メイド「いやあぁぁぁっ!!、誰か助けてください~!!」
広い場所には祭壇があり、その上にはメイド服姿の少女がいて、黒マントの男に襲われていた。
男を押し返そうとする少女の手には、銀色の玉が握られている。
アナ「祭壇の上で謎の少女を襲う黒マントの怪人だ!
喜べミルク!これはポイント高そうな場面だぞ~♪」
黒「へ、変態……?」
青『変態だな』赤『変態じゃね?』
思考は似通うところがあるのがまた不思議な3人組であった。
広場に一番乗りしたアナスタシアは、悲鳴も状況も無視して記録石を使い始めた。
メイド「はわわわ~っ!!助けてくれないなんて酷いです~っ!!」
ギ「た、大変だよ!助けなきゃ!!」
慌てるギズモ
フリ「落ち着きなさいな!もしかしたらプリンセスミミックの一種かも知れませんわ!!」
プリンセスミミックとは怪物に襲われる少女に擬態してそれを助けようとする冒険者を捕食する危険な存在である
フリ「まあ・・・どちらにせよとりあえず男の方をみんなで取り囲んでリンチ・・・もとい死なない程度に懲らしめて
襲われてるメイドも正体が怪物だったら一緒にやっつければいいだけですわね」
ヴ「ひぃ・・・ご、ご主人。
フリージアが怖いのだが?」
フリージアさんまじで外道
ギズモとどっちが悪魔だかわからないぐらいである
まあこれはフリージアさんの身内と友達以外はわりとどうでもいいという価値観によって導き出されたもので
ある意味仕方がないと言えるだろう
フリ「とりあえずこれで頭を冷やしなさいな!!」
フリージアはいつものように身の回りに防御用の雪の結晶を大量に浮かべると
攻撃用の相手を凍らせる雪の結晶を二、三発男に向かって投げつけるのであった
人は見た目に寄らないものもし逆に少女の方が怪物で男が正義の味方だったとしても
これなら殺さずにすむ
間違っていてば謝れるのである
リリアーナが到着した時、氷の結晶を食らった黒いマントの裾がみるみる凍り付いていく。
リリ「あなた方、ここで一体何をしているんですか?
よく分かりませんが、とりあえずその・・・・・・人の嫌がる事をしたらいけないと思います!!」
状況が全くわからないリリアーナは、とりあえず思いついたことを口にした。
マオ「こいつは本気で言ってて面倒だから早く謝ったほうがいいぞ」
その時、男の体は爆発的に膨れ上がって、そこから無数の蝙蝠が飛び出した。
マオ「これは……蝙蝠か?」
集まって擬態してたのか…どおりで反応がないと思った。
しかしどうするかな……鳴き声から察するに敵意むき出しだ。
凍りついた少数の蝙蝠を見つめながら
ヴァンエレンはボソリとつぶやく。
ヴ「吸血鬼ではない…」
なきにしもあらず。
ミル「うわわわっ!なんだこれ!!」
キイキイと耳障りな音を立てて飛び交う蝙蝠の群れの下に、男の姿は無い。
そのかわりに凍りついた蝙蝠が何匹か転がっている。
さっきの男、蝙蝠の群体だったのか!!
リリ「・・・・・・ん?何?この音は??」
広場の入り口に立っていたリリアーナは、遠くから変な音が近づいてくるのに気づいた。
リリ「ねえ皆、何か変な音がしない?あっちの方から」
リリアーナは入り口に立ち、通路の奥のほうを指差した。
リリ「ほら、だんだんはっきり聞こえてきた。まるで太鼓みたいよね?」
リリアーナは音の正体を探るべく、宙に浮いたランタンを、通路の奥のほうへと飛ばしてみた。
そこで目にしたのは――――。
リリ「嫌――――っ!!蜘蛛!蜘蛛、蜘蛛――――!!!」
リリアーナは震え上がった。
マオ「馬鹿、変に叫んで蝙蝠達が刺激でもされたらどうする……!?」
ヴ「げぇ!スパイダーマ!?」
それはまた違うものです。
ミル「蜘蛛くらいで大袈裟な!こっちは蝙蝠がいっぱい…って、ジャイアントスパイダー!?」
ジャイアントスパイダーは割と有名なモンスターで、ようするに巨大化した蜘蛛のこと。
知能は無きに等しいけど、いつも腹ペコで獲物を毒や糸で捕まえて食べる凶暴な奴。
もちろん人間だって連中から見たらご馳走だ!
ミル「こんにゃろーっ!でかいだけの蜘蛛なんざ怖がると思ってるのかーっ!!」
さて、ミシェルは今回の対処に百科全書はあまり使わないことにした。
いかに巨大だろうとたかがクモ、頭上には大蝙蝠とそれに従う蝙蝠たち
生徒が何とかするだろうから彼はそのフォローに回るつもりだ
逃げるなら殿、潰すなら遊撃。ブルって立ちすくんだら自らクモ退治
最後の場合は、いささか生徒としては残念だと思うが………
リリ「キャ――――!!キャ――――!!キャ――――!!キャ・・・・レ、レベッカさん?!」
脱兎のごとく逃げ出そうとしたリリアーナだったが、大蜘蛛の頭に光る物に気づき、何とか踏みとどまる。
(足ががくがくしてるのはご愛嬌である)
クリ(なんだ、あの変態槍もどこかにいるのか? )
ミル「へ?レベッカって…」
メギドの照準を合わせていた大蜘蛛の頭、そこに刺さってるのは見覚えの槍。
いやいやいやまさか、そんな都合よくレベッカが刺さってるなんてねえ?
