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『三つのかぎ - その3』

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lupinduke

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『三つのかぎ - その3』
"The Three Keys - The Third Key"
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南ケイノス購入本。3部作の最終回です。
ついに3本目の鍵の秘密が明らかにー

『三つのかぎ - その3』

この本のタイトルは『三つのかぎ - その3』となっている。Aivenという名の少女が、第3の鍵で最後のドアを開けて起きる出来事を物語ったものだ。
「でもみっつめの鍵はどうなの?」とAivenはききました。「これが開くドアには何があるの?」年寄りのケンタウロスは石のような顔でじっとAivenを見て、それから言いました。「それは運命の扉を開く鍵だ」それを聞いたAivenは、最後の鍵を使ったらどうなるか、もうどうしても知りたくてたまらなくなりました。 Aivenは、最後のドアの向こうに何があるか見てみたいの、と言いました。するとケンタウロスは、おどすように答えました。「そこにあるのは、小さな女の子が見るものではない。知らない方が、いいこともあるんだよ」ところが、Aivenがあまりにもしつこくせがむので、ケンタウロスもとうとう折れて、Aivenを背中に乗せてやることにしました。そして走っているあいだは、目を閉じていなさい、と言いつけました。
Aivenにはケンタウロスが走り始めたのがわかりました。我慢して待とうと思ったけれど、どこへ行くのか気になって、少しだけ目を開けてみました。すると、まわりじゅうにいろんな色が嵐のように渦巻いているのがちらりと見えて、あわててAivenは目を閉じました。そして、ケンタウロスが走るのをやめて、「さあ着いたよ」と言うまで、長い時間でしたがずっと目を開けないようにしていました。 さっきは色が渦巻いていたけれど、今ここにあるのは1つの扉と、果てしない白の平原だけでした。Aivenは「ここはどこ?」とききましたが、ケンタウロスは答えずに、表情も変えませんでした。Aivenは私がかぎを開けるのを待っているのかしらと思い、開けようとしました。するとケンタウロスは、「まだ間に合う。まだ家に帰れるのだよ。その扉の向こうにあるものを見ないほうがいい」
Aivenは自分の運命がどうなるのか見てみるつもりで、「ここでやめるなんでできないわ」と答えました。するとケンタウロスは消えました。Aivenは今しかないと思い、扉を開けました。向こうにあったものは、真っ暗闇でした。Aivenは勇気をふるい起こして、足を踏み入れました。 暗闇に目が慣れるまで、それほど長くはかかりませんでした。さらに少したってAivenは、真っ暗なのに普通に見えることに気付きました。まわりでは奇妙なことが起きていました。まず、自分がずっと大きくなった気がして、体が痛みました。それから見たことのない長い衣を着ていて、その帯にはたくさんの面白い飾りがさげてありました。いちばん驚いたのは、近くにあった鏡をのぞいてみたら、年寄りの女の人が映っていたことでした。
何がなんだかわからないうちに、Aivenはものすごく大きな扉に向かって歩き始めていました。それは見たことのない真っ黒な金属でできていました。自分の手がぎくしゃくと動いたかと思うと、その扉は千のかけらになって砕け散りました。そして、しわがれているけれどしっかりした声で言いました。「わしはここだ、悪魔よ!この世界はお前のものではない、我らのものだ!お前を止めることはできなくとも、お前の動きを遅らせてみせようぞ」言い終えると同時に、目の前に闇がかたちになって現れました。見たこともないものでした。 闇のかたちが口をききました。「貴様らは、申し出を拒んだな。我らの塔をこわしたな。我らの国に入ったな」さらにこうも言いました。「今度はこの手で貴様らを苦しめる番だ。永久に……」そこへ、Aivenは輝く球体を差し出しました。「うそだ……貴様がそれを知っているはずはない!」闇が叫びました。「20万年のあいだ、誰ひとりそれを知る者はいなかったのだ!!」Aivenは答えました。「私は子供だったときから、思い出していた」
その瞬間、手の中の球体が白く輝き始めました。「これを見つけるのは難しくはなかった、悪魔よ」Aivenはそう言い、球体の輝きはいっそう強まりました。「難しかったのは、長年ずっと持ち続けていた鍵を手離すことだった」今や球体は太陽に劣らずまぶしい光を放っています。「今からしようとしていることも、あの鍵をあきらめるほどには難しくない。これが終わりだとわかっているのだから」そして深呼吸すると、球体は千の太陽が一気に命を燃やし尽くすようにして爆発しました。 Aivenはお母さんにゆり起こされました。「Aivenったら、すごく心配したのよ!ノーマッドにさらわれたかと思ったわ!」あたりを見回して、Aivenは自分が農場の木の下で眠っていたのだとわかりました。「ママ、わたしすごく変な夢を見たの」「そんなことは忘れなさい。夢なんか信じるもんじゃありませんよ。さあ、夕食の前に手を洗って、汚れた服を着替えなさい、わかった?」Aivenはうなずいて家に帰り、言われたとおりにしました。でもその前に、自分の部屋に寄って、ポケットから何かを取り出し、枕の下に入れておきました - 銅と、銀と、金のかぎを。 (終わり)

終わったーッ(今日の更新が)
正直なところ、ロアとしてではなく、単なる「お話」としての本ですし、特に言うことないんですが。

この本自体は貰った頃からのお気に入りです。ええ本です。
GU37前はオオカミとアナグマに泣きましたが。
 

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