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7:蜘蛛の巣窟~城

アイシャの竜巻が収まり、蜘蛛の群れは壊滅した。
あとは蜘蛛に集られていたメイレンを引き上げ、治療し、この場を移動するだけである。
ルス「・・・・・・・・・・・・急に静かになりましたわねー」
アイシャが起こした竜巻の風音が消えた後、ルズがおずおずと伏せていた顔を上げた。
ミル「ちょ…ちょっとアナ姉!急いでメイレンさんを引き上げてもらえる!?」
アナ「えー?私が行くのか?」
ミル「いいから早く!急いで!」
あたしの剣幕に、しょーがないなーとか言いながらアホ姉は下に飛び降りた。
しばらくして、アホ姉が引き上げてきたメイレンさんを見て。
あたしは嫌な予感が的中したのを知る。

ミル「こ、こ、これって、まさかメイレンさん…」
アナスタシアが引き上げてきたメイレンは、一言で言えば酷い状態だった。
原型は留めているものの、服はずたずたに破れ、
体のいたるところを食いちぎられていた。
蜘蛛に噛まれた直後は紫色になった顔色も、今は逆に血の気がなくなっている。
普通に見れば、それは死体に他ならなかった。
リリ「どいて!」
リリアーナは身体にまだ残っていた蜘蛛を手づかみで取り除いていく。

ルス「あらん?皆様、どうかしましたのー冴えない顔をしてー?
 フリージア女王様ぁん、ルズがおそばに参りましたわ~ん・・・・・・・・・・・はっ!!!
 メイレン様、なんとおいたわしいお姿に!!」
ルズはその場に伏してわーっと泣き出した。
ヴ「あわわ。
 おいたわしや…」
アナ「うーん、服はズタズタ体はボロボロ、これは死んでるな」
リリ「そんな・・・・・・」
冷静なアホ姉の言葉が、余計に事実を強調して聞こえる。
クリ(まあ、人を喰うようなことを言っていたし、不安要素が減ったと考えてよさそうだ。 )
レヘ「同情するのか?ミルク」
同じくらい冷静な声でレベッカが言った。
レヘ「でもな、忘れてないか?こいつは人間を食べる妖怪だ。
  つまり、食べられた人間はよぉ、今のメイレンより、もっと惨い状態になるんだぜ。
  それでもメイレンに同情できるのか?」
ミル「それは…それはそうかもしれないけど…」
理性的にメイレンさんの食人習慣を考えるなら、食べられる側のあたしは悲しむべきじゃないのかもしれない。
でも、頭の中で天秤はグラグラと揺れ続けていて。
同情すべきかすべきじゃないのか、決めかねたあたしは言葉を詰まらせるしかなかった。
マオ「ずいぶんと嫌いなんだな、自分の親が」
肉親とは思えない発言をするレベッカ、それを見て僕はレベッカの
メイレンに対するふざけているで済まないぐらい冷徹で酷い態度を思いだした。

レヘ「おめーらはちょっとばかしメイレンに情がうつり過ぎてるんだよ。
 メイレンはおめーらが考える程良い奴じゃねぇ。だからこんな死に方をしたんだ。
 …おめーらが気に病む必要なんざ、これっぽっちもねぇんだ。」
マオ「ふざけるな、学園のイベント内でメイレンが死んだらこの学園のせいになるかもしれないんだぞ?」
やれやれ……しかし実の娘にここまで言わせるとは、これまで情どころか
厄介者としてしかメイレンを見ていなかったが少しだけ哀れに思う。

フリ「死んでるのならもう罪は無い・・・って亡くなったお母様が言ってましたわ」
母親の言葉を借りて話すフリージア
ギ「本当に死んでるの?死んでたら食べなきゃいけないの?」
本当に死んだのか疑問を持つギズモ
後半の言葉は謎である
「ギズモちゃん・・・別にジルベリア人にお葬式のときに亡なったかたの体を食べる習慣なんて無くってよ」
ギズモはフリージアを何だと思っているのだろうか?
フリ「まだ生きているのなら・・・・・どうしようかしら?」
フリージアさんが治療行為を行うと超常的失敗を起こし
今の状態より酷くなってしまうのだ
フリージアには今の状況を何とかすることは出来ない
故に何とかできるかもしれない人物リリアーナを見る
リリアーナはフリージアに頷いて見せた。
リリ「今やってる。・・・・・・・焼け石に水だけどね」
ギ「この人は人食いだけど少なくても僕は食べられないから助けてあげてよ」
ギズモは悪魔のためメイレンが助かっても食べられることは無い
だって人じゃないもの・・・・まさに外道である