あれはきっと槍違いに決まって…
レヘ「よう、リー。やっと会えたな。みんなも無事みてーでなによりだ。」
刺さってたー!!
クリスは、声が聞こえてくるのが槍からだと気づいた。
マオ「何言っているんだ!どう見ても無事どころか危険な状態だ!!」
相変わらずのレベッカに僕は大声を出す。
ミル「あ、あ、あ、な、な、な……」
あんたなんでそんなとこに刺さってるんだとの言葉が、驚きで切れ切れになる。
代わりに、リリアーナが聞きたかったことを代弁してくれた。
リリ「な、な、何でそんなところに刺さってるのよ~?
まさかと思うけど、その蜘蛛ってレベッカさんのお友達なの~?」
レヘ「いんや。俺は今大蜘蛛にさらわれた悲劇のヒロインをやってるところだ。
ここでブルースが助けにきたら完璧だけど、猫車に乗ってないんだから来れるわけねーけどな。」
なんという生兵法。
リリ「そんな場合じゃないでしょ――――!!」
そう叫び返したリリアーナだが、レベッカの言葉に少し落ち着きを取り戻したようだ。
リリ「とにかく、いったん祭壇のある場所まで下がりましょう。
この状況で悲劇のヒロインなんぞ演じて何の得があると思ってるんだ。
ミル「とにかく、これであたしは蜘蛛にメギドを撃てなくなったわけか…」
撃てば槍レベッカまでぶっ飛ばしちゃうから、図らずも人質を取られた形になったわけだ。
マオ「面倒だからもうメギド撃たないか?悲劇のヒロインやってるみたいだし悪い気分じゃないだろう?」
とはいったものの……本当に撃つわけにはいかない。
「“愛しい人”はわしらのもんだ…わしらのもんだよー!」
大蜘蛛のお腹が膨らみ、無色無臭のガスが噴出した。
このガスの正体は、体内の水(H2O)を分解して精製した酸素(O2)である。
意外かもしれないが、高分圧の酸素を長時間吸引すると酸素中毒を起こし、
激しい痙攣を発症して最悪死亡する危険性があるのだ。
地下道は地上よりも気圧が高い。
祭壇にいる者達はともかく、逃げ場の無い地下道にいる者達には脅威だろう。
誰よりも速く行動を起こしたヴァンエレンはこうもりに化けてマオの後ろに隠れてしまった。
リリ「な、なんかイヤ~な音がするんですけど・・・・・・」
ミル「今あいつ何出したかわかる人いる!?毒ガスじゃないの!?」
マオ「蜘蛛は通常牙から神経毒を送り込む。毒ガスではない……と思う」
ミル「毒ガスじゃないなら大丈夫か……かといっておならでもないだろうし、なんなんだ…?」
正直なところ、自信はない。
リリ「じゃあただのオナラ?特に匂いはなさそうだけど。
そもそも愛しい人って誰のことなのよ?!誰か心当たりは無いの?!」
どうやら黒い衣の怪人は、たくさんの蝙蝠が集まって出来ていたようである
フリ「ヴァンエレンさんの同類かしら?」
吸血鬼と蝙蝠の怪人はぜんぜん違います
メイド「た、助けてくださってありがとうございます~!」
フリージアの攻撃で男が蝙蝠の群れに戻ったため、メイド服の少女は自由になって逃げてきた。
メイド「この球を祭壇から持ってきたら、急にあの男の人が襲いかかってきたんです~!
わ、私もう駄目かと思っちゃいました~!」
少女の手にはしっかりと銀玉が握られている。
見た目や仕草では見破ることは出来ないが、魔力や生命力などの違いでわかる人もいるだろう。
彼女は精巧に造られたゴーレムだ。
フリ「それってあなたが悪いんじゃ・・・・・」
ギ「窃盗は犯罪だよお姉ちゃん・・・・」
「“愛しい人”はわしらのもんだ…わしらのもんだよー!」
クリ(盗人ってなあ、そこのメイド服は知らんが俺らはなにも取ってないぜ。
ミル「えっ!?上から声!?」
見上げれば、天井からぶら下がるでっかいでっかい蝙蝠の親玉が。
「阿呆な盗人は死んでしまえい!」
大蜘蛛が酸素を噴出すると、それに呼応するように天井から声がした。
見上げれば無数の蝙蝠を従える大蝙蝠が見えるだろう。
「これで終わりじゃあ!」
大蝙蝠が呪文を唱えると、大量の火矢が出現して下に降り注いだ。
あたしたちを盗人認定した親玉は、魔法を使って大量の火矢を撃ってくる。
ミル「ひえええっ!?助けてフリージア!」
まともな防御法のないあたしは慌てて、近くにある安全地帯、つまりフリージアの側に逃げ込んだ。
降り注ぐ大量の炎の矢
クリ「グレイズ!!
