レ「よし、メラルの護衛は任せろ…と、言いたい所だが…」
(レイド、足元の扉には入らず様子を伺う)
――――――――――――
死王の間(対アンジェリーナ)
――――――――――――
リ「カドゥケウスでも多少は空間を操作できるのよ」
(アンジェリーナ、頷く)
ア「私はカドゥケウスの所有者になる事なんて望んでいないわ。
それはリバースを元に戻す手段であって、目的ではないのよ。」
(
リリアーナ、突然何も無い空間を見つめ叫ぶ)
リ「アル、どうせその辺にいるんでしょう?いるのなら出てきて、外の状況を教えてくれない?
死王を倒した事で、外の様子はどう変わってる?死んだ生徒達はゴミ箱前で復活してるのかしら?」
?「か~ご~めか~ご~め~・・・」
(リリアーナの声に応えるように、歌声が流れ始める。)
リ「アンジェリーナ、不思議だとは思わない?
いくら校外活動が多いとはいえ、あまりにも一等課程の生徒が参戦していないって。
私はペンダント争奪戦で、ただの一人も一等課程の先輩方に出くわさなかった。
そして、この場に真っ先に駆けつけるべき学園長先生もここにはいない。・・・・・・なぜかしら?」
リ「ねえアンジェリーナ、ライールの杖とカドゥケウスが必要なのは、たった一人でリバースを元に戻そうとするからでしょう?
でもそれは間違ってる。
手に入れて、リバースを元に戻して・・・その後はどうするのよ?
ライールの杖のマスターというだけでも大変なのに、その上カドゥケウスまで背負い込むだなんて!!」
ア「私の心配なんて必要ないわ。私はどんな事があっても、一人でちゃんと生きていける。あなた達とは違うのよ。」
リ「気づいてよ。あなたはもう一人じゃないって。学園の皆が今、脱出に向けて一丸となってるわ。
だからもう、何でもかんでも一人で背負い込む必要なんて無いの。
―――― ねえ、私達を甘やかさないでよ。もっと頼ってよ。信じてよ!」
(リリアーナはそう叫ぶと、アンジェリーナの腕を左手で掴む)
ア「あなたはまだ子供でしょう?子供は債務に骨身を削らなくてもいいのよ。子供は大人に守られなきゃいけないのよ。」
(どこからとも流れる歌声は、リリアーナがアンジェリーナの手を取ったところで終わりを迎える)
アル「後ろの正面わ~たしぃん。」
アル「素晴らしかったわぁん。
リリィ、殉教者への誘惑を振り払うだなんて成長したわねぇん。」
(にこやかにリリアーナの頭を撫でるが、勿論ゴーストなので触れる事はない)
(そして耳元でそっと囁く。「この場には三人だけだ、と。」 )
アル「周囲の状況ねぇ~。
ここと変らず、相変わらず振動が続いているわぁん。
でぇも、これは崩壊に伴うただの地震。
皆で死王を倒したから時空震は収まったみたいねぇん。
復活システムはまだ復旧していないようだけど、時間の問題じゃないかしら?」
アル「アンジェリーナ先生?憎まれ役お疲れ様。
殺しても殺されてもいいようにのお気遣い、感激しちゃったわぁん。
でぇ~もぉ~・・・」
(ふふっ、と微笑み、一呼吸を置く。)
アル「生徒達は更に一歩成長しましてよ?
