ドッペル図鑑 マギアレコード

魔法少女まどか☆マギカ外伝マギアレコードで登場したドッペル

ドッペル

ドッペル・ウィッチとは感情の写し。この神浜市で魔法少女のソウルジェムが穢れに満たされた時、彼女たちは自らの体の一部に呪いの姿を写し取りドッペルを出現させることが出来る。そして、ため込んだ穢れのすべては主を蝕むことなくすべてドッペルへと変換され、魔法少女が力尽きることはない。ドッペルとは神浜市でのみ体現できる不可思議なちからである。

チームみかづき荘

GIOVANNA(ジョバンナ)

沈黙のドッペル。その姿は、呼子鳥。
この感情の主は、自身のドッペルの情けなさに気が付きつつも、その姿を直視できないでいる。
このドッペルは何も語らず聞きたくない全てを布で締め壊し、その胸に開いた穴を埋めるものを探し続けている。
誰かを呼び求めなくてはいけなかったはずなのに、臆病なこのドッペルは布で覆い隠した現実を直視することを恐れ、沈黙し耳を塞いだままでいる。

髪の毛が変化
攻撃方法
【継ぎ穂狩り】
相手に毛を巻き付けて行動不能にする。
【呼ぶ子の瀑布】
背中の布を真上に延ばし、相手を頭上から押しつぶす。
【心臓は何処?】
お腹の穴から血管がのびてきて、相手をつかみ、そのまま体内へ引きずり込む。
(シャフト原画展より)

GIOVANNA(ジョバンナ)(水着Ver.)

沈黙のドッペル。その姿は、呼子鳥。
この感情の主は妹を探しつつも、少しずつ自分を受け入れられるようになる過程にある。それに加えて夏の陽気に胸が弾んだため、少しはっちゃけた見た目になった。
その心持ちはドッペルの服やマストに影響しているのが見て取れ、もはや主の一時の感情に振り回されている感じがする。詰まるところ表面だけ取り繕った姿である。
海に特化して戦う事ができるものの、主が泳げないため器用なことはできず、ただ持てる力を使った強烈な攻撃で目の前の敵を屠ろうとする。

GIOVANNA(ジョバンナ)(アニメVer.)

沈黙のドッペル。その姿は、呼子鳥。
この感情の主は、自身のドッペルの情けなさに気が付きつつも、その姿を直視できないでいる。このドッペルは何も語らず聞きたくない全てを布で締め壊し、その胸に開いた穴を埋めるものを探し続けている。誰かを呼び求めなくてはいけなかったはずなのに、臆病なこのドッペルは布で覆い隠した現実を直視することを恐れ、沈黙し耳を塞いだままでいる。

GIOVANNA(ジョバンナ)(∞いろは)

喚呼のドッペル。その姿は、感情
この全ての感情の主は、溢れた想いを回収しながらドッペルとの間で循環させる。
このドッペルはすべての感情を呼び起こすが、すべての感情を混ぜ合わせたとしても、決して混沌とした黒ではなく、光の元素を取り込んだ真白な光明となる。
その中でも強い光明を浴びた者は、自分の感情が制御できなくなる上に粒子レベルまで分解されて、未来を作るエネルギーにされてしまうが、最上の悦びを得るらしい。
ただ、このドッペルは奇跡的な感情のバランスで体を保っているので、主の感情が一定の方向に振れすぎると、明日への道標だけを残して消えてしまう。

CAMPANELLA(カムパネルラ)

モギリのドッペル。その姿は、切符鋏。
この感情の主はやがては自分も今まで見送った友を追って旅に出る日のことを夢想する。
尾の先にぶら下げられたランタンに灯した火で様々な幻影を呼び出す他、尾のハサミで傷をつけられた者は遠くない未来に必ず大きな災いが訪れるという。
長く魔法少女として生きた者、年齢の高い者のドッペルは正負の感情幅が少なくなってしまうことにより、このドッペルのように本体から分離しきれず一体化したような姿となる場合がある。

攻撃方法【鋏痕】
服のすそなどをドッペルの尻尾の先でパチンとされる

切符を切られた者は近い将来必ず死ぬ
(シャフト原画展より)

CAMPANELLA(カムパネルラ)(七夕Ver.)

モギリのドッペル。その姿は、切符鋏。
この感情の主はかつて見送った友の影を命尽きるまで渡れぬ天の川の向こう側に見る。七夕のカササギとしての役割を与えられたと考えているドッペルは、旧友の面影を探す主のために尾の先の提灯で星の川を照らし、鮮明に写し出そうとする。
しかし、このドッペルに再会を手助けする力はないため、叶わぬ願いを抱いたまま天を飛び回ることしかできない。

CAMPANELLA(カムパネルラ)(アニメVer.)

モギリのドッペル。その姿は、切符鋏。
この感情の主はやがては自分も今まで見送った友を追って旅に出る日のことを夢想しながら、その旅行きへの切符が切られることを待ちわびている。尾の先にあるハサミで傷をつけられた者は遠くない未来に必ず大きな災いが訪れるらしく、主はそれを自分に向けようとするが成功した試しはない。長く魔法少女として生きた者、年齢の高い者のドッペルは正負の感情幅が少なくなってしまうことにより、このドッペルのように本体から分離しきれず一体化したような姿となる場合がある。

CAMPANELLA(カムパネルラ)(おとぎ話Ver.)

モギリのドッペル。その姿は、切符鋏。
この感情の主は、かつて演じた虚構の存在を自らの一部として受け入れたことで、強き者として常に立ち続けるために心に浮かぶ望みを常に凍らせて、目を逸らすようになった。唯一そのことに気づいているドッペルは、冷気をあたりに振りまいてムリヤリ周囲の人々を困難に立ち向かわせることで、主の負担を減らそうとしているが、心を凍らせる速度には到底追いつけない。

CAMPANELLA(カムパネルラ)(ヒストリアVer.)

モギリのドッペル。その姿は、天気輪。
この全ての感情の主は、過去から小さな希望を受け継ぎ、神話の存在の様になっている。ドッペルは、そんな主が受け継いだ希望の量に比例して姿を大きくすると、自分が背負っている重圧を表すかの様に、重々しい石造りの建造物へ成長を遂げた。早く重圧から解放されたいドッペルは、希望を実現するため、瞬間最大出力で力を解放する機会をうかがっている。もしも実現すれば、天候を操る様な規格外の力が嵐や噴火を巻き起こし、大地を誕生したばかりの星のように変えてしまうだろう。ゆえに果てしない力を感じる主は、主導権を握られないよう警戒し続けている。

YUHONG(ユーホン)

団欒のドッペル。その姿は、金華。
この感情の主はこのドッペルの容姿に関してかなり不満を抱いている。
また、主の奉仕によって偉業を成し遂げたいという思いとは異なり、無限の富を生み出すことで身内の欲望を際限なく叶え仮初の団欒を守ろうとするこのドッペルの性格に対しても不信感を持つ。
主はこのドッペルが自分の崇高な目的とは真逆にあると考え、その俗悪な姿を誰にも知られたくないと思っているが、仮初であろうとも団欒の崩壊を防ぐにはいつかこのドッペルの力に頼らざるを得ない日が来るだろう。

攻撃方法
【激辛油炸(ディープフライ)】
身体の上の穴から火山のように煮えたぎる油を噴火。
周囲に高温の油の雨を降らせ油まみれにする。
相手に油をかけた以降は、火力もアップ。
相手から水攻撃をされた場合にカウンターとしても発動。
【油爆人・地獄送り(ハイロースト・じごくおくり)】
鼻からの火炎放射に由比本体が扇で風を送り込み
巨大な炎の渦を発生させる。
【神奇換金(しんきかんきん)】
相手に油をかけた後にのみ発動。油とともに相手の魔力を鼻から吸い取り体を膨らませ、魔力を金に変換。熱によってどろどろに熔けた
状態で上の穴から一気に噴火し、周囲に熔けた金の雨を降らせる。
吸い取る相手の魔力が高いほどたくさんの金が生まれ威力も上がる。
【油爆人(ハイロースト)】
鼻の穴から高温の油を噴射
耳の先端が火打石になっており
着火して火炎放射になる。
(シャフト原画展より)

YUHONG(ユーホン)(ウワサの鶴乃)

団欒のドッペル。その姿は、金華。
アラもう聞いた?誰から聞いた?
団欒のドッペルのそのウワサ
身内の欲望をたくさん叶える、ぶくぶく育ったおブタちゃん
絢爛豪華なピカピカボディーは、身内の団欒を守り続ける、お金持ちのシンボルだ!
けれど、この子の主さんは、あんまりこの子を気に入らず、プンスカポンの不満足
見られるのは恥ずかしいって隠してるのは、神浜の中ではもっぱらのウワサ!
ミチャイヤーン!

THERESIA(テレジア)

無色透明のドッペル。その姿は、審問椅子。
この感情の主は具現化されたこの姿に苦痛と共に満たされた思いをもつ。
このドッペルは椅子が本体ではなく、透明な姿をもつドッペル本体が椅子の上に座り責め苦を受け続けている。
この透明なドッペルは自身から流れ落ちる血液を使い相手を攻撃する。
ただしあまりドッペルのコントロールはうまくいっておらず、通常時の左耳から現れる透明なドッペルとは別に、右耳から可視のドッペルが現れた場合、そのドッペルは敵味方の区別なく絶叫と共に振子ギロチンを振り回し大暴れする。

攻撃方法
【針の盾】
自分と仲間の前に針の盾をたてる。
審問椅子の座面からは血が滴り、さなにかかり
さなの体力回復。
【血の恵み】
頭部から血が噴き出し、回復効果のある血の雨を降らす。
仲間全体を回復するが、生臭いこととべたつきが難点。
頭部から四方へ一気に血が噴き出す→血の雨が降る。
【苦難の押し付け】
複数の針の盾を相手めがけ
直立状態のまま突進させる。
【イタイイタイ】
絶叫と共に出現し、ヘッドバンキングで
頭部についた振子を回転させて大暴れし
敵味方問わずダメージを与えていく。
振子と共に自身の血液もあたりにばらまく。
血液は付着すると同時に鋭い棘が生えて
直接的な攻撃はもちろん地形をも針山に変えてしまう。
(マギアアーカイブVol.1より)

BEATRICE(ベアトリーチェ)

攪拌のドッペル。その姿は、瞼。
この感情の主はこのドッペルが現れている間、深い眠りに落ち、このドッペルが知り得ることを主が目にすることはない。
このドッペルは主が寝ているうち、虚ろな瞼から流れ出る泥涙で全ての不都合を覆い隠し塗り替えてしまう。
現実を踏み砕くちからを必要としたとき、この写しは目を覚ますだろう。

BEATRICE(ベアトリーチェ)(フェリシアちゃん)

攪拌のドッペル。その姿は、牛酪。
この感情の主はこのドッペルが現れている間、深い眠りに落ち、このドッペルが知り得る製法を主が目にすることはない。
このドッペルは主が寝ているうちに虚ろな瞼から流れ出る牛乳を岩塩に吹きかけて激しく攪拌する。
料理に塩味とコクを足す有塩バターは蒸かしたじゃがいもとベストマッチ。
家で作るじゃがバターがしっくり来ないあなた、無塩バターを使っていませんか?

SHITORIEGUMO(シトリエグモ)

受難のドッペル。その姿は、幸福な彫像。
この感情の主は愛する者達とあらゆる苦難を共にし、自らのものとして背負い込む。
そして苦難は宝石へと姿を変え、ドッペルを飾る宝石の量に比例してその力も増してゆく。
ただし動けないので攻撃は全くかわせず、盾と剣を持っているが装飾品なので武器としては使えない。

ももこ達3人

CENDRILLON(サンドリヨン)

変身のドッペル。その姿は、ガラス靴。
この感情の主はその力を自身のため余すところなく行使する。
このドッペルは主が持つ変身能力を何倍にも跳ね上げ、一定時間完全に自分を自分以外の誰か、本物よりも本物らしい理想の他者へと変質させることが出来る。
しかし、あまりに完璧なこの変身を多用すれば、やがて本来の自己の姿を見失ってしまうだろう。
尚、このドッペルは主を主の理想とする他者の姿へと変身させるため、それが元来の他者とは多少違って見えてしまうことも間々ある。

レナの右カカトが変化。

攻撃方法
【わたしはあなた】
顔の鏡で相手の魔法を跳ね返す。物理攻撃は跳ね返せない。
【私は誰?】
レナ自身はドッペルの髪の毛に隠れたままでドッペルの顔に映った人物そっくりに変身する。変身している間はドッペルの髪の毛が上がって、レナの姿が見えるようになる。
補助効果が掛かっていた場合、補助効果もコピー。
ただしバットステータスもコピーするので要注意。
【アイドルヒール】
鏡の中から巨大なスカートがレナに覆いかぶさる。
ドラムロール後、
そこから巨大足が水平に飛び出してきてキック。
【プリンセスタイム】
ドッペルからスポットライト。
レナが相手もしくは味方の誰かに変身する。
ドッペルが誰かに変身している状態のレナを
一定時間強化する。(本人より強くなる)。
(マギアアーカイブVol.1より)

ガラス靴の魔女
感受性の強い少女は 自信を劣等感で埋もれさせ 嫌悪の情に囚われる
己を切り刻み 否定する 不器用な精神が願うは 完全なる変貌
鏡に映る者を刻み 理想を組立てようとするも 真偽の判断もできない
素直な心で 他者を親愛することが 己を掬いあげる一案
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

CENDRILLON(サンドリヨン)(アイドルVer.)

変身のドッペル。その姿は、飛び蹴り。
この感情の主はその力を自身のため余すところなく行使する。
このドッペルは主が持つキック力を何倍にも跳ね上げ、敵陣深くへ無理やり送り込むことで、あわよくば勝者へと変身させることが出来る。
しかし、あまりに強力なこのキックを多用すれば、やがて本来の自己の骨格を失ってしまうだろう。
尚、爆弾は主の私物。

ELFRIEDE(エルフリーデ)

自戒のドッペル。その姿は、ネイル。
この感情の主は、その力が行きつく果てに、そこまで興味はない様子。
このドッペルは、自らの巨大な指や周囲を飛び回る無数の指を操って攻撃する。
その武器となる爪の全てには、丁寧なネイルが施してあり、ドッペルはネイルの具合を過剰なぐらい気にしている。褒めてあげると張り切るが、貶めると異常に落ち込んでしまい、自分を戒めて落ち込んでしまう。
そうなると面倒なので、呼び出したら早く攻撃して貰った方が良い。

右手薬指の先が変化。
攻撃方法
【指十字】
指が手裏剣のようにして飛んでゆく。
【指竜巻】
攻防一体
本体を中心にして
指たちが竜巻のように回転。
【爪色呪】
相手を爪で突くと
マニキュアの×印がつく。
マニキュアの色によって
様々なデバフ。
(シャフト原画展より)

ネイルの魔女
世話焼きで親身な少女は 乙女な己を隠し 人との平穏を尊ぶ
道理を重んじ 下した決断は 間の悪さから 望む未来を打ち砕く悪手
自戒が生む色彩は虚飾 不安を刺激すると 血の色に染められる
性質を肯定し 窮地を脱する発想を磨くことが 心機一転の心得
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

ELFRIEDE(エルフリーデ)(シスターVer.)

