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喫茶店:筋肉兄弟登場

ギ「何でそんなに超な兄貴達に詳しいのお母さん?」
どうでも良い事を聞くギズモ
フリ「お~ほっほっほっほ!女は秘密が多いほど魅力的ですのよ」
リリ「まあフリージアが格闘家情報に精通しているのは当然よね。本人もすごいんだもん。
 でもあの二人と森の妖精はどうしよう・・・フリージア、ぎゅむっと倒せない?」
ミル「ぎゅむっとでもゴキッとでもなんでもいいから早くなんとかしてーっ。
 あたしは筋肉耐性なんてないんだってばー!!」
フリ「お~ほっほっほっほ!私を見くびらないで欲しいわね!
 一対一ならともかく二対一で勝てるわけ無いじゃないの!」
所詮自分の格闘技なんてダイエットの手段だと思っているフリージア
本当にそうなら一対一で勝てるはずがないのだが・・・・
フリ「そうだv」
何か良いことを思いついたのかポンと手を叩くフリージア
フリ「彼らは韋駄天の舎弟、舎弟には舎弟をぶつけるのが一番ですわ!
 スーさん!ルズさん!やぁぁぁっておしまい!!」
そもそもルズは気絶中でスーはここに居ない
ギ「捨て駒って奴だねv僕、賢いからわかるよv」
正に外道である

ロウ「つい先ほどまでムキムキな客人は居られたのですがな、早々に立ち去られましたぞ。
 盗み聞きする気はなかったのですが、
 何でも今宵学園のどこかでシークレットレスリングが開かれるとかいないとか。
 まあ真偽の程は定かではないですがの。ほっほっほ」
ロウは適当なことを言って追い返すつもりのようだ。
リリ「と、とりあえず隠してないよ~!見てのとおりだよ~!!」
ユリ「今晩シークレットレスリング開催なんて聞いたことないよ?
ユリ もしかして、チョーレアなゲリライベントかな!」
適当な事を言って追い返すつもりらしいロウさんの言葉に、ユリが反応した。
ついでに入り口付近に群がっていた、森の妖精たちも反応した。
またまた地響きを轟かせながら、森の妖精は大移動を開始したのだ。
どうやら、チョーレアでゲリライベントなシークレットレスリングとやらを探しに行ったらしい。
リリ「た、助かった~」
やれやれ、ロウさんの機転のおかげで助かったよ…と思うのは、まだ早かった。

アト「怪しいぞ女!もしや、他に我らに隠していることがあるのではなかろうな!?」
言いながらリリアーナに詰め寄っているのは、赤パンツ担当のアドン。
リリ「ひえーっ?!かかか隠すって何を?っていうかアニキって一体どこの誰なの?フリージア教えて~!!」
フリ「本名かどうかは知らないけど韋駄天と呼ばれる筋骨隆々の男ですわ
 ライバルのボ帝と力を競い合っているとかなんとか」
何故か詳しいフリージアさん
フリ「弱点はビルダーの筋肉を吸い取ってしまううみにんらしいですわ」

サム 「そこのチャイナドレスの男!兄貴はどこにいるのか言ってみろ!」
言いながらブルースに詰め寄っているのは、黒パンツ担当のサムソン。
兄貴がいなかったのがよほど悔しかったのか、2人とも目が攻撃色だ。

ブ「まずは聞いてほしいんだけど、僕はブルース。タイペーからの留学生だ。」
ブ「僕はトラブルがあって、ついさっき学園に着いたばかりなんだ。
 だから、君達のお兄さんがどこにいるのかなんて僕にはわからないよ。」
サム「窓から出て行った男は、確かにチャイナ服の男に聞けと言っていたぞ!
 おまえが本当に何も知らない留学生なら、そんな事を言うはずがない!」
ブ「ごめん…本当に知らないんだ。君達のお兄さんの事。
 でも、こんな事を言ったら怒られるかもしれないけど、君達さえ良ければだけど…」
レベッカは恐怖し、心の中で祈った。
レヘ「(駄目だ…!お前の進む道はそっちじゃねぇ。頼む、その先を言うな…!)」
ブ「君達のお兄さんが見つかるまで、僕が君達のお兄さんになってあげようか?」
レヘ「(やっちまったな!…いや、待てよ。メイレンがこいつら二人を消してくれたら解決すんじゃね?)」
レベッカは期待を込めてメイレンの様子をうかがった。
メイレンは紅茶を口にしながらつぶやいた。
レン「…愛・超兄貴。つまり、愛が実の兄貴を超えるのね。」
メイレンはブルースを微笑ましそうに見るだけである。
レヘ「(駄目だ…このババァ、腐ってやがる。誰かなんとかしてくれよ、おい…)」
サム「なんだとっ!?それは本当か!?」
サムソンはブルースが本気かどうか確かめるために、両手でブルースの肩を掴んだ。
女性用の服を着た軟弱な男から、そんな事を聞くとは思っていなかったのだ。
レベッカにとっては残念なことに、ブルースは本気だった。
ブ「君達はレスリングが好きなの?実は僕も前から少し興味があって(以下略)」
レヘ「(やwwwめwwwろwww)」
サム「そうか……凄い男だ…」
ブルースの男気にサムソンは感動した。
そして、女装趣味のある人間も引きつける、パンツレスリングの偉大さを思い返した。
やはりパンツレスリングこそ至高にして究極のスポーツであると。
リリ「えー!そんなの絶対に無理よ!あなたじゃ兄貴になれないわ!」
リリ「だって!どう見たって彼らの方が、ブルースさんよりずっと年上じゃない!」
サム「よし!ならば今日から君は我らの弟だ!
 我らの事は遠慮なく兄貴と呼んでくれ!」
リリアーナの言葉に、サムソンも機嫌よく返事して高笑いを始めた。

