フリ「で、どうしますの?ミシェル先生のおかげでレベッカさんの居場所はわかったけれどこの地下道から行けますの?」
そう、いつまでも地下に居るわけにも行かないのである
ギ「でも外にはまだドラゴンがいっぱい居ると思うんだ」
だが外は危険だと訴えるギズモ
マオ「完全に予想だが、地下道、しかも王家の避難所用に用意されたものとなれば位の高い…そうだな
宮殿とか王宮みたいなところに繋がっていることも多いにありえるんじゃないか?」
とはいっても実際どこに繋がっているかはわからない。
フリ「ここはにゃんこ先生だけが頼りですわ!」
ミル「うーん、やっぱりそうなるか…」
喋れないのでグレイズは聞いているだけ。人形に入っているRとBも会話を聞いている。
ニャ「確かにこの地下道はムウの王宮につながっておる」
にゃんこ先生は頷きながらそう言った。
青『王宮か……ふん、伝説の土地の王宮といえば酷いものか金ピカのやつだろう』
鼻を鳴らして見下したように呟くB。
グレイズは慌てたが、幸い誰も聞いていなかったようだ。セーフ。
ニャ「だがお主らの仲間の居場所とつながっておるかは、わしにもわからぬ。
何しろここは数ある地下道の1つじゃからな。
仮にお主らの仲間を探すとしても、道中侵入者対策に罠も仕掛けられておる。
外に出て竜の森を行くのとどちらが安全か…」
ミシェルはそれも画になる小難しい顔をして、コメカミを押さえている。
何故なら、彼は今強烈な頭痛に苛まれているのだ。勿論、比喩表現ではあるが。
ミシ(ふざけんなよ。何で避難道がトラップだらけなんだってんだ)
黒「(ドラゴンの巣と罠だらけの道……どっちもいやだなあ)」
リリ「竜も嫌だけどトラップも困るな~。私、どーもそういうの苦手なんだよね。
アナスタシア先生、明かり出すからちょっとかがんでください」
リリアーナはアナスタシアの頭をぐいと下げた。
アナ「んー?これでいいのか?」
アホ姉の天使の輪っかの光を頼りに、リリアーナは浮遊式のカンテラを取り出した。
すぐに地下道内はカンテラの灯りに照らされる
リリ「あったあった、これで通路の中が良く見えるわ」
リリアーナのカンテラは彼女の手を離れ、空中をふわふわ漂っている。
狐火のような青白い光が、石造りの地下道をぼんやりと照らした。
ミル「さすが。用意いいねリリアーナ」
思ったよりも天井は高く、通路の幅も全員並んで歩けるくらいはありそうだ。
リリ「本当にすごいね~。・・・・・・ん?ねえ、今なんか足元でカチッて音が・・・・・」
ミル「さっきミシェル先生が見たのは、多分アイシャやメイレンさんやレベッカだと思う。
同じ場所で建物の中にいるなら、地下道に入ってくる可能性もたか…」
いんじゃないかと言い掛けた時、あたしの言葉を遮るように警報が鳴り響く。
ミル「な、なんだこ…」
ニャンコ先生やミルクがいろいろ考えているちょうどその時、リリアーナがうっかりボタンを押してしまった。
たちまち警報が鳴り響き、出口付近の天井が崩れて扉と2体の猫型ゴーレムは土砂に埋もれてしまった。
ニャンコ先生はムンクのポーズで叫んだ。
ヴ「ヒイイイイイイイイィィィ!!!!」
ニャ「ヒイイイイイイイイィィィ!!!!」
青『は?……罠?』
唖然とした様子でBが顔を覗かせる。
リリ「あ・・・・・もしかして、今の変な音のせい・・・・なのかな・・・・・・?ははは・・・・・」
ミル「ぎゃーっ!これじゃ帰れねーっ!!」
クリ「・・・先に進むしかなくなったようだな。」
ヴ「八卦図のような迷いやすいものでなければよいが…」
ミル「いやまだまだ!土砂を吹き飛ばせばなんとか…」
冷静なクリスの声を聞きながらも、あきらめ悪く土砂の山に駆け寄ってみたけど。
うーわー。かなり多いですよこの土砂。
しかもメギドで吹っ飛ばそうにも、中の猫型ゴーレムを壊しちゃいけないから無理。
ミル「こっ、これはあたしには無理っぽいような…」
黒「が、がうぐるう……ぐるがうがぁ?(ど、どうしよう……吹き飛ばせるかなぁ?)」
青『……進むも茨、戻るも茨か』
リリ「わーん!ごめんなさいごめんなさい、わざとじゃなかったの!!」
マオ「……だから余計に面倒なんだお前は……」
慌てるリリアーナの足元で、またカチッと何か変な音がした。
リリ「きゃああああ?!」
ミル「今度はなんだーっ!?」
リリアーナの足元がぽっかりと抜けた。
彼女の足元にはとがった槍のようなものがずらりと並び、侵入者を待ち受けている。
落ちたら間違いなく串刺しだ。
リリ「た、助けて~!!」
フリ「ギズモちゃん!リリアーナさんを引っ張りなさい!