蜘蛛の方を頼む!!」
氷のカートリッジを魔銃に装填しながら要請する。
大量に矢を降らせようと当たるのは一部のみ。
そこを防げばしのぐことはできるはずだ。
まずは自分に当たりそうな矢から撃ち落とそうとトリガーを引く、のだが・・・
クリ「・・・あれ?」
普段なら氷の弾が出るはずが、なにも出てこなかった。
ミシェルはシールドを頭上に張り、シールドの表面に動きをつけて当たった矢を自分の周りに刺さるよう工夫した。
リリ「わ――――!!『来たれ、ロックバスター!!』」
リリアーナは召喚した銃を使い、自分に飛んできた火矢を打ち落ちした。
魔銃の故障に気を取られ、炎の矢の接近を忘れていたクリスは
クリ「熱っ!!」
降ってきた炎の矢があたり、服に引火する。
これ以上被害を被らないうちに、急いで上着を脱ぐ。 (髪も少し焦げているが気付いていない)
もし魔力の入った特殊繊維の服でなかったら、今頃火ダルマとなっていただろう。
フリ「こんなこともあろうかとこんなこともあろうかと
あらかじめ雪の結晶を大量に作っておきましたわ!!」
周りに浮かべてあった防御用の雪の結晶はフリージアを自動的に守る
下は何とかなりそうだ。なら上は?
取り敢えずの解決策として
ミシ「アナスタシア研修生、生徒のフォローを任せました!!」
と上を指差しながら天使先生に指示をとばす。研修過程である事を盾にというのは
少しばかりズルいやり方ではあるが、これくらいはしないと彼女に指示はとばせそうにないから仕方ない。
アナ「え~私がするのか?仕方がないなー、ちょっとだけだぞ?ほい!」
アナスタシアが空に向かって天使の輪を投げ上げると、輪は大きくなって投げ輪のように蝙蝠の動きを封じた。
「ぬわ~っ!な、なんじゃこれは~!?」
大蝙蝠が慌てて抜け出そうとして暴れても、輪は外れない。
逆に飛べないのに暴れた大蝙蝠は、ドサリと下に落ちてきた。
蝙蝠が混乱して暴れている間は危険は無いだろう。
フリ「フリィィィィジング!シィィィルド!ラァァイ!!」
シールドを貼っているフリージアに、ギズモが話しかける。
ギ「このお姉ちゃんを素直に引き渡した方が早くないかなお母さん?」
フリ「多分相手は人間を餌ぐらいにしか思ってないですわ
いまさらそんなことしても無駄だと思いますわよ」
ギ「そうだ!ヴァンエレンさんなら!ヴァンエレンさんなら蝙蝠を説得してくれるよ!!」
え~という顔をするフリージアさん
ヴァンエレンに過剰な期待を寄せているギズモだが、確かにこんな状況なら頼りたくもなる。
ヴ「えぇ?私がいくのかい?」
マオ「というわけだヴァンエレン、説得することができるか?
フリージアに任せてると天上とか破壊しそうだからな……」
ヴァンエレンに尋ねながらMagnetic forceで向かってくる火矢に磁力を与えて自分から逸らし続ける。
ヴ「うう・・・ご主人がそう言うならそうしよう。
がだ過度な期待はしないでね?」
その時、蜘蛛の方にいった数本の火矢の火炎が急激に強くなり色が青く変わる。
マオ「………まさか…いやそうか…」
無色無臭で、炎を近づけると急激に…あの噴出したガスの正体が分かったぞ!
マオ「待てグレイズ!おいミルク、奴のガスの正体がわかったぞ。
おそらく噴出したガスは高圧の酸素だ。さっき方向を変えた火矢が色を変えたことからも分かる。
高圧の酸素は吸い続けると失明したり最悪死ぬ可能性もある。ならば拡散燃焼させてやればいいんだ」
ミル「酸素?酸素って治療に使うやつでしょ、なんで酸素吸って死ぬのよ。
それに拡散燃焼ってどうやって…」
マオ「要するに!炎をぶつけてやればあのガスは無力化できるかもしれないってことだ!」
ミル「それならごちゃごちゃ言わずに最初からそう言えってのーっ!」
グレイズは7割方理解しているようだが、あまりピンと来ないらしい。
Bは『なるほど……』とつぶやき、Rはいわずもがな。
黒「ということは……Rの出番だね。R!」
赤『俺の出番か!おっけーまかしんしゃい!』
体は犬耳が引っ込み黒から赤毛へ。人形は赤から黒の髪の毛に変わり、犬耳が生える。
何もわかってないグレイルの登場だ!
