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7:神龍戦終了~宝物庫

ウ゛「うわぁ…あっけない」
そんなによわっちくなっていたとは思わなくて、ヴァンエレンは呆然としてしまう。
たいした力もなくなって、地上の雨は消えて水は引いていったようだ。
アナ「なんだーほとんど終わってるじゃないかー。
  ゆーしゅーな生徒を持って嬉しいけど、先生は暴れ足りなくて悲しいぞ♪」
男にされた怒りをどこにぶつけてくれようかと悩んでる所に、我らのアホ姉がミシェル先生と登場した。
ミシェル先生は、手に招き猫の姿に戻ったニャンコ先生を持っている。
ミシェルが死王をみている。
視線に気がつき両者の目が合わさる。
死『あ?』
目と目が合う~
瞬間んんん!!

リリ「あっ!ミシェル先生にアナスタシア先生!ご無事でしたか!!」
メイレンのパーツを回収し終えたリリアーナは、死王に向けられたミシェルの視線に気づいたようだ。
リリ「さっきまで本当に大変だったんですからねー」
強引にリリアーナが間に入って、なんとかこれ以上の騒動を起こされないようにがんばっている。
死『くけけけ…苦労性だな。
 そんなんじゃハゲるぞ?』

ミル「ミシェル先生、ニャンコ先生の封印を見てくれてたんですね、ありがとうございます。
 かなり面倒な封印だってターロンは言ってたけど…解けそうですか?」
リリ「解除できない筈無いじゃない。天下の殿下先生だよ?」
ミシェルはニッと大きく笑ってほんのついさっき剥がれた札をヒラヒラさせる。
ミシ「今回あまり役に立ちませんでしたが、これくらいはね」
ミル「おお!さすが殿下先生!!」
なんとなく嬉しそうなとこを見ると、結構苦労したんだろうなーと思う。
そこを謙遜するあたりがさすが。先生の鏡ですよ。
アホ姉もこんな教師の姿を少しは見習ってくださいよ本当に。
まさにかませ犬と言われんばかりの活躍を披露したミシェルの、ささやかな名誉挽回。といったところであろうか。
そうして生徒達の喧騒から少し離れる。そうあるのが正しいように思われた。
とにかく今回の自分はツいてない。何かに干渉したら面倒事をかましそうな気がするのだ。


ミシェル先生とニャンコ先生の封印について話してると、アホ姉は一直線にギズモの所へ。
アナ「図書館から見てたけど、うまくターロンを倒せたなー先生も信じてたかいがあったぞ♪
  で、この黒トカゲみたいなのがターロンなんだろ?こいつは死刑!
  ギズモはしっかり尻尾を握ってろよ~私がこいつの頭を持ってぐるぐる回転するからな~。
  何回転まで耐えられるか楽しみだぞ~ぷぷぷ♪」
ター 「やめろ!死にたくない!死にたくな――い!!」
何故かレベッカもついつい、ターロンが「死にたくない!死に…たわば!?」
とか言うのを期待してしまう。
リリ「昨日あなたに鉄の像にされたマリオさんも、きっと同じように感じてたでしょうよ」
ミル「えっ…!?」
予想外の言葉に、龍玉に乗っけたまま持ってるメイレンさんの首を落としそうになった。


リリ「トカゲって確か尻尾切れても生えてくるんだよね。
 妖怪でトカゲなら、首がねじ切れても生えてくるのかな?皆、どう思う?」
レヘ「お…お前本当にリリアーナか?KI☆TI☆KUだぜ。みんな揃って実にKI☆TI☆KUだぜ。」
ギ「止めてよ!かわいそうだよ!!せめてパロスペシャルからキャメルクラッチぐらいで勘弁してあげてよ」
レヘ「お ま え は (笑) !」
ギズモはターロンにそう言うと一瞬手を離し
ギ「くらえパロスペシャル!!」
ターロンの両手(?)を掴んで背中あわせになるように跨り
自分の両足でターロンの両足を固めて同時に両腕をねじり上げるギズモ
ミル「パロスペシャルってなんだ…てか喜んでないでレベッカも止めろよ…」