自戒のドッペル。その姿は、ネイル。
この感情の主は、ハロウィンに浮かれ切ったドッペルがどこかに飛んでいってしまわないよう見張る必要があると思っている。
このドッペルは、仮装をして着飾った主を見せびらかしたいが、主に見張られているため己を戒めて自重している。
主が困っている時には、そのカラフルなネイルでカボチャの中に隠してかくまおうとするが、ハロウィンの喧騒に気をとられてしまうため、うまくいった試しがない。

ZOLA(ゾーラ)

陣取りのドッペル。その姿は、敷地。
この感情の主はこのドッペルに自らの生活圏が侵食されることを恐れ、呼び出す場所はよくよく選ぶようにしている。
このドッペルは、主の意思とは関係なく出現した途端、その周囲を腐り苔で覆いつくし自らの陣地とするうえに、その陣地を拡張することのみを目的としているからだ。
誤った場所で呼び出せば大切な場所でさえも腐り苔で覆い尽くされ元の姿を保ってはいられないだろう。
このドッペルはその陣地内においては絶大な力を行使することが出来る。

攻撃方法
【逆さ帰り】
頭に生えている門の向こうから風が吹いてきて
自身の穢れを相手に押し付ける。
自分の魔力回復し相手が魔法少女だった場合は
相手の魔力を衰えさせるが、相手が魔女だった
場合は穢れを押し付けた結果元気にしてしまう。
【黒手形】
頭部左右の角から手形を舞い散らせ相手にくっつけて、手形が貼り付いた相手のコントロールを奪ってしまう。
【黒降り手形】
頭部左右の角から手形を大量に放出し相手を包み込み、攻撃+呪い状態にする。
【地主祟り】
地割れを起こして相手をのみ込んでしまう。
【俗苔主(ゾクコケヌシ)】
浮かんでいる頭部下の盛り土内から
黒い苔上の体が出現し相手を捻り潰すか、そのまま地中に引き込んでしまう。
(マギアアーカイブVol.1より)

敷地の魔女
憂慮に堪えない少女は 心許す住処の喪失を 何より恐怖する
抑圧を拒めぬ 内向的な弱き心 迷い込むは さらなる狭き世界
隔絶された肥沃な土壌は 頑なに関わりを拒み 全てを苔の餌食とする
変化の兆しこそ 己を育む養分と知ることが 唯一無二の得難き成長
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

マギウスの翼・マギウス

OLD DOROTHY(オールド・ドロシー)

熱病のドッペル。その姿は、チューブ。
頚椎7番が変化。
この感情の主は自身のドッペルの美しさに見惚れているが、このドッペルには真の姿が隠されていることをまだ知らない。主の背中側にあるドッペル本体から流れ出る病原テンペラと呼ばれる絵の具を固めて偽りの巨大な容姿を作り上げ相手を攻撃する。その際に人間体は絵の具の中に埋もれて完全に表からは見えなくなるため、ドッペルでありながら魔女のような出で立ちを誇る。主はドッペルの外観を確認することが出来ないものの、曰く“内側から見ても素晴らしい”らしい。

熱病のウイルス
感受性が豊かな十代を中心にアリナの影響は熱病のような感染力でパンデミックを引き起こす危険性をはらんでいるが、アリナ自身が芸術性優先なためまだマシな効果に留まる。

攻撃方法
【病原テンペラ/スヤリガスミ】
絵の具を雲のように広げて相手全体の行動を阻害し、呪い状態にしてしまう。
【病原テンペラ/重ね塗り】
固めた絵の具を使って相手を殴る。
【病原テンペラ/インプリミトゥーラ】
絵の具で周囲の地面を塗りつぶし、自身に有利な環境へ作り変えてしまう。
【病原テンペラ/塗り潰し】
全身にまとっている病原テンペラを相手へ向け一斉に放出する。
放出後は背中側にドッペルの本体だけ残っている
(アリナから本体の姿は見えない。本体キョロキョロしてる)
(シャフト原画展より)

チューブの魔女
己の美を求める少女は 生死の境に酔い痴れて 主題なき劇物を産む
周囲を狂わせ 理解されない塵芥 それでも願うは 籠居する工房
傲慢さで身を包み 人の目を遮るも 逸脱した芸術は 悪夢と化す
心震える美を 落とし込み 発信すれば 一流の名画と 誰もが頷く
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

OLD DOROTHY(オールド・ドロシー)(ホーリーアリナ)

熱病のドッペル。その姿は、絞り袋。
この感情の主は、自分が求めるアートを人類が深層心理で無意識に求めているものだと信じ、その実現のために力を集めている。自己の感情発露が人類の根源的なテーマである美だと気づいた喜びは、ドッペルの姿にも反映されており、幸福な気持ちを体現するだけではなく、絞り出した病原テンペラまでもが色とりどりの輝きを放っている。とはいえ、与える苦しみも受ける苦しみは全く同じ。蝕まれる者は断末魔の叫びを上げることになり、その声は主の耳に賛歌として届くだろう。

PENNEN・NOLDE(ペンネン・ノルデ)

白昼夢のドッペル。その姿は、マッチ売り。
この感情の主は魔法少女になった後もさらなる願いを成就するためちからを欲する。
このドッペルは主の寿命を切り分けたマッチを持ち、ひとたび擦って灯りをともせばあらゆる”もしも”が叶うという。マッチの残り本数が主の寿命であり、使い切ることは命の終わりを意味する。強力なドッペルだが、遺言のドッペル同様に自身の寿命を犠牲にするため乱用は禁物。

マッチ売りの魔女
天才ゆえに孤独な少女は 現状を憂い 遠き宇宙に想いを馳せる
会心の一手は無慈悲 悲惨な記憶の始まり 光を失った無間地獄
愛する者へ 餌を集めるも無意味 揺れる願いの灯は 儚く消える
持ちうる知を 周囲に分け与える 苦心こそが 友好を築く一択
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

PENNEN・NENEM(ペンネン・ネネム)

遺言のドッペル。その姿は、死番虫。
この感情の主は残る人生の全てを捧げる。両手の虫頭で物語を食べ、その物語をこの世に具現させると非常に馬鹿げた規模の力を発揮する恐るべきドッペル。
その力の源はただでさえ残り少ない主の命であり、主の残り寿命が短くなればなるほどこのドッペルの力は増していくという。
ただし、力の全てを物語具現の能力に使っているため直接的な攻撃能力は低く、魔女に襲われればひとたまりもないだろう。

死番虫の魔女
淡々と物語を紡ぐ少女は 幼き本音を偽り 創造の海を ひとり泳ぐ
未来を想うも 未熟な願い 愛する者を切り離した 残酷な結末
望む幻を見せ 命の火を消す虫は あらゆる魂を 己の物語に取り込む
多くは願わない 同士を守ることのみが 一生涯の信条
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

HEVELIUS(ヘヴェリウス)

生業のドッペル。その姿は、鳥捕り。
この感情の主は現実を生きるため、この一体型ドッペルも含めたあらゆるちからを利用する。
地面に落ちた自らの影から「白糖雁」と呼ばれる無数の鳥型手下を呼び出し相手を攻撃する。白糖雁はぶつかるだけで対象に甘味を認識させ、一度その味を知ってしまった者は中毒症状を引き起こす。その特性から少量を相手にぶつければ多少の嘘偽りなら許して貰える。舌と両腕がドッペルに変化するため、ドッペルを出している間は喋ることが出来ない。

鳥捕りの魔女
束縛された少女は 自由に憧れるも 活路はなく 途方に暮れる
望み得た力は幻 現実と乖離した夢が 行き着くのは 成れの果て
手品のように 雁を生み出しては 甘き毒に 依存させる
理想を胸に 成長を望む心が 日常に立ち戻る 可能性の一端
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

HEVELIUS(ヘヴェリウス)(おとぎ話ver.)

生業のドッペル。その姿は、鳥捕り。
この感情の主は、かつて演じた虚構の存在を自らの一部として受け入れたことで、自らが暴虐の血筋であり、周囲に破滅をもたらすものだと信じてしまった。そのためドッペルは自らに火を放ち、触れたものを焼き払うことで、現実を虚構に近づけて主を満たそうとしている。しかし、現実のみを焼き払うことは難しく、その炎が走った後には空想すら残らない。

DUM(ダム)

隔絶のドッペル。その姿は、テラリウム。
この感情の主は、自身の機嫌や感情に囚われず、理解者たる自らの半身に依存する。
このドッペルによって、自分たちを自分たち以外の全てから隔絶した二人に、この世のあらゆる変化は影響を及ぼすことはなく、この小さな半星に存在する二人は、お互いしか必要としない。
このドッペルが出現することであらゆる物理現象と時間はシャットアウトされ、身の安全は保障されるが、その副作用として自分達以外の他者の記憶が消えていってしまう。

根っこを手のように開き、
指先から赤い実を発射(分離)。
赤い実は着弾するとドームをつくり
内部をガラスの植物で満たして攻撃する。
(シャフト原画展より)

DEE(ディー)

無縁のドッペル。その姿は、アクアリウム。
この感情の主は、自身の環境や境遇に囚われず、理解者たる自らの半身に溺れる。
このドッペルによって、自分たちを自分たち以外の全ての因縁から切り離された二人に、どれだけ意見を述べて高圧的な態度をとっても、この小さな半星に存在する限りお互いの感覚しか信じられないので、理解されることはない。
このドッペルが出現することで多様な価値観はシャットアウトされ精神を安定させる効果を持つが、その副作用として社会的倫理感も希薄になってしまう。

フレームに付いている赤い惑星から微生物を吹雪のように吹き付けて攻撃。微生物は着弾と同時にガラス化し相手を固めてしまう。
(マギアアーカイブVol.2より)

DUM DEE(ダム・ディー)

絶縁無縁のドッペル。その姿は、ハーバリウム。
この感情の主たちは互いの闇を全て忘れた挙げ句、ふたりだけのリゾートで遊ぶことに夢中になっている。
このドッペルは普段、月光を受けて魔力を精製しているが、太陽に心を奪われた今は、陽光を受けて魔力を精製するようになり、陽気に飛び跳ねるようになっている。ところがそれは迷惑を飛び越えた大惨事。触れる者を消し去るので周囲は阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまう。さらに、このドッペルは五感が全く働かないので、恨み辛みを叫んだところで心のどこにも響かない。

POKER・ALICE(ポーカー・アリス)

退屈のドッペル。その姿は、デアデビル。
この感情の主は安楽椅子に腰かけたままの平穏な人生に大いなる退屈を感じている。
このドッペルはデアデビル(命知らず)という架空の怪物の姿を模しており、主に眼前の危険を悟らせないために、両目を覆い隠している。
ドッペルは目下のところ無敗を誇っており、自身を圧倒する強敵が現れない現状に、主と同様の危険な退屈を覚えつつある。
そのため戦いは日々、背水の陣の度合いを増しているが、視界を遮られた主は今日も安心して背中を委ねている。

ゆきかの背中が変化

攻撃モーション
音波によって人の精心を狂わせる
超躁鬱状態になったりする
口を開いてうめき声で音響攻撃
(マギアアーカイブVol.2より)

SYLVIE(シルヴィー)

衆目集めのドッペル。その姿は、ゼンマイ人形。
この感情の主は他者の笑顔を求めることと、自身が求められることを僅かでも同一視してしまった。
シンバルをめちゃくちゃに打ち鳴らし、その音に気を取られた者達の目玉へアンカーが撃ち出される。音によって呪いをかけられた者をアンカーは何処までも追ってゆき、必ずその眼球を奪うだろう。
このドッペルを使用し続ければ、常に誰かに見られていないと不安を感じるようになってしまう。

PAPARAZZO(パパラッツォ)

ゴシップのドッペル。その姿は、二眼レフ。
この感情の主は欲求の赴くままに真実を求め続けた。ドッペルもまたその思いに過剰なまでに応え、ただ相手の全身を撮影するだけでその真実を曝露する。
このドッペルに暴き見られた真実は決して忘れることは出来ない。それはこのドッペルがもつ二つのレンズが見据える被写体と撮影者の双方に適用され、怒りを暴けば同じだけの怒り、悲しみを暴けば同じだけの悲しみが双方の記憶へ焼き付けられるだろう。
このドッペルを使用し続ければ、その能力で相手を暴き尽くさない限り心を許すことが出来なくなってしまう。

ICHIZO(イチゾウ)

逃避のドッペル。その姿は、ヨダカ。
この感情の主は、一度は自らの過去を悔やんで足を止めたものの、光を見出した今は羽ばたこうとするのをやめようとしない。涙を流し続けるドッペルは、主を楽にするために重い泥の翼で身動きを取り辛くし、空を目指すことも駆けることも否定しながら真逆の道を示し続ける。対峙する者があれば、その翼を活かして攻撃をしかけるものの、その挙動ひとつひとつは、何をしても光に辿り着けないことを主に示すための行動でもある。このドッペルに侵食され尽くしたあとは、地上に佇む黒い星になるしかない。

ICHIZO(イチゾウ)(水着ver.)

逃避のドッペル。その姿は、ヨダカ。
この感情の主は、自分にあった楽しい夏休みを探し続けて右往左往している。爽やかな果実を取り込んだドッペルの姿は、迷い続ける心の形。どんな夏を経験しても心の隙間が埋まらない主と同様に、ドッペルの中にも馴染まなかった夏の残滓が無数に浮かび、期待している分だけやたらと糖度を高くしている。疲れてきているドッペルは、涙を流しながら主に楽しい夏探しを諦めるように促しているが、それでも主が探し続けるようであれば、大海の翼で溺れさせて身の程を知らせて助けてやろうと考えている。

第一部のその他主要人物

TOTENTANZ(トーテンタンツ)

メメントモリのドッペル。その姿は、花弁。
この感情の主は、自分の環境を恨み、すべてを滅ぼそうとする。
このドッペルは万物に等しく訪れる死を忘れず、舞い散る花弁ですべてを覆い隠し、白い手袋で少女たちを優雅にエスコートする。主と同様に直接的な攻撃方法は持たないが、万物の最期と共にあるその力はあまり恐ろしく、花弁で覆い隠したすべての魔力は朽ち果て、後には何も残らない。
このドッペルを求めれば求めるほど、主の左腕はやがて完全に一体化するだろう。

TOTENTANZ(トーテンタンツ)(晴着Ver.)

メメントモリのドッペル。その姿は、佳日。
この感情の主は、自分の環境を恨みながらも、新たに始まる年を、新たに出会った仲間と共に迎えられることを喜んでいる。その喜びは黄金の百合や紅白幕といった形で体現されており、近付く者に花を散らしながら紅白幕で包み込むことで、歓迎の意思を表明する。ところが、おせちが振る舞われる時になると帰宅は許されず、人々は苦悶しながら久遠の世紀末を味わうことになる。

TOTENTANZ(トーテンタンツ)(常闇Ver.)

メメントモリのドッペル。その姿は、花弁。
この感情の主は、自分の環境を恨み、滅びを受け入れようとしている。かつて直接的な死を与える方法を持たなかったこのドッペルは、主の変化と共に命を摘み取る方法を知るに至った。その鎌に宿る炎は、吸い上げた命の輝きであり、その輝きに魅せられた者の命を吸う。ドッペルと主を止めるために、あらゆる優しさで包もうとしても、花弁は朽ち、優雅さを脱ぎ捨てた今、その想いは悲しみに塗りつぶされて届きはしないだろう。

CATACOMBE(カタコンベ)

解体のドッペル。その姿は、竈獅子。
この感情の主がもつ冷静さとは裏腹に、このドッペルは底知れぬ怒りに燃え全てを噛み砕き寸断する獅子の姿を持ち、一切の不当さを許さず全ての不合理を解体する。
その性格は苛烈そのもので、特に神浜在住というだけで即解体対象となってしまうため、発現時は味方を巻き込まないよう注意が必要となる。このドッペルを使い続ければ、些細な不平等も許せなくなってゆくだろう。
主はこのちからを持て余しているが、獅子に半分同感している。

CATACOMBE(カタコンベ)(ヴァンパイアVer.)

解体のドッペル。その姿は、竈獅子。
この感情の主は、悼みの答えを求めてさまよい続けている。
このドッペルは、主に答えを見つけてやるためにハロウィンのお祭り騒ぎに釣られてやってきた人々が抱く死への思いを解体し細かくして主に差し出そうとする。しかし、細かく砕いたところでのみ込めるものではないため、主は消化不良を起こし、答えから遠ざかり続けてしまうだろう。
解体するのに飽きると、主にバレないようにこっそり、鎌の先を使ってジャック・オー・ランタンを作ったりもする。

CATACOMBE(カタコンベ)(常闇Ver.)