私は落とし穴を埋めますわ!!」
フリージアは落とし穴を雪の結晶で埋めてしまい無効化しようというのである
ミル「手を伸ばしてしっかりつかまれーっ!」
慌ててリリアーナの方にダイブして、リリアーナの手をキャッチ!
ふう、助か……ってないよこれ!
リリアーナの重さで体がずるずる穴の方に滑ってるよ!
なんか前にもこんなよーな事があった気がするんですけどーっ!?
アナ「おー、滑ってる滑ってる。落ちたら下の針で串刺しだぞーぷぷぷ♪」
ミル「ぷぷぷじゃねえよ見てないで助けろこのアホ姉!
石畳だから掴まるとこないぞこれ!
落ちる落ちる落ちる誰か引っ張って引っ張って―――!!」
黒「がる!」
傍に居たグレイズがミルクの体を掴み、人狼特有の力で穴から脱出させようと力を込めた。
が、ふっとグレイズの力が抜ける。
同時に体毛が急激に抜け始めた。日の出の時間らしく、人間に戻るための脱力状態に入ったのだ。
ミル「グググ、グレイズ!?力が抜けてるみたいだけどどうかしたの!?」
振り向く視線の先には、みるみる毛が抜けて萌え系犬耳少年になっちゃったグレイズの姿が。
黒「が、あうあ……み、ミルクさん……リリアーナさん、ごめん…ちから、入らない……」
人間に戻るときってあんな風に毛が抜けるのか…
あれだと毎回抜けた毛の掃除がたいへ……なんて考えてる場合じゃない!
このままじゃ串刺しになる人数が増えるだけだぞ!
クリ(ああ、やっぱりグレイズで合っていたのか。)
ギ「ここは僕が!」
グレイズの腕をつかむギズモ
だが犬耳の生徒へと戻ったグレイズはなけなしの力を振り絞るも、ぱっと手を放してしまう。
慌ててもう一度ミルクを掴むも、そのまま足がもつれてずるりとずっこけてしまった。
持つべき物は優秀な使い魔なり。
再度の大ピンチを助けてくれたのは、
ヴァンエレンの使い魔コウモリたちとギズモでした。
ミル「あ、危ない所だった……。みんなありがと…」
アナ「ゆーしゅーな友達がいてミルクは幸せだなー。お姉ちゃんも嬉しいぞ♪」
ミル「妹が困ってる時に助けてくれる、優しい姉も欲しかったっつーの…」
ヴ「あわわ。
今度は私が助太刀に入りますぞ!」
使い魔を出してドラゴンからマオを救出したときと同じく、リリアーナの服を引っ張って空中を飛ぶ。
穴から脱出させて難を逃れた。
ヴ「気をつけてくれリリアーナ。
正直、こっちの心臓がもたん」
あうあうあう、と意味不明のことを言いながら、こくこくうなずくリリアーナ。
死に直面したショックからまだ抜け出せないのか、全身ががくがく震えている。
ミシ「この調子だと大岩に毒蛇も有り得ますね」
ミル「えええええ、ヤな事言わないでくださいよ先生…」
フリ「危ないですわねえ・・・・・いっそのこと地面を凍らせて安全な道を作りながら進もうかしら?」
だがその方法では魔力の減りが激しく燃費の問題に突き当たる
ヴ「スベってしまって前へ進むのは大変ではないのか?」
フリ「それともこの*10フィートの棒で地面を突付きながら歩くのも良いかもしれませんわねえ」
胸の谷間から長い棒を取り出すフリージアさん
フリージアさんの胸の谷間には魔方陣が刺青されておりその魔方陣は実家の簡易異空間
通称”物置”に繋がっているのである
今まで色々と胸の谷間から出てきたのはこういう仕組みだったのである
10フィートの棒・・・・それはD&Dの基本アイテムでありぶっちゃけるとただの棒である
フリ「それより僕は罠に引っかからないようにちょっと浮かびながら進めば良いと思うよ」
アナ「お前天才だな!よし、この先は全員ちょっと浮かびながら行くぞー!ぷぷぷ♪」
アホ姉がにやにや笑いながらあたしの方を見てるのは、飛べないのを知ってて楽しんでるにちがいない。
くそー、自分はいつでもちょっと浮いてるからって、いい気になりやがって……
フリ「ギズモちゃん!誰もが空を飛べるわけではないのよ!!」
ミル「どーせあたしは空飛べませんよーだ。ぶつぶつ…」
