澄んだ夜空の下、2人は毛布に包まって座っていた。
そこは街にあるちょっと高い丘で、特別何かがあるわけでもない。
だが星を見るだけなら十分で、たまに2人で来る思い出深い場所だ。
いきなり夜中に呼び出されたかと思えば、星を見たかった、だなんて。
そのあまりにもらしい言動に、リウは思わず苦笑する。
こんな時間でさえ、大事だと思う。
とはいえ吐く息は真っ白で、やはり夜は冷えるもので。
「…くしっ!」
「寒いか?リウ、もっとくっつけよ。」
そういってシグはリウを抱き寄せる。
厚着の上毛布をかけているとはいえ、冬空の下だ。
彼の吐く息もまた白く、頬は寒さの所為かほんのり赤い。
もしかしたら赤いのはそれだけではないかもしれないけど。
「…ごめんな、いきなり夜中に呼んじまって。でもリウと見たかったんだ。すげー綺麗だからさ。」
「い、いいよ謝らなくっても…俺も…シグに会いたかったから…」
最後だけ言葉を濁す様にゴニョゴニョというリウは面白い。
こんなヘタレなところも、彼らしいといえば彼らしい。
まぁヘタレじゃなかったらリウではないが。
「なんか夢みたいだな。」
「何が?」
なんとなく黙って星空を見ていると、突然リウが呟く。
シグが彼の方を向くと、リウは少し俯いて憂いを秘めたような表情をしていた。
寒さと、おそらく照れのためか赤い顔をしたリウの横顔に内心ドキドキしながらも、シグは平静を装う。
「…お前とこうやって2人きりでいられるの。」
「いっつも一緒だっただろ。」
「…そうじゃないよ…こ…恋人として、さ。」
「リウ…」
確かに今まで友人として、一緒にいた。
だがこの前の告白で、自分達は恋人という関係になった。
リウはそのことが夢みたいだとでも言うのだろうか、シグはリウを優しく抱き締めた。
突然のことに驚いたリウも、慣れるとシグの背中に腕を回してくる。
「夢じゃねーよ…」
「うん、わかってる…けど…嬉しいんだ。」
どうして彼はこうも自分を喜ばせるような発言をするのか。
シグはこみ上げてくる感情を、そのままリウにぶつけた。
触れ合った唇は冷たく、そしてなぜか暖かくも感じる。
「…はっ…シグ…いきなり…何すんだよ。」
「嫌じゃないだろ?」
「…嫌じゃないけど…」
こういう時のシグは本当に子供のような笑い方をしている。(まだ子供だが)
いたずらをする時の子供のようで、きっと小さい頃からシグは変わってないんだろう。
そう思うと可笑しくなってきて、リウは我慢できずに笑いだした。
「何笑ってんだよ、そんな余裕あんのか?」
しかしそれも束の間、ムっときたのかシグが更にキスを仕掛けてくる。
それも今度は思いのほかしつこく、しばらくして唇を離された時リウは若干酸欠状態だ。
「ば…ばっか…苦しい…だろ…」
「ムードぶち壊されたから仕返し。」
そうしてまた意地の悪い笑みを浮かべる。
それがリウを笑わせるんだと、気付いてはくれないようだ。
またリウが吹きだすと、シグは仕返しとばかりに濃厚なキスをお見舞いした。
「なぁリウ。」
「んー?」
さすがにもうこれ以上やったら可哀想だと、シグは仕返しを止めにして、再び星空を見るため寝転がった。
リウもそれに倣い、シグのすぐ傍に寝転がる。2人の距離は近く、寒い冬空の下でも互いの熱を感じるのすら愛おしい。
「ずっと一緒にいような。」
それは途方もない話に思えた。
だけど、ずっと一緒にいたいのはリウも同じ。
シグと繋いだ手に、ぎゅっと力をこめた。
「うん…」
一緒にいれる保証なんてないけど、それでも隣にいる彼の体温は確かに感じる。
(だってこんなにも愛しいんだから。)
あとがき
セリフが多めの小説が多かったので神視点の小説ではセリフ少なめに、これでも描写多めに書いてみました。
少しでも伝わってきたならいいんですがねー…
しかし恋人繋ぎって2次元なら萌えるけど3次元で見ると殺意しか湧かないのはなんでですかね?(
最終更新:2009年12月09日 00:26