解体のドッペル。その姿は、竈獅子。
この感情の主は、ドッペルが与える滅びで悲しみが晴れるのを待っている。ドッペルは、主の意思を表すように平等な楽園を築くため、慟哭にも聴こえる鎮魂歌を奏でながらすべてを滅ぼそうとする。だがそれはただの解体にしかならず、破壊の限りを尽くすことはできるが、残るのは空虚な屍のみとなり、しかもその状況に気づかないドッペルは平等が実現しなければ破壊の限りを尽くすので、体力が尽きるまで暴れ続ける。

GIBDAUGHTER(ギブドーター)

共鳴りのドッペル。その姿は、ハチドリ。
この感情の主はよく響く体を持ったこのドッペルを悪くないと思っている。
このドッペルは如何なる材質であろうとも固形物であれば自身の歌声で共振させ破壊してしまう。また生物に対しても歌声で脳を揺らし超音波で振動させたクチバシと精密動作で心臓を一突きとしてしまえるだろう。

分離した親指が
ドッペル本体に変化。
(マギアアーカイブVol.2より)

ETTEILLA(エッティラ)

開示のドッペル。その姿は、卜者。
この感情の主は依頼人であり請負人。明確に運命を指し示すドッペルのことを自身の内なる真の力だと思い、示された運命を否定しない。
手首と背に繋がるこのドッペルは、常に主の鼓動を感じながら脈を測って同調し、互いの行動や感覚を一致させることで、決して揺れることのない運命を示す。その結果は開かれた目に描かれており、瞳の中心に写ったタロットカードの種類と向いている方向によって決まっている。
主とドッペルが示された運命から逃れるのは並大抵の努力では不可能。

時女一族

TARA(タラ)

安寧のドッペル。その姿は、千手。
この感情の主は、滅私と言えるほど己の人生を誰かのために捧げており、ドッペルも同じような精神を持つことから、両者は深く繋がり合っている。
このドッペルは主が敵視するものに対して敏感に反応し、不要とあらば相手に利他の素晴らしさを理解してもらうために、暴力をもって教え込もうとする。教えを受ける者は酷いケガを負うことになるが、そのドッペルの姿は黄金に輝いて美しく、繰り返される教えの暴力も芸術的であることから、痛みを忘れるほど惚れ惚れとした気持ちになり、知らない間に虜になってしまうという。

TARA(タラ)(初日の出ver.)

安寧のドッペル。その姿は、千手。
この感情の主は、世の憂いを忘れるほど年の初めを全力で楽しむつもりであり、ドッペルも同じような精神を持つことから、両者は強く繋がり合っている。年始から休みを満喫できるようにしているドッペルは、主が興味を持つものに敏感に反応し、楽しませることに力を注ぎ続ける。主を助けるためには簡単に不正に手を出し、どれだけクイズで間違った回答をしても正解にするばかりか、正月の特番を巡るチャンネル争いですら勝利を与えようとする。さらにコタツで寝ていると、幸先の良い夢を見せてくれるので、主はこのドッペルから離れられなくなったらしい。

OAJI(オアジ)

より抜きのドッペル。その姿は、袖搦。
この感情の主は悪を暴き捕縛するための能力であると胸を張るが、その実態は主の代わりに淵へ沈める6人の生贄を求めるドッペルである。
相手がどれ程上手く隠れようと、その頭部の灯りは全てを白日の下に晒しだし、三又の鉤爪で沼の底へと引きずり込む。沼底へ引き込んだ者の数が増えれば増えるほどこのドッペルの力も増すが、それはやがて主へ降りかかる災いともなるだろう。
しかしながら、それでもこのドッペルは主へ害を為す者を排除するため力を溜めることに躍起になっている。

MARITA(マリータ)

諦念のドッペル。その姿は、サシガメ。
この感情の主は、己から出てきた鋭利かつ獰猛な存在を目の当たりにして、その内に自身の過去を投影しながら、悔いるように見つめている。
音を立てることなく俊敏に移動するこのドッペルは、ターゲットに気配を感じさせずに接近すると針のような口を鞭のようにしならせて串刺しにし、相手の生命を吸収してしまう。
手こずるような相手でも、忍んで近づいては4本の腕を使って弱らせてから吸い取ってしまい、ドッペルの主はただ赤く染まる水晶を見つめながら、止めることのできないドッペルに振り回される。

GOSIRSA(ゴーシールシャ)

愚直のドッペル。その姿は、牛車。
この感情の主は自身の真っ直ぐさを信じながらも、融通が利かない自分の性格が災いして、八方塞がりになってしまう未来に気付いている。
ひたすら前を向いて直進するこのドッペルは、体より気持ちの方が急いてしまって、いつも前のめりに倒れそうになっている。しかし、倒れないように車輪付きのアームで支えているので、物理的に止まることがなく、障害物があったとしても、ノコギリ型のアームで破壊していってしまうらしい。
そんなひたむきなドッペルは、主にとって自己を肯定する役割を果たしている。

プロミストブラッド

TIRACCHANA(チラチャーナ)

折檻のドッペル。その姿は、獄卒。
この感情の主は、内に溜め込んだ感情を支配できず、膨れあがった感情に取って代わられるように支配された。その影響で、本来生じるはずだったドッペルは感情を表す赤子の肉芽に支配され、成長を助けるようにエネルギーを常に吸われている。その肉芽は理性の欠片もない本能の塊で、気に食わないものを感情のまま潰し、自由にエネルギーを食むだけの存在。言葉で説明しようとする時もまれにあるが、洞窟から空気が漏れるような声しか出ず、何かが伝わることはない。
満腹時はご機嫌だが、少し食べ過ぎると口からエネルギーを吐いてしまうらしい。

MERKAVA(メルカバ)

鈍重のドッペル。その姿は、戦車。
この感情の主は他者のためにあることを至極の喜びだと感じ、自身のことになると怠惰を極めるので、己の分身である存在を引っ張ることに複雑な気持ちが拭えない。
このドッペルは主の力を原動力にしているため、自ら進んで行動をすることはできないが、主によって投げられると、その重厚かつ頑強な体を打ち付けて、たちまち相手を潰してしまう。
ドッペル自身は人の役に立てることに喜びを感じているので、抱擁するつもりで飛びこんでいるのだが、投げられると体から巨大な刃が出てきてしまうので、いつも失敗だと思っている。

HALIFAX(ハリファックス)

悪果のドッペル。その姿は、叢雲。
この感情の主は非情の皮を被った有情の者。やむを得ず他を傷つけることへの自責が拭えず、その苦境から逃れる為に再び傷つけることで、負の連鎖を繰り返す。
このドッペルはそんな主を捕らえると、苦しみから解き放つために首を刎ね、その瞬間だけ責任を取るという解放感を与えるだが頭が良い主は、全てが自己満足のまやかしであることに気付いて懊悩すると、解放されない自責を固めてひとつの巨人となり、行き場のない感情を八つ当たりという形で解放しようとする。
こうして罪は断じられることも散ることもなく、群がり続けるだろう。

LAKEHURST(レイクハースト)

奨励のドッペル。その姿は、飛行船。
この感情の主は、身と心の内に溜め込んだ膨大なエネルギーを今にも発散させようとしているドッペルに対し、自らも盛大なエールを送りながらドッペルと共に鬱憤を晴らそうとしている。
このドッペルは自制を悪とするほど、思ったことを全てやることを奨めており、自らも一切の我慢をしない。それは食や睡眠のみならず、突発的な破壊衝動にまで及び、主を連れながら周りを壊して回る。もしも止めさせようと外から圧力をかけようものなら、不満が限界を超えて爆発し、周囲の全てを消し飛ばす。

ネオマギウス

SCYLLA(スキュラ)

恒久のドッペル。その姿は、肖像。
この感情の主は、ドッペルに対して不思議な親近感を覚えながらも、直視すると心を見透かされそうで怖いという複雑な感情を抱いている。それに対してドッペルは、主を悩ませる感情から解放するために体と繋がった球体の中で眠らせてしまうと、主の欲求を満たすために自分の理解者にならない相手をことごとく潰そうとする。ちなみにドッペルの体は主の心を映した仮初めの姿で、本人の想いによってその姿が変化し、今は恋人の姿を求めるつがいの狼の姿をしている。仮初めの姿は球体と輪を破壊しない限り再生を繰り返すので、注意が必要。

AZTEKIUM(アズテキウム)

隔意のドッペル。その姿は、刺座。
この感情の主は、過剰に周囲を警戒する割に自身で対処する手段を持たないので、己から出てきた存在に守ってもらうことに抵抗がない。
このドッペルは鋭利なトゲと固い表皮を持ち、主に似て自分の身を守ることに必死。攻撃的ではないが、ストレスを受ける度にひとつずつスイッチが入ってタガが外れてゆき、すべてがONになると有無を言わさず、電磁レールガンで障壁を消し飛ばす。
主の相手を忌避しようとする感情と、このドッペルのストレス対象が一致したとき、その命中率は飛躍的に向上する。

ABIGAIL(アビゲイル)

虚勢のドッペル。その姿は、リバーシブル。
この感情の主はドッペルという存在を知りながらも、心の内から現れた自身の写しに驚愕して、腰を抜かしてしまっている。
そんな主のドッペルは、魔女に対して力を発揮する主とは真逆に、魔法少女に対して強い殺傷能力を持つ内皮を持っているが、性格は主と似ているため、発現したのが戦いの場だと、すぐにパニックになってしまって防御姿勢をとってしまう。
ちなみにドッペルが出ている間、主は怖くて目を瞑っているので、自身の写しをしっかりと見たことはなく、気がついたら敵が消えているのでドッペルに感心している。

9DAIME NUE(9ダイメ・ヌエ)

停滞のドッペル。その姿は、セキュリティシステム。
この感情の主は自らを育んだものの変化を決して認めない。
そんな主の心情に呼応して、このドッペルは周辺のつぶさな変化をキャッチするために、道ばたにある石ころの動きや針が落ちるような小さな音にも気付くことができる能力を発揮している。自然現象で起きた変化であれば、静かに手入れをして元に戻すが、誰かが意図的に行ったことであれば決して許さない。付属している面を放って追跡すると、必ず相手を捕捉して罰を与える。弓矢などで攻撃されるのが苦手で、主は自身が飛び道具を使うので複雑な気持ちらしい。

OXFORD(オックスフォード)

赤裸々のドッペル。その姿は、靴。
この感情の主は、自分の周りに生えだした無数の足の圧迫されて呆然としている。しかし本人はまんざらでもないらしく、幸福過ぎるがゆえに放心しているようだ。一方のドッペルは、自分に合う足を探しているものの一向に見つからず、自分の中に廃棄する足ばかりをためている。それでも運命の足に出会えるのは諦めていないので、悔しくて癇癪を起こすことが度々あり、高く天空に跳上がり落下して地面を踏んでストレスを解消している。高く上がれば上がるほど、ストレスが解消できるらしい。

CLAUDIA(クラウディア)

悪あがきのドッペル。その姿は、カーテンレール。
この感情の主は、隠れるのに都合が良いドッペルがお気に入り。偽り続けて疲れた心と体を癒やすために、中に身を潜めることができる。
また、ドッペルも本当の自分を隠すのに躍起になっているので、主の気持ちを理解しながら、本性を見せ合った運命共同体であると思っている。もしも中を暴こうとする者が現れたら、その身に纏ったカーテンと鋭い体で必死に抵抗し、見てしまう者がいれば、決してその生存を許さない。機嫌が良い時にひとりで踊ることがあるらしいが、それも見た者は主以外にはいない。

TROLLEY(トロリー)

郷愁のドッペル。その姿は、残影。
この感情の主は、レトロな情景やアイテムを揃えているドッペルに惹かれながらも、その魅力に呑み込まれないように一線を引いている。
このドッペルは時の経過を拒んでおり、懐かしい景色の中に居座り続けている。それ故に同じ時間を繰り返しており、常に時間を共有する家族のような存在を求めている。主はドッペルの意思を理解しているので、後ろから常についてくるドッペルの姿を振り返って見ようとはしない。だが呑み込まれた人いわく、童心に返って溶けていくような心地良い時間を過ごせるらしい。

ピュエラケア

BREADMAN(ブレッドマン)

放浪のドッペル。その姿は、クッキー。
この感情の主は、微塵の迷いもなく無邪気に遊ぶドッペルが、自分にとって自由の象徴でありながら罪の象徴でもある気がして、苦悶している。
このドッペルはふわふわと自由に漂いながら、本能の従うままに行動している。大きな声を出すのも、食事をするのも、賑やかな色彩に包まれるのも、全ては楽しいからしているだけで、誰を悲しみ苦しめようとも、この世の罪の概念は適合されない。
襲われた時は、一見穢れのない子どものように見えるばかりか成長できない哀れな存在のように思えるため、大人であるほど恐怖よりも悲しみが先に立つ。

BREADMAN(ブレッドマン)(バレンタインver.)

放浪のドッペル。その姿は、クッキー。
この感情の主は、鳴き声だけで他者に愛されようとするドッペルが、自分の甘さを象徴しているようで嫌悪している。そのドッペルは、己の本能に従って自分が楽でいられることだけを意識して行動しており、常に努力することなく誰かに助けてもらう。それに対して恩返しを求めるのは無駄で、どれだけ助けて愛しても、ドッペルはフワフワ漂うだけである。人と人を繋ぐために努力する主は、ただ着飾って愛らしい鳴き声を上げるだけで人を集めるドッペルを見ては、さらに複雑な気持ちになっている。

GOTHEL(ゴーテル)

求愛のドッペル。その姿は、塔。
この感情の主は、自分の一部を削ぎ落した結果、悼みの鎖に繋がれても刻まれた愛情を実感できないまま、開放的な世界で虚ろな自由を生き続けている。
このドッペルもまた内なる愛情に気付くことない。ひたすら自分を大切にしてくれる人を求め続け、自分と似た魔力や境遇の人を見つけると、ひらいたあばらぼねでとらえてしまい、取り込むように容赦無く相手を締め付ける。
だが、どれだけ取り込もうとしても、決してこのドッペルが求めるものが埋まることはない。

LUCA(ルカ)

苦界のドッペル。その姿は、樹形図。
この感情の主は、生命の原初を示す存在が現れたことで、自身を加害者に至らしめる逃れられない軛の存在を痛烈に感じている。
このドッペルは何も語らず示すこともなく、主の穢れを吸い上げて生命の樹を大きく成長させている。姿こそ御包みに包まれているが、主と同様に祝福はされておらず、生まれながらに得た穢れを振りまいては、性悪によって相手に危害を与える。
もしも樹形図の中に囚われる他者が現れたなら、その者は苦痛の坩堝に落ちてしまうだろう。樹形図の一部になることは主にしかできない。

午前0時のフォークロア

CUAUHTITLAN(クアウティトラン)

仁恕のドッペル。その姿は、祭壇。
この感情の主は、同族を悲しみと苦しみのない無の世界に送ろうとしてくれるドッペルと、共に憐れみながら祈りを捧げ続ける。感受性の強いドッペルは、悲しみや苦しみを感じ取ると、反射的に対象を救うための行動をとる。それは、ドッペルの血生臭いことを嫌うという好みと、自然という感情を必要としない世界に返してあげるという慈愛が入り交じったもので、口から放たれた豊穣の光を浴びた者は、すぐさま灰となって大地の肥やしになる。ちなみにどの角度から見ても同じ姿にしか見えず、主も背後を見たことがない。

CUAUHTITLAN(クアウティトラン)(キモチVer.)