リリアーナはちょっと間を空けると、ふう、とため息をついて表情を改めた。
リリ「アナスタシア先生、どうかその辺で。ギズモもよ。いくら妖怪でも、本当に死んじゃうから
 ターロン、少しは虐げられる人の気持ちがわかった?」
リリアーナに言われパロスペシャルを緩めるギズモ
フリ゙「いつの間にあんな技を・・・・・・」
教えても無いのにプロレス技を使うギズモに驚愕するフリージアさん


リリアーナはアナスタシアの手を制すと、ターロンの目を覗き込んだ。
リリ「ターロン、死にたくないでしょ?だったら・・・・・・私達と取引しない? 」
リリ「ねえ・・・・・・主従契約って知ってる?そう、私達魔法使いが、主に使い魔達と結んでいるアレよ」
ター「まさか、私に誰かと契約せよ。と?
  …命を助けていただいた以上、私には嫌も応も御座いません。
  何なりと臣ターロンにお申し付け下さい」
…取引と言うより脅迫に近い気がしないでもないけど、ターロンも良いって言ってるんだから良いか。
しかしリリアーナも物好きな…何もあんな裏切りそうな奴を使い魔にしなくてもいいのに…
リリ「そう、察しが良くて助かるわ。そのまさかよ。ターロン、
 契約しましょ。―――― え?誰とって?もちろん、こちらのレベッカさんとよ!!」
フリ「えぇぇぇぇぇぇ!?」
レヘ「ぇぇぇぇぇぇえ?!」
ミル「ええええぇぇ…」
フリ「ちょっとお待ちにゃさいにゃ!レベッカさんは槍ですにょどうやって契約しますにょよ!!
 槍にキスして契約が成立しますにゃ?」
ミル「なぜキスで契約しようとする…」
ギ「お、お母さんが驚きすぎてベタな猫耳キャラみたいな語尾になってる!?」
あっと驚くギズモ君、当然パロスペシャルの姿勢のままだ
リリ「フリージア動揺しすぎだよ。
 そっかー。ギズモとの契約方法はキスだったのか。
 困ったなあ、レベッカさんの唇って、槍でいうとどの辺りなのかな?」
ギズモからもらった雷龍の鱗を押し込みながら、リリアーナは一人悩んでいる。


ミル(自分じゃなくて、レベッカと契約させる気だったのか…
まずいよ変態×悪役とか何しでかすか分かんないよ…
そりゃフリージアも変な語尾キャラになるほど驚くはずだ…
周りの反応を見たリリアーナは、うーん、と髪をかき回した。
リリ「そんなに悪い考えじゃないと思うけどなあ。
 人間びいきのレベッカさんが主になったら、ターロンが魔法使い以外の人間に悪さする事ももう無いだろうし。
 お札でレベッカさんの仮の体とか作れそうだし、2人とも中つ国の妖怪で魔法使いなら、きっと話もあうだろうし。
 ついでにミルクの呪いも解除してもらえるかもしれないし・・・・・・・。
 あ、これはミシェル先生にお願いすればいいだろうけど。うーん、でもでも」
ミル(でも。よく考えたらそんなに悪くない考えか。
 レベッカは何度もターロンを騙してるし、そうそう裏をかかれる事もないだろう。
 ターロンには能力がある。
 レベッカなら、利用されることなくターロンを利用できるはずだ。)
ミル「そうだね、結構良い考えだと思う。
 ターロンを使い魔にするのはいろいろ不安要素があるけど、レベッカなら大丈夫でしょ」
リリ「本当に?!よかった~!」
レヘ「奴の尻穴に俺を突き刺せ!それで契約成立だ!」
レベッカは興奮した様子で言った。リリアーナの意見に、どちらかと言えば大賛成らしい。
リリ「い、いくらトカゲ相手だからって・・・・・・そんな恥ずかしいこと出来ないよ!」
リリアーナは赤くなりながらあたふたしている。
ター「ははは、レベッカ様ご冗談を……ご冗談…ですよね…?」
引きつったターロンの声を聞きながら、あたしはレベッカの優位を確信した。
結局、ターロンは殺すことなくレベッカの使い魔になることになりました。
死『甘いねぇ。
 あめぇよ…』
泣き叫ぶ処刑のサマをみたかった死王は至極残念そうである。

