!ばか!」
ヤケになったのか声が抑えられずに大声になってしまったらしい、少し前の席の奴らが驚いてこちらを振り向く。
…あいつらは…
円堂はあまりの恥ずかしさに自分が大声を出したことに気付いていないようで、俺の胸に顔を埋めている。
俺が前の2人を睨むと、2人は動揺したのか慌てて前を向いた。
…まぁ、いい。
俺は円堂を優しく抱き締めると、円堂の顔を上げて今度は舌を入れずにキスをした。
―実は映画なんて、最初からあまり見ていない。
豪炎寺と円堂は映画が終わる前に出て行った。
その姿を見送った後(最後に豪炎寺からもう一睨みされた)、俺は隣にいる妹に声をかける。
「おい春奈、なんだったんだあれは…」
「何ってキャプテンと豪炎寺先輩よ。」
いや…そういうことを聞いてるんじゃなくてだな…
「わからないのお兄ちゃん、あの2人は恋人なのよ。」
「…そうだな、あの様子を見ればそうとしか捉えられないな。」
…まぁ同性愛というものの存在くらいは知っている。
理解はそこそこあるつもりだ。
だがさすがに知り合いである2人が、そういった関係であったことに俺は少なからずショックを受けていた。
「ああいうのはデリケートな問題なの、あまり触れちゃだめよ。」
「あ…ああ…」
どうして…そんな平然としているんだ春奈…
妹と久々に水入らずの時を過ごそうと(当然部活は休んだ)したのに、なんて光景を見てしまったのだろうか。
映画館に来たことを、俺は少し…いやとても後悔していた。
あとがき
デート…?うん、デート^p^
正直映画館って監視カメラとかあるんですかね、ありますよね多分。盗撮防止とかのために。
そもそもデートしたことない俺がデート小説なんて無理ですよねwwwwうぇwwwwwww
追記
あ、春奈の漢字間違えてましたごめんなしあ;
最終更新:2009年10月21日 00:49