アンジェリーナ先生も一歩、踏み出してはいかがかしら?」
アル「メラルは言ったわぁん。
ここはリバース、誰が誰を殺そうが問題ない。目的の為必要ならば構わない。
アンジェリーナ先生も同意見の御様子ねぇん。
メラル同様、アンジェリーナ先生も全てを背負う覚悟を持っておいでですが・・・
それより覚悟を背負わせてみてもいいと思いますの。
自分以外に覚悟を求めるのは過酷な事だわ。
【信頼】というものが必要だから。
教師として、人として、必要なものを・・・先生?」
(言葉が終わるとアルナワーズは一度微笑み、そしてその笑みを消していった。
おもむろに纏う幽玄の衣を脱ぎ捨て、術によらない姿を見せる。
人の形を保った二つの嵐はリリアーナへと重なってゆく)
ア「果たして、子供のあなた達が私の信頼に足りるとでも?」
アル「リリィは・・・いいえ、私達生徒は、アンジェリーナ先生の信頼に応えられるほどに成長しましたのよ。」
(正体を晒したアルナワーズはリリアーナと重なり、同じようにアンジェリーナの手を掴む。)
(アンジェは、自分を掴んでいたリリアーナ達の手を離す)
ア「…やはり嫌よ。もし私がここであなたを殺すか、あなたに殺されなければ、私は何のためにロックを殺した事になるの?
私はロックを殺して何を得る事ができたの?それがわからなくなる…それがとても恐いのよ。」
(青い扉には入らず様子を見ていたレイド、リリアーナ達に近寄ってくる)
レ「アンジェリーナ、君が退けないという事はよ~く分かった。その理由もな。
だが俺も退く事は出来ない。
目の前で自分の教え子が殺されるのを黙って見過せないからな。」
レ「君と殺り合うのは2度目か…?来いよ、俺を殺せたらリリアーナを殺せば良い。
負ける気は無いけどな。」
リ「レイド先生待ってください!もう少しだけ・・・!」
(リリアーナ、レイドにしがみ付きアンジェリーナとの間に割り込む)
レ「…っ!そんな事言っ…」
リ「時間震は収まったけど崩壊は進んでいます。
崩壊を食い止めて皆を無事脱出させるためには、先生にもアンジェリーナにも協力してもらわないと!
だからお願い、今は魔力を無駄に消耗しないで!」
(レイドが戦闘体制に入った瞬間、アルナワーズの身体が霞み始める)
(アンジェリーナに向かって)
リ「心配なんて必要ないだなんて、そんなこと言わないでよ。
一人でも生きていけるなんて、そんな寂しいこと言わないでよ。
・・・・・・確かにアンジェリーナは、私たちとは少し違うのかもしれない。
あなたから見れば、私はまだまだ子供だし、実力では足元にも及ばない。
でも――――子供だったら誰かを盾にして守られなきゃいけないの?心配しちゃいけないの?
大事な誰かの力になりたいと願っちゃいけないの?!
私はあなたが心配だわ!あなたの力になりたいわ!だってロックとエルザの大切なひとだから!!」
アル「アンジェリーナ。あなたは今、自分を否定したわ。
もはやあなたの手段は正当性を失い、それを自覚してなお踏み込むことを畏れている。」
アル「私にはわかるわ。ロックが何を思い、あなたの手にかかったのか。
ロックはあなたを信頼していた。
身を持って信頼というものが何かを示したのよ。
そして今、リリィの覚悟も!
