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豪炎寺は元々木戸川清修から転校してきたから。
昔の豪炎寺のこと、俺は知らない。
なんだかそれが、ちょっと…悔しい…




知らない過去





あいつらのトライアングルZを受け止めきれなかった俺は、鉄塔広場でまた特訓をしていた。
傍にいる豪炎寺がじっと俺を見ている。
なんだかそれが気になってしまって、俺は特訓をやめて豪炎寺の隣に座った。

「なぁ、豪炎寺。」

「どうした?疲れたか?」

豪炎寺は俺が急に特訓をやめたことに驚いたようだ。
そんなんじゃない、と笑ってやると、安心した表情をする。
…そんな表情、俺だけの前でしか見せないならいいのに。
…俺以外に…

「…あいつらさ、夕香ちゃんのこと知らないだろ。ほんとに誤解されたままでいいのか?」

暗くなった表情をごまかすために、とっさに思ったことを口にした。
仲間のことをあんな風に言われて黙っていられないと思うことだってもちろんあるけど。

「…いいんだ。心配してくれてありがとな。」

豪炎寺が真剣な表情で答える。
その目がじっと俺を見ていて、考えていることが見透かされてるみたいだ。

「昔のこと、気にしてるのか。」

「…!」

…やっぱりそうだった。
豪炎寺は俺の考えてることなんて簡単に当ててしまう。
それが嬉しい半面、複雑な気分だ。

「心配なんてしなくていい。俺の親友も、惚れた相手も、お前しかいない。」

そういって豪炎寺は俺の肩を掴んで引き寄せる。
―そのことがすごく嬉しかった。…それでも胸のもやもやは晴れない。
気がついた頃には声に出していた。

「俺、昔のお前のこと何も知らないんだなって思って…それが悔しくてさ。どんなことでも昔の豪炎寺を知ってるヤツがいたって思ったら…なんか…」

言い終わる頃には豪炎寺に抱き締められていた。
豪炎寺の心臓の音が聞こえる。それは煩いくらいに、ドキドキいっている。
横目で豪炎寺をみると、少し耳が赤くなってた。

「お前…ほんと可愛いな。」

「な…なんだよそれ!」

あんまり可愛いこと言うな、と豪炎寺が笑って釘を刺す。
俺はその笑顔に、見惚れてしまった。
―何度見ても、豪炎寺の笑顔を見慣れることはない。
いつだって新鮮に感じてしまう。

「…円堂…今度、うちに来てくれ。」

「えっ!?」

豪炎寺の意外な一言に、俺は思わず声をあげた。
豪炎寺は耳元で叫ばれたことに嫌な顔1つせず、言葉を続ける。

「昔の俺のこと知りたいんだろ。つまらないと思うけど、見せてやるよ。」

「…おう!絶対行くからな!」

つまらなくなんかない。
だって、大好きな豪炎寺のことだから。
俺はもっと、知りたいんだ。










「…なんだ…あれ…見間違いじゃない…よな…」

今日はふと鉄塔広場に行きたくなって、行ってみたらあいつらがいて。
声をかけようかなって思ったら、豪炎寺が円堂を抱き締めて。
…出るに出れない雰囲気になったから、なんとなく茂みに隠れる。
うちのキャプテンと、エースストライカーが…

「…うん…見なかったことにしよう…」

円堂はいいヤツだし、豪炎寺も普段は愛想がないけど試合では頼りになる。
とりあえずこのことは胸にしまっておくことにしよう。うん、それがいい。
…なんで俺、この道通ったんだろ…
俺、半田真一は深くため息を吐いた。




あとがき
というわけで木戸川妄想。
豪炎寺の昔を知らない円堂がやきもちを焼いてしまう話。
そんな円堂が可愛いです。嫉妬という言葉は知らない円堂。だがそこがいい。
豪炎寺が毎回クサイこと言ってますが、そんなイメージだからです。
あと最後のはなんか衝撃的な光景を目にしてしまう苦労人、半田。
受け入れられないけど、否定もしないって感じ。まさに中途半田d(欧

そんなわけで次回は豪炎寺宅かもしれない。
エロ?まだ書けません。恥ずかしいというよりはどういう風に書くか悩んでるって感じです。
多少BLではない感じの…そう、リアリティがないとね(
最終更新:2009年11月15日 19:51