仁恕のドッペル。その姿は、祭壇。
この感情の主は、一縷の希望を失って諦念に沈み、消滅こそが救いだと信じている。その諦念に共感したドッペルは、愛しい同胞たちが悲しみや絶望を味わう前に消してあげようとしている。それは、安らかな眠りによって人生の幕を終わらせるという慈愛に満ちた行動で、口から放たれた仁恕の光を浴びた者は、影も形も残さずに消滅し、苦しみから解放される。ところが、未だ最奥に希望を秘める主は、ドッペルと共にその結末を想像しながら葛藤している。

MARGUERITE(マルグリート)

保障のドッペル。その姿は、砦。
この感情の主は、自分の趣味や好みなど、個人的なことに踏み込まれるのを拒む。硬い外殻で覆われたドッペルは、周囲の情報を隔てて強制的に距離を作る主のプライベートスペースとなっており、もしも邪魔な者がいれば、主が外にいる者を狙撃して排除できるような機構を上部に持ち合わせている。ところが、ドッペル自身も干渉されるのを拒む性質なので、話しかけたり触れようとする者がいたら、慌てて相手が形を無くすまで暴れて気持ちを落ち着かせようとする。その時中にいる主は、シェイクされてボロボロになってしまうらしい。

HALOMONAS TITANICAE(ハロモナス・ティタニカエ)

慕情のドッペル。その姿は、船首像。
この感情の主は自分の恋心を封じ込めて言葉にすることもなく眠り続ける。
水底から現れたドッペルは、どんな恋も諦めることを決して許さない不沈の権化。主や自分が気に入った相手がいると、その人の思いを歌に乗せながら羽とマストを揺らし、最高のコンサートにする。
鑑賞後に何も反応をしないと格子状のマストで細切れにされるので、拍手を送るのが無難だが、どちらにしても歌を聴くと体内にある鉄分を分解されて体調を崩すようになるので、最初から聞かない方が良いと言われている。

VLASTENSKE(ブラステンスケ)

交情のドッペル。その姿は、木偶人形。
この感情の主は、自分と一緒にパフォーマンスをしてくれるドッペルに喜びを覚えながらも、自分自身が操られているのではないかと訝しんでいる。コミュニケーション能力が高いこのドッペルは、主のみならず色んな人の相手ができるばかりか、コミカルな動きでみんなを虜にすると誰でも友達になってしまう。ところがそれは、このドッペルに魅了されて操られるようになった証。実際に友達になった人は、ドッペルとジャグリングをして遊んでいる間にシガーボックスで潰されたりするなど、被害に遭っているらしい。

第二部のその他主要人物

SUKHAVATI SMRITI(スカーヴァティー・スムリティ)

播種のドッペル。その姿は、天華。
この感情の主は極楽の世を夢見ながらも、自分の根幹をドッペルに奪われる。意識を持たないこのドッペルは、ただその根を伸ばして地中からエネルギーを吸い上げると大輪の花を咲かせる。その花は空を包み込むと全てを覆い尽くすまで成長し、複雑な模様を万華鏡のように動かして、見る人々の思考を停止させると、鱗粉のような花粉を吸い込ませて楽土へと誘ってしまう。その極楽への道を人々は他の人々に伝えて広めていくが、それが本当に幸せかどうかはわからない。何をしても止まらないが、その根を抜くとすぐに枯れて消えてしまう。

JING(ジン)

滑稽のドッペル。その姿は、架子花臉。
この感情の主は己の中にある狂暴性に驚きつつも浅はかなドッペルに少々呆れ気味。
周りをよく見ていないこのドッペルは、目に入ったものを見て早合点するクセがあり
戦うべき時に小躍りし、楽しむべき時に憤慨することがある。
頑固でなかなか考えも変えてくれないが、状況と行動が一致した時の実力は凄まじく、変幻自在な刃は避けられず、どんな攻撃も蓮の花のロータス効果で弾かれる。その戦う様はまるで踊るように美しいと称賛されている。
ちなみに主の事を滑稽な自分と似ている仲間だと思っているらしい。

CASUARIUS(カスアリウス)

癇癪のドッペル。その姿は、ヒナ鳥。
この感情の主は、簡単には揺れ動かない強い心の持ち主だが、自分の幼さだけにはやきもきしているので、似た者同士のドッペルが好きになれない。
この幼いドッペルもまた、四肢を自在に操れるほど成長しておらず、ただエサをねだることしかできない自分が大嫌いで、主自身が幼いことも気に食わない。生まれた瞬間からストレスを溜めていて、いつも喚き声を上げることで発散している。ところがストレスがピークを超えて爆発すると、殻を破って飛び回って至るところに凄惨な爪痕を残す。
それは主のストレスも重なると、さらに酷くなるらしい。

WINCHESTER(ウィンチェスター)

隠遁のドッペル。その姿は、鏡。
この感情の主は、現実を蔑みつつも動かないドッペルに怒り、支配しようと試みる。このドッペルは、思い描く緻密で理想的な世界に、複雑な感情を乗せてしまったことで身動きが取れなくなってしまった。鏡を使って想像を写し、理想の世界を紡ごうとした時期もあったが、自身の想像だけでは味気ない上に薄っぺらく感じられるようで、懊悩して心を削っていった結果、シンメトリーな影へと姿を変えていった。隠れて悩み続けるドッペルに嫌気がさした主は、足りないなら加えればいいと、想像を補完するための生贄を求めることを提案し、ドッペルも主の意見に呼応している。

WINCHESTER(ウィンチェスター)(ウワサのみこと)

隠遁のドッペル。その姿は、鏡。
この感情の主は、想いを伝えるべき相手が失われていることを認められない。
綺麗な記憶だけが宿るこのドッペルは、四方八方に輝きを放つプリズムで構成されている。
その輝きの中には愛する人物の姿が隠されているが、ドッペル自身はその者を見つけられない。
試行錯誤した結果、自分を鏡に写して中を覗こうとしたが、残ったのはシンメトリーな自身の姿だけだった。
鬱屈とした想いで溜まりゆくドッペルの穢れは重く、感情があふれて暴れた時に照らされるプリズムの輝きを見た者は、心を一瞬で暗く染められてしまう。

ピュエラ・ヒストリア

KOMATSU(コマツ)

天誅のドッペル。その姿は、藁武者。
この感情の主は、豊穣による民の救い望みながらも、その心の裏側に家の復権を望むという利己的な想いを隠している。このドッペルは主の本心を行動で表すかのごとく、藁に欲の火を灯して己の敵を炙り出しては硬い手足で捕食する。その姿は残忍で主が止めようとしても歯止めは効かず、己の価値を高めるために必要な獲物を探して狩りを続ける。すべての藁が燃え切ってドッペルが消えると、辺りに残るのは凄惨な光景ばかりだが、そこには少しだけ美しい野花が残っているらしい。

KOGETSU(コゲツ)

仇討のドッペル。その姿は、虚無僧。
この感情の主は、愛する友人を斬った手を眺め続けるうちに、未来永劫描かれなくなった思い出の続きを見るために目を閉ざした。このドッペルは、遮った視界より飛び出した幻想の珠。皮膚より溢れる記憶の雲と、甘美で芳しく香る喜びの花に満たされている。その核となる部分は触れてはならない果実であり、近づこうとするだけで仇として龍に食われて汚い墨汁にされてしまう。もしも、珠の中より覗き見る者と目を合わせてしまうと、ドッペルの恨みが脳を貫き、しばらくは不安定な心に悩まされることになる。

APEBIS(アペプ)

懐疑のドッペル。その姿は、ハゲワシ。
この感情の主は、生まれた時から王に臣従する人生を強いられている。しかし、それ以外の生き方があるということに気づくと、葛藤に苛まれた。このドッペルはそんな葛藤に起因して常に揺らぎを生み、それは翼を羽ばたかせることによって周囲にも伝播して心の中に迷いを生じさせる。迷いはすぐに膨れ上がり、喜びと悲しみ、希望と諦観、尊敬と侮蔑など、様々な二項を生み出しては混沌を呼ぶ。やがて臨界点を迎えると混沌は溢れかえり、すべてを無常へと連れ去っていく。

DREKKA MINNI(ドレッカ・ミニ)

喪失のドッペル。その姿は、空船。
この感情の主は、双樹のように育った妹を失い、虚ろな心を抱えている。
そして、無くなった半身を探し求め、あてどなく彷徨っている。
ドッペルはそんな主を目的があって目的が存在しない無限の旅に連れていく。
乗船するのは主のみで、船に近寄る者があれば、たちまち心は波にのまれてしまい、ドッペルの後を亡霊のようにただついていくようになる。

BLOT(ブロット)

離間のドッペル。その姿は、破船。
この感情の主は、双樹のように育った姉の心が離れてしまい、精神のバランスを著しく崩している。
ドッペルはその不均衡から生まれた破壊衝動に呼応し、近寄るものがあれば一様に打ちのめし、破壊していく。
ひとたび出現したら、その闇深い情動が紛れるまで、ひたすらに獲物を求めて暗い海を駆け巡る。
しかし、その先には決して安息は待ち受けていない。

VIMALA UPADANA(ヴィマラ・ウパダナ)

狂信のドッペル。その姿は、経典。
この感情の主は、人々を救う間に自分を見失い、周りからの狂信に執着している。
そんなドッペルは、主の妄執を表すかのようにこの世の業火を一身に纏ったつもりで、救いを求める人々へ天佑をもたらそうと駆け続ける。
だが、その姿を目にした者は、救われるどころかあまりのまばゆさに目が焼けると炎に巻き込まれてしまう。
ドッペルは燃える者たちこそ救われたと思い、主も妄執に取りつかれたまま自らをかえりみることはないので、我に返ったときは新たな業を背負っている。

MAGATSUMONONUSHI(マガツモノヌシ)

浸食のドッペル。その姿は、大蛇。
この感情の主は、憧憬を抱く母親へ近づこうとするあまり理想像に縛りつけられており、そんな自分をドッペルの姿に見ている。四肢より生まれたドッペルは、主の神経にまで絡みついて自由を奪い、精神を抑圧された者を鋭い嗅覚で感じ取ると、噛みついて毒を浸食させる。その毒から逃れられる者はいないが、抑圧からは永遠に解放される。
その様子を目撃した主は、自身が禁ずる破棄と殺戮によって、今まで以上に呪縛に巻き付かれて行くが、ドッペルは決して気づかないだろう。

CASSANDRA(カサンドラ)

予言のドッペル。その姿は、天秤。
この感情の主は、天秤の姿をしたこのドッペルを見て人々の未来を知ることができる。
このドッペルは予言の客観性を確保するために主に無機物で構成されており、天秤の一方の皿には“希望”、もう一方には“絶望”を示す印が刻まれている。皿の上に載せられているのは、救われる命と、救われない命の重みであるが、これらは主以外の者には見ることができないため、主の予言に耳を貸すものは少ない。これは「すべてを救いたい」という祈りとひきかえに、ひとりの少女としての心を殺した者に下される呪いである。

サブキャラクター

MCDOUGAL(マクドゥーガル)

枕探しのドッペル。その姿は、モートセーフ。
この感情の主は臆病であるためにこのような頑強なドッペルを生み出した。
失うことを恐れ、得ることに執着する。
このドッペルは主同様手癖が悪くあらゆるものをかすめ取る。
その対象は自分の仲間にすら及ぶだろう。
一度手に入れたものは決して離さないがめつさを持ち非常に欲深い。

右手人差し指の爪が変化。
出現と同時に、自分の仲間にステータスアップが掛かっていると
その効果を盗んでしまう。
ドッペルに関してのあらゆる制限効果などを受け付けない
(プラスマイナス問わず)。

攻撃方法
【巾着切り】
相手を攻撃したうえ、生命力を奪ってくる。
【人間金庫】
主をガッチリ囲ったまま地中へ潜り万全の防御姿勢に。
【魔女の墓荒らし】
既に死んだ魔女や手下、魔物を掘り出して自身を強化する。
戦闘中に殺した敵の数に応じて強化アップ。
【邯鄆師の技】
仲間全員を眠らせたにうえ少しづつ力を盗み、
自信を超超強化し炎を纏った車輪を投げつけ攻撃。
ただし仲間は全員眠らされたうえステータスも下がる。
(シャフト原画展より)

HENRIETTA(ヘンリエッタ)

猛進のドッペル。その姿は、陣太鼓。
この感情の主はこのドッペルの力は自らを高めるためのものだと気合い十分。太鼓の音を響かせて自らを鼓舞すると、号令を放って仲間を勇猛果敢な戦士にする。ところが、主の粗忽さはドッペルも受継いでおり、一度発揮されると、仲間たちは自分の意思とは関係なく大失態を演じてしまう。そんな理不尽さから仲間内の評判は散々。粗相の後は自害しようとするところも似ているので、厄介なドッペルである。

HENRIETTA(ヘンリエッタ)(新春龍神ver.)

猛進のドッペル。その姿は、神輿。
この感情の主は自分が目立つことに躊躇しながらも満更ではない様子。
ドッペルは、そんな主の喜びの大きさを光に変えて体内から発するばかりか、攻撃したところから小判といった金銀財宝を溢れさせることで表現している。
邪な輝きに目がくらんで羽虫のごとく吸い寄せられてきた者たちは、新年から煩悩に満たされるのは早いとばかりにドッペルから頭を叩かれると、煩悩のみならず命も落としてしまうので、誰として財宝にはありつけない。
実は、輝きを持つ主が最も煩悩がある恐れもあるが、ドッペルは目を瞑っている。

BRODERIE(ブロデリー)

綻びのドッペル。その姿は、糸切り。
この感情の主は、自身の能力と真逆の力をもつドッペルを忌々しく思っている。触れたものを綻ばせることができるドッペルは、わずかな魔力で小さな綻びを作ると、あらゆるものや概念までも崩壊させてしまう恐ろしい力を発揮する。ところが、このドッペルは主の作品を崩壊させることにしか興味がないらしく、主がせっかく縫合したものばかりを狙っては台無しにしてしまう。また、このドッペルは魔力が低いにも関わらず異常な自己増殖能力を持っており、圧倒的な省エネルギーで保有する魔力とは対象的な大きい体を持っている。

AODAMO(アオダモ)

鼓舞のドッペル。その姿は、メガホン。
この感情の主はドッペルのことを自身の特徴を表した良い存在だと思っており、応援した者を使い潰すような危険なものであることをまだ知らない。ドッペル本体の周囲には、応援した相手を魅了して死ぬまで戦わせるための亡霊が漂っており、一度この亡霊に取り憑かれた者は肉の壁となって死ぬまで主を守ることになる。

メガホンの魔女
規定に縛られた少女は 成り代わりたい本音を 大声で搔き消す
己の醜さ 無力感に絶望し 変わり果てるは 盲目の監督者
全力を美徳とするがゆえに 歪む認知は 己と他者を破滅させる
築き上げた今の喜びを 己が認めることこそ 一抹の希望
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

CYAN(シアン)

軽忽のドッペル。その姿は、スモッグ。
この感情の主は長くなった脚にご満悦。
その長い右足は内部を沸騰させ、左足は凝結による化学反応でそれぞれ上半身を構成する新たなガスを製造している。またガスで出来た体は物理攻撃にも強い耐性を誇るが、溢れるその毒性で周囲を巻き込んでしまうのがたまにキズ。
ひとたびこのドッペルが現れると、その周囲は敵味方問わず強烈な毒に侵されてしまい主といえどもガスマスクの着用なくしては耐えられないだろう。また、このドッペルは好奇心が強く、珍しい魔女や魔物には目がない。

両ひざと鼻が変化。

攻撃方法【猛毒スモッグ】
一体型ドッペル。両ひざと鼻が変化。ガスの体で足が長くなってご満悦。
気体なので物理攻撃にも強い耐性を誇るが、周囲を巻き込んでしまうのがたまにキズ。
ドッペルが出現しただけで敵味方問わず自分以外の全員が毒状態となってしまう。
(シャフト原画展より)

スモッグの魔女
探求心に貪欲な少女は 理想との乖離に傷つき 一線を越える
小さな体に育んだ 膨大な希望を断った 背伸び薬
産み落とされた猛毒は 生ける者全てを死滅させる
己を受け入れ 伸びしろを知ることが 追考の一助
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

DON ROCINANTE(ドン・ロシナンテ)

矜持のドッペル。その姿は、ゴルゲット。
この感情の主は自分に相応しい勇ましいドッペルだとご満悦だが、ギラギラと銀に光るその体は冬冷たく夏熱い。ドッペルは主と同様に誇り高く、何事にも正々堂々と立ち向かう性質。だが、自分の強靭な体に対して無駄とも言える自信を持っているため、どんな攻撃が来ても避けることなく進んだ結果、痛い目に遭うこともある。また、その体は堅固な鎧としての恩恵を主に捧げるが、主自身も誇り高く自ら前に出てトドメを刺そうとするため、両者で主導権争いになることもある。