目前の男を無視して会話していたためか、赤パンツ男の怒気がさらに強まった気がする。
喋っている間もじりじり追い詰められたリリアーナは、とうとう壁際に追い詰められてしまった。
アト「質問に答えろ女!やはりお前が兄貴を隠しているのか!」
リリ「ひ~?!」
マン「リ、リアーナ、さん、たち、かくして、ない、よ?」
リリアーナに詰め寄るアドンの背から声をかけるマンダ。
マン「おこ、た、かお、しないで、い、しょに、たこやき、たべよ?」
ポシェットからタコ焼きや焼きソバ、焼き鳥などを取り出すマンダ
マン「みんな、い、しょに、たべよ?」
部屋の中に居る全ての人に明るい笑顔を振りまくマンダ
マン「は、い、アド、ン さん、アー、ン」
爪楊枝に刺したタコ焼きを向ける
ブルースは、ふといい匂いがしたのでマンダの方に顔を向けた。
ブ「ごめん、昼から何も食べれてなかったんだ。よかったら、僕も食べていいかな?」
メイレンは紅茶を口にしながらつぶやいた。
レン「…小五ロリ。つまり、悟りの境地に入ったのね。」
メイレンはブルースを微笑ましそうに見るだけである。
レヘ「(もういっそ死んでくれ、ババァ(怒))」
フリ「そう言えば私の幼馴染みがロリコンホイホイとかいう
 幼女に擬態したミミックと戦った事があるって言ってましたわね」
ユリ「幼馴染み!?それって男の子?男の子だよね!?」
ジャーナリストとして、ユリは新種のミミックより恋愛話に目が向いた。
相手が白百合騎士団でも大人気のフリージアとあっては、なおさらだ。
ギ「ちなみに僕の見た目年齢は中一ぐらいだよ」
ユリ「そっかー。じゃあギズモはショタコンホイホイだね!」

ロウ「ほっほっほ、焼き鳥もおいしそうですな。この塩がまた絶品で・・・・・・。
 アドン殿、頂いてはいかがですかな?」
アト「う、む、うむ…では一口いただこうかな」
紳士にもすすめられ、アドンはにこやかなつもりだが実は不気味な笑顔で、たこ焼きを口にしようとした。
その大口を開けた表情のまま、たこ焼きまで後一センチの所でアドンの体が硬直する。
別にタコが嫌いなことを思い出したわけではなく、ロウの突きによって動きを封じられたのだ。
ロウ「鍛え上げた体躯を脅しの道具に使うなど、パンツレスラーの風上にも置けんな。
 まして女子供に狼藉を働こうなど言語道断。
 それが今の韋駄天の方針なのか?だとしたら、パンツレスラーの誇りも地に落ちたものだ」
ロウはにこやかに微笑んだままだが、目は笑っていなかった。
ロウ「これ以上言いがかりをつけるのなら、私にも考えがあるぞ」

ロウは、さも今アドンの異常に気づいたかのように驚くふりをした。
ロウ「やや、これはいけませんな。アドン殿は、兄貴とやらが居られなかった事に大変なショックを受けたようですぞ」
リリ「えっ、それは大変だわ!赤パンツさん、大丈夫?
 窓からでも帰れるかな~?もう森の妖精さんも消えたことだし、バリケードを元に戻してもいいよね?」
リリアーナにもロウにもアドンは返事ができなかった。
ただ、兄貴の失踪にはこの男が関わっているのではないか!?という疑念が、アドンの心を支配していた。

