フリ「と・・・言うわけで猫車に乗ったわけだけど・・・・暇ですわね」
何にもやることが無くて暇なフリージアさん
「とりあえず到着するまで寝てれば?」
と責任感0のギズモ
リリ「アイシャさん!来てくれたんだ!
昨日、急に姿が見えなくなったからちょっと気になってたんだ」
アイ「おはよう、リリっち
あの後、ちょっと来賓で来てた国の人に呼ばれてさ
これ渡されにいってたの」
リリアーナに理由を告げると、一枚の紙を渡す
それは指名手配書でそこにはターロンの名と写真が写されてた
アイ「お国柄、こういう奴にはうるさくてさ
大事になる前に捕まえてくれってさ」
リリ「アイシャさんもいろいろ大変なのね~。
でも、これじゃターロンって妖怪の顔が良く分かんないよ~」
リリアーナは写真を傾けたり光にすかしたりしているが、やっぱり顔立ちは良く分からなかった。
リリ「皆、アイシャさんからターロンの手配書もらったよ。
今からまわすから、一応目を通しておいてね~」
少し間をおいて、ミシェルは苦笑がてら口を開く。
ミシ「私が苦手ですか?それとも辛気くさい聖職者が嫌いですか?」
らしくない自虐ネタだ。しかし彼はまだ喋りたそうにしている。
まだ完全に目が醒めていない。向こうに着くまでに目を醒ましておきたいという意図がある。
さらりとそんな事を言ってみせた次の瞬間
アイシャの表情はまた曇った
ミシェルが隣に座ったからだ。
アイ「そう思うならさっさと別の席に移れば?
それともワザとここに座ってそんなこと言ってるなら、そんな悪趣味なとこも大嫌い」
話しかけてきたミシェルにそう冷たく返し、次のチーズバーガーを頬張る。
リリアーナははらはらしたが、彼女が口出しする問題ではない。
それとなく注意しながらも、リリアーナはメイレンに声をかけた。
リリ「メイレン様、ご一緒してもよろしいですか?」
と言いながら、リリアーナは二人がけの椅子には座らず、付属の補助席に腰掛けた。
リリ「昨日は本当にありがとうございました。
ケオスさんのお部屋で過ごしたとの事ですが、もしかしておなかが空いていらっしゃるのでは?
いろいろ持ってきたんで、もし(人間以外で)お口に合うものがあれば・・・・・」
リリアーナは肩に担いでいた大きな袋を下ろした。
袋の中にはぎっしり食べものや飲み物が詰まっている。
リリ「朝ご飯まだの方も、よろしかったらどうぞ」
猫車が動き出す中、リリアーナは皆にも食料を勧めた。
マオ「そういえばヴァンは朝食べたのか?食べておかないと持たないぞ。
思った以上に遺跡探索とかは体力を消費するからな」
ヴァンエレンにそう言いながら袋の中を物色しバナナを一本持っていく。
「じゃあ私がもらうぞー。
お!美味しいじゃないかー!賢い生徒を持てて先生嬉しいぞ♪」
車に乗り込むと、リリアーナが食べ物や飲み物の詰まった袋を取り出した。
そして遠慮なく袋に手を突っ込み、フルーツをもぐもぐ食べ出すアホ姉。
ミル「それは朝ご飯食べなかった人用なんだから自重しなよ」と言っても。
「この桃美味しいなー!もう一つ食べるぞ」
聞いちゃいねえし、保母さんになったような気分…
マオ「……そういやヴァン、お前って学園から離れていいのか?
そもそもお前ってこの学園から離れられなくなってるんだよな?