ゴルゲットの魔女
騎士でありたい少女は 無意識に 己が称賛を求めている
打算は悪と拒んでも 道に惑うだけ 途方もない救助に 消耗する魂
誰にも距離を置かれても 慢心する隊長だけは 気づかない
原点回帰は 過去と未来を繋ぐ 奉仕の真価を見出す一手
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

MAURA(マウラ)

表裏のドッペル。その姿は、暖簾。
このドッペルは表裏の写し。この感情の主はこのドッペルに関し、あまりに花の要素がないことでどこか罪悪感も感じている。このドッペルは補助主体の表側と攻撃性の高い裏側を使い分けて戦う。相手の攻撃を受け流すのが得意な他、その暖簾をくぐった者の魂をあの世へと導いてしまう。

暖簾の魔女
冷静な瞳に野心を点す少女は 復讐を道標に 困難な道を歩む
響く言葉は 諸刃の剣 信念は表裏を曖昧にし 沈みゆく精神の混沌
潔癖な虚しい幻は 真実とうそぶき 呪詛で獲物を誘い込む
過去を振り払い 立ち塞がる仇を全て破れば 一陣の追風が吹く
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

SHALIMAR(シャリマー)

誘惑のドッペル。その姿は、ヘビイチゴ。
この感情の主は、善悪の概念がなく自由に振舞うドッペルに親近感を覚えながら、自身の幼さを感じている。
脳内へ直接響く超音波の言葉であらゆることを肯定するこのドッペルは、自信と勇気を与えることでどんな悩みも解消させてしまう。その心地よい言葉は人々を大いに依存させるが、良かれと思って人間の攻撃性や悪性の感情までも際限なく肯定してしまうため、意図せず対象を最悪の行動へと導いてしまうだろう。

ヘビイチゴの魔女
ただ憧れた少女は 見捨てられ 何者にもなれない今に悲観する
移ろいを否定した先に 迎え入れたのは 己ではない何か
己が何もかも忘れた未熟な果実は 人を惑わせ 虜にする
希望を捨て 意志を思い起こすことが 自戒の一歩
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

VAYU(ヴァーユ)

フーテンのドッペル。その姿は、風天。
この感情の主は自分同様どんなに速く駆け回っても結局は海を越えられないドッペルの能力にガッカリしている。
このドッペルは足先に触れたものをたちまち風化させることができるが、じっとしていると砂漠化した地面に自分が埋まってしまうため絶えず走り回っていないといけない。
そのため風のような速度で走り回っているが、空を飛ぶことはできない。
また、このドッペルが現れると主はドッペルと共に駆け去ってしまうが、足跡のように風化した跡が残るので、追いかけるのは容易らしい。

風天の魔女
抗えぬ別れを経験した少女は 居場所を求めて 世界をさすらう
温もりに手が届いても 己には過ぎたものと諦める 空虚な心
終着地を求める獣となるも どこへも辿り着けない
己の内に 存在する在処を知ることが 一所に留まれる懸橋
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

ELSIE(エルシー)

ありのままのドッペル。その姿は、ポーチ。
この感情の主はこのドッペルを悪くは思っていないが、やはり他人に見られるのはどこか抵抗もある。二面性を持ち合わせたドッペルは、フリルなどの装飾からカラーリングまで、可愛らしく温もりを感じさせる見た目をしているが、内側の印象は対照的。ポーチを開くと可愛らしいアイテムの代わりに可愛らしい内臓が顔を覗かせて、見た者の空気を凍らせる。さらに、内臓は物理的にも非常に冷たいので、殴られた者は一瞬で精神的にも肉体的にも凍りつく。ちなみにドッペルは自分が原因で凍ってるとは思っていない。

CARMELA(カルメラ)

集客のドッペル。その姿は、プロパン。
この感情の主は、自らの体から染み出す毒素によって毒料理しか生み出せないこのドッペルを快くは思わない。このドッペルは、クラゲのような触手の先についたバーナーを駆使してどんな食材もおいしい毒料理へと調理し、お客様を頭部のガラス球に完備させた座席に無理矢理ご滞在願う。この魔女に調理された毒料理たちは意思を持ち、率先してお客様の胃へ電撃訪問するため、座っているだけでも食事が可能。ちなみに毒料理だが味は良い。味は良いが出所不明の謎肉を始めとし、呻く野菜、歩き回る果物など産地に不安が募る食材がふんだんに使用されている。

プロパンの魔女
料理好きの少女は 実家を憂い 繁盛のため 一世一代の機会を願う
評判に反し 閑古鳥が店で鳴く 目的と意義を失った 料理人は空虚
自慢の腕で 馳走するも 強火すぎる想いに 誰もが融解される
在りし日の憧憬を 越えた時こそ 真に価値が出る 極上の一皿
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

HEIDE・JEKYLL(ハイド・ジキル)

カリスマのドッペル。その姿は、ヒトデ。
この感情の主は、太陽のごとく輝いて皆の注目の的になることを切望している。その承認欲求に共感したドッペルは、主の憧れから最上の美しさを追及すると、星のような分子配列構造を内包した透明感のある肉体を作り出すことに成功し、それを主の体と置き換えてあげようとしている。光を放つ本体は、その肉体を讃える者たちを集めようと四方八方に触手を伸ばし、強制的にファンを獲得しようとしている。もしも逃げようとすると串刺しにされてしまうが、ひとことカワイイと言ってあげるだけで見逃してくれる。

ANDREANA(アンドレアナ)

勇み足のドッペル。その姿は、裁断。
この感情の主は躊躇なく刃物を振り回し大事な本までことごとく切り刻んでしまう自分のドッペルを怖がっているが、内心言い表せない開放感があることも事実である。
出現したドッペルは何事にも物怖じしてしまう主と違い、考えるより先にギロチン刃で切りきざみ、相手の肉体のみならず、あらゆる魔法の繋がりを寸断してしまう。
物理的に近距離しか攻撃ができず、間違って仲間に斬りかかることもあるので隙が生じることも間々あるが、このドッペルは感情の主にはコントロールできないので、ただ怯えて固まることしかできない。

裁断の魔女
古書に夢想する少女は 愛しき日常を 取り戻すため 命を懸ける
勇む心が生むのは 理想から遠い現実と 運命に弄ばれた 己の断罪
栞は切断され 訓戒は消失 失敗を繰り返しては 全てを切り刻む
現実と向き合い 振り絞る勇気で 選び取る未来こそ 一節の英雄譚
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

DELANNA(デランナ)

安眠のドッペル その姿は、タオル。
この感情の主はどこか幼稚でもあるこのドッペルを憎からず思う。
主の鋭さとは逆に幼子のような精神を持つこのドッペルは、ただ安眠を欲し、それが妨げられるとのたうち回って大暴れする他、赤ん坊のような声で泣きわめき相手の鼓膜を破壊する。
また、このドッペルがあくびをすれば、敵味方を問わず周囲の生物には猛烈な睡魔が襲い掛かり、その柔らかな体にすり寄られた者にはこの上ない安眠が約束される。

タオルの魔女
強くあらんとする少女は 孤高に拳を構え 家族に尽くす
偽装しても 望む平穏は 過去に壊される 因果応報
本能のままに 絶叫する赤子は 生気が削がれるまで 止められない
仲間との新たな絆を 喜び 認めることが 立ち直る英明の一歩
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

AKAKIY(アカーキイ)

包括のドッペル。その姿は、外套。
この感情の主は美しい友情を永遠のものにしたいと願っている。
このドッペルはその体で包んだ物をひとつの塊になるまで圧縮することで答えた。圧縮された物体は水晶となり、数千年にわたり輝き続け決して砕けることはない。
呼び出された際には主の感情を水晶に変えて攻撃するが、このちからを使い続けた者はその記憶すらもやがて水晶となり新たな記憶を持つことが出来なくなるだろう。

PAMELA(パメラ)

我慢のドッペル。その姿は、殻。
この感情の主は自身のドッペルのことを、自分が溜め込んでいる感情を発露してくれるものだと認識しているが、それが代償行為だと理解しているので、割り切れない気持ちで眺めている。
このドッペルは、害を加えようとするものに抵抗感を示してトゲを出し、危険と認識すれば激しく攻撃を加えてくる。
まれに、主の感情の高ぶりに合わせて爆発を引き起こすと、陶器とも金属とも違った強い強度を持つ殻が破られ、激しい魔力の波が辺りを包み込む。

横髪が変化

攻撃方法
殻にこもる
敵が近づいたり
攻撃されると穴から
トゲを出して反撃する
(マギアアーカイブVol.1より)

HUND BALOU(フント・バロウ)

反駁のドッペル。その姿は、ペット。
この感情の主は、借り物の力を使って人を支配することを覚えた。やがてそれは欲となり、歪な姿で具現化した。
これは虐げられてきた過去に根差す復讐の異様であり、逆転して肥大した自己の投影でもある。そこに後ろめたさはなく、純真無垢な狂気だけがある。
このドッペルは数多のリードで相対するものを拘束し、その巨大な手で叩き潰してしまう。そして、常に快感で打ち震えている。

帆奈とはリードで脊髄に繋がっています
へその御みたいなかんじです

攻撃方法
リードを伸ばし敵をぐるぐる巻きにして捕獲
リードがゴムのように戻ってくる
振りかぶって
2,3回たたきつける
台バンみたいな感じです
(マギアアーカイブVol.2より)

GELA(ジェーラ)

自然体のドッペル。その姿は、笑い袋。
この感情の主は、大人しかったころの自分を心の中に秘めている。常に笑い続けているこのドッペルは、自分にとって不都合なものが現れると、その体内にストレスを溜め込んでいく。そして、ストレスを笑い声に変えると、見たくないものを吹き飛ばしてしまう。右を見ても左を見ても笑い続けているので、ストレスの対象は千差万別。何に対しても機嫌を損ねているのかもしれない。もしも、世界そのものが笑い飛ばす対象だと思われると危険だが、主は無関係とばかりに袋の中で穏やかに眠っている。

BOND BOMB(ボンド・ボム)

離散のドッペル。その姿は、絆。
この感情の主は自分の奥底に眠っている本当の想いをドッペルによってがんじがらめにすることで、安心感を得ている。
このドッペルは自分のエゴを球体に変え、家族との絆と柵を蛇の姿に変えてがんじがらめにし、無理やりその場に留めようとしている。自由になりたいが、球体の形を保っていられるのは、蛇に縛られているおかげでもある。無理に振りほどけば球体は弾け飛んで消えてしまうが、この感情の主は絶対にそれを許さない。

攻撃方法
鉄球のように振り回して叩きつける
目の部分は通常は青色だが振り回されているときは赤色
涙を流している
(マギアアーカイブVol.1より)

COLUMBINA(コロンビーナ)

決闘のドッペル。その姿は、鉛。
この感情の主は、愛情を内に抑えられない己と、燃え盛る感情を鉛の体の内に抱えたドッペルとの間にシンパシーを覚えている。このドッペルは、主と同様にその愛情を抑えることが出来ない上に、意中の相手に対して素直な行動を取れない性格でこじれてしまい、なぜか愛情を表現するために決闘を申し込んでしまう。その上、苦しむ相手を見るほど愛のボルテージが上がってしまうので、最終的には意中の相手を6000度の熱で焼き尽くしてしまう。ドッペルはそんな自分を、ハートどころか体までメロメロにしてしまうと思っている。

OBARIYON(オバリヨン)

偏食のドッペル。その姿は、バキュームクリーナー。
この感情の主は、言うことを聞かないうえに、他人の食べ物まで横取りし吸い込んでしまうドッペルの卑しさに呆れ果てている。
このドッペルは相性の良い相手を見つけると主の指示は聞かず勝手に魔力を吸い始め、相手が死ぬまでその対象を変えない。無限ともいえる胃袋を持ち、吸い込みすぎて自爆と言ったありがちな展開の心配はないが、魔力を蓄えれば蓄えるほど重くなってゆき、主を押し潰してしまうこともある。

バキュームクリーナーの魔女
食欲旺盛な少女は 恵まれた環境で 食事の喜びに 甘んじる
凡庸を恥じて願うも 悟る役割は評論 ただ食すしかない己
執心しても 風味は一瞬 満たされぬ胃袋は 料理を求め彷徨う
味わいも 試行錯誤も 記録し続けることが 千載一遇の好機
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

RENATA(レナータ)

電令のドッペル。その姿は、心電図。
この感情の主は、強力な電気信号を駆使し相手の悪意を人格もろとも焼き尽くすこのドッペルの能力に恐怖を覚える一方で、これが殺害以外の方法で人間の悪意を根絶させることが出来る唯一の方法ではないかという誘惑に悩む。
またこのドッペルは生死を司る力も持ち、その姿を現す時に主に一時的に精神が肉体と分離した幽体離脱状態となる。

第四腰椎が変化。

性格「アンチ」に厳しい。

攻撃方法
【邪念の浄光】
電気信号によって相手の悪意を人格ごと破壊する。
相手は戦意喪失してしまう。
【臨終の前光】
強烈な光波を浴びせ対象を瀕死にしてしまう。
【起死の後光】
味方を蘇生させる。
【鼓動の震光】
自身の体力を削り、
心電図の波光を巨大な鞭のように変化させ敵全体を攻撃。
(シャフト原画展より)

心電図の魔女
清きゆえに迷いを持つ少女は 人の悪意を体感し 倫理の果てに向かう
誰の声も聞こえず 己が思考に囚われ 行き着く先は 曲解の極地
独善に満たされた心に 人格を破壊する呪いを 芽生えさせる
親愛なる者の 壊れた姿を思い描くことが 立ち返る一条の光
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

TAGORI(タゴリ)

報復のドッペル。その姿は、狐。
この感情の主は様々な魔力を駆使し恨みある者達へ報復する。
このドッペルは三つ首狐拳のドッペルのひとりで報復の写し。魔法に長け怪火を操り相手を幻惑する。
たとえ水中であっても遺恨ある限りこの怪火が消えることはないだろう。
ドッペルの出現中、主は理性を失い本能のままに行動しすさまじい跳躍力を発揮する。

顔つき、首と両ひざ下が変化。
一体型ドッペル。・火+水属性

自分へ攻撃してきた相手に対しては、ダメージアップ。
ドッペル出現中は完全に意識がなく、四足歩行のような姿で跳ね回る。

攻撃方法
【狐の目】
真実を暴き見る。相手の弱点耐性等を大幅に下げる。
【狐の鳴き声】
聞いたものに幻惑を見せ凶事を起こす。
【恨み引き】
相手を呪うと同時に足元に出現させた沼に落としてしまう。
【狐の嫁入り】
天気雨と共に無数の怪火で囲み攻撃する。
(シャフト原画展より)

TAGITSU(タギツ)

返報のドッペル。その姿は、蔵。
このドッペルは返報の写し。この感情の主は恨みある者達への返報を忘れない。このドッペルは三つ首狐拳のドッペルのひとりで守りや補助に長ける。このドッペルは出現中、主をその場へ固定し囮とする。その前ではどんな怪力であろうと赤子に等しく、うかつに攻撃を仕掛けてきた者を岩のような掌で捕獲しその体内へ閉じ込めてしまう他、無理矢理証文を取り不利な契約を相手へ押し付けたりもする。

ICHIKISHIMA(イチキシマ)

突貫のドッペル。その姿は、引き金。
このドッペルは突貫の写し。この感情の主は恨みある者達目がけて確実に突貫する。このドッペルは三つ首狐拳のドッペルのひとりで力に長け、あらゆる魔法をねじ伏せる。
ひとたびこのドッペルの引き金が引かれれば、相手へ命中するか主が力尽きるまで執念深く追い回すことになるが、一心不乱になり過ぎるせいでたとえ主であろうとも二度目の命令は受けつけず、周囲の被害なども一切考慮されないため、呼び出す際には注意が必要。

UKEI(ウケイ)