リリ「いきなりお尻に突っ込むのはアレだから、口でまず試してみようよ。
 だめならお尻を試せば良いんだから。
 あ、その時はヴァンエレン、私の代わりによろしくね」
ウ゛「え?
 ファッツ?
 えーーーーーーーー!?」
これはリリアーナの罠じゃ。
リリ「えー、だって、元は男同士なんだから、まだ恥ずかしくないでしょ?
 まあいいや、じゃあターロン、あーんして。下手に動くと怪我しちゃうからね~」 と言った
リリアーナはふと思いついたように呟いた。
リリ「あれ?そういえば親子だと、こういう契約できないものなのかなぁ?」


フリ「ちょっとお待ちなさいな・・・・・この地響きは何かしら?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
レベッカの呪符がオウカのおでこにむかって飛んでいった。
レヘ「あ、悪いオウカ。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・っていえばお前かと思って、つい。」
別にその呪符がオウカに当たったかどうかはたいした問題ではない。
レベッカはそれに呪いを入れていないのだから、デコピン程度の威力しかないのである。
ギ「もしかして・・・・この大陸沈むんじゃ」
フリ「そろそろ普通の捕まえ方にしてあげなさいな」
とりあえずギズモに突っ込みを入れるフリージアであった
リリ「し、沈むぅ?!どどどどうしよう!!」
リリアーナは苦しそうな体勢のターロンに気を配る余裕も無いようだ。
リリ「はっ、ミシェル先生にベルジン先生、何を隅っこで達観なさっているんですか!
 この大陸沈むかもしれないんですってば!!ははは早く逃げないと!!
 いやその前に、ニャンコ先生と連絡取らないと!!ミシェル先生、連絡連絡!」

ミル「地響き?……本当だ…上の方から?」
上を見上げると、開いた大穴から流れ落ちてくる水と、揺れる天井が見える。
でも揺れてるのは天井だけじゃないから、ギズモが大陸沈むとか不吉な事を言い出すのも無理もない。

アナ「バカだなーミルクは。これは降ってきた雨が流れる音に決まってるだろ」
ミル「雨って…もう雨は止んだってメイド長が言ってたのに?」
あたしの質問に、アホ姉は『わかってないなー』と言いたげに答える。
アナ「雨は止んでも降った水が消えるわけじゃないだろー。
   ムウ大陸に来て最初の地下道に、蜘蛛が一杯いた縦穴があったろ?
   この墓場はあの縦穴の下にあるんだよ。
   でだなー、上で降った水が全部地下道に一気に流れ込んできて、あんな音がしてるんだ。
   もうすぐここにも流れ込んで来ると思うぞ♪」
ミル「もうすぐここにもって…そんな大事な事もっと早く言えよ!
 マズい大水が来る!空間の裂け目から宝物庫に逃げよう!」
なるほど確かに、若返りの薬を見つけた宝物庫から、
地下墓地へ繋ぐ空間の裂け目も復活してる。
次の瞬間、天井の大穴から大量の水が墓場になだれ込んできた!