レヘ「そりゃあよぉ、国際問題がどうのこうとか、そういうのが面倒なら仕方が無ぇけどよ。
 当然これから先メイレンが中つ国で犯す食人の責任をとる覚悟はあるんだろうな?
 わかるだろ?メイレンが今回復して、中つ国で人が食べられたら、お前らが殺したのと同じ事だ。
 それとも何か?フィジルの人間が食べられるのは嫌だけど、
 中つ国の人間が食べられるのかかまわないか?」
マオ「ああ、この中で少なくとも僕は中つ国の人間が何人食べられようと構わない。
 確かに僕たちが殺したのかもな、多少なりとも罪悪感はあるだろう。
 だが仕方のないことだ。そういうものだ…」
フリ「私も正直私の知らないところで私の知らない人がいくら食べられてもピンと来ませんわ
 人を食べる生き物はメイレンさんだけとは思いませんし一人減ったぐらいで変わらないはずですわ」
だがその人を食う生き物・・・人食い熊は人以外も食べるはずだ
下手をすれば逆に人間に狩られて食べられてしまう
人しか食べられないなんていう不自然な存在は妖怪や魔物だけだと思われる
食用の意思の無い人造人間でも作って与えとけばいいと思うが大体自我をもって反乱を起こすのが落ちである
レヘ「ははは。まぁ、それがおめーらの正直なところだろうよ。」
マオ「何がおかしいんだ?僕は自分と自分にとって大切なものだけ守れればいい。
 いや、それでさえままならないんだ。だからお前の言っていることは理解できない。
 それと逆に聞くが、お前はフィジルの人間がどうなろうと構わないのか?
 お前が来ることで少なからず混乱は起き、生徒たちは危険にさらされるかもしれない可能性があった。
 なのに来たということは……お前は僕たちのことなどどうでもいいということだ。」
ギ「このまま死んだらメイリンさんが悲しむしレベッカさんが元に戻る方法もわからなくなると思うよ」
大妖怪なんだから首が取れても自分で付け直すぐらい不死身とでも思っているのか
メイレンが生きていることを前提に話す一人と一匹であった
レヘ「さぁ、どうだろうな。」

リリ「・・・・・・メイレン様は、レベッカさんの母親でもあるんでしょう?お母さんが亡くなっても平気なの?
 そんなにメイレン様の事が嫌い?」
レヘ「メイレンが言っただろ?子供が襲われたら、それを排除するのが妖怪の母の本能だ。
 俺だって同じだよ。…わかんねーか?」
レベッカが続けた。ただし、レベッカと第一次文化革命の経緯を知らなければ意味がわからないだろう。
レヘ「俺は短い間だけだったけど、“中つ国人民全ての母”だったんだ。
 メイレンが嫌いな理由がこれでわかったかよ?」
ミル「なるほどね…」
つまりレベッカにとって、メイレンさんは母親だけど子供の敵ってわけだ。

リリ「そうまで言うなら、なぜ今までメイレン様が人を食べるのを見過ごしてきたのよ!
 ――――あ、いや。ごめんなさい。ちょっと言い過ぎた」
反射的に答えてしまったリリアーナは、気まずそうにごにょごにょと謝った。
レヘ「……俺が強けりゃ、メイレンに文化革命なんかさせるかよ、馬鹿野郎。」
レベッカはひどく気分を害したようだ。可能であれば、とっくにメイレンを殺していたのだから。
リリ「そっか・・・・・・レベッカさんも本心では、第二次文化革命を阻止したかったんだね」
リリ「ねえ、レベッカさん、メイレン様は、中つ国で英雄扱いなんでしょう。
 人を食べる妖怪なのにそれでも崇拝されている以上、他国民の私達が口を出せる問題じゃないわ。
 それとも、中つ国でも最近では問題になっているの?
 そもそも、どうしてメイレン様は人間を食べるの?『人間の肉』でさえあればいいの? 
 だとしたら、ここで死ななくても共存の道はあると思う」
リリアーナは、ちらりとヴァンエレンとマオを見た。

