「大変っス!キャプテンと豪炎寺さんがいないっス!」
「本当でヤンス!」
背後の壁山と栗松が気付いたように叫んだ。
だいぶ前からいなかったんだが…この人ごみでははぐれることもなくはない。
…だが、俺は見てしまった。
豪炎寺が円堂の手を引いてどこかへ行ったのを。
意図的に2人になっただけだ。
…俺が頭を抱えていると春奈がかき氷を持ってきてくれた。
まぁ…春奈の浴衣姿が見られるだけでもよしとするか…(我ながら兄馬鹿だと思った)
円堂…もしかしたら別の意味で無事ではすまないかもしれんな…
豪炎寺がはやまっていないといいが…
君と2人で
「お、おい豪炎寺、どこまで連れてくんだよ。」
「いいから。」
豪炎寺は俺の手をぎゅっと握って離そうとしない。
いくら人ごみが多くても誰かに見られてるんじゃないか…?
稲妻町主催の祭りだし、誰か知り合いに見られてしまったら!
そう思うと俺は気が気じゃなかった。
もうすぐ花火も始まるのに、豪炎寺はどんどん人気のない方へと俺を引っ張る。
しばらくすると、見慣れた場所が見えてきた。
「鉄塔広場…?」
「ここなら誰もいないだろうと思ってな…花火もよく見えるだろうし。」
そう言って豪炎寺は適当な場所に座る。
隣に座ろうと思ったら豪炎寺が急に引っ張った。
「うわっ!」
俺は豪炎寺に抱っこされてるみたいに座らされる。
なんだか後ろから抱かれるのって、慣れてないから余計に照れた。
顔は見えなくても耳が熱くなってて、きっと豪炎寺にはバレてる。
「円堂、浴衣…よく似合ってる。可愛い。」
「ご…豪炎寺だって浴衣だろ…あと、可愛いってなんだよ。」
豪炎寺の浴衣姿はすごく男らしくて、俺から見てもすごくかっこよかった。
屋台で買い物してる時だって、豪炎寺はたくさんの女子からキャーキャー言われてた。
それが嫌だった。やきもちなんて妬いてる自分も嫌だった。
「可愛いもんは可愛い。惚れてる相手なら余計にそう思うだろ。」
「ばっ…」
「馬鹿馬鹿言うな。」
そう言って後ろから抱き締めてくる豪炎寺の温もりに安心した。
豪炎寺は、俺だけを見てくれてると実感できるから。
…だけどそんなことを思う俺は…
―ヒュー・・・・・・・ドーン
花火が始まったようだった。
屋台から離れたここからは花火もよく見える。
すごく綺麗で、豪炎寺と2人だけで見られるのがすごくうれしい。
「綺麗だな…」
「…ああ。2人っきりで見れてよかった。」
…あれ?
今、俺…なんて言った?
「…円堂…お前…」
いつの間にか目の前には豪炎寺がいる。
花火は豪炎寺のせいでほとんど見えない。
俺…さっき…思ってること口に出しちゃったのか!?
恥ずかしさのあまり俺は真っ赤になる。
そんな恥ずかしいこと、豪炎寺の目の前で言っちゃうなんて。
「…あ…いや…さっきのはなんでも…」
「…嬉しいよ。」
豪炎寺がすごく嬉しそうに笑う。
俺はこういう時の豪炎寺の顔が、好きだ。
…きっと俺にしか見せないと思っていいんだよな…?
「俺も、2人っきりで見たいと思ってここに連れてきた。円堂がそう思ってくれたのがすごい嬉しい。」
「豪炎寺…うん…俺も嬉しい。」
さっきまでのやきもちとか、恥ずかしさとか。
そんなこと、どこかに行ってしまった。
好きな人と同じことを考えていたのが嬉しかったから。
大好きだ、豪炎寺…
花火の下での、ひと夏の思い出。
来年もまた、君と2人で。
あとがき
明日にいよいよ発売するイナイレカレンダーを見た時に思いついたネタ。
7~8月は浴衣なのかなぁと勝手に勘違いしたら全然違った^p^
じゃああの公式っぽい浴衣の豪円は…何のグッズの絵なんだろう…
どなたかご存じでしたら(ry
豪炎寺は浴衣姿かなり似合うだろうな。というか和装が似合いそう。
俺も花火大会に行った時は胸板薄そうでチャラ男ばっかやなぁと思って見てたんだけど(
豪炎寺は引き締まってるしマッチョマッチョ言われてるからきっとかっこいいと思うんだ。
円堂はまだ子供っぽいから余計に可愛い。浴衣の時くらいバンダナ外してもいいよw
ほんとはRにしようかなっても考えたけどまだ文章力に自信ないし何より中学生の初体験が野外ってどうなの?って思ったのでやめました(
まず野外という時点でファンタジー。そりゃ現実にもなくはないけどwww
しかし俺の書くのってハグが必ず入ってる気がした。
ハグって安心するんですよね。嫌な人相手だと鳥肌立ったけど(リアル話)
人肌嫌いな俺だけどそろそろ人肌恋しい季節…なのかなぁ
最終更新:2009年10月28日 13:13