レヘ「聞こえるか!?こちらへ逃げ込め!」
レベッカは大声でそう言った。
ウ゛「了解!
 逃げるのは得意だ!」
リリ「へっ!!――――わ、分かった!!皆急いで!!」
リリアーナは何の躊躇いも無く、怪しげな黒い空間の裂け目に飛び込んだ


その空間の裂け目の先、宝物庫に待っていた男が一人…
レヘ「貴様…ロクー!」
ロクー。我々はその男を知っている。
ロクー。長い茶の髪の毛を首の後ろで束ねている眼鏡の少年。
ロクー。緑色のジャージに大きなリュックを背負った青い瞳のエンジニア。
彼はターロンを攻撃しようとし、メイレンに命を奪われ、
そして死王にアンデッドとして蘇らされた。
その正体は、秘密結社ケルビムの手先、クリムゾンヘッドッッ!


ミル「げ…このタイミングで…」
こんなに早く再会するとは思ってなかった人物との思わぬ再会に、心の中にたちまち暗雲が立ち込める。
どう考えても待ち伏せ…だよねこれは…。
ロク「待たせたな!」
ウ゛「げぇ!?ロクー!!」
フリ「あなたはロクー!?」
一テンポ遅れてあっと驚くフリージア
ゾンビからデュラハンにランクアップしたのかと思い首筋を見てみるが
傷ひとつ無いようだ・・・どうやら人間として蘇ったらしい


我々はロクーを知っている。しかし、我々が知るロクーはゾンビだった。
だが、今目の前にいる男は違う。
メイレンに殺される前のように、見た目だけは普通の少年だ。
まるで、時間が巻戻ったかのようにッッ!
レヘ「(当然か…ゾンビになる前、いやもっと正確に言えば、
 メイレンに殺されるより前まで時間を遡ったな。
 俺としたことがうかつだったぜ。こうやって時間の巻戻った奴と、
 再会する可能性を考慮してなかったとはなぁ!)」
ミル「フリージア…反応遅れてるよ…ってリリアーナどこ行くの!?」


リリアーナは不覚にも涙が零れそうになった。
彼女は無言でロクーに駆け寄ると、無言のままあちこち身体を無遠慮に触り始める。
相手の迷惑顔などお構い無しのようだ。
そして最後に左手にじっと顔を近づけ凝視した。間違いなく腐ってなどいなかった。
「よかったぁ・・・・・・・・・・・・・あ!ごごご、ごめん!!」
ようやく自分の奇行に気づいたリリアーナは、ぱっとロクーから離れた。
リリ「・・・・・・・ああ~、これじゃ私ただの変態さんだよ~。
 でも・・・・・・・ロクー、レベッカさんの言ってたとおりだったね。
 本当に、時間と記憶をぶっ飛ばしちゃったんだ」
かなり落ち込みながらも、レベッカに囁きかける。


ロク「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
リリ「え?何があったって・・・・・・・・」
ミル「頼むからその事は言わないで…」
本当によかったよ…ロクーじゃなくてリリアーナが無事で…、なんて考えてる間に。
ロクーが妙なことを言い出した。
リリ『ロクーの言葉が正しければ、メイド長に会う前のロクーだよね。どうしよう?
 ケルビムの事とか、あの影のこととか聞いた方がいいのかな?』
リリアーナはテレパシーで、レベッカ以外の者に問い掛けてみた。
『一番良いのはリュックを取り上げて調べる事なんだろうけど・・・・・・私には無理かな』


その言葉を聞いた時、レベッカはハッとした。
もしかしたら、自分が考えていた通り、
時間を逆行させる前の出来事を覚えていないのではないか!?
レヘ「(まずいぜ…今のロクーの言葉を聞く限り、カバメイドに会う以前の記憶しか無いらしいが、
 もしも俺達が“クリムゾンヘッド”とか“ケルビム”とか“ヘブンスマイル”に関連する事を言ったら、
 奴は自分がクリムゾンヘッドとして俺達と戦った事を察して、再び攻撃してくるかもしれねぇ。)」