誓約のドッペル。その姿は、狐拳。
この感情の主たちは、互いに制約のある疑似家族を続けてきたが、個を認め合うことで真にひとつとなった。
このドッペルは決して崩れることがない分子の如く、三すくみという規則の中で結びついており、主たちが心から結びついた証。ゆえに祝い状に剣湖で力強いばかりか、命が燃え尽きるまで突貫していくだけの執念深さと潔さを備えており、本能のままに行動しても寸分の乱れもない。それは遥かに伸びゆく剣の扱いにも現れており、剣が重くて動きが遅くとも、なぜか誰も避けられず叩き潰されてしまう。

SELENE(セレネ)

索漠のドッペル。その姿は、凪。
この感情の主はドッペルに関して特にこれといった感情を持ち合わせない。周囲の魔力活動を著しく低下させるドッペルは、どんなに激しい戦闘の際中であろうと周囲の魔力を凪の状態に変えてしまう。その魔法の凪の中にいる限り、敵も味方も関係なく、双方はいかなる魔法の効果も発揮することはできない。ドッペルと主の姿の融合は、感情の起伏に乏しい主の特徴が要因になっているらしい。

HEIDESOMMER(ハイデゾンマー)

緑化のドッペル。その姿は、腐葉土。
この感情の主は、このドッペルが緑を広めるために良い力を行使すると信じ込んでいる。土で出来たドッペルの体は、あらゆる有機物を分解する酵素を保有しており、触れた者はことごとく腐って分解され、大地を肥沃にする養分になってしまう。また、大きく体をゆすりながら飛ばしてくる黒い綿毛が貼り付いたものは、瞬く間に伸びる根に侵食され、植物に変えられてしまう。

腐葉土の魔女
憧れに魅了された少女は 揺らぐ原点に 言葉を失くし 立ちすくむ
押しつけた善意は 誰にも選ばれず 捨てられ朽ちる 花蕾
愚直なる大地は 緑を広める養分 数多の物質を己の糧とする
喜ばれる 自分本位の道筋を 見出す時こそ 輝ける一輪の真価
(アリナのアトリエ メモリアテキストより)

BELLA DONNA(ベラ・ドンナ)

曝露のドッペル。その姿は、自白剤。
この感情の主は、人の心が簡単に変わってしまう現実を知ると、他人に不信感を抱く自分にも嫌気がさして苦しんでいる。そんな主の想いを知るドッペルは、裏表のある人間を許さず、誰に対しても本音を話すように諭してくる。最初は美しい貝の姿をしているが、説得を拒否したり内面を見透かされたりすると、恐怖を与えて本音を吐かせようとする。それでも無理だと判断すると自白剤を使おうとするが、注射針が太すぎて刺された者が死んでしまうので、成功したためしはひとつもない。

NAOMI(ナオミ)

寵愛のドッペル。その姿は、撫子。
この感情の主は相手を誑かすことによって心を操るこのドッペルの能力に戸惑い、これが自身の写しであることに思い悩む。
このドッペルはに裾を引かれたものはこのドッペルを愛さずにはいられない。
こと異性に関しては死をも恐れぬ献身と絶対の従属を強制することができ、たとえ相手が同性であっても、その愛らしさに手を上げることは難しいだろう。
しかし、この力の多用により自身への妄信的な虜を量産する行為は、いずれ身を滅ぼすことになる。

GANNISHIKUDOKU(ガンニシクドク)

職責のドッペル。その姿は、短刀。
この感情の主は他人から寄せられる過度な期待と羨望、巨大で勝手な好意の群れを、その身で抱え込むことが責務だと思い込んでいる。
このドッペルはいつか主の心が尽きてしまい責任を果たせなくなったその時、最後の務めを手助けするために存在する。
このドッペルの力の全ては基本的に主一人のために存在するが、慈悲深い性格のため主と共に旅立ってくれる道連れを一人だけ選定してくれる。
ついうっかり道連れ役の者だけを先に旅立たせてしまうこともよくあるが、そこはご愛敬。

優希が短刀を手に取ると
相手背後に介錯人が出現。

そのまま相手の首を刎ねる。

自分が瀕死になる代わりに
相手へ極大ダメージ。
(マギアアーカイブVol.2より)

YUERAO(ユエラオ)

手繰りのドッペル。その姿は、月下氷人。
この感情の主は、このドッペルが自身の心に潜むことを認めない。
このドッペルは、主の足元に厚い氷を展開し、その氷の中に出現する。
攻撃時にはドッペルと主が入れ替わることで氷上へも出てくるが、その間、主は逆に水中に閉じ込められてしまう。
氷上へ現れたドッペルは、あらゆる縁を手繰り寄せ奪い取る。
このドッペルは一度は自分で結んでしまった縁を回収することで状況の回帰を目論むが、一度繋がってしまった縁を今更切断しても、ただ相手を氷の底へと沈める事にしかならないだろう。
このドッペルを使えば使うだけ、諦めていたはずの想いが主の心中に去来する。

TABURATSU(タブラツ)

土葬のドッペル。その姿は、副葬品。
この感情の主は、物質のみならず感情や記憶に概念的なものまで埋めてしまうドッペルに、小さくない安ど感を抱いている。
土の中から現れるこのドッペルは、埴輪型のビーコンを使って自分の陣地を作ると、そこにむかって大量の土砂を降らせて古墳を作り上げてしまう。その土に触れたものは目に見えるものでなくても、何かを埋葬されて失っている。
こうした行為はこのドッペルにとっては善意であり、全ては主のためである。だが、感情の主がそれに気付いているかはわからない。

VICTORIA(ヴィクトリア)

不満のドッペル。その姿は、コンポート。
この感情の主は、キレイな佇まいをしながらも自身の欲求を満たすために醜くなるドッペルを冷ややかな目で見ている。
このドッペルは自身が豪奢で美しいことを理解しているばかりか、自分自身が免罪符だと思っている様子。そのため自制が効かず、興味を持ったものは“あの手この手”を尽くして手に入れようとする。特に初めて見るものへの執着は強い。だが、欲求を腹で満たすクセがあり、気になったものを胃の中に入れてしまう。よってこのドッペルは、自分が興味を持った対象の味しか覚えていないらしい。

ZIPZAP(ジップザップ)

信仰のドッペル。その姿は、Kawaii。
この感情の主はKAWAII文化に溺れて染まり、それを発信することにも至高の悦びを感じているので、自身の映しであるドッペルを満悦の表情で眺めている。
このドッペルは主の趣味と情報発信意欲を十分理解しており、マンガやアニメといったポップなものから、ゆめかわやグロかわなどのサブカルチャーまで、洗脳して植え付ける活動に邁進している。主よりKAWAIIレベルが劣る人を見つけては6つの目から七色のビームを放ち、当たった人は大量のリボンとレースに巻き込まれて趣味や嗜好を改変される。その人たちは、このドッペルを見ると地に頭を付けて崇めるらしい。

RUKH(ルク)

成り上がりのドッペル。その姿は、ポーン。
この感情の主は、殻を破って自己革命を起こすドッペルに自分の未来を見る。
ドッペルは誰の力も借りずに力を得たことを誇りに思っており、その自信のためか、他の者の助言は一切受け付けない。それは主に対しても同様で、意見が上手く噛み合っている時こそ協力的だが、一度気に食わないことがあると頑なに頭を縦に振らない。
また主以外の者たちに対しては、たとえかつての自分と同様に弱い者であったとしても容赦はなく、意に反する者がいれば灼熱で包んだ杖で串刺しにしてしまう。
それを主は、弱い自分を思い出して怖くなるからこその虚勢だと思って見ている。

GRIM(グリム)

盲目のドッペル。その姿は、第三の目。
この感情の主は秘めたる自身の姿の体現に悦びを覚えながら、真の姿を偽り続ける必要がないことに開放感を覚えている。
このドッペルは、決して離れず自らを偽ろうとはせず、ありのままの姿をさらけ出して他者の介入を言葉のひとつまで許さない。否定する者は開かれし目によって闇の業火に焼かれ、堕天せし剣によってその身を刻まれる。実はそれは他人の目を気にする主を踏みとどまらせないための行為らしいが、主自身はそれに全く気付くことなく、敵を打ち砕く姿に酔いしれている。

MARY(マリー)

退行のドッペル。その姿は、遊園。
この感情の主は、ドッペルを誰にも見られない童心に帰られる場所だと思っている。このドッペルは心に潜んでいる幼い心を引き出す力を持っており、触れられた者は幼児が楽しむようなことでも楽しくなって、あらゆるストレスから解放される。だが、一緒に遊んで虜になると、ドッペルの口が楽園の入り口だと感じるようになり、中に入った者は二度と戻れなくなってしまう。それでも定員数はあるので、あまりにも多くの人数が口の中に入ってしまうと、ドッペルも苦しんで吐き出してしまうことがあるらしい。

HEPIALIDAE(ヘピアリダエ)

垂涎のドッペル。その姿は、蛾。
この感情の主は、うつらうつらと夢を見ながら、太陽の光を求め続ける。
丸く円を描いたこのドッペルは、まさに主が求めている太陽を象った存在で、辺りを明るく照らそうと漂い続けている。しかし、羽から鱗粉を撒き散らしながら周囲を明るく照らそうとしても、鱗粉の一粒は彼方にある星々のような小さな輝きを放つばかりで、強い明かりを放てない。満足ができないドッペルは自ら光線を放って鱗粉を強く輝かせようとするが、乱反射した光はエネルギーを蓄えて爆発し、周りを巻き込んでしまう。それでもドッペルは、刹那でも強力な光を見て満足している。

FREDERICA(フレデリカ)

環視のドッペル。その姿は、複眼。
この感情の主は、周りの目を気にする気性のせいで、自身のドッペルを恐れている。多くの目を持つこのドッペルは、まさに衆目の権化。人の姿がない時は鮮やかな花壇の姿をしているが、その場に誘われて足を踏み入れた者は、瞬間に無数の目で射貫かれて身動きが取れなくなってしまう。そのまま見られ続けると、忘れていた自責の出来事が頭を満たしてゆき、自己否定しかできなくなってしまう。ただ、無数の目玉は仲が悪くケンカを始めてしまうので、逃げる隙が生じる上に、主自身が怖くなってドッペルを止めてしまうので、助かる者は意外と多い。

KOVALEV(コバレフ)

変温のドッペル。その姿は、鼻。
この感情の主は、自分が自分であることを証明するために必要なものがわからず、存在の認識というものが曖昧だと理解して混乱している。
ドッペルは自分を誰かに見せかけることができるばかりか、周りに頭を下げさせることもできる。
他人に何も授けないばかりか、傷つけて命を奪うようなマネをしても、逆らえないとばかりに周りの者は手を出すことができない。
だが、服の下が空洞であることを目撃されると、瞬く間に自身の存在価値を失い非力な存在となってしまう。

KHLESTAKOV(フレスタコーフ)

逆転のドッペル。その姿は、検察官。
この感情の主は、お笑いに挑戦し続けた結果、周りからユニークな性格をしていると誤解されていることに恥ずかしさを覚えている。
このドッペルもまた仮面の下に隠した真実の姿がないせいで、自分をどう理解してもらうかに困り続けている。
だが、自分が得をする分には構わないので、権力者を演じながら周りのあらゆる価値を奪っていく。それは物に限らず命や記憶にも及ぶ。
もしも、ドッペルの満足そうな笑い声が聞こえたときにクスクスと笑い返せば、ドッペルは自分の正体がバレたと思って身を隠そうとする。

NIKOLAI(ニコライ)

風刺のドッペル。その姿は、遺物。
この感情の主たちは、自他ともに変わりゆく人間性や、お互いに認められない性格などを受け入れあったことで、これまでの絆がさらに強くなった。
主たちを認めないドッペルは、人間が持ち合わせる闇を凝縮して、人を欺く心や、利己的で偽善に満ちた想い、虚栄心を原動力とした行動を周りの人々に植え付けようとしており、絶え間ない衝動をもって活動を続けている。
それは、本性を見せない人間への嫌悪感によるものだが、主たちの絆に感化されてしまうドッペルは、贖罪をするかのように全ての力を使うと、一瞬で果ててしまう。

MORFINE(モルヒネ)

発狂のドッペル。その姿は、一角獣。
この感情の主は、悪い奴を倒し続けている自負がある上に忘れっぽいので、ドッペルを出す度に、新鮮なキモチで自分へのご褒美だと感じている。
清らかで純粋な肉体を持っているドッペルは、相反する呪いを体内に宿している影響で、生まれながらに意識を失ったまま、その呪いを目と口から垂れ流している。
主の無理な扱いに激痛で目を覚ましたドッペルが咆哮すると、呪いが辺りに飛び散って触れた者の体に穴を空けてしまう。
ドッペルの中からは、そんな相手を見た主のあっけらかんとした声が聞こえてくるらしい。

KELOID(ケロイド)

傷痕のドッペル。その姿は、鉤爪。
この感情の主は、人に背負わせた罪を愛で濯ごうとしたものの、ただの空虚しか見つからず、自らの心を虚ろにしてしまった。このドッペルは主の虚ろな心と深く結びつき、互いの痛みを共有することでひとつになっている。また、意識はあるものの行動の意思はない主に代わってドッペルが主導権を握っている。行動に制限のないドッペルは、主に刻まれた傷による穢れと他者が背負う穢れを吸収し続けながら、その全てに対して報復しようとしている。ドッペルから放たれる傷の記憶を受けた者は、体ではなく心から壊されていく。

魔法少女まどか☆マギカ

KRIEMHILD GRETCHEN(クリームヒルト・グレートヒェン)

慈悲のドッペル。その姿は、救済。
この感情の主は、万物を救おうと試みる。
浮遊する巨大なソウルジェムに見えるこのドッペルが現れた時、周囲のものは全てこのドッペルが生み出したものの体内に取り込まれ、体の自由を奪われる。
その後、このドッペルが大きく浮上して光り輝くと、周囲一帯は光の矢に包まれることになる。
その最中、感情の主は巨大なソウルジェムの中で眠り続ける。

KRIEMHILD GRETCHEN(クリームヒルト・グレートヒェン)(晴着Ver.)

慈悲のドッペル。その姿は、賀正。
この感情の主はドッペルの内部でこれより始まる新たな年へと思いを馳せる。このドッペルは本年度における願いの全てをこの瞬間に集約し、慈悲の恵みとして相手に与えてみせる。
その一瞬に満たない命が夢見た願いの巨大さによって数億年もの時を経て繁栄した地上のあらゆる生命体は等しく圧し潰されるだろう。

●謹賀新年まどっぺる●
超特大お年玉攻撃
空に出現する巨大な謹賀新年の文字。
そのまま謹賀新年が降ってきて大爆発。
(シャフト原画展より)

KRIEMHILD GRETCHEN(クリームヒルト・グレートヒェン)(まどか先輩)

慈悲のドッペル。その姿は、退去。
この感情の主はドッペルに異物と判断され、無慈悲に外部へ排出される。
感情の写しから切り離された元主の脳裏には、ただの記憶が残るのみである。
しかし、それを噛み締めることで滲み出す新たな感情の波は、眼下の敵を癖の強い声で薙ぎ払うだろう。

KRIEMHILD GRETCHEN(クリームヒルト・グレートヒェン)(水着Ver.)

慈悲のドッペル。その姿は、救済。
この感情の主は、いましかできないことをリゾート地で楽しもうと心を弾ませている。
それはドッペルの姿にも影響を及ぼしているが、具体的にリゾート地をイメージできない主の影響で、スペシャルなフルーツアイスの体を成すことになった。このドッペルによって取り込まれた周囲のものは、分け隔てなく冷たいシロップやフルーツなどを浴びることになり凍る寒さを経験することになるが、耐えればどんな夏でも謳歌できるようになって救われるらしい。そうした中で感情の主は、美味しいフルーツアイスを食べるのを夢見て眠っている。

HOMULILLY(ホムリリィ)

業因のドッペル。その姿は、此岸。
この感情の主は、出口を求めて数多の世界を巡り莫大な因果の糸を紡ぎ出す。
ほぼ全身がガラス化した主の背後に従うは、感情より生まれた未完成の14体。
この14体は目標完遂のため、事務的に障害を排除する。
14体は主の意思とは無関係にせっせと因果の糸を編み込み続けており、
より複雑に絡まり合った因果は主をさらに脱出困難な迷路へと追いやるだろう。
この感情らを示す名前はまだない。

キュゥべえからデータ吸出し後
14人のドッペルを切り離し
ミサイルに乗せて攻撃。

14回のランダムダメージ。
(マギアアーカイブVol.2より)

HOMULILLY(ホムリリィ)(眼鏡Ver.)