レヘ「いいかげんにしろ。俺達は英雄なんかじゃあねぇ。いいか?俺達を崇拝して誰が得をするか真剣に考えろ。
 俺達は結果的に前の政権を破綻させたんだ。今の中つ国政府が、現政権の正当性を主張するために、
 俺達をプロパガンダとして祭り上げてるだけにすぎねぇんだよ。
 その英雄が人を食べる?そんなニュースを、政府の息がかかったマスコミが報道するとでも?
 “人間の肉”ならなんでもいいなんて考えるなよ。さっきも言ったが、メイレンはそこまで良い奴じゃねぇぞ。」
ちなみに、レベッカにはメイレンが人を食べる理由はわからなかった。
メイレン以外にも人間を食べる妖怪は多く、別段理由を考えた事もなかったのだ。
ヴ「ぶっちゃけ人なんて食わなくても大丈夫なんじゃないかな?
 普通の肉や野菜でもエネルギーはとれると思うしね。
 ただ本人が言ったように人間を食べたいという強い本能があるからねぇ…。
 それを抑えることが出来ればメイレンも人間に馴染めると思うよ~」
私のようにね~とへらへら笑うヴァンエレン。
アナ「メイレンってとんでもない偏食ヤローだなー、猫車の中でも他のもの食べてなかったぞ。
  嫌いでもちゃんと人間以外も食べないと、栄養が偏って病気で死ぬぞ♪」
そう言って、アホ姉はにししと笑う。
ミル「好き嫌いの問題じゃないし、病気にもなってないだろ。
 しかし、人間を食べたいって強い本能を抑えるねえ…」
あたしの視線の先、へらへら笑うヴァンエレンは本能を完全に抑えちゃってるように見える。
メイレンさんに出来ない事を平然とやってのけるヴァンエレン。
そこに痺れる憧れる…とは少しも思えないなぁ。不思議不思議。

リリ「・・・・・・・それに、少なくともメイレン様は、私達の約束を守ってくれたわ。
 多少の事故はあったけど、学園の生徒を食べないという約束をちゃんと守ってくださったのよ。
 だからここで、メイレン様に何もしないのはダメだと思うの。たとえ無駄であったとしてもね」
レヘ「まぁ…評価してやってもいいよ。そこんとこだけはな。」
リリ「まあ、メイレン様はいずれ私達を食べるって公言している妖怪様だからね。
 レベッカさんがそう言ってくれる気持ちはありがたいけど、やっぱり、やれるだけの事だけはやっておきたい。
 でないと、メイリンやメイファに合わせる顔が無いよ。・・・・・・・・いいよね?リーダー」
マオ「ああ、やれるだけのことはやってくれ、このまま死なれて僕たち学校側の問題になって
 封鎖でもされるかもしれない、そうなったら困る。」
レヘ「ちっ、勝手にしやがれ。」
槍の身で能動的行動ができないレベッカは、そう言って不満げに黙り込む。
クリ(自分が喰われるかもしれないっていうのに、お人好しがここまで来るとあきれるしかないな。
 まだ時間もかかりそうだし、魔銃と剣のカートリッジを入れ替えておくか・・・ )

リリ「人を食べる妖怪は、中つ国でメイレン様ただお一人ってわけでもない・・・・・よね?
 レベッカさんは中つ国の母として、そういう妖怪の事はどう思ってるの?」
レヘ「嫌いだ。殺してやりてーよ。」
レベッカは言葉少なく答えた。レベッカは、実は妖怪としての実力は低い。
人間を食べる妖怪は大概かなり強いため、レベッカ自身が殺すのは困難なのだ。
ちなみに、半人半妖である妹のメイリンはそういった妖怪を殺したりする。
ただし、メイリンの思想はレベッカと異なり、
あくまで人間と妖怪のバランスを崩すような存在を誅殺するのみである。

