すべての真相を知ったまどかが魔法少女となるべく願ったこと、それが「すべての魔法少女を救う」ことであり、現在・過去・未来に存在する一切の魔法少女を救済するというもはや単なる願いの領域を越えた『決意』であった。
そして変身した彼女の放った魔法の矢は、時空を超え、宇宙を越え、すべての時間と世界に存在する魔法少女たちを救うこととなった。
しかし、同時にそれは自身が概念存在になり果て、死すらも許されず、すべての人々の記憶から消え去り、永遠に戦い続ける運命を背負うことでもあった。
それでも、彼女は諸々のことを承知し、最後は宇宙の一概念としてすべての魔法少女を見守り続けている。
こうしたことをやったのは彼女が初めてというわけでもない。
似たような前例として、
「KOF」のアッシュ・クリムゾン
「ラーゼフォン」
「ナースエンジェルりりかSOS」
「ペルソナ2罪」&「ペルソナ2罰」
「ペルソナ3」
「いちばんうしろの大魔王」
「lain」
散々相似性を指摘されている「仮面ライダー龍騎」でも似たような結末が描かれている。
それだけ普遍的なテーマであり、ある種王道的な結末とも言える。
また、『次元を超越し時空を越えて人類を助ける存在』という概念は、脚本家の虚淵氏が外伝を担当した「Fate」シリーズの英霊や守護者とも共通している。
そもそも『時空を超えてすべての人々を救う』というのは、じつは仏教の大御所「南無阿弥陀仏」で知られる阿弥陀如来が、最高位の仏である如来となるために立てた誓願(誓い)でもある。
「Dies irae」や「神咒神威神楽」等の「神様シリーズ」に当てはめた場合「座」に着いた状態である。
その言葉を聴いたとき、魔法少女は「彼女」の元へ還る。そして安らかに眠る、自らの祈りと共に。
いつかの未来、ほむらもまどかの傍へ行くのだろう。
最終更新:2012年11月26日 16:35