あなたを押し潰しそうなその怖さすらも共に背負うといっているのよ。
信頼する、という能力だけで見ればあなたはこの二人に遠く及ばない。
変化を恐れないで。信頼するという事に慄かないで。
今はわからなくても、その先に進めば見えてくるものがあるのだから・・・!」
(音声は途切れ、リリアーナから僅かにぶれるアルナワーズの輪郭すらも限りなく薄い。
レイドかアンジェリーナのどちらかがあと一歩戦闘に踏み込めば完全に消えてしまうだろう)
リ「生と死が本当に等価値で、生きる目的は死に向かって歩く事というのなら、
ロックの死は遅いか早いかだけの違いでたいした意味を持たないわ。
死はとてもとても気持ちのいいことなら、ロックも今頃あなたに感謝してるはずよ。
幸せにしてあげたのだから恐れることなんて何も無いわ。・・・・・・違う?」
ア「生きる事は、徐々に壊れていく事よ。だから人は壊れたものの代わりに新しいものを生み出そうとするのよ。
それは生きるためには余計なもので、余計なものは不幸を生み出す事を私は知っている。
だから、私は平気なのよ。平気だと思ってたのに…」
リ「アンジェリーナ。ロックは多分、こうなる事を知っていたんだと思う」
リ「ロックを殺した事に意味がないと感じて怖くなるのは、あなた自身が変わり始めているからよ」
ア「そんな、はず、ない…私は私のままだ、もの。これか、らも…」
リ「アンジェリーナ、変化を恐れないで。
そして気づいて。
あなたが傷つくことで、同じように傷つく人がいることに。あなたの事を心から必要としている人がいることに!!」
(手に持っていた斧を落としたアンジェは、驚いた様子で自分の顔を抑える)
ア「…どうして?」
ア「…もう泣く事なんかないと思ってたのに。」
(地面にぺたりと座り込んでしまったアンジェは、涙を流すことなく泣いている)
ア「ロック…」
(そうつぶやいたアンジェは、確かにロックの明るい声が聞こえた気がした。
『ざまー見ろなのだ。』)
フ「変わらない存在は無い・・・か」
(自分の胸を見つめるフリージア
あの頃は今のリリアーナさんより無かったなあとしみじみ思うのであった)
――――――――――――
(アンジェリーナの問いかけに、身支度を整えていたアルナワーズが姿を現す)
(いそいそと幽玄の衣を身につけようとしているちょっと間抜けな姿で)
アル「いやぁん。」
リ「あ、アル!良かった見える・・・・・・って!ちょ!何してるのよー」
(ちょっとテレながら慌てて幽玄の衣を纏い、元(仮)のアルナワーズの姿へと戻る)
アル「おほほほ、恥ずかしいところみせっちゃったわぁ~ん。
レイド先生は知っていたでしょうけどぉ、皆には初めてだからちょっと照れちゃうん。」
レ「そうかそうか。お前にも羞恥心という物があったのか。先生安心したよ。」
アル「とてもいいもの見せてもらったわぁん。私、感動しちゃった。
ほんの少しだけ、傍観者ではなく、貴方達と本気で死合っていれば、なんて思うほど、ね。
どちらも無いものネダリとはわかっていても・・・当てられちゃったかしらぁん。」
レ「勘弁してくれ。俺はお前のようなタイプと死合うのが一番嫌だ。」
リ「だったら最初からリタイアなんかしないでよねー」(ボソ)
(その言葉にアルナワーズの目のがカッと見開かれる。)
アル「さ、思わず出てきちゃったけどできる事もやるべき事もないし、もう客席に帰るわぁん。
そうそう、リリィ?ベアトリーチェから伝言よ。
『ありがとう。媚薬の効果は日の出と共に消滅するわ。
精神的記憶喪失のメカニズムを利用しているから、思い出したくない人は覚えていないでしょう。
徹子へのプレゼントは解毒剤以外を考えてね。』
ですって~。 」
リ「そっかー。良かった、じゃあ元の世界に戻る頃には、皆元通りになってるのね!
テツコさんも全部忘れてくれてるといいなあ」
アル「いつもならここらでまとめの壮大なオチを発動させるところだけどぉ、今回は残念、何も用意していないのぉ。
ゴメンネ~。」
リ「そ ん な の 用 意 し な く て 良 い か ら !」
リ「それからベアトリーチェちゃんに「ありがとう」って伝えておいて」
アル「う・ふ・ふ・ふ・ふ・ふ~。」
レ「な、なんだよ…。」
ジトッとレイドの方を見つめたあと、意味ありげな笑みを残してアルナワーズは消えていった。
――――――――――――
フ「ところでメラルさんさっきの話なんだけど・・・・」
(とメラルににじり寄るフリージア )
(この状態での内紛を避けるため、メラルはやむなく転移陣に飛び込んだ)
――――――――――――
リ「アンジェリーナ、あなたは2本の杖でどうやってリバースを元に戻すつもりだったの?