レベッカは全力で皆に『奴にケルビムの事は言うなよ!!絶対に言うなよ!!』と念じた。
が、レベッカはテレパシーが使えるわけではない。
実際に声を出して言えば、当然ロクーにも聞かれてしまい意味が無い。
レベッカはこの時ほどリリアーナのテレパシーをうらやましいと感じた事はなかった。
彼女は仕方なく、賭けに出ることにした。
レヘ「いやー、本当に待ってたんだよーロクー(愛好)
 急に君がはぐれちゃってたからさー、レベッカとっても心配しちゃったよー(愛好)」
ロク「はぐれてた?一体何のことだ?」
「(やっべー、何か奴の記憶と食い違いがあったのかぁ?
 でも、これでみんな事情をわかってくれただろ?
 わかってくれたらさぁ、フォローよろしく頼むぜぇ。)」
リリアーナは何か言おうとして息を吸い込んだが、空間の裂け目からどんどん水が流れ込んでくるのに気づいて焦った。
リリ「そ、そんな事より大変なのよ!
 大雨が降って地上が大洪水で、ああ、雨はもう止んだんだけど、大量の雨水が地下へと流れ込んでるんだってば!!
 ナナナ!何とか水を止めないと私達溺死しちゃうわ!空間の裂け目をひとまず止めないと!!」
水位はどんどん上がってきている。
ロク「それは確かに大変だ!」
レヘ「(良かった、リーのおかげでロクーも水の問題に集中してくれそうだぜ。)」
リリ「ロクー、あなた本当に連れはいないの?
 もしも誰か同行者がいるのなら、一刻も早く知らせて助けてあげないと!」
どうやらリリアーナは、以前のクリムゾンヘッドが語った『妹に会う』という言葉を真に受けているようだ。
ロク「??俺に“連れ”?俺の守るべき仲間はお前らだぜ!」
リリ「・・・?」
レヘ「(殊勝なこった。だが、お前は後1時間もしない内に俺達を裏切ったんだ。
 貴様が忘れようとも、俺達はその事をずっと覚えているぞ。)」

フリ「そういえばそのおっきいリュック何が入ってるの?
 まだ入る余地があるなら宝物庫のお宝を詰め込めるだけ詰め込むべきだと思うんだ」
ロク「何を考えているんだ!それは泥棒ではないか!」
レヘ「(やっぱり、リュックにふれると怒るのか?)」
リリ「・・・・・・・・??」
リリ(あれ?さっき会った時と言ってること全然違ってない?)

フリ「そんなことより今は生き残ることを考えますわよ!
 ロクーさんは発明家でしょ!
 空気ボンベか何か水の中でも死なないですむ発明品はありませんの?
 魔法も科学も人のために存在するはずですわよねぇ!!」
フリ「この場合の人とは言語を喋る程度以上の知性を持った生命体の事を言います」
と自分も入っていることを強調するギズモ
フリージアさんはどうやらてんぱっていて上に逃げるという選択肢を忘れているようです。
ロク「(フリージア、俺に敬称はいらないと何度言えばわかるんだ?
  それに発明家って何の事だ?…まぁ、細かい事は気にしないんだぜ。)
ロク「フリージア、お前は自分が魔女だと忘れたのか!?
  だったら、魔法でなんとかする方法を考えるんだ!」
リリ「・・・・・・・え???」
レヘ「いやいや、フリージアに頭脳労働を期待すんじゃねぇよ(笑)」
ロク「ところで、そういうお前は誰だ?」
レヘ「おん?名乗ったはずだぞ。俺はレベッカだが。」
ロク「そうか、だが俺のほうがレベッカだ!!」
レヘ「意味わかんねーよ(笑)」