閉鎖回路のドッペル。その姿は、此岸。
この感情の主は、時を超え幾度もの試行錯誤を繰り返す。
因果を重ね続けるその姿は主とドッペルがほぼ全身に渡り一体化している。
肌はガラスとなり表情も人形のように固定され、対象が沈黙するまで淡々と攻撃を続けるその様は他の魔法少女と比べてもあまりに魔女に近い。
時間砂を操る能力をもつ他、帽子に乗せた宇宙生物から重要度の低い情報ならば抜き取ることができ、地球上に存在する武器程度であれば時間砂を硬化させ再現することが可能。

攻撃方法
【時間砂による防御行動】
ドッペル時は極端に機動力が下がるため、
砂時計の砂を周囲にまいて攻撃をガードする。
【時間砂による行動制限】
ほむらは胡散臭い力をあまり当てにしていないため
基本自分の銃器攻撃+リボン手のサポート。
リボン手の爪先から砂のスプレー攻撃。
攻撃対象の動きを遅くする。
【記憶抽出による銃器の再現】
キュウベェ装着時のみ。
キュウベェの頭部にレコード針を刺して、キュウベェの記憶を砂に変換し
時間と共に地球の武器設計情報などを抽出する。普段では盗んで来れない
or運用できない武器を砂によって再現、使用する。
(高度宇宙文明にとってはいまさらな情報であるためセキュリティ度も低く
魔法ですぐ引き出せる)(その気になれば小型核爆弾も作れる)
(マギアアーカイブVol.1より)

HOMULILLY(ホムリリィ)(晴着Ver.)

業因のドッペル。その姿は、宝船。
この感情の主は、旧年中に置いてきた失われた輝きに想いを馳せる。宝船が運ぶ7体は、新年の門出にあたって、主が切り離そうとした感情から生じた残滓だが、主の抱く後悔に表情を塗り潰され、元になった感情を読み取ることはできない。このドッペルは主が後悔の重みに耐えかね、宝船ごと放り出すことで敵を押し潰す。初日の出を眩しく感じるほど、主の後悔は重みを増すため、7体は新年の曙光に目を潰されないよう、眼鏡を着用している。

HOMULILLY(ホムリリィ)(水着Ver.)

閉鎖回路のドッペル。その姿は、此岸。
この感情の主は時を超えた試行錯誤の旅の途中、この浜辺へとたどり着いた。夏の日差しに浮かれてか、その姿はあまりにバカンスじみている。
麦わら帽子に確保した宇宙生物へアクセスして手に入れた謎技術により、ココナッツを撃ち出すヤシの木を生成し砲撃する。超音速のココナッツに被弾すればどんな魔女もただでは済まないが、ゲームシステム上ドッペルの攻撃は必ず当たるため狙われた際は諦めも肝心。
また、なぜかヤシの木は高度な命中精度を誇り、むしろ普段より入念で執拗に相手単体目がけて撃ち込むことが可能となった。前向きな変化であると捉えて欲しい。

OKTAVIA VON SECKENDORFF(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)

恋慕のドッペル。その姿は、人魚。
この感情の主は年相応の恋に悩み、 一人では背負いきれぬほど過酷な運命を選択した。
そしてそのドッペルもまた恋を夢見ながら空中を自在に泳ぎ回り、主のためにがらんどうの体から音を奏でる。
自身が発する音波にのせることで数多の剣を飛ばし操り攻撃できもするが、このドッペルを使い続ける限り
胸に秘めたわだかまりから逃れることは出来ないだろう。

両つま先の先が変化。
【ラウンドタワー落とし】
空高くジャンプし回転しながら落下する勢いで相手に尾びれをたたきつける。
ヒット時に水飛沫が上がる。
【マーメイドタックル】
青い残像を残す高速体当たり。
【大剣斬りつけ】
文字通り斬りつけ。
【巴流めった撃ち】
ドッペルの周囲地面から大量の巨大剣を生やし、次々に相手へ向かって投げつける。
【館内ではお静かに】
大きな口で相手の魔力を吸い込む。
ついでに相手にかかった補助効果も奪ってしまう。
(マギアアーカイブVol.1より)

OKTAVIA VON SECKENDORFF(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)(晴着)

恋慕のドッペル。その姿は、人魚。
この感情の主は、年末も変わらず恋心に悩まされていたが、お気に入りの晴着を着ることができてご満悦の様子。それでも心の中には、変わらぬ恋から生じる不安が潜み、静かに主を苛んでいる。
そのドッペルも恋に焦がれていたが、縁起物を纏うと共に自信を持つと、除災招福と言わんばかりの輝きを放つようになり、道行く先に障壁があっても臆することなく正面から突っ込むようになった。その勢いで圧壊させられる者は、最後に太陽と富士山を目撃し、一筆をしたためられるだろう。

OKTAVIA VON SECKENDORFF(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)(波乗りVer.)

恋慕のドッペル。その姿は、人魚。
この感情の主は、「想いは告げねば届かない」という真理から目を逸らし、偶発的好機という名の夏のビッグウェーブを待ち続けている。
このドッペルはそのため暇を持て余しており、解放されるや否や奔放に泳ぎ回る。
その攻撃は単純な運動エネルギーと位置エネルギーの合わせ技であり、加速する夏の情熱と募らせた恋心の圧倒的質量を利用して敵を圧壊せしめる。
主は一時的に感情を放出し、スッキリした後は、「好機はまだ到来していない」と再び自分に言い聞かせ続けることだろう。

CANDELORO(キャンデロロ)

ご招待のドッペル。その姿は、おめかし。
この感情の主は、ドッペルを信用せず、普段通り戦い続ける。
他と比べると非常に小柄であるこのドッペルは、頭上に位置するため、主にその姿を認識されることは滅多にない。
意思の疎通が取れているかも怪しいため、主はいつも通り戦い続けるが、このドッペルはそれを支援している。
通常時のドッペルを見る限りでは小ぶりで頼りないが、その蔦は相手を貫くだけの破壊力を十分に持ち合わせている。

マミのつむじが変化。

攻撃方法
【ティロ・ナストロ】
ナストロはリボンの意味。
相手へ向かってレーザー光線のように
両手リボンを伸ばして攻撃。
【ティロ・ムンミャ】
ムンミャはミイラの意味。
両手リボンを伸ばして相手をぐるぐる巻きに拘束してしまう。
【ティロ・ヴォルティチェ】
ヴォルティチェは渦の意味。
両手のリボンを振り回し
周囲にリボンの渦を発生させ攻撃
【ティロ・ドッペル】
力尽きて消える間際、頭のつぼみが開き大砲が出てくる。
(マギアアーカイブVol.1より)

CANDELORO(キャンデロロ)(ホーリーマミ)

礼拝のドッペル。その姿は、光輪。
この感情の主は絶望の夜の果てで差し伸べられた救いにしがみつき、抱えきれぬ恐怖と不安を乗り越えるための新たな奇跡を手に入れた。また、その姿は主の精神面の変化によって従来とは違ったものへと変異し、この哀れなドッペルもまた主を救えるつもりでいる。
ティロ・セントドッペリオンとは心折れた少女たちへ新たな希望を告げる祝砲である。

CANDELORO(キャンデロロ)(水着Ver.)

常夏のドッペル。その姿は、陽気。
この感情の主は、共に戦う仲間ができたことに上機嫌である。
模範的な先輩でありたいという心情から、普段通りの冷静さを保とうとしているが、その反動からか、ドッペルは情熱的でトロピカルな外観を隠せないでいる。
ドッペルの奔放な爆発力と主の冷静な照準制御が危ういバランスを保つことにより、結果的に類を見ない戦闘能力を有するに至っている。

OPHELIA(オフィーリア)

自棄のドッペル。その姿は、武旦。
この感情の主は、得体の知れないこのちからを全く信用しておらず、ドッペルから武器を拝借し自分自身の手で刃を振るう。
主にとっては霧を操り幻を生み怪しげな催眠魔法を行使するこのドッペルの魔力からして過去を思い起こさせるだけの忌々しいものでしかないが、それでも感情の底へしまい込んだかつての未練をこのドッペルは持っており胡散臭いと感じながらも出現後にある程度の攻撃の手伝いをすることは容認している。
ちなみに、主を上にのせて走り回る燭台の部分とはためく着物のような部分はそれぞれ別個体らしくドッペルとしての本体は着物の方らしい。

ポニーテールとリボンが変化。
ほむら同様、胡散臭い力を全く信用していないためドッペルの武器を拝借して自分での攻撃がメイン。
土台の燭台についている頭は(顔はないが)妹のもの
そのためか気乗りはしないが黙って援護させている。

攻撃方法
【溺れる霧】
着物の袖から霧を噴射してあたりを包んでしまう。
【溺れる瞳】
着物が開き裏地のぐるぐる模様を動かして催眠術をかける。
【ロッソ・ファンタズマ】
着物の裏地がぐるぐる動き、杏子が大量に分身する。
【ぶちぬき】
杏子自身が炎に包まれ槍を構えて相手に突っ込む。
【援護連撃】
着物の袖から槍の先端を次々発射する。
【超超ぶちぬき】
魔女の槍を巨大化させ突撃攻撃。
(マギアアーカイブVol.1より)

OPHELIA(オフィーリア)(水着Ver.)

自棄のドッペル。その姿は、武旦。
この感情の主は、得体の知れないこの力を全く信用していないが、一時的に泳げるようになったことで、実は有頂天になっている。
普段は主にとって忌々しい存在でしかないドッペルも、この時だけは自由に遊泳できるイメージを催眠魔法で与えてくるので、高揚感を与える存在になっている。
それは攻撃にも現れており、主は背後から照りつける陽光を鏡と一体化したドッペルに受け止めさせると、強烈な熱線に収束させて相手に浴びせている。攻撃を加える相手がいなくなれば、ウミガメとなった燭台に乗って、魚と共に泳いでいる。

CHARLOTTE(シャルロッテ)

執着のドッペル。その姿は、お菓子。
この感情の主は、ひとたび琴線に触れれば、物であれ人であれ、とことん執着する。
時にその行いはあさましく思えるが、根底に流れているのは深い愛情である。
このドッペルは一体型ではないが、鼻から覆面が出てきて、そのまますっぽりと宿主の顔を包み込んでしまう。
ドッペルの出現中は動くことはせず、そのまま座り込んでじっとしている。
まるで、執着した対象をじっと見つめているかのように。

なぎさの鼻が変化。

※叛逆前のなぎさなので
魔女は無表情な方のお菓子の魔女。

一体型ではないが、鼻から覆面が出てきて
そのまますっぽりかぶってしまう。

ドッペル出現中は座り込んだまま動かない。

攻撃方法
【よくばる】
かみつきこうげき
【だだをこねる】
鞭のようにしなり体全体を使って攻撃。
【おまえのもよこせ】
かみつき攻撃で相手の魔力をかじりとる。
【ひとりじめ】
まるのみ攻撃。
相手を完全に飲み込んでしまう。

(マギアアーカイブVol.2より)

CHARLOTTE(シャルロッテ)(バレンタインVer.)

執着のドッペル。その姿は、ショコラ。
この感情の主は、いつも執着の対象を間違えてしまう。
チョコレートケーキを見るたび褐色の誘惑に屈し、ひと口で飲み込もうとするが、実際に胃袋におさまるのは、乳白色のレアチーズケーキである。
このドッペルは自身の欲望に反して、敢えてチーズケーキを口にすることもあるが、そんなときに限って、胃袋に収まるのは本物のチーズケーキである。

CHARLOTTE(シャルロッテ)(水着Ver.)

執着のドッペル。その姿は、サイダー。
この感情の主は、帰りたくない気持ちで、最後に一夏の想い出を作ろうとしている。主と同調するドッペルは、身の周りを青春の夏色で染め上げるつもり。自身を包む炭酸飲料を口に含むと、所構わず放っては弾けさせ、体が弾ける者や性格が弾ける者、髪型が弾ける者など、多くの弾けたものたちを生み出す。ドッペルの影響でどんな光景が広がったとしても、炭酸飲料の香りで誰もがハイになり、阿鼻叫喚にはならない。ちなみにドッペルは、夏の終わりを告げるような線香花火が嫌いらしい。

魔法少女おりこ☆マギカ

SOTRIA(ソトリア)

煩悶のドッペル。その姿は、舞踏会。
この感情の主は、予知した未来を変えることを使命としている。
風が吹き、花が散り、花びらは異界へと迷い入る。やがて立ち込めてくる霧があたりを包み込むと、その時は訪れる。
霧はたゆたう花びらと混ざり合い、宴の幕は開く。そしてこのドッペルはステップを刻み始める。そのステップが最高潮に達した時、まるで花に嵐の例えのように敵影は姿を消し、舞踏会には贅が供されることとなる。

織莉子本体とは
内臓(子宮)で繋がっています
花束の花みたいなイメージで
織莉子が刺さってます

攻撃方法
敵に向かってジャンプ
一回転して敵を
踏みつけます
めちゃくちゃ暴力的な
ストンピングです
(マギアアーカイブVol.2より)

SOTRIA(ソトリア)(Final ver.)

煩悶のドッペル。その姿は、舞踏会。
この感情の主は、予知した未来を変えることを使命としている。紫色をしたバラの花びらは、やがて起きる事象に登場する相手を切り刻む予兆。風が吹いて舞い始めると、このドッペルの舞踏会が始まる。付き従うコウモリは従者ではなく共に演ずる主のパートナーで、その主がドッペルと共に巨大な針を無数に生成して相手を串刺しにしようとすると、まるで呼応するように相手を切り刻む。それは一定のリズムの中で狂乱のハーモニーを生み出して、舞踏会の熱量を最高潮にすると、バラが黒く焦げるまでドッペルを踊らせる。

LATRIA(ラトリア)

篭絡のドッペル。その姿は、針。
この感情の主は、自身を救ってくれた恩人に対し、絶対的な忠誠を誓っている。
ドッペルが穿つ針が貫くのは、何も対峙する敵のみに限ったことではない。
主の運命すらも貫き、縫い付けてしまう。
それはまさに、すべてを捧げ、命すらも委ねている恩人への忠誠心の表れであり、他者に依存することでしか己を保つことができない危うさを象徴している。
針に鋭さが宿れば宿るほど縫い目は増え、容易に離れることはできない。
しかし、それはまさに主の願望を表すことに他ならない。

キリカの心臓と繋がっています

攻撃方法
腕をあげると渦を巻くように針が出現
腕をクロスして射出
(軌道はかくかくした感じ)
(マギアアーカイブVol.2より)

PISTIS(ピスティス)

教化のドッペル。その姿は、滴。
この感情の主は、自身の想いに相反して、役に立たないという評価を下されている。
物事を良い方向に導きたいのに、それを期待されないことへのジレンマ。
このドッペルは、まさにそのジレンマから生まれた。
幼いながらも…いや、むしろその幼さが醸成した、複雑に入り組んだ感情が、このドッペルの姿を形成し、維持している。
思い描いた理想の自分がいる場所と、今の自分がいる場所に隔たりはある。
ただ、いずれも自分が立っている場所であることに違いはない。

魔法少女かずみ☆マギカ

CAROLA(カローラ)

空腹のドッペル。その姿は、黒いコック。
この感情の主は、食に対して人の何倍もの強い拘りをもつ。
相手が魔法少女であろうと、魔女であろうと、お構いなし。手当たり次第に何でも調理し、自らの体内へと収めてしまう。
まさに食欲そのものから生まれ出でし料理人であり、すべてを喰らいつくして無へと帰す暴食のドッペルである。
テーブルの上の皿は、いつでも、何枚でも用意されている。戦いの場で席を同じくして、自らが供されることのないように…。