やり方を教えてもらえれば、それに一番近い方法で実行できるかもしれないわ。
レイド先生ももちろん協力して下さいますよね?」
レ「俺の出来る限りの事は協力させてもらうよ。」
リ「フリージアにギズモもこっちこっち!作戦会議よ!!」
ギ「はぁいvリリアーナお姉ちゃんv」
フ「・・・ちぃですわ」
(メラルを粛清し損ねたので舌打ちをするフリージア )
フ「いま行きますわよリリアーナさん!」
ア「…最初に断っておく事があるの。ライールの杖は、空間を操作する能力に限って言えば、
他のどんな杖よりも優れていると言えるわ。」
ア「そのライールの杖の力を最大限に使って、ある領域へ行くの。
リバースを構成する領域の中で最も重要な場所…」
(アンジェは指を天に向けた。)
ア「あなたは死んだ後、どこへ行くかは知っている?」
ア「全ての生物は“水”から生まれ、死してまた“水”に還るの。H2Oという意味ではないわよ?」
フ「わかってますわよ!それぐらい!!」
ギ「ほんとかなあ?」
ア「リバースにも、その“水”が再現されているの。いわゆる、復活システムの根幹を成しているわ。
話が見えてきたでしょう?そう、そこへ行くのよ。
さっきも言ったけど、そこは最も重要な領域だから、生徒達がどれだけ本気を出しても、
そこへ侵入する事なんてできないようにつくられているわ。ライールの杖を使っても、
そこへたどり着くまでには壊れてしまう。まさに、片道切符ね。」
リ「えーと、つまり復活システムの場所まで到達するためにはライールの杖が必要で、
システムを回復させるには、カドゥケウスが不可欠と。
なるほど、だからアンジェリーナは私を殺して杖を手に入れようと思ったのね」
(リリアーナ頷いた後、あれ?と首を傾げる)
ア「ライールの杖を使い、まずは空間の亀裂の中に入る。
そして、そこからさらにライールの杖の力で“水”のある場所まで転移をする。
100%の力を使わなければ駄目。さもなければ、体がバラけてしまうわ。
ライールの杖と引き換えに“水”のある場所まで着いたら、カドゥケウスの力を使ってそこを修復する。
以上が、私が計画していたプランよ。」
アンジェは考えていた一通りのプランを説明した。しかし、このプランに決定的な問題があることは、
これを聞いた人間なら間違いなくわかるだろう。当然のように来た質問に対し、アンジェはこともなげに答えた。
ア「帰りのプランは考えていなかったわ。」
ア「仕方がないのよ。私は入り方はわかるけど、“水”のある領域がどんな所かまではわからないもの。
そこから帰る方法があるかもしれないし、ずっと閉じ込められたままになるかもしれないわ。」
(リリアーナ、思わずアンジェリーナの頭に拳を振り下ろす)
リ「今のはあなたに蔑ろにされたロックとエルザの分よ。それ、ちゃんとロックに説明した?」
リ「アンジェリーナはもっと自分を大事にしなさいよね。
この世にたくさん生き物は居るけど、今の『あなた』という存在は、この世にたった一人しか存在しないんだからね」
他にもアンジェはさまざまな注意事項を説明した。
- ライールの杖とカドゥケウスの杖は、空間に対する作用原理が異なるため、併用して空間操作する事ができない。
- ライールの杖の力を100%使って転移させる事ができるのは所有者本人である。(つまり他人は転移させられない)
- 壊れた杖を修理できるのは杖職人のみである。
ア「私だって馬鹿じゃないわ。色々考えた結果、私とリリアーナのどちらかが死ぬしかないとわかったのよ。
この事をロックに話したら、『リリアーナと合体すればいいじゃないか!』なんて言ったけど…」
(アンジェはリリアーナの手に触れた)
ア「ロックったら馬鹿ね。そんな事ができるわけがないのに。」
アル「ああ、ロック!ロック!あなたはどこまで愚かで天才なの!
