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涙の向こう側 ― 第1部
最終更新:
lupinduke
涙の向こう側 ― 第1部
The Far Side of Tears, Part One
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フリーポートのセイジより購入できる本です。
もちろん、購入後クエストをクリアしないと読める形にはなりません。
涙の向こう側 ― 第1部 |
この一連の書の第1部では、”戦禍の時代”におけるフリーポートの軍艦L.M.S. Assault号に乗り込む若き水兵に出会うことになる。 |
フリーポートは、以前からずっとアントニカの商業と学問の中心地である。定期的に利用可能な交通手段が整備され、我々の暮らす快適な大都市をとり囲む海はフリーポート海軍の手で守られている。西方のコモンランドには内陸部まで覇王様の支配が及び、南方にはロー砂漠が広がる。そしてフリーポート港は涙の海へとつながっている。我々船乗りはしばしばこの海を単に”涙”と呼ぶ。 | フリーポートミリティアは遠洋に繰り出せるほどの大規模な海軍力は備えていない。それはそうだ、敵はつねに向こうからやって来るのだから、わざわざこちらから遠くまで船で出て行く必要はない。とはいえ、オークやオーガどもが内陸に大軍を集めて世界を不安に陥れている以上、フリーポート海軍も早急に規模を拡大する必要があった。そこで提督は、町の若者に対する強制徴兵に踏み切ったのだ。最初はいやいやながら参加した私も、今ではフリーポート海軍で働いていることを誇りに思っている。 |
フリーポートへと至る陸路の多くがその途中をラロシアン帝国軍に制圧されているという状況下では、海軍の整備が焦眉の急であったことは言うまでもないだろう。街を包囲され、交易路を次々と封鎖されていくなか、海路による交易路はまさに命綱だったのだ。多くの交易船が接収されて海軍に編入されることになり、結果としてまちまちな外観の艦が浮かぶこととなった。私の乗り組んだL.M.S. Assault号は布の交易を行っていた船が軍用に改装されたものだった。 | Assault号が優れた軍艦として真価を発揮している理由の一つにその姿かたちがある。幅の狭い船体は速度が出る。しかも3本のマストには、以前この船を所有していた織物商人が用意した立派な帆がふんだんに備え付けられている。多数の帆によってこの船の速度はいっそう増し、水を切るように進んだ。乗組員の多くは織物商人の頃のままの顔ぶれで、複雑で数の多い帆を上げ下げする術をよく心得ていた。 |
甲板の下は、他の船同様に窮屈な造りになっている。柱という柱のあいだには水兵たちのハンモックが吊るしてある。厨房のそばで眠る連中は、ワイン樽や穀物袋、さらには冷凍肉までも柱代わりにしてハンモックを吊るして眠るのだった。我々の任務は、何ヶ月間も海上に留まるものではなく、”涙”の哨戒に当たることだ。涙の海は広大なため、何日間にもわたって岸から離れることも多い。 | このところ、”涙”の最果ての動きが活発になってきたという報告が他のいくつかの船から届いている。そこは海水がTimorous Deepに流れ込む場所だ。我々の使命はそこを調査し、その結果を覇王様に報告することだ。オークの船に遭遇することがあれば、彼らをPrexus' Holdに連行し、生存者を厳しく尋問することになるだろう。仮に私がオークだったとしたら、Assault号が近づいてくるのを見た途端、逃げ出すことだろう。 |
ここ数日のうちに二度もAssault号と非常によく似た船の姿を水平線上に捉えた。3本マストの船は扱いが難しいため、滅多に存在しないのだが。Assault号(就航前の試運転のときは”Bixie Girl号”という名だった)を軍に提供した織物商人によれば、そんな造りの船は他にはないはずだという。艦長は興味に駆られ、その謎の船の追跡を試みた。 | ここ数年のあいだに我々は、フェイドワー大陸にあるダークエルフの都市カラディム近くの船着き場に寄港するようになっていた。そこで物資を補給してフリーポートに戻るのだ。しかし今回は、オークの船団がこの船の接近に備えて厳重な警備を行っていた。これまで見たこともない数の船に対し、我々は用心して距離をとった。すると艦長が、反転して攻撃の準備を整えろ、と激しく叫んだ。そこに張り詰めた緊張感と憤りをより強く感じたのは、Assault号そっくりのあの船が我々の視界に入ったからだった。 |
「あの船だ」艦長はかすれ声でそう言った。彼の眼はその船に釘付けになっていた。船団のなかにあってもその船の3本マストははっきりと確認できた。艦長は海に反射する光に目を細めながら「あの船の名はなんというのだろう」とつぶやいた。その名を見い出す方法は1つしかなかったが、艦長はAssault号をオークの船団のまっただなかに進めようとはしなかった。「少なくともあの船が実在することはわかった」と言うと、艦長は帆を畳んでフリーポートへ戻るよう命令を下した。 | そのとき突然、カラディムの方向を指差す甲板長の口から罵りの言葉が発せられた。我々の船そっくりのあの船が帆を揚げ、港を出て来ようとしていたのだ。「あんな紋章は見たことがねえ」と若い新入り水夫の1人が恐怖の表情でその船を眺めながら言った。「そんなもの、すぐに慣れるさ」と艦長が苛立ちながら応じた。「見たところ、どうやらデスフィスト帝国が海に乗り出してきたようだな」 |
↑にあった表記で、気になったところが、
"フェイドワー大陸にあるダークエルフの都市カラディム…"の一文。
カラディムと言えば、ドワーフの都市で、あそこがダークエルフと絡んでたような記録は無いんですが・・・この本自体、EQ2初期のものですし、空白の500年の間に占領されてたような裏設定でもあったんでしょうか?手持ちの資料ではイマイチ分からないので、何かあれば追記します。覚えてたら。
追記:
ttp://eq2.wikia.com/wiki/The_Far_Side_of_Tears%2C_Part_One_%28House_Item%29
In years past we would dock near Kaladim, the dwarven city on
Faydwer
@EQ2i様…というわけで、翻訳の人が大嘘ぶっこいてました。