一応ムウ大陸って学園内ではないだろ?そこのところどうなんだ?」
レン「そりゃね。私だって気の毒だと思ったことがないわけじゃないのよ。」
メイレンは唐突にそう言ったが、リリアーナからすれば意味不明である。
レン「でもね、生きるためなんだから仕方が無いじゃない。
昔は妖怪が人間を食べるのが当たり前だったし、
人間もそれを承知で罪人を生贄にさしだしたりしてくれたわ。
でも今じゃ、人間を食べるなんて野蛮だとか、私のことをオバンとか…
今の価値観で、昔の常識を責めるなんて不公平だわ。
メイファでさえ、『人間を食べるなんて信じられない、あんなに賢い生き物なのに!』
なんて私を軽蔑した目で見るのよ。あんまりだわ。
私はなにも人間を食いつくそうなんて思ってないの。
月に一人か二人さらったら、それ以上人間を傷つけようなんて考えないわ。
それなのに人間達はそれを許さない。自分達は一ヶ月で200人も数を増やすくせに…
もしも今人間を食べる妖怪がいなくなったら、大陸は人間で溢れてしまうわ。
そのうち、夫婦の間の子は一人までなんていう政策もでるかもしれない。
そもそも動物は…」
聞かされるリリアーナはたまったものではない。要するに愚痴である。
はっきり言えば、メイレンは欲求不満なのだ。
彼女の故郷であるソウ州と比べ、ここはだんとつに人間(それも若い男)が多い。
ところが、メイレンは彼らに決して手をつけれていないのだ。
鬱を通り越して、とうとうやさぐれてしまっているのである。
クリ(・・・メイレンが近くにいるときは絶対に寝ないようにしよう。
言ってることはもっともなんだが、身の危険に関わるからな。 )
レン「そもそも私をババア呼ばわりするなんて、ありえないわ。
確かにもうすぐ3千歳だけど、女の子は3千歳からが一番魅力的だってわかってない男が多すぎるのよ。
子供が3人もいてこれだけのスタイル…」
メイレンはその後もえんえんと愚痴をこぼしつづけた。
「(うぜーな。)」
レベッカはその気持ちをテレパシーでメイレンに伝えられたら、どれだけ素晴らしいだろうと思った。
猫車が発車する。ブルースはもう来ない。
レベッカは気持ちの整理をつけようとしていたが、できなかった。
きっとブルースもそうなのだろう。ブルースが、自分と一緒にいたいと思っているのは本当なのだろう。
しかし、ブルースはあまりにも反妖教育にひたりすぎて生きてきた。
頭では何が正しいかわかっていても、気持ちを整理することができないのだろう。
レベッカは、せめてブルースが人間の女性との間に子供を授かっても、
その子供に、人間の愛を理解できる妖怪が、自分の隣にずっと居たことを伝えてほしいと願った。
この時、レベッカはブルースがストーカーであることをすっかり忘れていたのである。
クリ(通り抜けている空間が少々不安定のようだな。
クリ(俺はクロウのおかげで慣れてはいるが、時空酔いする奴は出ないよな? )
リリ「メイレン様はもうじき三千歳なのですか?とてもそんな風には見えないです。
とってもお若いし、誠実だと思います。
―――― 皆を食べないよう堪えてくださって、心から感謝しています」
リリアーナは本心からそう言った。
人間を食べないと生きていけないのか、とか、自分も人間だから、人は食べないで欲しいとか、
そんな思いが頭の中をぐるぐる回っていたが、リリアーナは何も言えなかった。
ぎりぎりの状態で耐えている妖怪に、追い討ちをかけるようなものだと思ったからだ。
レン「…食べさせる気なんて、さらさらないくせに。」
やはりメイレンからはネガティブな反応しか返らなかった。
リリ「メイレン様はとってもお若いと思います。三千歳だなんてとても信じられません。
三人もお子さんがいらっしゃるようにだって見えません」
レン「そう、子供が三人もいるのよ。」
リリ「それにしても、やっぱり時間の感覚がぜんぜん違いますね。
・・・・・・・そういえば、天皇后・・・様が活躍なさったのも、今から140年ほど前の話でしたっけ。
お子様であるメイリンさん達も、やっぱり同じくらいご長命なのですか?」
リリアーナは、異種族間の恋愛成就が、思いのほか難しいことを改めて気づかされた。
だがそれはレベッカだけでなく、ヴァンエレンやマンダ、
(ちょっと意味合いが違うが)ギズモ達にも等しく当てはまる問題なのだが。
レン「メイファは乱暴で、私の言うことをあんまり聞かないでメイリンといちゃつくし、
メイリンは私を蹴ってばかり…あの子の母親が死んでから、
自分の子と同じように育ててきた恩を仇で返すなんて…
メイテンは一番私に似ているはずなのに、私を憎んでばかりいる。ああ…」
メイレンはリリアーナの質問に答えず、今度は自分の子供達のことを愚痴り始めた。
リリ「人と妖怪が惹かれあうことって、今までに無かったんでしょうか?」
レン「人と妖怪が惹かれあっても、うまくいくわけないでしょうよ。
私もそうだったもの…」
メイレンは誰のことを言っているかわからないので、簡単にそう断言した。
袋持ってるリリアーナはリリアーナで、えんえんメイレンさんの愚痴を聞かされてる。
最初の頃は、『なんだそれなら罪人を食べればいいじゃないか、私が許すぞ』とか。
『それはしつけが悪いぞー、うちの修道院でおばんなんて言ったら、命にかかわるぞ』とか。
ハラハラものの合いの手を入れていたアホ姉も、飽きてぐっすりお休み中です。
あたしも迂闊に口を挟めないので聞いてるだけだけど、隣で聞かされてるリリアーナは大変だろうな…
・・・・・・後部座席から立ち上ってくるオーラが怖い。
アイシャはチーズバーガーを頬張っているが、空気的には最悪である。
リリ「あ、あの~。アイシャさん、チーズバーガーばっかり食べてると喉が乾かない?
