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…狭い。
ちょっと都会に出るとこれだから、あまりこういう場所で電車には乗りたくなかった。
だけど電車で移動するしかないから、仕方ないんだが。
そんなことより目の前の円堂にさっきから…その…




ぎゅうぎゅう




東京の都心の中学と練習試合をした帰り。
どうやら帰宅ラッシュの時間帯に乗ってしまったらしく、俺達サッカー部はぎゅうぎゅうの車内に詰められることになった。
あの時、他の奴らとは離れてしまったがつい円堂が苦しそうにしてるのを見てられなくて、俺の傍に引き寄せたのはいい。
…しかし。

「ご…豪炎寺…ごめ…」

「…いや…」

このように抱きよせるような形になってしまったのは想定外だ。
かといって人が多すぎて離せないし、下手に姿勢を変えたら更に押されて苦しくなるだけだ。
背後に扉があるとはいえしばらくこちら側の扉は開かないはずだし、乗り換えまではまだ何駅もある。
お互い汗臭いはずなのに、なんだか変に意識してしまう。

「…え、円堂…」

「何…?うわっ!」

円堂を抱き寄せる。元からそんな姿勢になっていたが更に、だ。
傍から見れば恋人同士の「それ」にしか見えないだろう。
円堂は耳まで真っ赤に染まっている。嫌がられていないのが救いか。
多分、俺の鼓動が聞こえていることはわかってる。
だけど円堂も同じだ。
前々から信頼できるいい奴だと思っていたけど、この瞬間大切な存在なんだと思った。
…初恋なんだろうな、これ。
初恋は実らない、とか言うけれど。

「円堂…」

好きだ、と口だけで伝える。
満員で周りは背丈の高い大人がほとんどだ、見えはしないだろう。
俺は円堂にそっと口づける。
しばらくして離すと、円堂がぼそぼそと喋り出す。(可愛いな…)

「…お、俺も…」

「○○ー○○ー稲妻町へはーお乗り換えです。」

「…ご、豪炎寺、降りよう。」

「…ああ。」

俺達は無理無理大人たちを押しのけ、電車を降りた。
部員達もなんとか降りれた様子で、全員が合流できたようだ。
…タイミング、悪すぎだろ…
空気読め、なんて電車に言えるわけないけど悪態を吐きたかった。




「ご、豪炎寺…」

駅で解散した後、俺は円堂に呼びとめられた。
まぁ当然だろうが…

「お…俺…俺も…豪炎寺のこと…」

好きだ、と…そう言われなくても本能的にわかる。
だって目の前の円堂が、すごく可愛く見えたから。
めちゃくちゃな理由だけど。
俺は嬉しくなって円堂を抱き締めた。
円堂も照れ臭そうに抱きしめ返す。

…たまには満員電車も悪くないかな。
円堂と一緒なら、だけど。





あとがき
ということで一度書きたかった電車ネタ。
というか密着、密着萌えるよね。
恋人同士で円堂を守るようにする豪炎寺も見たいけど、今回はあえての正面抱きで。

身長差が全然ないので普通なら顔近い ってなるよね。それはそれで萌えるけど。
俺は身長高いのでまずそういうことないです^p^

あともう1個、恋人として痴漢ネタ書きたいなぁ…とか思いつつ(
最終更新:2009年11月09日 03:41