攻撃方法:『たまご割り』
巨大な口を開き、
ベローッと長く巨大な舌を伸ばして、
相手をからめ捕る。
そのまま自分に引き寄せて――パックン!
食べるとバランスを失い、壁から落ちる。
ひっくり返って、グシャッと割れてしまう。
(マギアアーカイブVol.2より)

CATERINA(カテリーナ)

絶筆のドッペル。その姿は、本の虫。
この感情の主は、言葉による自己表現と物語の完結に強い欲求をもつ。
創作されたものだけが物語ではない。
森羅万象、この世のにある物すべてに宿っている。
そして、それが存在し続けていく限り、物語もまた続いていく。
だが、このドッペルは、綴っていた存在そのものを消すことで、
その物語を終わらせてしまうだろう。
否応なしに筆は止まり、続きを書く者も現れることはない。

ANTONIO(アントニオ)

熱血のドッペル。その姿は、ミノタウロス。
この感情の主は、自身よりも他人を思いやる強い責任感をもつ。
ドッペルは、戦いにおいて相手を倒すことを「ゴール」と見立て、
わき目も振らず、ただひたすらにゴールを目指す。
その道中にどれだけの攻撃を受けても、決して敵に背を見せることはせず、
受けた傷から噴き出す血は、マグマのように熱く燃えたぎっている。
過ぎ去った後には、焼印のような灼熱の軌跡が刻まれるだろう。

CAROLA(カローラ)

空腹のドッペル。その姿は、美食家。
この感情の主は、自分の存在が認められたことで、以前より前向きで余裕が生まれた。
それに引っ張られるようにこのドッペルは、ただ食に対して貪欲なだけでなく、口にしたものを噛みしめて、素材が育む味わいを楽しむ余裕が生まれた。
とは言っても、相手が魔法少女であろうと、魔女であろうと、手当たり次第になんでも調理して、自らの体内へと収めてしまうことに変わりはない。
ただ、前と比較すると上品になっており、周囲に食べ物は散らばらず、テーブルに並べられた皿も自分用に置いておくだけになっている。

魔法少女たると☆マギカ

LA PUCELLE DE BLANCHEUR(ラ・ピュセル・デ・ブランシュール)

浄火のドッペル。その姿は、救国。
この感情の主は、不道徳とは無縁の純粋で善良な心をもつ。
ドッペルの招きによって舞い降りる無数の十字架は、ただの十字架ではない。
それは神性の否定を象徴する逆さ十字であり、その存在を感じた者は全て己の中にある罪が無限に吹き出し、みるみる内に浄化の炎に包まれて、やがて焼き尽くされてしまう。
ドッペルはいかなる存在であろうとも罪を見つけ出し、白日の下に晒す。
つまりは、この理不尽なる清浄を受け入れるしか選択肢はないのだ。

「攻撃方法」
浮いている腕の剣で攻撃
斬られた相手は
浄化の炎で
焼き尽くされる
(マギアアーカイブVol.2より)

OBSCURITE(オプスキュリテ)

妄執のドッペル。その姿は、黒影。
この感情の主は、苦境に立たされても、他人を思う情の深さをもっている。
光ある所に影があるのは、まさしく摂理といえるが、影に置かれた立場としては、決して光をその身に受けることが出来ないのもまた摂理。
このドッペルは、眩いばかりの光に浴する英雄の傍らにあって、常に寄り添う影であり、本音を決して掴ませない闇そのものと言える。
しかし、だからこそ光の存在は、より一層際立ってくる。
両者は、摂理が結びつけた切っても切れない関係にある。

「攻撃方法」
武器を持った髪を
地面の影に潜らせる
対象の相手の影から
出現し、回避困難な
攻撃を食らわせる
(マギアアーカイブVol.2より)

LA HIRE LA HIRE(ラ・イル ラ・イル)

消滅のドッペル。その姿は、震怒。
この感情の主は、誰からも好印象を抱かれる温和な性格をもつ。
他方に力や作用が及んだ時に、反作用で押し返されることを「反動」というが、このドッペルは、まさに主の性格の反動から生まれたものであり、その姿の本質は震怒を象徴している。
相対するものを消滅せしめるまで打倒するその力は、平安を求める心を苛めば苛むほど激しく湧き出る。
一方的に打たれ続けるからといって、侮ってはいけない。

「攻撃方法」
メリッサが両の手をふるうと
浮いているライオン鈍器が
たたきつけられる
あとにはおびただしい血液のみで
喰い尽くされたように相手は消滅する
(マギアアーカイブVol.2より)

CAPRICIEUX(カプリシュ)

加虐のドッペル。その姿は、悪戯猫。
この感情の主は、戦場をまるで指揮者のように演出する。
姿こそ猫ではあるが、そのいたずらっぽい笑みの奥底は果てしなく暗い。そして、その果てには狂気に満ちた恐るべき本能が隠されている。9つになびく尾は、それぞれ拷問器具を携えている。ひとたび尾が振るわれたら、敵対する者を狩り、痛めつけ、それは動かなくなるまで続けられる。まるで猫が獲物を狩るのではなく、ただ弄ぶかのように。

PLAISIR(プレジール)

被虐のドッペル。その姿は、月夜烏。
この感情の主は、狂奔し狂乱し狂喜する…。
あられもない嗜好が形となったこのドッペルの姿は、月夜に浮かれて鳴く烏。
乱痴気の騒ぎの果てに生まれた、見る者を畏怖させる異形の存在だ。
このドッペルと対峙した者は、心の底から恐怖を味わうことになるだろう。
しかも、それはただの恐怖ではなく、常に彼岸に存在する者だけが醸し出すことができる類のものであるがゆえに、味わう者の自我を壊して、やがて狂気を引き出す。

EIN ROTER DRACHE(アイン・ローター・ドラッヘ)

誇負のドッペル。その姿は、暴竜。
この感情の主は、所属するドラゴン騎士団に対して、強い誇りをもっている。
そして、このドッペルは、その強い誇りによって具現化されたものであり、炎の如く激しい彼女の根本的な性質を表した存在でもある。
加えて、騎士団としての使命を全うせんとする彼女の責任感と、それに伴う重圧感をも内包している。
この竜が姿を現す時、戦場を蹂躙し、食らいつくし、その暴威をもって比類なき力を示すことになるだろう。

「攻撃手段」
雷火球を吐いて攻撃
しっぽでなぎはらったり
(マギアアーカイブVol.2より)

ENFANT TERRIBLE(アンファン・テリブル)

嗜虐のドッペル。その姿は、泣きウサギ。
この感情の主は、残虐極まりない感情を持つ。
見た目は可愛らしいウサギのようではあるが、ゆめゆめ油断しないことだ。その実は、外見から受ける印象からまったくの真逆。
ひとたび捕捉されたら、まるで猛獣の牙にかかったかのように制圧され無邪気に、遊びのように、そして残酷になぶられることになる。
遠くで響く、無垢でおぞましい笑い声と共に…。そうなれば、後はもはや命運が尽きたことを自覚することしかできない。

HERMES TRISMEGISTUS(ヘルメス・トリスメギストス)

錬金のドッペル。その姿は、合一神。
この感情の主は、好奇心の赴くままに分離し、精製し、合成する。このドッペルは、神秘を秘めんとする心が生み出した合一の神性を体現しており、現世と異界を結ぶ使者としての役割を持つ。そのため主の危機においては、より高位の次元からの介入を要請できるが、主は、万物は円環し完結すると考えているため、生じた次元の綻びを、自らの智が及ばぬ世界の神秘が存在する証拠と捉えてしまう。そのためさらなる好奇心を募らせ、危険を回避することを忘れてしまいがちである。

ISABEAU(イザボー)

支配のドッペル。その姿は、女王の黄昏。
この感情の主は、存在ある限り際限なく支配と権勢を希求する。このドッペルが撒き散らす呪いは、他の人間にとっては、それ自体が死をもたらす闇であり、抵抗力のない者が浴びれば、一瞬でその存在が消失する。主にとって、その光景がもたらす悦楽は浄化と同義であり、周囲が闇と絶望に染まるほどに、当人のソウルジェムは恍惚たる輝きの度合いを増してゆく。

魔法少女すずね☆マギカ

CLOTHETTE(クローゼット)

約束のドッペル。その姿は、カゲロウ。
この感情の主は、炎を内に宿している。
それは復讐心によって燃え上がる炎でもあり、恩人と繋いだ絆を示す炎でもある。
だが、仇敵である魔女を滅ぼさんとするその火勢は、同時に苛烈なる運命を背負っている宿主をも焦がしている。
形作られたカゲロウの姿は、まさにその命脈を表しているのだろうか。それ故か、連なる鈴から響き渡る音は、それを聴く者の魂にまで届く。
炎の先に揺らめく景色の中に何を見ているのかは、操る彼女にしか分からない。

「本体」
左眼が変化
「使い魔」
羽虫のように飛び回って
火の粉を散らしたり
体当たりしたりして敵を攻撃
「攻撃方法」
敵の周囲を螺旋状に高速で飛び周り、
炎の中に閉じ込める
(マギアアーカイブVol.2より)

ELISE(エリーゼ)

夢見のドッペル。その姿は、カーテン。
この感情の主は、平穏な世界を求めている。
目を向ければ、目を背けたくなるような出来事が溢れているのが現実。
しかし、このドッペルに身を委ねれば、浮世から遠く引き離してくれる。
外界を遮断するように包み込み、やがて眠りへと誘ってくれるが、そこに待ち受けているのが、恐怖に彩られた夢。
目の前に広がるパノラマは精神を激しく揺さぶり、崩壊させる。
夢がいつも楽しいなんてことはない…とどのつまりは、これも現実なのだ。

両耳が変化
「使い魔」
てるてる坊主の使い魔
心地よい歌や楽しげな踊りを踊って
敵をカーテンの中へ誘い込む
「攻撃方法」
楽しそうな雰囲気と
ハートのクッションで
おびき寄せる

サッと
カーテンを閉め
子守唄で
眠らせる

眠ったところで怖い夢を見せ
ダメージを与える
(マギアアーカイブVol.2より)

RENARD(ルナール)

臆病のドッペル。その姿は、豪腕。
この感情の主は、孤独になることを恐れている。周囲から一方的に打ちのめされた先に待っているのは、孤立無援の世界。ただ鬱屈した感情を抱えて、その場に座り続けるしかない。
そこから脱するには、逆の立場に立つしかない。つまりは、何事も跳ね返すだけの力を手に入れること。その力をまさしく顕在化させたのがこのドッペルであるが、手中には、孤独へ立ち戻ることに恐怖する本心が据えられている。

左腕が変化
「使い魔」
大きな腕(手)の形をした使い魔
物理で殴る
腕部分は伸びる
「本体」
使い魔の手の中で
カラに隠れておびえいている本体
本体二は何の力もないが、
腕に命令するときはえらそうにしている
「攻撃方法」
なぐる
たたく
つぶす
本体が命令
(マギアアーカイブVol.2より)

SPICA(スピカ)

正義のドッペル。その姿は、拡声器。
この感情の主は、正しくあることを自分に課している。
主が訴える正義を信じているドッペルは、周囲の人々に、マイクを通して主の声を広めようとするが、いくつものスピーカーから拡張され反響する声はあまりに大きく、騒音以上の意味を持たない。仮に主がやめるように訴えても、自身が出す騒音のせいでドッペルには聞こえず、全ての人が正しくなるまで止まることはない。

ODETTE(オデット)

顕示のドッペル。その姿は、瞳。
この感情の主は、完璧であることに固執する。
それは、ほんの出来心から犯した取り返しのつかない罪を拭うため。
このドッペルは、主のために罰を与えようと主を探すが、その大きな目が真下の主をとらえることはないため、罪人を永遠に見つけられないままである。
仕方がないので、ドッペルは辺りを見回し自覚なき罪を負う人々に罪を顕示することで存在意義を満たしている。

CARMEN(カルメン)

仇討ちのドッペル。その姿は、鳥居。
この感情の主は、仇討ちの記憶を今も悪夢として見る。
このドッペルは、主の運命を狂わせ、大切な者たちを奪った仇を主以上に怨んでいる。
そのため、かつての記憶を何度も見せて、仇討ちを繰り返させる。しかし、仇敵の姿は、仇討ちを果たすごとに雲に隠れてあいまいになり、ただの悪夢として主を苛み、憎悪の感情を焼き付ける。

物語シリーズ

刀牛(刀の下に牛)

ツンドラのドッペル。その姿は、おもし蟹。
この感情の主は自身の思いの対象を明確に認識できず、不器用に刺々しく振舞う。
このドッペルもまた感情表現が苛烈であり、主が薄れゆく存在感を補うため大量に携帯している文房具を数百キログラムまで加重し、凶器として用いる。
このドッペルは、主とは逆に怪異としての自己の本来の姿の認識が曖昧であり、仮に主の潜在的な思いの対象が驚くほど近くにいたとしても、その重みを、自らの自己同一性を繋ぎ止めるための単なる重しとして利用するだけだろう。

迷子のドッペル。その姿は、迷い牛。
この感情の主は、母親の家に帰ることのみを祈念する。
一方、このドッペルは自身を主の本当の母親であると思い込んでおり、待ち受ける残酷な運命から主を守るため、前方に多数の時空渦を出現させ、その帰路を阻む。
運悪く渦動に巻き込まれた者は、ドッペル本体に轢き殺され、生と死の狭間で永遠の迷子となる宿命を背負う。

袁(えん)

暴力のドッペル。その姿は、猿の手。
この感情の主は善良な心性とは裏腹に、心の奥底にどす黒い感情を飼っている。このドッペルは主の表の願望の裏に秘められたネガティヴな感情を斟酌し、暴力的な形で叶えようとする。
このドッペルは主の魂がマイナスの無意識に一時的に身を委ねることで発現するが、ドッペルはその意識と身体を永久に乗っ取ってしまおうと、常に隙を窺っている。もしも主がその競争に疲れ、負の感情に敗北してしまったら、主は二度と人の姿に戻ることができず、1体の悪魔に成り果ててしまうだろう。

它(へび)

呪縛のドッペル。その姿は、蛇切縄。
この感情の主は、報われぬ思いを秘めたまま幸せな夢を見続けることを望む。
このドッペルは、主が心を悟られぬために伸ばした前髪から生じた巨大な蛇神の姿をしており、主の心に侵入しようと攻撃する者を呪い返しによって呪殺する。
鱗に覆われた身体を無数の縄のように絡ませて呪縛するという苛烈な攻撃手段は、想い人を束縛したいという独占欲の裏返しとも映る。

犭苛

焦心のドッペル。その姿は、ふたつの影。
この感情の主は巨大な苦悩の行く先として己の影たる2体のドッペルを生み出した。
影のひとつ、障り猫は接触した対象から力を吸い尽くし、影のひとつ、苛虎は嫉妬の炎で全てを灰に変える。
ふたつの影は、正しく在ろうとするあまりに主に切り離された負の感情の具現であり、主に必要とされてここに在る。
影をふたつ召喚するたびに、大切な想いもまたふたつ失われるが、主がそれを後悔することはないだろう。

鬼(おに)

不死のドッペル。その姿は、怪異殺し。
この感情の主は永き生を忌み、ただ自らの死のみを希求する。
このドッペルは鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、怪異殺しにして怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード”としての伝説そのものの具現化である。
このドッペルは主の死への衝動を酌み、妖刀”心渡”であらゆる怪異を滅殺するが、その刃が主に向けられることはない。

図鑑未登録

ECKERT(エッケルト)

詮索のドッペル。
ピンクのクマムシのような姿。アニメ版でドッペル症患者のドッペルとして初登場。
後に『バレンタインメッセージ~思い出は淡いくろ色~』にてEXチャレンジクエストの敵キャラとしてアプリに登場した。

MARTINA(マルティナ)

虚仮のドッペル。
着ぶくれた防寒具のような姿。アニメ版でドッペル症患者のドッペルとして初登場。
後に『バレンタインメッセージ~思い出は淡いくろ色~』にてEXチャレンジクエストの敵キャラとしてアプリに登場した。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年08月03日 17:08