リリアーナはそう言うと、ふと気づいたかのように背中の槍を下ろした。
リリ「そうだ!ブルースさん、椅子運んでいる間、ちょっとだけこの槍を預かってもらってもいいかな?
 またどこかにぶつけて折れると困っちゃうから」
ブ「いいよ。」
リリ「出来ればこんな感じで抱えてくれると嬉しいな~。それ、とっても大事なものだから」
そう言ってリリアーナは、槍を抱きしめるような仕草をしてみせた。
ブ「わかった。」
ブルースは快く引き受けた。レベッカは大喜びである。
レヘ「(うほっ、リーGJ!)」

リリアーナは先に立って、バリケードの椅子をせっせと元の場所に戻し始めた。
リリ「あとでケオスさんのコンサートも見に行かないとだし、ムウ大陸にも行かないとだし、今日は忙しいね!」
ユリ「これぞ学園祭の醍醐味って感じだよね!
  よーし!ガンガン遊んでガンガン取材するぞー!!」
「オーウ、この椅子はどこに置けばいいのデースか?」

ロウ「ムウ大陸など・・・そんなわけの分からない場所へ、本当に行くつもりなのか?
  その・・・・・親御さんが心配するのではないか?」
リリ「そんな事無いよ~。お婆様だったらきっと『若いうちは冒険しなさい』って言うし!」
フリ「お婆さま・・・・」
亡くなった祖母のことを思い出してがくがくふるえるフリージア
ロウ「他のご家族は?」
リリ「ん~。大丈夫だと思うわ。今忙しいらしいし、きっと私の事どころじゃないだろうから」
ロウは何か言いたげだったが、結局深い深いため息をつくだけだった。

リリアーナがロウと話し終わった後、メイレンが彼女のそばにひょこひょこやって来た。
メイレンがリリアーナに小声で話しかける。
レン「ねぇ、リリアーナちゃん。あの子…ブルース君って、テンちゃんの何なのかしら?」
リリアーナはブルースが“テンちゃん”ことレベッカの元彼であることは承知であるが、
メイレンはその関係を知らないので、ただの学園の生徒の一人でしかない。
そんな彼にあえてリリアーナが槍レベッカを預けた理由が、メイレンにはわからなかったのだ。
メイレンは小声で続けた。
レン「ほら、大切な娘だもの。気になるじゃない。」
リリ「ああ。実はレベッカさんはですね、タイペーの魔法学校ではジr・・・・・・・」
ジルと名乗っていたはずです、と言おうとしたのだが、リリアーナは途中でフリーズした。
レベッカは、なぜメイレンに彼氏のことを話さなかったのかと思ったからだ。

ブルースの方は、近くにいたリリアーナの友人と思われる人物へ小声で話しかけていた。
ブ「君、あの子の友達なんだよね?」
“あの子”とはメイレンが小声で話しかけているリリアーナの事だろう。
ミル「え?ああ、うん」
ブ「ファン・スイションと友達みたいに話してる。一体どんな魔女なんだ?」
ミル「魔女ねえ……リリアーナは、およそ魔女とは程遠いキャラだとは思うけどね」
これは、魔女というとアルナワーズやらベアトリーチェやらが浮かぶ、あたしの意見。
ブ「魔法を使う女の子なら魔女だろ?」
ミル「もし聖女とか言われる人がいるなら、きっとリリアーナみたいな人だろうね。
 打算とか保身とかじゃなくて、純粋な気持ちで他人と接っして、その思いを相手に伝えることができる人。
 友達みたいに話ができるっていうのは、メイレンさんにもリリアーナのそんな所が分かったんじゃないの?」
本当は、メイレンさんが食べる宣言した相手にリリアーナも含まれてるんだけど。
まさかそんなこと言えやしないので、それだけは隠しておいた。
ブ「そうなのか。(彼女の名前はリリアーナって言うんだな)」
ブルースはもう一度リリアーナとメイレンを見た。二人の会話が続いている。