ギ「これだけ水があれば上に上る階段とか作り放題じゃないの?」
ロク「それだ!」
フリ「分厚い天井をぶち抜けるほどのパワーがあるのならとっくの昔にやってますわ 
 それに天井をぶち抜いたら抜いたで天井の破片に潰されるのがオチですわ」
レヘ「無血八極(ウーシエ・バーチー)のスペルカードで天井を破壊するのも考えた
が、
 やっぱりそうなるだろうなぁ。」
フリ「何か天井を吹き飛ばしてなおかつ落ちてくる破片を浴びないですむ方法は無い
のかしら?」
使えるものは敵でも使えとばかりに周りを見渡すフリージアさん
リリ「大丈夫だよフリージア、レベッカさんと組めばあなたなら絶対出来るってば!」
ロク「心配するなフリージア!俺がついている!俺の能力は知っているだろう、フリージア!?」
リリ「・・・・・・・・?!」
リリアーナの頬にぱっと赤味がさした。
彼女がよく知る、ロクーにそっくりな魔法学園生徒。
彼は、物体操作系の魔法が一番得意だったからだ。
レヘ「(…何言ってんだ、ロクー?フリージアがお前の能力を知っていたら、
 フリージアはお前と敵対していたことになるんだぞ?
 それともノビール・アームの事を言ってんのか?でも、あれが何の役に立つってんだよ?
 …待てよ、そもそもノビール・アームが見えないぞ?前はリュックの外にまではみ出てたんだが…)」

ナナ 「は、はわわわ!え~と。え~と…裂け目の塞ぎ方は…はわわわ~」
幸い、リリアーナの機転で当面の話題は裂け目の止め方に移る。
確かにまあ、これは大事だ。
早く水止めないと、せっかく逃げてきた宝物庫で水死なんて事になりかねないし。
でもナナナは役に立ちそうにないしどうしたものかな…あれ?今、水の中で何か光ったような……?

リリアーナは期待と不安が入り混じったような顔で、目の前の青年をじっと凝視している。
足元の水嵩がどんどん増している様も、今はすっかり眼中に無いようだ。
リリ「あの・・・・・・・ねえ、もしかしてあなた、ロッk」
ミルクが恐る恐る裂け目に近づくと、水の中からから光の羽を羽ばたかせ、“何か”が飛び出してきた!
リリ「キャ――――ッ?!」
アナ「お前なー!お姉ちゃんの手作りレモンパイを置いて逃げるって、どんな頭してるんだ!?」
ミル「アホ姉!?なんで水の中に…って、まさかそれを取りに行ってたの!?」
リリ「せ、先生透けてる!白衣!白衣が濡れて透けてますってば!!」
リリアーナはうろたえながらも、全く意に介していないアナスタシアに必死で訴えた。
ミルクはアナスタシアと小声で何か話しているが、今は少し距離があるため内容までは聞き取れない。

驚いたことに、水から飛び出してきたのはびしょ濡れのアホ姉だった。
手には、レモンパイもどき入りのマジックレンジがしっかりと握られている。
アナ「当たり前だろー!?早速ロクーにレモンパイ渡してやらないとダメなんだからな!」
どうもレモンパイもどき入りのマジックレンジを置き去りにしたのが、お気に召さなかったらしい。
だからって何も取りに戻らなくても…天使じゃなかったら死んでるぞ。
ミル「それ渡すのは良いけど、ロクーにクリムゾンヘッドとかケルビムの話はしないでよ。
 せっかく今は落ち着いてるんだし、どうせならこのままでいて欲しいんだから」
アナ「えー?面倒だなー。
  お姉ちゃんはちょっとくらい刺激が欲しかったのに」
あたしはもうこれ以上いらないっつーの。

ギ「手っ取り早く空間の穴をふさいだら?」
レヘ「俺も同感だ。そもそもこの空間の裂け目を作ったのはターロンじゃなかったか?
 ターロンに塞がせろ。できなけりゃ、尻穴に俺をつっこんでやれ。」
ギ「蛙のお尻にストローを突っ込んで息を吹き入れるんだね・・・・わかるよ」
リリ「分かった。じゃあターロン、初仕事だよ」
ター「開き方は聞いていましたが、閉め方までは聞いていませんでしたね。
   ナナナさんがメイド長に連絡を取り、裂け目の閉じ方を聞くのはいかがですか?」
リリ「つまり、出来ない、と?
 ・・・・・・・・・ちょっとちょっと、何レベッカさんにしがみ付いてるのよ!!
 離れなさいよ、そして空間の穴をふさいでってば~!!」
リリアーナはターロンをレベッカから引き剥がそうとするが、彼女の力ではどうにもならない。
ギ「駄目じゃん」
とギズモ