良かったらお茶、飲まない?そうしよう、そうしよう。――――くらえ『ホット!』」
リリアーナは、唯一使える「熱湯が出る魔法」を使ってアイシャとミシェルに紅茶を入れた。
リリ「どうぞ、ティーバックで悪いけど。熱いから気をつけてね~」
猫車は発車した。
窓の外の景色はぐねぐねとぼやけていて、今どの辺りを走っているのかさっぱり分からない。
そもそも窓の外は、フィジルなのかは分かったものではないが。
リリ「な、なんか揺れますねメイレン様。――――キャッ?!」
がたん!と猫車が飛び跳ねた。
衝撃で、リリアーナはメイレンやひじ掛けに嫌というほど身体をぶつけてしまった。
リリ「いった~!!・・・ご、ごめんなさい。大丈夫でしたか?」
リリアーナは持っていた槍が折れてないことにほっとしたようだ。
レン「みんなして私を虐めるのね。うにゅ…」
だめだこのメイレン(ry
リリ「それにしても、いったい何がどうなって」
リリアーナのつぶやきをかき消すように、ビー!ビー!とけたたましいアラーム音が鳴り始める。
リリ「何?何なのよこの音は?!」
フリ「な、何ですの?敵襲!?」
うとうとしていたフリージアは驚いた。
【外部からの衝撃により、緊急脱出装置が作動しました。
転移装置作動に伴い、中の皆様方は速やかに待避してください。くりかえします・・・・・・】
リリ「ええ―――――――― っ?!
ちょっとニャンコ先生?!これはいったいどういう・・・・・・キャッ!!」
ミル「ななななな…なんだこりゃ!?」
アナ「んー?どうしたミルク、うるさいぞー」
眠っていたアホ姉も、目をこすりながらもぞもぞ起き出してきた。
続けて焦ったようなにゃんこ先生の声が車内に流れる。
ニャ「ええい!この痴れ者が!わしがわからんのか!?
さっさと攻撃を辞めよ!辞めよと言うに!!」
ミル「こっ…これはなんだかマズい事になったような…」
また衝撃が猫車に走り、乗っているみんなの体が淡く光り始める。
ニャ「掴まれミルク!」
アホ姉があたしの手を引っ張ると同時に、光が強くなって視界は真っ白になった。
フリ「ちょっと!お待ちなさいな!いったい何が起こっているというの!!」
再び猫車が大きく揺れた。
何かの作動御打ち合わせの上とともに、中に乗っていた乗客の身体が淡く輝き始める。
リリ「そんな・・・・まさか!飛ばされるの?ちょ、ちょっと待ってえええええ!!!」
フリ「飛ぶってどこにですのぉぉぉぉぉ!?」
カッとまばゆい光に包まれ、それきりリリアーナは何もわからなくなってしまった。
その後、突然メイレンは見知らぬ森のような場所に放り出された。
レン「あう~!腰を打った~!死ぬ~!死んじゃう~!」
倒れたメイレンはしばらく悶えていたが、やがて体を起こした。
あたりを見回して彼女は思う。ああ、やっぱり私は一人なんだ。
メイレンは三角座りをしてうつむいた。自分の頭が、やけに重たく感じられた。
「メイレン。」
メイレンはびっくりして顔を上げた。しかし、やはりまわりには誰もいない。
「おい、メイレン。」
レン「その声…テンちゃんなの?」
メイレンが聞いた声は、たしかにレベッカ(メイテン)のものだった。
しかし、その声は頭の中に直接響くようで、どこから声をかけられているのかさっぱりわからない。
レン「テンちゃん、一体どこにいるの?」
「さっきむりやり猫車から転移させられたんだ。その時、俺とお前が合体しちまったんだよ。」
レン「そう…それであなたの声が直接頭の中に聞こえるのね。」
「はやく皆を探そうぜ。でないと若返りの薬もみつからねーし、中つ国に帰れねーぞ。」
レン「………ん。」
相変わらずテンションの低いメイレンは、合体した娘の声に渋々従って歩き始めた。
もしもムー大陸探検隊のメンバーが彼女を見つけたら、まるで鬼のようだと言うかもしれない。
メイレンの頭を真横から、槍レベッカが貫通しているのだから。
レン「なんだか頭が痛い気がするわ~。」
「風邪でもひいたんじゃね?あとでリーから薬でももらっとけよ。」
リリ「あいたたた・・・・・・・・・・もう、いったい何なのよ~?!」
リリアーナは痛むお尻を摩りながら、ようやく起き上がった。
ここはどこなのか良く分からないが、多分ムウ大陸にたどり着いたのだろう。
そう思いたい。
そして周りを見渡し、絶句する。
リリ「・・・・・・・・・・・・あれ?えっと・・・ここ、ムウ大陸で良いんだよね?」
あたりには天辺が見えないような巨木や、森のような草が生い茂っている。
洗練された遺跡を想像していたリリアーナは言葉を失うしかなかった。
これではまるで、自分が小人になってしまったようではないか。
リリ「そうだ、皆はっ?!」
リリアーナは慌てて周りを見渡した。
今のところ人影は見当たらない。
リリ「おーい、みんなー。どこよ~!無事だったら返事して~!!」
どっからともかくリリアーナの声が聞こえてくるがこっからでは見えない
フリ「ギズモちゃん居ますの?」
とりあえずギズモの安否を気遣うフリージアさん
「 僕はここに居るよ」
と頭の上から声がする
フリージアさんが上を見てみるとなんだか木にギズモが引っかていた
フリ「早く降りていらっしゃいな!」
はたしてほかjのメンバーは何処にいるのだろうか?