リリ「ジ・・・・ジ・・・・ジブンの話ってあんまりしてくれないから、詳しいことは私も分かりません」
リリ「ただ、顔が見えなくても相手の声だと聞き分けてましたし・・・お二人は、親しい友達同士だったのではないかと。
 でもレベッカさんは、今の自分をブルースさんには絶対気づかれたくないみたいなんです。
 だからあんな形での再会ですけど・・・・・・まあ、結局私の自己満足なんですけどね」
レン「親しい友達同士ね~。」
メイレンはブルースを見た。なので、ちょうど二人は目を合わせることになる。
メイレンはブルースに微笑んだが、ブルースはすぐに目をそらした。。
ブ「やっぱり、危なっかしいと思うよ。危機管理とか、そういう面があの子(リリアーナ)に欠けているのかも。」
ブルースはミルクに、また小声で話した。メイレンもまた、小声でリリアーナに話しかける。
レン「あの子ったらシャイでかわいいわね~。」
何か勘違いしているメイレンはリリアーナにお願いした。
レン「ねぇ、リーちゃん。私、あの二人がどれだけ親しいか見てみたいと思うわ~。
  だから、私がテンちゃんのお母さんだって事、内緒にしといてくれる?
  その方が、ブルース君の本音がよくわかりそうじゃない。」
リリ「分かりました」
リリ「ですが、ですが、彼けっこう頑固そうですよ。大妖怪相手にあっさり話すでしょうか?
 それとしつこいようですが、彼はレベッカさんにとって大切な人なんです。
 ですからその・・・・彼女を悲しませるようなことだけは、なさらないでくださいね」
リリアーナにはそういうのが精一杯だった。
リリ(ちゃんと身体があったら、今頃はちゃんとブルースさんと再会できてたんだもんね)
槍になってしまったレベッカが、切ない思いをしてないといいのだが。

フリ「ねえどうでも良いから早く招き猫広場に行きませんこと?」
リリ「ごめん、今行く!あ、何だったら一足先に行って下見してくれてていいからね!!」

それからしばらく後、リリアーナにメイレンが話しかけた頃、高笑いを続けていたサムソンはやっとアドンの異変に気づいた。
サム「どうしたんだアドン!しっかりしろ!」
アト「あ…、あ…、あの男が……」
まだ完全に硬直が解けてはいないが、それでも震える手でロウを指さすアドン。
それを見たサムソンは、彼なりにすべてを理解した。と思いこんだ。
サム「貴様!兄貴を葬るだけでは飽きたらず、それに気づいたアドンまで口を封じたな!
 弟よ!早くも我ら兄弟の結束を見せる時が来たぞ!
 我に続けええええい!!」
そうブルースによびかけてから、サムソンはロウに向かって突進し、体当たりしようとする。
ブ「え?」
ミルクと話をしていたブルースは、サムソンが怒った経緯がわからなかったので困惑してしまった
リリ「えええっ!!フフフフリージア、例のうみにんってどうやったら来てくれるの?!」
ミル「ブ、ブルースが弟!?…って事は、もしかしてあんたそんな趣味が……!」
ブ「君、さっき僕とサムソンが話してたの、まったく聞いて無かったの?」
ブルースがあきれたように返す。
ミル「あー、ごめん。あたしってどうも筋肉が苦手みたいでさ。
 聞いてなかったー。あはははは」
ブ「事情はどうあれ、義兄弟には違いない。」
フリ「見せる為の筋肉ばかり鍛えてないでちょっとは脳味噌も鍛えなさいな
 あの韋駄天がそんな簡単に葬られるわけが無いでしょ!」
ロウ「レjディの言う通りだ。だが、お望みとあれば軽く揉んでやろう」
ロウは上着を脱ぎ捨て、サムソンの突進を真っ向から受け止めようとした。
一方、フリージアの忠告を無視して突っ込んだサムソンは、骸骨の手に掴まれて顔から地面に激突した。
勢いがついていたぶんダメージは大きく、動けるようになるまでしばらくかかるだろう。
地面に展開された魔方陣から伸びる骨の手、それがサムソンが地面と熱烈なキスをしなければならなくなった原因…。
そして魔方陣がその消えてからさらに大きいもうひとつの魔方陣がサムソンとロウの間で展開されて、何者かが猫耳喫茶に転移してきた。
ブ「何だこのプレッシャー!?まさか、赤い妖怪のファが戻ってきたのか!?」
ミル「そうじゃないよ。…もっとやっかいな、魔物だよ」