そして僕はグレイルに代わってもらうようにグレイズに頼み。
グレイルとミルクに適当にレベッカに当たらないように弱めに火の魔法を連発するように指示する。
マオ「隙ができたら身体能力の高いグレイル、お前がレベッカの槍を引き抜け。
槍が抜ければミルクも思う存分魔法が使えるだろ?」
赤「いえーっさー!頼りになんなーマオマオ!んじゃいっくぜー、“飛び出せ火の玉、俺の前方に”ッ!!」
言われたとおり、蜘蛛の周り目掛けサッカーボール大のファイヤーボールを次々撃ち出していく。
どっちかというとあの変態は放っておきたいがリリアーナがうるさいだろうしな……
フリ「蝙蝠はそれで何とかなるとしても蜘蛛はどうしますの?」
蜘蛛には炎が有効だと思いますけどそれだとレベッカさんの体も燃えてしまいますわ」
スライムとか蜘蛛の糸とかなんかねばねばしてるやつは燃やしとけというのは母の教えである
ついでに言うとフリージアは炎の魔法は使えないのであんまり意味が無い教えでもある
レベッカが逆アンパンマンで穂先さえ残っていれば大丈夫というのならフリージアはためらい無く
胸の谷間からドワーフの黒い水(ジルべリアで採れる原油)の入ったビンを取り出し
蜘蛛にぶつけ誰かに炎の魔法を使わせ焼き殺し
そして後で何事も無かったかのごとく10フィートの棒と合体させるだろうが
まあそんな都合のいい話があるはずも無く・・・・・・
フリ「そっちがそうくるなら全力で反撃させていただきますわ!ファンネ・・・じゃなかった
フリィィィィジング!カッタァァァ!!」
新たに攻撃用の雪の結晶を大量に精製し反撃をするのであった
「あぁあー!?」
フリージアの雪の結晶を蜘蛛の足にぶつかり、切断とまではいかなかったが大きく裂けた。
青い血が流れるが、それでもなお、大蜘蛛の機動力を削ぐには至らなかったらしい。
ギ「お姉ちゃん人のものを盗むのは犯罪だよ!
だからそんな目にあうんだよ馬鹿なの?死ぬの?」
その横でメイド少女をSEKYOUするギズモ
フリージアの陰に隠れていればだいたい安全であるためか態度が大きい
メイド「犯罪だなんて酷いです~!
それに!私は馬鹿じゃありません~!!
そりゃドジとか言われたり失敗する事もありますけど…私だってやるときはやるんですから~!」
ギズモの説教に、メイド少女は顔を真っ赤にして必死に言い返した。
フリ「フリージングドールマリオネット!ドリルブリザァァァド!!」
フリージングドールを生み出しドリルブリザードで攻撃するフリージアさん
「痛いのはだめーん!」
大蜘蛛は巨体に似合わない俊敏さで飛び跳ね、
ドリルブリザァァァド!!を避けつつ祭壇の壁に張り付いた。
フリ「おっぱ・・・・・ごほん!フリィィィィジングミサァァァイル!!
フリージングドールのおっぱ・・・もとい胸部装甲が外れて大蝙蝠めがけて飛んでいく
その時、大蜘蛛のお腹がしゅっと縮んだ。
「どかんといくよー!」
フリ「な、んですって・・・・・」
フリージングドールのおっぱいが、フリージングドールのおっぱいが、
大蜘蛛の前で起きた破裂音と共に砕けた。(大事な器官なので二つあります。)
ギ「ああ!?お母さんの人形がリリアーナお姉ちゃんみたいな胸に!?」
余計なことを言うギズモ
きっとあとでお仕置きである
大蜘蛛は水(H2O)を分解して酸素(O2)を生成した。それと同時に、
体内には水素(H2)が溜まっていたのだ。水素は可燃性のガスである。
それを目前に転移させ、電気刺激を加えるとどうなるのか?
水素が酸素と結合…すなわち爆発的な燃焼と共に水を生じさせるわけである。
マオ「まさかあいつ!水素爆鳴気現象を!?」
確かに高圧の酸素を作り出す過程で大量に溜まっていくものは水素だ。
だがそれを逆に活用するなど、ある程度の知能を持ってないとできない芸当。
いや言語を解することを考えたらそのぐらいの応用はできて当然か……
今回砕けたのはフリージングドールの胸部装甲だったが、
これが人間だったらどうなっていただろうか?
リリ「だめだよマオマオ、いくらグレイルの身が軽いからって、あんな攻撃まともに食らったら死んじゃうよ! 」
マオ(あのかなりのスピードを持つフリージアのおっぱ……胸部装甲を狙って落とせるんだ。
相当精確だな……転移範囲はどのくらいだ?いますぐこっちに放ってこないということは
ここまではとどかないのか……? )
ねえクリスさん、トラップ作りが得意ってことは、魔道工学科だよね?
何か役に立つ道具とか持って無いの?」
クリ「とにかく槍を抜けば蜘蛛を何とかできるんだろ?
だったらマオの磁力魔法で反発させることはできないのか?」
もし槍と蜘蛛を別々に帯電させることができたら槍を抜くことができるだろう。
それがだめなら直接抜きに行くしかない。
「あいつら魔法使いだよー…旦那様がこれを見たら何と言うかよー…」
大蜘蛛のお腹がまた膨らみ、高分圧の酸素を放出しはじめた。
今までの状況を考察すれば、お腹の中に水素が溜まっていることがわかるはずである。
赤「そろそろだよなー?もうアレ取ってきていいよなー!」
マオ「グレイル!!ストップ!接近はなし、距離を取るんだ!」
このまま突っ込んでも爆発に巻き込ませるだけだ、グレイルをいったん下がらせる。
飛び出そうとしたところでグレイルは制止される。
ちえーと不満ながら暢気に後ろに下がった。細かい話?この馬鹿が聞くはずもない。
マオがクリスのタリスマンとカートリッジで氷塊を作っているのも暇そーに眺めているだけである。
考えているとクリスが僕の魔法で遠隔から槍を引き抜くという提案をする。
だが……どうなんだろうか……蜘蛛に帯電させたときに水素と反応して爆発を起こすかもしれない。
いっそ僕やリリアーナと槍を引き合わせるよう磁力を発生させるか……?