全ての解決方法をたった一言で言い表わしてしまうだなんて!」
(アルナワーズ再度出現。芝居がかった仕草で舞うようにアンジェリーナのそばに立つ。)
アル「出来るわけが無い?そう決めるのはどうかと思うわぁん。
フィジルの生徒の底力を甘く見みすぎぃん。
どちらでもいいから空間に亀裂を入れて頂戴。薬学部実験棟よぉん。」
リ「そこは確か消滅してるはずよ。残ってても瓦礫の山かも。
薬学科の誰かに用があるのなら、第二実験棟あたりでどうかな?」
(リリアーナ、空間に亀裂を作る。アルナワーズは亀裂へと入っていく)
――――――――――――
?「うぎゃ!アルナワーズ!」
アル「いやぁん、そんなにびっくりするだなんてショックゥ~。」
:
(それから暫く聞いていて馬鹿馬鹿しくなるような会話が続く)
?「いや、今更そんなこと言われても・・・!」
?「ここまでするのにどれだけ苦労したと思っているんだよ!」
アル「これからもぉ~、良いお友達でいたいの~。お・ね・が・い(ハート)」
(なにやらもめているようだが、アルナワーズの調子は変らずおねだりし続けている。)
――――――――――――
(リリアーナは実験棟が消滅した理由を簡単に説明する)
リ「チョコナワーズって言うのはベアトリーチェちゃんが作った試作品のチョコでね、
触れるものは人でも物でも全部チョコにしちゃうというとんでもない代物だったの。
薬学実験棟や食堂まで取り込んじゃってね、すごい事になったのよ。退治出来て本当に良かった。
ただ、あれを使えば私とアンジェリーナ先生は合体できたかも」
リ「ただ、無理な相談よね。
そのチョコの場合、取り込まれると自我を保つのが極端に難しいみたいなのよね。
アンジェリーナ先生はともかく、私が自我を保つのは難しいし、ライールの杖の力を100%出し切るのも難しいかも。
――――ところでアルは今頃薬学科に何の用なのかしら?
またえらく揉めてるみたいだけど、まさかキメラウイルスでも貰ってくるつもりなのかしら?
でもあれでも合体できるけどかなり問題ありなのよね。
完全に混じりあうから、プライバシーも何もあったものじゃないし」
リ「まあ、背に腹は変えられないんだけど・・・・・・」
――――――――――――
(そして・・・空間の裂け目から鍋が一つ飛び出てきた。)
アル「はぁ~い。おまたせぇん。薬学部の皆さんが快く協力してくれたわよぉん。
アンジェリーナ先生が薬草学に携わっているのも幸運だったみたいねぇ。同じ薬学の士としてだってぇ~。」
(鍋の中身は茶色いゲル状の物体)
リ「きゃあああああああっ!!そ、その鍋の中身はまさか!!」
(これがあの恐怖のチョコ体「チョコナワーズ」である)
アル「うふふふ~。一人しか行けないのであれば、何人でも一人になればいいのよぉん。
アンジェリーナ先生のライールの杖、リリィのカドゥケウスの杖、レイド先生のパワー。
そして、フリージアというほど良い拒否反応があれば上手くいきそうじゃなぁ~い?」
フ「拒否反応?」
リ「ねえアル怒ってるの?もしかしてものすごく怒ってるの?」
アル「いい【繋ぎ】になると思って持ってきてみたけど、いかがかしらぁん?」
フ「拒否反応?」
リ「・・・・・・・・・・」
(にこやかに微笑むアルナワーズの横で、鍋のチョコが形を作り立ち上がる。
ミニベアルナワーチェだった。)
ベアル「あら、私を食べてくれるのはあなたたち?実験材料にされるよりはチョコとしての本分を果たせて嬉しいわ。」
リ「乗った!私やる!拒否反応があればライールの杖がチョコになる事も無さそうだしね!」
(ずっと黙り込んでいたリリアーナだったが、意を決して鍋に近寄った)
リ「アンジェリーナの案よりはずっと安全で確実だと私は思うわ。
帰り道の話だけど、カドゥケウスを使えば、帰り道だけは何とかなると思う。
もちろん、絶対なんて保証は出来ないけど。・・・・・・・皆、どうかな?協力してくれる?」
フ「合体兵士は意思の統合が出来なくてお馬鹿になる・・・・それがディバステイターの法則
それでもいいならやりますわよv」
リ「でもミニベアの姿だと食べにくいな・・・・・フリージアが苦手って事は、ベアトリーチェちゃんも混じってるのかな?