死「やあ諸君。
 また再び会えて歓喜の極みだ」
ミル「…こっちは二度と会いたくなかったけどね」
二人の武装した髑髏を従えてやってきたのはかつてリバースで戦った『死王』。
が、猫死王を見ていないユリは、そんなに危険な存在とは思わなかった。
ユリ「なんか強そうな猫キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
 フリージア、猫だよ猫!かわいいねえ!!」
リリ「塩・・・じゃなかった、死王!何でまだ生きてるのよ!!」
死「俺が死んだと思ったか?
 我はチェシャ猫。
 どこにもいるがどこにもいないんだよ。
 死んだと信じ込んでた奴ざまぁ」
あの日あのときのようにニタニタとまた意地の悪い笑いを浮かべながら皆を見渡す。
リリ「わーん騙された!馬鹿にして!悔しい~!!」
死「さて、今日はプレゼントがあってな。
 これだ」
死王の傍らにいる骸骨が持つのは不気味な装飾がなされた二枚の手鏡。
それをリリアーナから少し離れた地面に置いて死王の元へ戻っていく骸骨。
ユリ「プレゼントキタ━━━(゜∀゜)━━━!!
 もしや、これは愛の告白につながる求婚行為では!?」
ユリが緊張感に欠けているのはいつもの事だ。
リリ「な、何よ。プレゼントでご機嫌とろうったってそうはいかないんだからね!」
リリアーナはそういいつつも、床に置かれた手鏡に近寄り、覗き込んだ。
リリ「手鏡?似たようなのが二枚もあるけど、これを私に?」
ロウ「馬鹿!カーズアイテムかもしれないのにあっさり近寄るな!!」
リリ「―――― えっ?ロウさん今何か言った?」
既にしっかり二枚とも鏡を拾っているリリアーナだった。ロウの制止は無駄だったようだ。
リリ「何だか趣味悪い鏡ね~。それに古いし。
 あ、でもへんの模様は何となく見覚えがあるような・・・・・・どこで見たんだっけ?
 ねえ死王、これってどんなマジックアイテムなの?」
死「それはねぇ…。
 爆弾だ」
聞いたとたんにぎょっとした表情を浮かべるリリアーナ。
死「ゲハッ…ゲハハ!
 嘘うさ」
リリ「じゃあ、爆弾でも呪いの鏡でもないのね」
リリアーナはあからさまにホッとした顔になったが、じわじわ悔しくなってきたようだ。
リリ(また馬鹿にして~!悔しい~!!)

一方のロウは、倒れたサムソンに手を差し延べている。
ロウ「お前達、まだわしとやる気かね?
 何度も言うようだがここにおまえ達の兄貴はおらんよ。
 まあそれほどパンツレスリングが好きなら、私が相手してやらんこともないがね」
そう言ってロウは僅かに帽子をずらした。
ロウに声をかけられて、頭を上げたサムソンは、そこに漢団初代団長の顔を見た。
サムソンも漢団の一員であり、初代団長の顔はよく覚えている。見間違えるはずがない。
ロウ「で、どうするかね?」
サム「お、押忍!失礼しましたーっ!」
アト「知らぬ事とはいえとんだご無礼を働き、申し訳ありませぬーっ!」
まだ倒れて動けないサムソンと、近くに這い寄ってきていたアドンは同時に敬礼した。
だからメイレンに、わはーすりすりされているのに気がつかなかった。
ロウ「おお、分かってくれたか!私は嬉しいぞ!」
わはーすりすりしているメイレンを華麗にスルーし、ロウは帽子を直して立ち上がった。
ロウ「兄貴の称号を持つ歴代レスラーは、おまえ達も知っているようにパンツレスリングをこよなく愛している。
 リングがあれば血湧き肉躍る人種だ。
 きっとリングを見れば、奴はどこからでも必ず駆けつけるに違いない」
もしリリアーナが取り込みの真っ最中でなければ、妙に熱いロウの口調に違和感を感じたかもしれない。
だが幸か不幸か、今のリリアーナはそれどころではなかった。
サム「そうだ兄貴を探すにはリングを探せば良かったのだ!」
アト「いやむしろリングを作れば兄貴の方から…!!」
アドンとサムソンは、ロウさんから何か教わってずいぶん盛り上がっているようだ。

戦うつもりのブルースを止めるリリアーナの横に、ユリもやってきた。
もちろん目的は戦いを止めることではなく、鏡である。
ユリ「あ、でも、鏡が2枚あったら合わせ鏡ができるね。
 これがあったら、ムウ大陸に行けたりしないかなー」
「す、少しその鏡の模様を見せてくだサーイ!」
ユリが鏡をのぞき込んでいると、マリオがリリアーナから鏡をひったくって模様を調べ始めた。