でも危険なことに変わりはない。それに今はミルクがメギドを使っているから引っ張ってこっちに来る間に燃えたら終わりだ。
かといってメギドで敵の糸を牽制し相手に一定の距離を取らせているのも事実。
ここでやめさせたらそれはそれで危険だ。しかし隙がないわけじゃない。
奴はさっき高圧の酸素を追加させるためにお腹を膨らませた。
水素はおそらくその過程で生まれる。ということはもう一度爆発を起こさせている間に引き抜けばいい。
リリ「・・・・・・・・・・・あっ!あの人!!」
何を思ったのか、クリスと話している最中だというのに、突然リリアーナは走り出した。
リリアーナはメイドの前に回り込むと、両手を広げて立ちふさがる。
リリ「メイドさん、あなたは誰に頼まれてその銀の玉を取りに来たの?
それはどんなもので、何に使うつもりなのかな?
ギズモも言ってたようだけど、いくら遺跡にあるものとはいえ、持ち主がいるものを盗むのは、泥棒だよ。
だから下の場所に戻して。
銀の玉を持ってる限り、あなたはずーっと襲われ続けることになるのよ?それでもいいの?」
リリアーナは断固とした顔で、メイドの行く手を遮っていた。
メイド「ずーっとストーカーされるなんて困りますけど…でも!
この玉を返すなんて絶対にダメです~!
それに!この玉は元は私たちの物なんですよ!
この玉が無かったらお城への道が開かないんですから!!
私、急いでお城に行かないとご主人様に怒られちゃいます~!」
少女はそう言うと、取り上げられると思ったのか、銀玉を抱え込むようにしっかりと持ち直した。
リリ「元々あなたたちの物?お城への道?それっていったいどういう事なの?」
ミシ「一つ、仮説ですが。強力なマジックアイテムが周囲に影響を与えるのはよくあります。
あのコウモリたちはその球体の魔力におかされているのかもしれません」
もしそうだとしたら、そんなに強力なアイテムをどうするのかは訊いたほうがいいかもしれない。
個人の勝手だと言われてしまえばそれ以上は詮索できないのだが。
フリ「昆虫ですらない節足類の癖に生意気ですわ!リロード!!」
内部図解の様なカットインが入り
新しいミサイルが装填され元に戻るフリージングドールの胸
「お前らもあのピンク色の女と同じ目にあわせてやるよー!
あの女もとっくにわしらの子供達に食われてるよー!いい気味よー!」
大量の糸を吐き出す大蜘蛛
捕まったら動けなくなってしまうに違いない
フリ「こうなればフリージングドールを突貫させますわ!!」
ミル「メギド!」
喋りながら大蜘蛛が飛ばしてきた糸を、空中に放った核熱魔法で迎え撃つ。
フリ「やっぱり蜘蛛の巣には炎でしたわね」
糸は焼けるし酸素も減らせるし一石二鳥…なんて言ってる場合じゃない!
ミル(今こいつなんて言った!? )
リリ「えっ?!まさかメイレン様のこと?ちょっと、食われてるってどういう事なのよ?!」
―――― あまりに驚いたリリアーナは、一瞬メイドから注意が逸れてしまった。
前に立ちふさがるリリアーナの注意が逸れた隙を、メイド少女は見逃さない。
メイド「ごめんなさ~い!!」
少女は、リリアーナの横をすり抜けて脱兎のように逃げ出した。
リリ「あっ!!待って!!」
ミシ「余所見はチョーク投げを食らいますよリリアーナくん。
一つの事にもう少しだけ集中しなさいな」
メイドは、リリアーナたちの入ってきたのでも、蜘蛛が来た方でもない第三の通路に飛び込んでいく。
リリアーナは追いかけたが、メイドの足は思ったよりも速かった。
リリ「わーっ!!」
同じ通路に飛び込みかけたリリアーナだったが、運悪くまた落とし穴のトラップを発動させてしまったようだ。
リリ「キャ――――っ?!」
どうやら本当に、トラップに引っかかる才能があるようだ。
リリ「すみません先生、メイドさんを逃がしてしまいました・・・・・」
命からがらトラップから脱出したリリアーナは、消え入りそうな声でミシェルに報告した。
ミシ「いえいえ、無事で何よりです」
しょんぼりしているリリアーナに、ミシェルは柔らかく笑ってみせる。
実際、深追いしてはぐれられても困るというものだ。
ミル「てかレベッカ!
あんたアイシャやメイレンさんと一緒に居たんじゃなかったの!?
アイシャやメイレンさんはどーしたんだよ!
まさか本当に蜘蛛に食われちゃってますとか言わないよな!?」
レヘ「メイレンは蜘蛛に食われたぞ。この大蜘蛛は何でもお見通し、ごもっともだ。」
ミル「そんなに落ち着いて言うことか!?