フリ「とりあえずリリアーナさんの声がしたほうへ歩いてみようかしら?」
フリージアはそう決めると・・・・
「ギズモちゃん行きますわよ!!」
とギズモに先を急がせるのであった
アナ「おーい、生きてるかー?」
ミル「一応何とかおかげさまで…」
気がつけば、あたしは深い森の中でアホ姉に吊り下げられて空を飛んでいた。
下まで結構高さがあるのに樹冠はまだ上ってどんな森だ?ここ。
ミル「ここってムウ大陸なの?アナ姉何かわかる?」
アナ「時空間を移動してきただけで、実際の場所はほとんど動いてないぞ。
わかりやすく言うと、フィジル島の裏側に潜り込んだような感じだな。
ムウ大陸に行ったことなんかないから、ここがそうかどうかはわからないけどな」
さすがは天使、説明はよくわからなかったけど、とにかくだいたいの場所はわかるらしい。
ふよふよ降りてあたしを地上に降ろすと、アホ姉も背中のひかりの羽を消して隣に並んだ。
アナ「見たとこ他の奴は近くにいないみたいだなー、これからどうする?」
ミル「まずは近くに誰かいないか探して…」
リリ「おーい、みんなー。どこよ~!無事だったら返事して~!!」
おっ!タイミングよくリリアーナの声が!。
「リリアーナー!こっちこっちー!」
アナ「無事なのかー?私とミルクは無事だぞー!」
よっし!天は我に味方せり!!早速リリアーナと合流だ!
アナ「大声聞いて熊とか寄って来たりしてなーぷぷぷ」
ミル「ヤなフラグ立てようとするなよ…」
アナ「ミルクはダメダメだなー、いいか?冒険は障害があるから楽しいんだ。
アナ とゆーわけで、大冒険の始まりだぞ!」
ミル「あたしは冒険なんかしたくなくて、楽して儲けたいだけなんだけどな…」
神様神様、どうかアホ姉のお願いなんか聞かずに、あたしのささやかな願いを聞いてくださいますように…
森の中のちょっとした空き地に扉が開き、中から招き猫に押されて猫車が出て来た。
車はところどころへこみ、受けた衝撃が大きかった事を物語っている。
「あの腐れ門番があぁ!!わしに気づかず攻撃してくるとは何事じゃ!」
巨大な招き猫像から、にゃんこ先生が毒づきながら現れた。
猫車に近づいて被害を調べようとし、車のそばに立つ別の猫型ゴーレムに驚いて立ち止まる。
このゴーレムがムウ大陸の門番であり、猫車を襲った張本人なのだ。
ゴーレムの額には、にゃんこ先生も見たことがない白い御札が貼り付いている。
「むむむ…なんじゃあの札は…。
もしやあの札で操られておるのでは…こっ、こら!
やめい!やめいと言うに!!」
にゃんこ先生の制止も聞かず、猫型ゴーレムは再び車を攻撃し始めた。
・・・・・・あぶねえ。
もう少し出てくるところがずれていたら〈石の中にいる!〉状態だった。
この様子だと皆さまざまなところへ飛ばされたようだな。
まずは近くを探索してから探しに行くか・・・
やはり夜明け近くということもあり薄暗いな。
明かりがあれば楽なんだが、あいにく今は持ち合わせていない。
せめて火をつけられそうな枝があれば即席の松明を作れるんだけどな。
それよりもさっきから奥の方から何かを叩く音が聞こえてくる。
誰かいるかもしれないし向かってみるか。
最終更新:2009年07月24日 07:41