ブ「悪魔め!お前はここに居てはいけないんだ!」
ブルースが、タバコの箱に挟まれたスペルカードを取り出しながらチェシャ猫に叫んだ。
レヘ「(バカ、スペルカード1枚しかねーのに、凄む奴があるかよ。)」
レベッカは、死王とブルースが戦闘を開始するのではないかとヒヤヒヤした。
レヘ「(いや、待てよ。メイレンがあの猫を消したら解決すんじゃね?)」
レン「わは~♪」
メイレンは嬉しそうに倒れたサムソンの背中の筋肉をスリスリと触っていた。
レヘ「(…涙腺があったら泣きてーよ。)」
死「ほうほうほう。
 すばらしい度胸だ。
 なるほど、それでどうするんだね自称正義の味方くん?」
ブ「僕がお前を殺(と)ってやる!」
リリ「ちょっと待った~!」
リリアーナは戦う気満々なブルースにタックルした
ブ「何をするんだリー!?」
リリ「落ち着いてよブルースさん、本気で何かする気ならもうとっくにやってるわよ。
 そもそもまともにやって叶う相手じゃないの。
 ここは一つ様子を見ましょうよ。何か話があるみたいだし」
ブ「だけど、あいつは悪魔だろ!何かしかけられた後じゃ、遅すぎるんだ!」
リリ「悪魔じゃなくて多分アンデットじゃないかな・・・じゃなくて!」
ギ「あれは悪魔じゃないよアンデッドだよ!中つ国で言うと鬼だよ!
 僕らはまだ生きてるけどあいつら死んでるからこれ以上死なないんだよ!!」
自分が悪魔族であるため一緒にされたくないのか必死で否定するギズモ
フリ「死なないんだったら封印すれば良いじゃないのv」
リリ「どっちにしても寝た子をわざわざ起こしてどうするの!
 おまけに来客や非戦闘員が巻き添えになるこんな場所で。少し頭冷やしなさいよね!!」
死「けっ!」
止めたリリアーナを見てとたんに面白くなさそうに不機嫌になってしまう。
死「…朝はやくに起きたので眠い。
 帰って寝るわ。」

「古くて見えにくいデースが、これは間違いなくムウ大陸の紋章デース!」
ユリ「えっ!?そーなの!?」
「こうしてはいられまセーン!招き猫広場に行って合わせ鏡を試してみまショウ!
 すぐに広場に案内してくだサーイ!」
死「そういうことだ。
 ムウに行くには通常の鏡では効果がないかもしれねぇからな。
 これで試してみろや。
 なんでムウ大陸に行くことを知っているかって顔だな?
 みんなで全部見ていたからなぁ。
 そこの大妖怪が来たことも地下図書館の連中はみぃぃぃんな知ってる」
隠れてコソコソと覗き見していたらしいです。
変態ですね。

「スゴー!これはもはや事件ではなく、真実だよ!
 急いで校内放送を流して『ドキドキムウ大陸発見ツアー』参加者を募らなきゃ!」
「招き猫広場に案内してくだサーイ!!逸く、早く、はやく、ハリー ハリー!」
「お、落ち着いてくださいマリオさん、ここの用事が終わり次第すぐ案内しますから」
ユリがさっさと窓から外に飛び出していったので、あたしが残されたマリオさんをなだめる羽目になる。
あーもう!危険とか罠とかの可能性は考えないのかねこの人たちは!

死「あぁ、そうそう。
 メイレンと言ったな? 」
レン「あら、私の事?」
死「地上で人を喰おうがかまいやしないが、地下図書館でなにかしようとしたら殺すぞ。
 戦争になろうがかまいやしない…むしろ喜んでしよう。
 じゃあな、welcome to this crazy time♪このイカれた時代へようこそ。
 学園は大妖怪様を歓迎いたします。ケケケ」
そうメイレンに残して配下の骸骨二体とともに展開された魔方陣に入って転移した。
ブ「なっ!?あの悪魔、正気なのか!?スイションに殺されるぞ!」
配下の骸骨二体とともに展開された魔方陣に入った死王をみながら、
ブルースは信じられないとばかりに首を振った。
大妖怪を挑発するなんて、自殺行為じゃないか!
レン「私を殺すですって…?あの猫が…?」
まずい、あの悪魔は本気でメイレンを怒らせたにちがいない、とブルースは思った。
レン「お、落ち着いてくださいメイレン様。
 そもそもメイレン様は、今から地下図書館でなくムウ大陸に行かれる予定・・・・・・キャー!!」
レン「じゃおおおおおっ!!」
メイレンは、すごい勢いでリリアーナの方に飛込んだ。
いわんこっちゃない!あんなにうかつだから、メイレンの最初の標的にされるんだ!
ブルースは、リリアーナが片付いたら今度は自分の番だと思い、身構える。