レベッカには悪いけど、さすがにメイレンをこのままってのはとってもマズい。
なにがマズいって、中つ国政府よりメイファとメイリンの報復がマズい。
オ「レベッカ、もしメイレンが生き返ったとしてそれが不服なら
 お前が刺し違えても殺すんだな。」
ミル「あたしもメイファやメイリンの恨みは買いたくないし、悪く思わないでよねレベッカ。
 それにいろいろあったのはわかるけど、メイレンさんはあんたの事…ごめん、やっぱなんでもない…」
……レベッカん家の家庭の事情もよく知らないのに、無責任な事は言えないよな…うん。
ギ「槍の体のレベッカさんがメイレンさんを刺すには槍を振るう存在が必要だと思うけど」
リリ「えっ、ギズモ、それもしかして私のことかな?でも私、槍なんて使った事ないよ?」
空気を読まない事に定評のあるギズモは余計な茶々を入れる
フリ「とある刀の姿をした魔物は他人の体を操って戦わせたり自らを振るう分身を作り出すらしいですわね」
リリ「ええ――――!!」
リリアーナは自分が槍を振り回し、メイレンに止めを刺しているところを想像し青くなった
リリ「・・・・・・レベッカさんやらないでよ?絶ー対やらないでよ?」
レヘ「できねーよ。」

とはいうものの、リリアーナには応急手当は出来ても、治療魔法は使えない。
リリ「ああ、マンダ達がここにいてくれたらなー。
 ねえ、アナスタシア先生は天使なんでしょう?癒しビームとか祝福パンチとか使えないんですか?」
アナ「んー?ビームとパンチで確実に息の根を止めておくのか?
  確かにメイレンが飲み込んだ金の玉も取り出した方がいいだろうしな。
  そーゆー事ならアナスタシア先生にお任せだぞ♪癒やしビー……」
ミル「わ―――――っ!!待て待て違う違う!!
 リリアーナは!メイレンさんを蘇生させて欲しいって言ってるんだよ!」
天使の輪っかを両手で持って、今にもメイレンさんを破壊ビームで攻撃しそうなアホ姉を慌てて止める。
せっかく話がまとまりそうになってるのに、ややこしい事するな!
アナ「えー、普通に蘇生させたいだけなら私はイヤだぞ。
  だってメイレンはミルクにも食べるっていったんだろ?
  改心したならともかく、家族の命を狙ってるかもしれない奴の蘇生なんて、出来るわけないじゃないか。
  多分リリアーナの家族がここにいても、同じ事言うと思うぞ。
  ま、食べるってのが性的な意味でなら、お姉ちゃん妹の新たな旅立ちを応援してやるけどなーぷぷぷ♪」
ミル「さすがにそれはないと思うけどな…」
ただでさえ言いだしたら聞かないアホ姉に正論を持ち出されて、あたしもそれ以外に返す言葉がなかった。
全くそのとおりなので、さすがのリリアーナも黙り込んでしまった。
結局死体としか思えないメイレンに蘇生と応急処置をした後、使い魔カプセルに収容する事になった。

リリ「蜘蛛がいなくなったとはいえ、こんな場所に長居は無用だわ。
 一人先行してるミシェル先生達がどうなったかも気になるし。
 ねえ、フリージア、使い魔カプセルで空きがあって今すぐ使えるものってある?」
フリージアは胸の谷間に腕を突っ込むと何か玉のようなものを取り出した
猫「にゃあ」
リリ「え?にゃあって・・・・・ぬいぐるみ??」
フリ「ってこの子は違いますわ」
いそいそと仕舞い込むフリージアさんどうやら間違ったようだ
リリ(何か今のぬいぐるみ、玉みたいなぬいぐるみだったのに生きてたみたいな・・・・・・気のせいかな?)
フリ「ええと・・・・ありましたわ!!」
使い魔カプセルβを取り出すフリージア ちなみにこの前壊れたのがαである
リリ「ありがとう、借りるね」
リリアーナはメイレンをカプセルに収容した。
ギ「さっきぬいぐるみのはずの猫が鳴いたような・・・・見なかったことにしよう」
ぬいぐるみの猫が鳴いたのに何事も無かったかのごとく振舞うギズモ
リリアーナもそれに倣うようだ。
フリ「これでいいですわね」
とメイレンを収納するフリージア
リリ「うん、ありがとう。ところでカプセルは私が持っていていいかな?」
クリ(・・・間違ってもカプセルに入るような怪我は負わないようにしよう。)
収納されても某モンスターボールみたいに洗脳効果なんて無いから安心である
このままカプセルごと深く地面にでも埋めるか火山にでも放り込めばメイリンを抹殺できるのだが
基本的に善人(?)なフリージアはそんなことを思いつく事は無かった
そしてこの場所は危険だということで、一度祭壇へ戻ってもうひとつの通路へ進むことになった。

