最近のトレーナーは、歯ごたえがない。
そう感じ始めたのはいつからだっただろうか。
あの時、俺を打ち負かした少年2人。
それ以来自分を見直すために修行し、俺はチャンピオンになった。
それから、3年。そう…3年だ。
あれ以来負け知らず、と自分で言うのもなんというか…アレだが。
もはや四天王を突破してくるトレーナーが少ない。
俺が不在でも、何の問題もない。
…物足りなかった。
そんな時だった。彼に会ったのは。
「凄いな、まさかあのギャラドスを捕まえてしまうなんて…。俺はワタル。君の名前は?」
「俺、ヒビキって言います。こっちは相棒のマグマラシ。」
彼に光るものを感じた。
きっとヒビキ君は俺を満足させてくれるトレーナーだと、思った。
そして彼は俺の予想通り、イブキや四天王に勝ち、俺と互角以上に戦えるほどに成長してくれた。
あの時のバトルは、今思い出しても興奮する。それほどまでにいいバトルだった。
「あ、ワタルさん!」
「…ヒビキ君、どうしたんだい?」
久々にフスベに帰ると、偶然ヒビキ君と会った。
俺を見つけると、こっちに向かって走ってくる。
「ワタルさんから貰ったミニリュウ、ハクリューになったんです!ほら!」
ヒビキ君はそう言って連れているハクリューに抱きついた。
ハクリューは嬉しそうにヒビキ君にじゃれている。とてもよく懐いているようだ。
「そうか…大事に育ててくれてありがとう。」
そう言って頭を撫でてみる。
…こうしてやると、喜んでいるヒビキ君の顔はやはり年相応に見える。
「なんかヒビキ君を見てると弟ができたみたいだよ。」
「え、俺弟ですか…?」
「うん、可愛い弟だな。」
「可愛いって…俺は男ですよ!」
「ははは…いいじゃないか。」
赤くなったり、無邪気に笑ったり、バトルの時の真剣な表情とか。
君も、君の表情も、全部好きだよ。
君といると、本当に飽きないよ。
きっと君は、兄としてしか見てくれないだろうけど。
今はとりあえず、君の「兄」として傍にいてもいいだろうか。
最終更新:2010年10月25日 22:01