レン「うわ~ん!どうしようリリアーナちゃん!なんかあの猫ちゃん恐いわ~!
  死ぬ~!猫ちゃんに噛まれてしんじゃう~!」
ブ「………スイション?」
ブルースは、自身の想像と現実とのあまりのギャップに、何が起こったのかしばらくわからなかった。
しかし、やっとわかった。この大妖怪、リリアーナに泣き付きやがったのだ。
ブルースの中で、何かがガラガラと音をたてて崩壊した。
リリ「やっとフルネームで読んでくださいましたね。嬉しいです。
 それと死王・・・猫はもう地下へ帰りました。
 あの猫はお嫌いですか?でしたら、地下図書館にさえ近寄らなければ何も起こりません
 ですから、どうかご安心ください」
そう言ってリリアーナは、宥めるようにメイレンの腕を軽く叩いた。
いずれ自分を殺す妖怪を宥める図、というのもなかなか変なものである。
ブ「…リリアーナ、ちょっといいかな?」
レン「?」
ブルースは、リリアーナを自分から離し、メイレンもリリアーナから少し離した。
ブ「ファン・スイション…あなたは僕の目標だった…目標だったのに!」
レン「突然どうしたのブルース君?そんなこと言われたら照れちゃうわ~。」
ブ「こんな大妖怪、修正してやる!」
レン「きゃん!!」
ブルースは、メイレンの胸に頭突きをかました。
倒れたメイレンをさらにブルースは踏みつける。
レン「あっ!あっ!やめてブルース君!蹴らないで!」
リリ「ちょっといきなり何するのよ!やめなさい!」
リリアーナがブルースの足にしがみついた。
ブ「あんたがそんなだから!あんたがそんなだから西方の悪魔なんかに侮られるんだ!
 あなたは中つ国の大妖怪の威信を地に落として、一体何をしようって言うんです!」
ブルースは、周りの人間が止めない限り、何回でもメイレンを踏むだろう。
ミル「ちょっと待てこら!あんたさっきまで大妖怪危険とか言っときながら、いきなり何してるんだよ! 
 倒れてる女性を踏むとか非人道的な事はやめろやめろ!」
リリ「そうよ!少なくともメイレン様は、ブルースさんにはまだ何もしてないじゃない!・・・止めなさいってば!」
ブ「甘えなければ、やられなかったのに!…うわっ?」
ブルースはリリアーナに頭突きをされ、後ろによろめいた。
レン「ひどいわ~!娘にも踏まれたことないのに~!」
レヘ「(お前しょっちゅうメイリンに踏まれてるじゃねーか。)」

ミルクがブルースの襟首を後ろから引っ張って引き離そうとしていると、ユリの声で学園放送が流れる。
ユリ「テス、テス、えー、まもなく招き猫広場で、第32回『ドキドキムウ大陸発見ツアー』が開催されます。
  飛んで火にいる夏の虫よ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目でも見よ!
  ご用とお急ぎのない方はぜひぜひ、招き猫広場にお集まりください!」

リリ「・・・・・さっきから黙って聞いてれば、随分とあれこれ決め付けてるわよね。
 悪魔に何か仕掛けられたらって言うけどね、だったらあなた、あの子にも同じ事を言うわけ?
 まあ、確かに死王は気の許せる相手じゃないけど、それじゃあんまりよ」
ぼさぼさ頭になったリリアーナは、そう言ってアイシャを指差した。
ブ「どういう意味なんだ!?なんで彼女が関係するんだよ!?」
リリアーナが指差した先にいたアイシャは、まるで別人のような表情をしていた
顔を真っ赤にし、目には涙を溜め、まさしく『ほら泣くぞ。今泣くぞ』的な状態
アイ「あ…悪魔にだって良心はあるんだぁぁぁ!」
ブルースの完全悪魔否定発言がアイシャにとって相当なストレスになり、結果幼児退行を引き起こしてしまったのだ。
ギ「そう悪魔にだって友情もあるよ!!
 そりゃあ・・・・・いたずらとか大好きだけど」