あたしたちはなんだかんだで氷付けの蜘蛛がいる祭壇に戻ってきた。
ミシェル先生も、銀玉を持ち逃げしたメイドも、戻ってはいない。

メイドが逃げた先は・・・あっちか。
作動したトラップも目印に最適なようだな。
ただ、この先にもトラップが仕掛けられているだろう。
場合によっては道が枝分かれしている可能性もある。
ヴ「そういえばご主人。
 蜘蛛に襲われたときに怪我しなかったかい?」
マオ「まあちょっとしたかすり傷ぐらいで大したことはないから大丈夫だ。」

クリ「リリアーナ、確か通信機を渡されていたよな。
 この道がどこへ続いているか聞くことはできないか?」
フリ「どっちにせよ進むのだから同じ事ですわ!・・・・でも聞いておいて損はありませんわね」
リリ「え?ミシェル先生から通信機なんて貰ってないよ??」
クリ「いや、地下道に入ってから案内猫となんか通信のテストをしていただろ?
 それでいろいろと聞けないのか?」
よくよく話を聞くと、ミシェル先生からではなく、ニャンコ先生から貰った招き猫の事だった。
あんまりな勘違いにリリアーナは耳まで赤くなりながら、招き猫を強く握り締めた。
クリ(やっぱり、クロウが言っていたようになるべく言葉にした方がいいのか? )
リリ「ニャンコ先生、聞こえますか?リリアーナです」
ニャ「じっちゃんの名にかけて!謎はすべて解け…ん?
 なんじゃ、お主等か。聞こえておるぞ、なにかあったのか?」
招き猫からは、元気なニャンコ先生の声が聞こえてきた。
リリアーナは今地下の祭壇みたいな場所にいることを説明した後、
リリ「この通路の先には何があるのでしょうか?通るに当たって何か気をつけることとかありますか?
 そうだ。皆も、ニャンコ先生に何か確認したいことってある?」
クリ「・・・できれば書庫か本の多いところ、もしくは壁画のあるところが知りたい。
 こういうところには役立つ情報が眠っていることが多い。」
場合によってはリリアーナ達の目的である若返りの薬の製法も見つかるかも知れない。
ニャ「祭壇?銀玉を飾っておる台のことか?
 わしも長い間地下には潜っておらんからな…
 詳しい事はわからんが、天井が高くなっていく通路は外に通じておるはずじゃ。
 外に出る扉は、竜の彫刻の眼に銀玉をはめ込めば開く仕組みになっておる。
 ただ扉には危険な罠が仕掛けられておるから、開けるときにはよくよく注意してな。
 それから壁画は知らんが、書庫なら城の一階か二階にあったはずじゃ。
 この地下通路の下層にも大量の本が眠っているが、地下は危険じゃから…ちょっと待っておれ」
小型招き猫通信機の向こうから物音が聞こえ、ニャンコ先生は途中で通信を中断した
ニャ「…すまんが急用が出来たので、一度通信を切るぞ。
 しばらく通信に出れぬかもしれぬが、また何かあれば通信してくるが良い。
 お主等の成功を祈っておるぞ。さらばじゃ!」
通信機の音は徐々に小さくなり、最後に
ニャ「はーっはっはっはっはっ!これじゃ!これこそ逆境じゃ―――っ!!」
というニャンコ先生の叫び声を拾って途絶えた。


フリ「やっぱりまだ罠があるのかしら?そうだ!私にいい考えがありますわ!」
どっかの司令官みたいな事を言い出すフリージアさん
フリ「フリージングドールマリオネットを先行させて私たちの替わりにトラップに引っかかってもらいますのよ!!」
そんなに自分と同じ顔した人形のくびちょんぱが見たいのだろうか?

