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レザーフット物語 - ハウンドスレイヤー編 第3部

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lupinduke

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レザーフット物語 - ハウンドスレイヤー編 第3部
Leatherfoot Tales: The Houndslayer, Part Three
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ELのクエスト「I Hate Those Wimmin(あんな女は大きらい!)」報酬で「レザーフット物語 - ハウンドスレイヤー 第1部」のスターターが貰えます。
第1部の報酬に第2部のスターター、さらに報酬で第3部のスターターときて、そのまま「レザーフット物語 - テイル・ダルの最期」全3部までの連続モノです。

レザーフット物語 - ハウンドスレイヤー編 第3部

レザーフット物語・ハウンドスレイヤーの最終部は、ハウンドスレイヤーGumpy Nattooがキシコール・レンジャーの一隊とともにリバーベイルに帰ってきたときの様子を語る。
「ハウンドスレイヤー」の称号を記念して、キシコール・レンジャーの隊長はオオカミの尾を切り取ってGumpyのベルトに結びつけることを提案した。レンジャーたちとリバーベイルに向かっている間、Gumpyは腰の周りで揺れるこの尾が恥ずかしいような気がしていたが、レンジャーたちがそれを尊重しているようなので何も言わなかった。それまでの間に彼は、口を開く回数を減らせばそれだけいい結果になることを学んでいたのである。 リバーベイルがその名を受けた川の上に日が昇るころ、Gumpyとキシコール・レンジャーたちは街に入った。煙の出ている煙突がちらほらとあったが、ハーフリングは大抵遅くまで寝ているものである。Gumpyは言った。「誰かが起きてるとすれば、酒場にいるだろうね」そんなことをする必要はないとGumpyは言ったのだが、彼らは影から影へと渡り、道を渡る前には必ず両側を見た。一目を引くまいとするその行動が、かえって目立ってしまっているのだった。
レンジャーを宿屋まで案内すると、Gumpyは兵卒長の家へ行き、この訪問者のことを告げた。朝早くに起こされたので兵卒長は怒っているようだったが、制服を着るとGumpyとともに宿屋へと向かった。鼻にしわを寄せながら、兵卒長は言った。「Gumpy、どこでその汚らわしいしっぽを手に入れたのかは知らんが、さっさと捨ててしまえ。臭くてたまらん」 レンジャーの隊長と兵卒長は二人だけで話し込んでいた。その間兵卒長は眉をしかめていたが、あまりにしかめていたので目を閉じているように見えた。会談が終わると、兵卒長はGumpyの肩をどやしつけて言った。「Gumpy、お前を誇らしく思うぞ。レンジャーたちはお前にいたく感心して、お前の部隊を連れて行きたいと言っておる。よくやったな」Gumpyには、これは面倒ごとにしか思えなかった。それも、大きな面倒ごとだった。
キシコール・レンジャーとレザーフット・エリートスカウトはリバーベイルにあるレンジャーギルドのホールに集まり、そこで兵卒長とレンジャー隊長が交互に任務の説明をした。Gumpyは意気消沈して椅子に座り込んでいた。任務は思ったとおり困難なものだった。レザーフットとレンジャーの何人かは一時間のうちにネリアック多種族居住区に向かうことになっていた。「まだ朝ご飯も食べていないじゃないか」Gumpyは悲しく思った。 兵卒長はとどろくような声で言った。「フェイドワーで起こっている戦争のことは諸君も聞いているとおりだ。このリバーベイルにも、多くの命が失われたという知らせがノームたちによって伝えられている。ダークエルフどもは行く先々で家を略奪し、燃やしているという。我々は奴らがここに来る前に防ぎ止めなくてはならない」ここまで聞いて、Gumpyはおやつを取りにちょっと抜け出すことにした。兵卒長の話はまだまだ続きそうだったからだ。
「・・・・・・これが諸君に与えられた任務だ!」ベーコン、チーズトースト、鴨の卵のスクランブルエッグでおなかを満たしたGumpyが戻ってくると、ちょうど兵卒長の話が終わるところだった。ホール中で、椅子をがたがたさせながらレザーフットのエリート隊が立ち上がって外に向かい始めた。「任務って?何か聞き逃した?」Gumpyはすぐ横にいた兵士に聞いたが、あたりがあまりにも騒がしくて誰の注意も引くことができなかった。「こっちだ、ハウンドスレイヤー!」キシコール・レンジャーの一人がGumpyを呼んだ。「一緒に行くんだ!」Gumpyはため息をついた。「そりゃよかった」 「我々はキシコールの森を抜けて、その後ネクチュロスに向かうんだ」Gumpyの肩を叩きながら、そのレンジャーは言った。「あんたは森のことを知り尽くしてるから、伝令になって隊から隊へ書類を届けるんだ」Gumpyはレンジャーたちが思っているほど自分は森に詳しくないことを説明しようとしたが、彼は楽しげに笑って言った。「いやいや、ハウンドスレイヤー、あんたがどれだけ謙遜な人だかはもうみんな知っているよ。さあ、戦いに備えようじゃないか!」
Gumpyは今まで、ここ数ヶ月の間に次第にその数を増やしているノームたちを気にしたことはなかった。しかし彼らもハーフリングと並んでリバーベイルの街路に立ち、手を振りながらGumpyたちを見送っていた。「しばらくはどこかに忍び込んだりすることもないだろうな」Gumpyはぶつぶつと言った。「この大騒ぎは100スプロケット離れてても聞こえるだろうから」 キシコール・レンジャー部隊とGumpyは、一番最後にリバーベイルを離れた。肩越しに振り返って自分の町を眺めたGumpyはのどを詰まらせ、目を潤ませた。「ちぇ、もう年なのかな」手の甲で目をこすりながら、彼は思った。「もう二度とエッグ・パンでは朝食を摂らないぞ。鴨の卵アレルギーだったのをまた忘れてた!」


第3部完ッ!ハウンドスレイヤー編はここまで。
兵卒長。キシコール・レンジャー。ノーム(見送り)。
なんとなく役者が揃ってきた雰囲気です。

話は引き続き、「テイル・ダルの最期」3連作へ。
※ネリアック多種族居住区とは、現在でいえば「フォールンゲート」にあたるかと。
当時(EQ1時代?)のMAPなんて見てませんが、チラっと文中に「ネクチュロス」ともありますし。

テイル・ダルの最期 第1部へ続くー

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