雪の結晶を使えば空を飛べるフリージアさんは自分を棚に上げてギズモに注意するのであった
リリ「・・・・・・・ん?」
リリアーナは首を捻った。何か大事な事を忘れている気がする。
確かに全員飛べれば床にあるトラップは全て回避できるだろう。
だが、
クリ「トラップは床だけとは限らん。
壁にもスイッチがある可能性もある。
たとえば・・・この辺とかな。」
そう言って近くの壁を指す。
ヴ「あ、ほんとだ」
ミル「これって罠のスイッチなの?」
クリスが指さす先、壁の一部がやや出っ張っている。
これにうっかり触るか当たるかしたら、さっきみたいに罠が発動するってか?
リリ「ええ?どの辺が罠なの?よく分からないな~・・・・・・うわっ?!」
うっかりよろめいて、あやうく壁のスイッチを押しそうになったリリアーナ。
幸い今回は、グレイズのおかげで事なきを得た。
リリ「ははは・・・・・・ごめんごめん」
リリアーナは引きつった笑みを浮かべつつ、今度はそ~っと慎重に壁から離れた。
リリ「ところで、そのカバンの中のお人形かわいいねえ。おまけにしゃべるんだね。
口調やしぐさまで本人たちに生き写しじゃない。
眼鏡や髪型まで再現されてるみたいだけど、グレイズが作ってあげたの?まさかパンツとかも?」
リリアーナは気まずさをごまかそうとしたのか、現状にそぐわない質問をした。
ミル「…なんで避難路にこんなに罠が仕掛けてあるんだ…」
「避難する方は自力か乗り物で空を飛ぶからな。
歩いて罠にかかるのは自動的に侵入者しかおらぬからのう」
ニャンコ先生の解説はわかるけど、それにしても過剰防衛でしょ…
ミシ「ふむ。どちらも現実的でない。ですか……」
ミシェルは言いながら、ボンヤリと先へと続く道を見つめている。
ミシ「発想は悪くなかったですよ。
それより、行きましょうか。いつまでもここにいても仕方がないでしょう?
下手な手が打てないのならば、真っ正面から突破するしかない」
出来るなら飛べない人数分天使を出して運びたい。けれど、今の彼にはその余裕はない。
ミシ「理想としては誰かが先行してトラップを潰しながら進み、その他はその後を行く」
ミシェルは授業で生徒に問題を解かせる前のように、皆に視線を送る。
ミル「まあ…それが一番っぽいですかね…フリージアの出してきた棒もあるし」
誰にしましょうかね~?という心の声まで聞こえてきそうだ。
ミシ「天使先生が生徒の自主性を育めとうるさいので、ここはひとまず君たちに任せてみます。
まずは公平に立候補ですね。誰かやりますか?」
クリ(・・・剣を持ってきているとはいえ魔力はほとんど残っていないし、メインは魔銃の遠距離攻撃だからやりたくないな。)
ミシ「誰もいないなら誰か適当に私が選びますから、悪しからず」
とは言うが、教師以外なら誰が行くにしろ、ついて行ってやろうと決めている。
さすがに自主性よりも安全だろう。
アナ「自主性っjて大事だぞーぷぷぷ♪」
アホ姉はそれを聞きながら相変わらずのにやにや笑い。
くっそー、それくらい自分でやれよな……って、まてよ。
ミル「はい!じゃああたしがやります。この棒借りるね、フリージア」
びしっと手を挙げて立候補。
おー。と驚いた顔をするアホ姉は置いといて、フリージアから10フィート棒を借りる。
フリ「何の変哲も無い棒だけど意外と丈夫ですわよ」
誰もそんなことは聞いていない
ギ「どれぐらい丈夫なの?」
と質問するギズモ
フリ「養殖ユグラルドシル製だからそこらの木の枝の100倍は丈夫ですわ」
所詮養殖物なので魔法の杖には出来ません
リリ「でも、大岩とか毒蛇のトラップ発動したら、10フィート棒じゃ回避は難しい気がするなあ・・・・・・」
ミルクがフリージアに棒を渡している頃。
リリアーナはリリアーナで、ヴァンエレンの元にひょこひょこ近づいてきた。
リリ「さっきは助けてくれてありがとね。
そう言えば、蝙蝠って暗闇でも平気なんでしょう?