家族の危機ぐらい驚け!慌てふためけ!」
マオ「あわてるなミルク、蜘蛛は神経毒を注入したあと、消化液を送り込みながら
ゆっくりと捕食する。まだ間に合うかもしれない。すぐにこいつを倒してメイレンのとこまでいければ…」
大蜘蛛は、口から粘着質の糸を撒き散らした。
この糸に絡まると、機動力を大幅に削がれるだろう。
蜘蛛は口から糸をまき散らしらしてきた。クリスは糸をよけようと動くが、左腕に絡まってしまう。
クリ「・・・こっちは中に入っただけだぞ。
それを突然わけのわからない言って襲ってきやがって・・・。」
不満を呟きながら試作の剣に炎のカートリッジを装填する。
クリ「少しはこっちの話もききやがれぇ!!」
試作の剣の機能を発動して左腕の糸を断ち切る。
そして出力を最大にして10mにわたる炎の刃を蜘蛛に向かって振り下ろし始めた。
それはつまり、10mにわたる炎の刃を“レベッカ”に向かって振り下ろし始めた、と同じ意味である。
レヘ「こら!馬鹿なまねすんじゃねー!俺まで焼け死ぬだろうが!おい、誰かそいつを止めろ!」
レベッカが抗議するが、頭に血が上っている状態でまともに聞こえているはずもない。
ミル(自分の危機には普通に慌ててるもんなぁ。
マオじゃないけど、一回燃やして本当に悲劇のヒロインにしてやりたくなってきたぞ。 )
ミル「気持ちは分かるけど、剣を降ろすのはちょっと待ってクリス!
あの蜘蛛の頭に刺さってる槍には、留学生のレベッカの魂が宿ってる!
今槍を燃やしたらレベッカが死んじゃうかもしれない!」
何人かに抑えられている間に、クリスのカートリッジの魔力が尽きて炎の刃は収まった。
そんな時、クリスの強化型タリスマンとカートリッジに目が行く。これを借りるか……
マオ「クリス、悪いけどこれ借りるぞ!!」
強化型タリスマンとカートリッジを手に取りタリスマンに氷のカートリッジを無理やり押し込み、
強化型タリスマンを起動させた後蜘蛛の周りの床とタリスマンに引き合う磁力を発生させて投げ込む。
クリ「それ使用法間違ってるぞ!!」
クリ(・・・これでカートリッジ一個作りなおし確定だな。
タリスマンももうダメか・・・ )
カートリッジに込められていた魔法が強化型タリスマンによって今日かされ大きな氷塊と変化していきながら
蜘蛛の方へと向かっていく。タリスマンの効果で延々と大きくなっていく氷塊。
この状況、水素爆発を起こして氷塊を粉砕するしか相手にないはずだ!
「痛いの嫌よー!」
大蜘蛛は太鼓を叩くような足音と共に壁を這って避けようとしたが、
強化型タリスマンと大蜘蛛は磁力で引かれ合っているので避けられない。
マオ「ミルク!相手が氷塊を砕いたらメギドいったんやめていいぞ!」
そうすれば隙ができる。磁力で引き抜いてもいいしグレイルのスピードで向かっていっても十分間に合う!!
「同じことを繰り返すなんてとんだ馬鹿よー!」
大蜘蛛のお腹がしゅっと縮んでいく。
マオ「フフ………馬鹿ははたしてどっちかな」
マオ「ミルク!相手が氷塊を砕いたらメギドいったんやめていいぞ!」
ミル「わかった!砕いたらすぐね!」
「どっかん、どっかんよー!」
マオの読みどおり、大蜘蛛はまた爆発で迫る氷塊を打ち砕く。
それを見て一度メギドを撃つのを止めて、ミルクは大蜘蛛に狙いを移した。
フリ「何をやるかは知らないけど任せましたわよ!!」
勝負となるのは、大蜘蛛が次に酸素放出するまでの15秒である。
そして15秒後に、大蜘蛛は“同じことを繰り返す馬鹿”が自分自身であったことを知るだろう。
ここ自分が余計な手を出したらたぶん失敗する
そう判断したフリージアは見守ることにした
フリ「さあレベッカさんが救出出来たらみんなで全力攻撃ですわ!」
ミル「急いでメイレンさんを助けに行かないとダメだしな!
火力なら任せとけーっ!」
ヴ「ありゃあ私の出る幕はないね。
がんばれーご主人!」
マオ「まあ僕はエリートだから、こんな蜘蛛ぐらい余裕だ」
ヴァンエレンの声援を聞いて得意げに鼻で笑う。
さてと、後は僕の磁力で引っこ抜いてもいいしどうとでもなる。
氷が砕かれると同時に、グレイルが走り――出してない。
赤「なーなー何時行きゃーいいんだよー?」
青『阿呆、今だ!早く行け馬鹿!』
マオ「よしグレイル!もう行ってもいいぞ!さっきの爆発はしばらくは使えない。
槍を引き抜いてやるんだ!」
赤「え?今?よっしゃ!」
Bとマオの指示に従い、やはり何時も通りの足の速さで蜘蛛に接近をする。
そして槍レベッカを両手で掴むと、蜘蛛の頭に足を掛けてから思い切り引き抜いた。
ずぼっ、という音とともに抜けるレベッカ。
晴れて自由の身?の筈だが……
赤「ひゃ―――っほ―――っ!槍ゲーット!!いやっは――――っ!」
レヘ「おう、やるじゃねーか赤いの。…っておいい!?」
グレイルは持ち前の運動神経を持ってレベッカを振り回し回転させる。
手首を軸にして回したり、勢いをつけて回転させながら空中に投げた後キャッチ!
