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op7:グレイ

招き猫広場への道を進む青い髪。
ウェストバッグをつけ、片手には一杯の赤い液体。
血ではないそれは芳醇な香りを醸し出している。
「……朝の一杯は美味いな」
【一杯だけだからね。何杯も飲まれたら困るよ】
【だなー!うん、酒なんてそんな飲むもんじゃねーし!】
確り釘を刺されながらグレイブは赤ワインを飲み干して、ワイングラスを下に落とす。
氷だったそれは落とす過程で水となり、ぱしゃという音を立てて水たまりとなる。
【それにしてもB、今日はやけに上機嫌だね】
「いよいよ『アレ』が出来るしな……ふふ、楽しみだ」
勿論機嫌の理由はそれだけでなく、酒が入ったお陰でもある。

「ネリーは……あそこか。ネリー!」
「ふわあ……グレイズ、グレイル、グレイブ君、遅いよぉ」
招き猫広場につき、グレイブが真っ先に走り寄ったのは壁際の少女・ネリーのところ。
欠伸を連発し、栗毛の髪を揺らしながら壁にもたれていた。
グレイブが近くに来ると、二つの人形と紙を渡す。
「はい、これ約束のもの。んじゃあサイン……うん、おっけー。
炎魔法科及び氷魔法科及び風魔法科所属、二等過程生グレイ・ウルフォードへと品物をお渡ししました。
一等課程生ネリー・コルファー、サインの受理を確認……」
「よし。……お疲れネリー、無理させて悪かったな」
「いいよー……なんていったって死霊科のあの人と、人形作りの上手なあの人と、その他沢山の人と作り上げたんだもん。
 3人の特性に合わせて作った、特製のやつだもん……」
話が噛み合わないぐらいに眠いらしい。なんか説明的なのはご都合である。
グレイブは、もらった手のひら大の冷たい人形をバッグに詰めた。

ふと、ネリーはふらりとグレイブの胸に顔を埋めると寝息を立て始めた。
「……よほど眠かったんだな」
眠っている彼女の頭を撫で、起こさないようにそっとおぶる。
【誰かに寮に連れてってもらわないとね】
「ああ、風邪をひかれたらまずい……あいつらの誰かにでも頼むか」

少女をおぶったまま、やたら騒がしい集団へと足を進める。
昨日と同じ面子だ。予想通り過ぎて逆に驚くぞ。
【なーんかへっぽこ吸血鬼が死んでる!】
「あいつか……最初から死んでるだろうが」
【あの二輪の事故の被害者みたいだね……可哀想に】
Sだけが同情を示す。

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最終更新:2009年06月09日 19:01
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