あ、そっか。チョコナワーズだから触れば同化するのよね?・・・・・・それともやっぱりチョコらしく齧ったほうがいい?」
(とりあえずチョコの本分を果たせて嬉しい、と発言した事を気にしているようだ。)
フ「やっぱり・・・・私の役目ってフライパンにお料理がくっつかないようにするための油ですのね」
リ「アンジェリーナ、出発の準備が出来たら教えてくれる?」
(リリアーナ、鍋を持って立つ)
ア「何かと合体すると言う事は、今の自分を失ってしまう事よ。
それは時として死ぬ事よりも苦しい事かもしれないわ。
合体しても、元に戻れる保証はない。
さあ、早く取り掛かりましょう。」
(アンジェはリリアーナの持つ鍋に近づいて手を突っ込んだ。
すると、すぐに自分以外の何かの意識が頭に流れてきた)
ア「レイド、あなたは女と合体するのは初めて?」
レ「え、あ、いや…」
ア「初めてではないんでしょう?だったら遠慮なんかいらないわ。
肩の力を抜いて、さっさと突っ込みなさい。」
レ「わーったよ、突っ込めば良いんだろ、突っ込めば…。」
(レイド、恐る恐る鍋に手を突っ込む)
リ「ええっ?レイド先生は誰かと合体した事があるんですか?!」
リ「合体して混ざっちゃった後、どうやって元の二人に戻ったんですか?!
私もゴーレムや毒スライムと合体した事はあるけど・・・・・先生はやっぱりすごいなぁ」
レ「…こんなもんを考えた奴の頭の中を見てみたいね…。
こいつに意識を乗っ取られない為に俺のパワーが必要って事か…。
なかなか重要な役割だな…。」
リ「私もゴーレムや毒スライムとなら合体した事があるんですが・・・・・」
リ「さあフリージア、準備はいい?行くよっ、せーの!」
フ「さあ合体ですわ!!」
(リリアーナ、フリージア共にチョコに手を突っ込む)
ギ「リリアーナお姉ちゃんが減った!?」
アル「うふふ・・・おいしそうなチョコフォンデュの出来上がりね。」
リ「アンジェリーナ、いくらレイド先生でもこれでは負担が大き過ぎるわ!急ぎましょう!」
アル「リリィ?私、誰かと戦いたいなんて思ったの初めてなのかも・・・。
私ではなく、アルナワーズとしての気持ちなのね。きっと。
そんな気持ちにあなたは事も無げに応えてくれたわ・・・。
とっても嬉しくて・・・。一杯貸しを作っておきたくなったの。」
アル「【戦いたいのならリタイアなんてしなければきっちり戦ってあげてたのに。】
なんていう応えが返ってくるだなんて思ってもいなかったからぁん・・・。
リリィ、近いうちにお互い全力で戦いましょぉん」
リ「戦・・・・・ええぇぇぇぇええ?!」
アル「レイド先生は・・・先約が入っているようだし、チョコを作った子を紹介するに留めておきますわ。」
レ「なっ、お前、何故それを知っているんだ?」
リ「・・・・・・アルって・・・・・・ホント~~~~~ にっ!物好きよね!
わざわざやってみなくても、私がアルに勝てるわけ無いのに!」
――――――――――――
(空間を切り裂き亀裂に入る。1人の体はぐわんぐわんと上下に落下した。)
ア「行くわよ。」
(ライールの杖が発光し、杖腕から転移が始まった。)
――――――――――――
アル「仲間を信じて、頑張ってねぇん。」
(アルナワーズ見送り、小さく手を振る)
アル「さあ、みんな・・・リリィ達の命運はあなた達にかかっているわよぉん。」
――――――――――――
(156で〆)
最終更新:2008年09月28日 09:26