単にブンブンぶん回したりetcetc…。
レヘ「おい、てめー!俺で遊ぶんじゃねーよ!そういうのレ○プっていうんだぞ!」
マオ「馬鹿!!早く戻ってこい!!」
ミル「グレイルーっ!そこに居られたらメギド撃てないだろーっ!
戻ってこい、カムバッーク!!」
みんなの呼びかけが通じたか、グレイルはクリスに槍を放り投げた。
クリ「もうちょっと物は大事に扱え!!」
そう叫びつつ飛んできた槍を取ろうと思ったが、結構回転がかかっていたので避けるしかなかった。
レヘ「ちょ、とか言いつつなんで避けるんだよお前は!(笑)」
リリ「わーっ!レベッカさんが!!!」
リリアーナは慌てふためきながら、クリスとレベッカのほうへ駆け寄った。
黒『あ、ああ馬鹿R!あの中には留学生の魂が……』
赤「しっらねー!んでさー、こいつどーすんだー?連れて帰る?」
蜘蛛のすぐ傍に立り、けらけら笑いながらげしげしと蹴って遊び始めるグレイル。
レヘ「あの赤いバカやろう!後でケツの毛を一本残らず抜いてやる!」
マオ(蜘蛛がもう一度ガスでも放ったらどうする気なんだ? )
ミル「巻き添えで燃やされたいのかこらーっ!!」
赤「んあ?マオマオ達なんで慌ててんだー?」
黒『Rがどうしようもなく馬鹿だからだよ!!馬鹿!!』
青『お前は本ッッ当に馬鹿で馬鹿で仕方の無い馬鹿だな馬鹿野郎!』
全員から声がかかっているにも関わらず動かないグレイルに、いよいよバッグの中の二人が喚き出した。
この赤髪の馬鹿は本当に馬鹿すぎである。馬鹿。
「何すんのー!」
マオ「Magnetic force」
大蜘蛛が怒り、頭上のグレイルをその巨大な足で殴ろうとしたが、
マオがグレイルを磁力で引っ張ったので当たらなかった。
頭にクエスチョンマークを浮かべながらへらへら笑うグレイル。
赤「おーなんだこりゃー!」青j『磁力だな』
リリ「レベッカさん大丈夫?
ねえクリスさん、レベッカさん蜘蛛の身体に刺さってたけど、何ともないかな?」
クリ「槍はもともと攻撃に使うためのものなんだから蜘蛛に刺さってただけで異常は起きないと思う。」
まあ、その蜘蛛が強力な酸を持っていて酸に触れていたのなら溶けているかもしれないが・・・
目立った傷がないと分かると、リリアーナは安堵の息を吐き出した。
だが次第に目つきが険しくなっていく。
リリ「・・・・・・もう!皆レベッカさんのこと、すっごく心配したんだからね。
誰もいない場所に一人で飛ばされてたらどうしようって!!
ほら、クリスさんも何とか言ってやってよ!!」
クリ(・・・俺に何を言えと。)
クリスはリリアーナに何も答えず、ウェストバッグから必要な道具を取り出すとすぐに魔銃を分解し始める。
リリ「クリスさんって、本当に無口よね・・・・・・」
レヘ「ひでーな、おい。俺は手も足もでないんだぜ?どうしろっていうんだよ。」
レベッカがリリアーナの言葉に悪態をついた。
リリ「それから、ミシェル先生の話だと、確かメイレン様とアイシャさんと一緒だったのよね?
二人はどうしてるの?蜘蛛に食べられるってどういう事? 愛しい人って何の話?」
レヘ「メイレンは蜘蛛に食べられた。アイシャがどうなったかは知らん。
愛しい人って言うのは…たぶん金玉のことだ。
その金玉をメイレンが食っちまったから蜘蛛が怒ってるのさ。」
リリ「ええっ、メイレン様が?!レベッカさん何でそんな大変な事を淡々と言ってるのよ!!」
リリアーナはがくがく槍を揺すったが、すぐに気を取り直した。
レヘ「何でって…メイレンが嫌いだからだよ。ブルースが妖怪を嫌いなのと同じように。
ついでに、そんなブルースをお前が嫌っているのと同じようにな。」
リリ「・・・・・・・本当に?」
リリアーナは何か言いたそうだったが、何度かためらった後、言葉を飲み込んだ。
リリ「確かに私は、ブルースさんが苦手かもしれない。
でも、もし彼の身に何かあったら・・・・・・・・・やっぱり嫌だな」
リリ「ううん、メイレン様やアイシャさんが、そんなあっさりやられるわけ無いわよね。
急げばまだ間に合うかもしれないわ。レベッカさん、いっしょに行こう!!