この先どうなってるか、あなたの使い魔に調べさせることって出来るかな?
ヴァンエレンにマオマオ、どう思う?」
マオ「……なんで僕に訊くんだ?ヴァンエレンの使い魔なんだぞ、僕は知らん」
ヴァ「暗闇でも大丈夫だから飛べる蝙蝠たちが斥候には有利だね。
でも罠とかにはまっちゃったらと考えると…あまり行かせたくないのだよ」
リリアーナは二人の返答を聞いた後、ヴァンエレンの袖を引っ張った。
リリ「何かマオマオ、様子がおかしくない?もしかして乗り物酔いなのかな?
それとも、罠でいっぱいの地下道歩くのが怖いのとか?」
ヴ「はて・・・そうかな?」
マオを見てみる。
言われてみればそうかもしれない・・・のか?
リリアーナはうーんと腕組みをしていたが、ピコーンと何かが閃いたようだ。
リリ「そうだわ、そうよ!安心させてあげればいいんだわ!
ヴァンエレン、あなたマオマオに、何も心配しなくていいって言ってあげるのよ。
いい?こうやって肩を抱いて、ここをこうした後は・・・・・・」
リリアーナはヴァンエレンの手を持ち上げると、自分の肩に置かせた。
そしてぐいっと自分の耳元に顔を寄せるように引き寄せる。
リリ「こうやってマオマオの耳元でね、
『何の心配もありません。あなたの事は、このヴァンエレンが全力でお守りします』って囁いてあげるのよ!
これできっとマオマオも元気百倍になるよ~!」
ヴ「ふむふむ。
それをすることでマオが元気になるなら、そうしよう」
マオ「おいそこの二人何してるんだ!!ヴァンエレン、お前は僕の使い魔だろ!!こっちに来い!!」
とうとう我慢の限界が来てヴァンエレンの耳を引っ張りリリアーナから引き剥がす。
リリ「はーい。じゃあヴァンエレン、ファイトよ!」
リリアーナは『がんばれ!』とガッツポーズをし、マオに連行されるヴァンエレンを笑顔で見送った。
ミル「それじゃ、あたしが先頭に立ってバシバシ罠チェックしながら歩くから。
みんなは後ろから罠のありそうな場所のフォローとか、見つけ損ねた罠の解除とかよろしく。
うーし、やるぞー!!」
ヴ「だ、大丈夫かの?」
フリ「お~ほっほっほっほっほ!爆発物はお任せなさいな!!」
物の本によると爆発物は解体するより凍らせると手っ取り早いらしい
ギ「狭い所は僕が何とかするよv」
リリ「じゃあ私は、心の底から応援するからね~」
ミル「うわー、みんなの応援が心強いなーっと」
一発気合いを入れ直し、ミルクはバシバシと床を叩いたり突いたりしながら、避難路を奥に進み始めた。
とにかく前進を決めたムウ大陸探検隊についていこうと、ニャンコ先生は猫型ゴーレムを動かす命令を出した。
「わしの言うことを聞けーっ!!」
ニャンコ先生の号令にあわせて土砂の山が光とともに少し揺らぐ。
だが中からゴーレムが出て来ることはない。
リリ「先生・・・・・・・」
それはちょっと無理じゃないかと思ったが、間違っても彼女がそれを言えるような立場ではなかった。
「ぐぬぬぬぬ…是非も無し、ここは残ってパワーを溜めるか…」
リリ「ごめんなさい、皆」
がっくりくるニャンコ先生は、リリアーナに小さな招き猫を渡した。
「わしは、ここでゴーレムどもに力を蓄えるのに専念しておる。
だからこの先はついて行けぬが、代わりにこれを渡して置くぞ。
握りしめれば離れていてもわしと会話ができるから、有効に使うがよい」
リリ「ありがとうございます。わあ、かわいい~。これ、私が預かってていいのかな~?」
リリアーナは礼を述べると、いそいそとニャンコ先生から離れ、招き猫を握り締めてひそひそ囁きかける。
リリ「あーあー、通信テスト中。ニャンコ先生、聞こえますかどうぞー」
「うむ。よう聞こえておるぞどうぞー」
感度は良好のようだ。
一方上機嫌で歩き出したアナスタシアは、なにを思ったかつつつとクリスの所に寄っていく。
アナ「お前見かけによらず大胆だなー、暗がりであんな所触るなんて先生感心しちゃったぞ♪
でもあんまりやりすぎるとバレて人生終わるから、ほどほどにするように。以上♪」
クリ「っな!!」
アナスタシア先生が見ていたということはあの出来事はやっぱり事実のようだ。
けどあれは事故のようなものであり、第一原因となった反動もドラゴンをひるませる為に仕方のないことだ。
というかアナスタシア先生もその時の一撃でドラゴンから逃げてこれたんじゃないか!