アナ「ミシェルが戻ってこないとこを見ると、どこかに通じてるんだろな。
  土砂崩れと蜘蛛の巣で他が通れない以上、ミシェルを追いかけるしかないけど。
  …罠探しながら行くのは飽きたし面倒だなー。
  仕方がないから、ちょっとだけ手伝ってやるぞ♪ほい♪」
アホ姉がちょいと指を動かすと、指先から光があたしたちに向かって飛んできた。
光は別れると一人一人の頭上に飛んでいき、そこで小さな羽の形になって…
ミル「お、お、お…、これ、もしかして、浮いてる?」
足から伝わる地面の感覚が、石の硬さからふわりとした何かに変わる。
伝わってくるのは空気のクッションを踏んでるような、そんな感触。
アナ「すごいだろー、しかも悪魔っ娘でも吸血鬼でもノーリスクだぞ♪
 これで罠に引っかかる心配無しでミシェルを追いかけられるよなー。
 あ、リリアーナは念のため、壁にも触らないように気をつけるよーに。 」
ニャンコ先生との会話中、不意にリリアーナの身体が宙に浮いた。
リリ「きゃあっ!?―――― すごい!浮いてる!!」
靴の裏に肉球ができたような感触に、リリアーナも仰天した。
リリ「しかも悪魔が使ってもノーリスクなんだ・・・・・・」
天使が悪魔に魔法をかけるとダメージになると思いこんでいたが、偏見を改める必要がありそうだ。
だが
ヴ「あわわ誰か助けて!」
自身の羽を動かさずに飛んでいるという自体に慣れていないので空中でじたばたともがくヴァンエレン。

リリアーナは説明を聞いた後、忠告どおり壁から離れて歩くことを約束した。
リリ「ベルジン先生、浮いてるっていう事は、地面との摩擦も無いって事ですよね?」
リリアーナは何を思ったのか、いきなりベルジンに質問をぶつけた。
リリ「先生、手につかまってもいいですか?私、なぜか歩くだけでトラップ引っかかりまくりなんです!
 いやー、先生が手を引いてくださったら、きっとこの先トラップは楽勝かな、なんて」
あははは、と何かをごまかすように笑うリリアーナ。

アナ「そーゆーわけで、未知の領域に全員とつげーき!!」
ヴ「わわわ。
 待っておくれよ!」
ミル「あっ!また!!
 こらーっ!1人で先走るなって言ってるだろーっ!!」
叫んだものの、やっぱりアホ姉はあたしの言葉は聞かずに通路の奥に突っ走っていく。
……一瞬でも教師らしいと思ったあたしがバカだった。

一方フリージアは、罠よけのためにフリージングドールを作った。
リリ「フリージングドールもだんだんリアルになってきたね。この顔立ちなんか本人そっくり」
人形と頭では分かっているのだが、時々ドキッとしてしまう。
ルス「本当に、等身大のフリージングドールがもう一体欲しいですわ~」
などと会話しているうちに、アナスタシアが鉄砲玉のように飛び出して行った。
ミル「ま、まあ罠を踏む心配はなくなったし、強い敵がいたらアホ姉が教えてくれるだろうし。
 あたしたちもこの道を進んでミシェル先生と合流しよう」
マオ「どうかな……あいつの場合強い敵と出会ったら喜んで僕たちと引き合わせようとするかもしれないぞ……」
敵を見つけるなり無邪気に笑いながら僕たちを呼ぶアホを想像してゾッとする。
フリ「さあ出発ですわ!!」
フリージアはおとり用のフリージングドールマリオネットを作ると前を歩かせるのであった
クリ(でも、ここに戻る可能性も考えてある程度のマークはしておくか・・・ )

(9で〆)







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最終更新:2009年08月04日 19:43
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