一方のブルースは、アイシャが突然子供のようにわんわん泣き出したのでビクッとした。
それで、なんとなくブルースにも事情がわかった。あの少女は悪魔の血をひいているに違いない。
ブ「(彼女はアイシャというのか。)」
ブルースは嫌悪感と、あくまでも人間にしか見えないアイシャを泣かせた事への罪悪感を感じた。
ウェ【な…何があったのだ!?アイシャ?】
雨の準備が整ったウェザーが慌てて戻ってきた
アイ「あいつがね…あいつがね…うわぁぁぁ」
ウェザーが戻ってきてもアイシャの状態は一向に回復しない
ウェ【この人間賛歌主義のクソッカスが!!
 貴様らのようなクズ共が存在するからこそ、我々は常に悪党扱いされ、不当な扱いを受ける
 なんなら、今から魔界に叩き落としてやろうかヒューマン
 そうしたら、彼女の悲しみも理解出来るか】
ブ「(また悪魔か!)やれるもんなら、やってみればいいさ!
 でも、僕は何があっても悪魔に良心は求めないぞ!
 クズ共が存在するから…なんて言葉、人の悲しみを糧にするお前らにそのまま返してやる!」
フリ「でも悪くなかったら悪魔じゃなくって魔族じゃありませんの?
 だって悪神や悪人は悪いから悪って呼ばれるのですもの」
とフリージア
ギ「悪って言葉は荒々しくて強いって意味もあるんだよ
 だから強い魔族は悪魔でいいんだよv」
と激しく無理のあるうそっぽい説明を顔色も変えずに行うギズモであった

リリ「それに大妖怪の威信って何?
 そもそもメイレン様は、一度でも自分のことを『大妖怪だ』なんて仰った?」
リリアーナはそう言いながら、自分の中でもう一度その事実を再認識していた。
また、同時に思い出してもいた。
ブルースの言う『大妖怪の威信』とやらのせいで、レベッカがタイペーに居られなくなったことも。
ブ「ファン・スイション自身がどう思うとも、彼女が大妖怪であることに違いはないんだ!
 彼女のせいで何千人も死んでいるんだぞ!カリスマを求めて何が悪い!」
リリ「そんなどうでもいいもののために、あなたの幸せだって消えたのよ。分からないの?
 ―――― 威信とか国の体面なんてくっだらない!
 そんなもの、ゴブリンにでもくれてやればいいんだわ!!」
ブ「なっ、なんだって!?」
ブルースは、自分の価値観からまるで外れたような事を言われた気がして、たじろいだ。
返して!とリリアーナはブルースの手から槍を取り上げてしまった。

リリ「じゃあ、皆行こう。メイレン様、立てますか?」
リリアーナはその場のメンバーを促した。
リリ「・・・・・・言っとくけど、私、謝らないからね」
誰に向けたのか、リリアーナはそう小さく呟いた。
レヘ「あーよ。」
レベッカもリリアーナにだけ聞こえるように小声で言った。

ウェ【すまないが、アイシャにキャンディー系のお菓子を頼む
 このまま泣かせておくと、もう1人モンスターペアレンツが増えかねないしな
 ほら、アイシャ行くぞ】
ミル「キャンディー?キャンディーならなんでもいいの?
 喫茶店だからキャンディーくらいあると思うけど」
アイ「うわぁぁぁん」
泣きながらアイシャはリリアーナの後を追った。
ウェ【おっと、それと広場に行くのならば、傘も用意したほうがいい、そろそろ大雨が降り出す頃だからな】
ミル「大雨!?」
ウェザーに言われて外を見れば、確かに空は怪しい曇り空。
これから外に行くって時にこれかよ、ついてねー!
ミル「ちょっとごめん、持ち帰りようにキャンディーください。
 それから、外で雨降りそうだから傘も貸してもらえない?」
とりあえず、手近にいるメイドさんに頼むことにした。

レン「雨がふったら、私の傘の中に入れてあげるわね~。
  ほら、アイシャちゃんももう泣かないで~。かわいいお顔がだいなしよ~。」
メイレンはハンカチを出してアイシャの顔を拭いた。

リリ「マリオさん、確か時間は夜明けの晩でしたよね。夕暮れでもアリなのかな?
 そう言えばケオスさんのコンサートも、たしか招き猫広場の特設ステージだったような・・・・・・」
メイド達に外出の許可を貰ったリリアーナは、周りの人間にそう尋ねた。
スケジュールが遅れていなければ、そろそろケオスのコンサートが始まる頃だろう。
今頃きっと大入りだろうが、招き猫付近なら屋台が出ている。
ツアー参加希望の人間が集まっても、ステージの邪魔にはならないはずだ。
コンサートの様子も大画面スクリーンで映し出されるから、見れると言えば見れるのだが、
リリ「せっかくのアリーナ席なのに・・・・・・」
「夕暮れに試して、駄目なら夜明けの晩にも試せば問題ありまセーン!
 しかし、他の催し物をしているのなら、邪魔にならないように終わってから試しまショーウ!」
マリオさんとリリアーナの歩きながらの会話を聞いてるうちに、ミルクの元へ頼んでいた物が到着。
なかなか高性能なメイドさんである。

色だね、ケオスさん、大丈夫かな?」

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最終更新:2009年05月08日 08:39
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