アナスタシア先生に何か言おうとしたが、その前にリリアーナと目が合ってしまった。
もし地下道でなかったら顔が真っ赤になっているのを見られただろう。
リリ「ねえクリスさん、そういえばさっき一目で壁の罠に気づいたよね?
もしかして、トラップとか見破るの得意な人?」
クリ「・・・得意、というか自分でもトラップを作っているからな。
作ったものと似たパターンがあればそこそこ見破れると思う。」
そのかわり見たことのないタイプは気付かないと思うが・・・
リリ「すっごーい!ああ、そっか。そう言えば昨日、ドアノブに細工したアレもトラップの一種だもんね。
・・・・・・あれ?じゃあ、ミルクよりクリスさんの方が罠回避スキルは長けてるんじゃないの?」
リリアーナは長い棒を振り回し、罠を探しているミルクを指差した。
リリ「ミシェル先生、お疲れで無いですか?
良かったらこれをどうぞ」
リリアーナは薬草を取り出し、ミシェルに渡した。
リリ「地下だと、やっぱり例の建物の方角とか位置とか分かりにくいですよね?」
その後、リリアーナはフリージアに対する先ほどの違和感の正体に気づいたようだ。
リリ「ねえフリージア、さっきトラップに落っこちた私のために、穴を氷で塞ごうとしてくれたよね?
空飛ぶ氷の結晶って、もしかして地下じゃ使えない・・・・・なんて事、無いよね?」
フリ「使えないことは無いけど・・・この狭さじゃ頭ぶつけますわよ」
どうやら細かい高度の調整は苦手のようである
ギ「くすv」
ギズモは頭を天井にぶつけるリリアーナを想像した
フリ「それに人を乗せて飛ばすには直径2mは必要ですわ
この狭い地下道で身動きが取れればいいのだけれど・・・・・」
多分それは無理だろう 洞窟でハルバードを振り回すようなおろかな行為である
リリ「やっぱり無理か~。
まあそうよね。壁や天井に氷の結晶がぶつかるたびに、トラップ発動するのも嫌だもんね」
フリ「あともうひとつだけ私が空を飛ぶ方法があるのだけれど・・・・ 」
リリ「えっ、何それ、そんなのあるの?!」
フリ「まあそれはともかく先に進みましょう!!」
リリ「ええ~?!なになに?フリージア空飛べたの?どうやって?
そのあたり、詳しく聞きたいよ~」
フリ「お、お~っほっほっほっほ!」
笑って誤魔化すフリージアさん
よっぽど恥ずかしいのであろう
ちょっとモリガンっぽくなるだけだというのに
ミル「まあ、なんにしてもあたしたちは飛べないんだけどね…」
アナ「ひがんでも空飛べるようにはならないぞミルク♪
そーだ、罠探しが大変そうだから、お姉ちゃんが記録映像の撮影ぐらい手伝ってやろうか?」
ミル「そりゃどーも……」
いかん、のんびり罠を探してアホ姉を苛立たせる作戦のはずが、こっちが疲れてきた。
リリ「ミルク、疲れてない?私でよかったら、そろそろ交代しようか?」
こりは速くなんとかしないと……と、思っていた時だった。
暗闇の中から、女の悲鳴が聞こえてくる
クリ(・・・他に誰かいるのか?
音の反響も考えると結構遠そうだな。)
ミル「今の…悲鳴!?女の声みたいだったけど!