クリスさんはどうする?」
クリ「・・・少し待ってくれ。」
今魔導回路の重要な部分を繋いでいる。
そのため返事をすることはできなかった。
レベッカは何も言わなかった。
マオ「戻ってこいっていっただろグレイル…まあとにかく後はつぶすだけだ。ミルク」
ミル「マオナイス!人質も無くなったし、後は一発ドンとメギドでぶっ潰すわよ!」
ミルクにメギドを放つように目でサインを送った後、
マオは大蜘蛛に勝利の笑みを浮かべながら語りかける。
マオ「残念だったな、だがせめても慈悲として最後の言葉を聞こうじゃないか……」
リリ「マオマオ、気をつけて!!」
マオ「何を言っているんだリリアーナ。気をつけるも何も……」
ミル「え!?」
リリアーナの声でとっさにメギドラを撃つのをやめた視線の先で。
大蜘蛛は部分的にさらに大きくなっていた。
「憎い盗人どもめ…もう絶対に許さないよー!」
大蜘蛛のお腹が、先ほどよりもずっと大きく膨らんだ。
しかも、先ほどと違って大蜘蛛のまわりに酸素が放出されなかったのだ。
そう、本来吐き出していた酸素までもお腹の中に蓄えているのである。
いまや大蜘蛛は、巨大な爆弾と同じだ。
「お前らはもうお終いよ…
ちょっとでもわしらにへんなちょっかいをだせば、たちまっち大どっかんよー!」
確かにちょっとでも変な衝撃を加えればたちまち水素と酸素が反応しあって
爆発を起こすだろう。この距離ではおそらく爆発で僕たちは…そうでなくても
この地下通路に生き埋めになるだろうな。
青『さっきは水素の爆発を操ったし、酸素を噴出した。今は二つとも中に留めて……か』
赤「うおー!すっげぇー!」
冷静に状況把握をしているBとはやはり真逆に、グレイルは目を少年の如く光らせて何かにあこがれている。
もうひとつの人形に居るSはただその状況を見守っていた。
ミル「どうやらお腹だけじゃなくて頭もスカスカみたいね!
お終いなのはあんただけよこの虫野郎!」
ユリに言わせると蜘蛛や百足は虫じゃないそうだけど、かまうもんか。
あたしから見たら気持ち悪い生き物は大抵虫だ。
ミル「フリージア!カチンと爆弾処理よろしく!!
こんな雑魚さっさと倒して、メイレンさんやアイシャを助けに行くわよ!」
マオ「というわけだ。出番だぞフリージア、凍りつかせてやれ…」
フリ「お~っほっほっほっほ!どうやら出番のようですわね」
いつにも無く偉そうなフリージアさん
フリ「知ってるかしら?爆発物は凍らせてしまえば無効化できますのよ!!」
拳を前に突き出し気合をこめるフリージアさん
フリージアの拳から光とともに冷気が吹き荒れる
フリ「さあ氷の彫像になりなさいな!冷凍拳フリィィィィジング・フィスト!!」
フリージア拳から放たれる冷凍光線!!
実際には光線ではなく攻撃範囲が狭く相手を破壊しないフリージング・ディストラクション
云わばプチフリージングディストラクションであり
相手を凍らせる細かい雪の結晶を大量に発射する技である
凍った大蜘蛛は、壁から、ゆっくりゆっくりと落ちて、床に落ち着いた。
今の大蜘蛛はとても軽いからだ。(水素は全ての気体で最も軽い。)
床に落ちて派手に砕けるものだと思ってたので、ちょっと予想外である。
まあ、蜘蛛は寒さに弱いらしいから死んでるだろう。多分。
ゆっくりと落下する蜘蛛を見ながら、フリージアを評価するB。
青『……フリージア、なんとも恐ろしいやつだ。こういうことをひょいひょいやってのける』
黒『そんなに凄いんだ?』青『ああ、精密性なら俺のが上だろうが、威力や魔力に関して言えばかなり』
ひそかに自分と比べたりと、ライバル心が見えるグレイブである。
ミシ「マオ・ミゼット!有事の際には皆を纏めて逃げるように!!
理性的な判断と迅速な指示、献身的な立ち回りを期待する」
青『あん?ミシェル教諭か……珍しい、常時丁寧語って聞いたがな』
暫定リーダーを決めておく。ミシェルが丁寧語でなく命令の形で指示を出すことは
学園に来てからは元より教会在籍時にも珍しかった。
だからどう。という訳ではない。こういう時は勇ましい言葉の方が締まる。というだけだ。
ただ、マオには少なからず期待している。彼女がエリートだと自負しているならば
エリートなりの義務や責任と言うものがついて回る。その事に対する自覚を期待しているのだ。
なるほど代理だろうが一応リーダーというものを掲げておくことによって
個人の連携を良くしようということか。確かに基本的にスタンドプレイをする人間ばかり…
ここで教師という立場の人間が公認のリーダーを決めておくことには大きな意味がある。
そしてこの中で最もその素質があるのは僕……フフフフ、中々に分かっているじゃないかミシェル教員は。
マオ「もちろん……僕はエリートだから期待は裏切らない。」
メイドの後を追っていくミシェルを見送る。
リリ「先生、お気をつけて!」
(188で〆)
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最終更新:2009年07月18日 00:10