急いで行かないと、アイシャやメイレンさんだったら大変じゃないの!?」
クリ(とりあえず今すぐ走りだしそうな奴だけは確保しておくか。)
クリ「むやみに走って行こうとしてどうする。
地下道が罠だらけなのは十分体験したはずだろ。
今は落ち着いて行動するべきだ。」
ミル「う。それはそうだけど」
マオ「とりあえず一番暴走しそうなリリアーナはとまれよ。 」
リリ「でもマオマオ、早く助けに行ってあげないと~!!」
マオ「お前は罠に引っ掛かるという才能もあるんだからな。
いや、それともお前だけ走って行って全部罠を誘発させて安全な道を切り開くか?」
リリ「ご、ごめんなさい・・・・・・・・。」
もっともな正論がぐさぐさと胸に突き刺さる。リリアーナには返す言葉が無い。
シュンと肩を落とすリリアーナを見て少し言いすぎたと思ったが、
少し前にリリアーナとヴァンエレンのヒソヒソ話を思いだして
腕を組みフンッと鼻を鳴らしてリリアーナに冷たい視線を送る。
フリ「この悲鳴だって怪物の擬態かも知れませんわねえ」
リリ「あっ!そうか、そうだよね。えーと確か・・・・・・プリン・・・ミック・・・えっと・・・何だっけ?」
マオ「とりあえず罠に引っ掛かりにくい奴を送ってみたらどうだ?
ヴァンエレン、使い魔を数匹送り込めるか?蝙蝠だし暗闇でも大丈夫だろ?」
ミルクから記録石を受けとった後、パシャパシャあちこちを写していたアナスタシアはすっかり退屈そうだった。
代わり映えの無い石畳の通路と、罠を調べながらの牛歩に飽きたのだ。
リリ「とにかく!罠かどうか分からないけど、こうなったら一刻も早く進むしかないよね!
クリスさんトラップの専門家なんでしょう?その眼力、期待してるよ~」
ヴァンエレンはリリアーナに教えてもらった元気百倍アソパソマソな台詞を呟く。
ヴ「何の心配はありませんよ。
あなたのことはこの私、ヴァンエレンが全力でお守りいたします」
ヴァンエレンの こうげき マオマオに ぜったいれいど!
マオ「…あ、当たり前だ!お前は僕の使い魔なんだからな……ちゃ、ちゃんと守るんだぞ」
恥ずかしさを隠すためにそうヴァンエレンに言ったものの、
ヴァンエレンと近すぎるせいもあってか顔は真赤で心臓は高鳴っている。
しばらくして斥候に行った使い魔の蝙蝠たちが戻ってきた。
ミシ(やるなぁ…………)
ふむふむと一言二言ヴァンエレンに伝えた後蝙蝠はマントに消える。
ヴ「この先は不自然なほどに罠がなくなっているそうだ。
そして広い空間が広がって祭壇みたいなものがあるそうだ」
クリ(それ、どう考えてもトラップか守護者(ゴーレムとか)が隠されているぞ。
しかもシャレにならないくらいレベルの高い奴が・・・ )
ミル「って事は、とりあえず悲鳴を上げたのはアイシャやメイレンさんじゃないって事ね。
そうすると、あれは誰の悲鳴だったんだろう。
設置された罠が無いのも不自然だし…待ち伏せの罠?」
クリ(ミルクの言う通り待ち伏せの罠の可能性が高い。
- まだ使いたくなかったが、魔力回復薬を飲んでおくか。 )
退屈していたアナスタシアは、戻ってきた蝙蝠たちの報告を聞いて大喜びする。
アナ「悲鳴と謎の祭壇とくれば、生け贄にされる美女の悲鳴だぞ!
よーしみんな私に続けー!とつげーき!!」
背中に全身を覆うほどのサイズの光の羽を作り出し、アナスタシアは猛スピードで奥へ飛んでいった。
ミル「あっ!ちょっと待て1人で先走るな!」
リリ「生贄?!大変!わー、先生待って~!!」
マオ「こ、こいつら……」
考えもなく走っていくリリアーナ達を見て頭を抱える。
もしたどり着いた先に罠とかがあったらどうするんだ。
溜息をつきながらリリアーナ達を追いかける。
ミル「あーもう!これじゃどっちが引率かわからないだろ!
とにかく、ここはヴァンエレンの使い魔情報を信じてアホ姉を追いかけよう!
もし見落としてる罠があったらマズいから、注意しながらね!」
クリ(って人が魔力回復薬出している間に先に行っちまったよ。
本当にトラップの危険性を考えているんか? )
(145で〆)
最終更新:2009年07月07日 17:23