いいかげん水が溢れてきた裂け目からミルクが離れて戻ると、そこは裂け目閉じ方議論の真っ最中。
逃げ腰ターロンは槍レベッカに巻き付いて身を守ってるし。
ナナナはナナナで、はわはわ言いながら連絡を取ってるからまだ時間かかりそうだ
し。
とりあえず時間稼ぎを考えた方が良さそうだなこれは。
ミル「ねえフリージア、溢れてきた水を凍らせて、とりあえず裂け目に蓋するとか出来ないかな。
 このままじゃ宝物庫で水死になるし、時間稼ぎになるんじゃないかと思ったんだけど…」
リリ「それだわ!フリージアの氷で無理なら使い魔蝙蝠さん達に穴を塞ぐ手伝いをしてもらえばいいわよね!!」
「いや、無茶言わないでください」
さすがにそれはないと呆れながらリリアーナにその提案を拒否するヴァンエレン。

フリ「出来るかどうかいまいち不安だけれどやってみますわ」
と空間の隙間から溢れ出す水を凍らせるフリージア
はたして蓋は出来るのだろうか?
それとも水の重さに負けてしまうのか?

その頃のルズはというと。
ルス「はい、ちょっとそこのおっぱい詰めて詰めて~ん」
ナナ「ひゃあっ!?どどど、どこに入ってくるんですか~!?」
ナナナは慌てて服の間に入ってきたルズを追い出そうとするが、ルズの言葉を聞いてその手を止める。
ルス「猫は水が嫌いなのですわ~。ああ、何だか寒気が~。めまいが~。
 わたくしったら冷たい雨水のせいで、凍え死んでしまうかもですわ~」
そこでルズはあてつけがましく、ごほごほと咳き込んだ。
ナナ「そ、そうだったんですか~!?それでは速く暖まらないと駄目ですよ~!」
咳まで入れる演技にころりと騙されたナナナは、ギュッと強くルズを抱きしめた。

ルス「キャーフリージア女王様~ん、あなたのルズがついておりますわ~。
 ラブパワーで頑張って~ん!」
黄色い声で声援を送っていたルズだったが、ふと何か考えが浮かんだようだ。
ルス「わたくし、ちょっと気になっておりますのよ~。」
ナナ「え?なにがですか?」
ルス「ああ、あなたのバストサイズは把握済みですわ。
 そうではなくて、リリアーナの髪と雷龍の鱗の行方ですわ~。
 あれは一体、どうなってしまったのかしら~ん?」
ナナ「ななななな!ど、ど、ど、どうしてそんな事知ってるんですか~!?
 言っちゃダメですよ!?絶対他の人に言っちゃダメですよ!?
 あ…でも、確かに髪も鱗も誰も取っていないはずですし…どこかに落ちたんでしょうか?」
メイレンが人食いとは知らないナナナは、キョロキョロと床を見回す。
だが髪はともかく、鱗は落ちてはいない。

リリ「そう言えばさっきからえらく静かだけど、死王と魔本はどこ行ったのかな?
 それとミシェル先生にベルジン先生、ニャンコ先生と連絡は取れました?
 私達全員が乗ってきた猫車は、もう動けるようになってればいいんだけど」
レベッカはリリアーナとミルクに小声で呼びかけた。
レヘ「ロクーのノビール・アームがなぜか無くなってるぜ。
 あそこを見てみろ、リュックの口にさっきまで無かった隙間があるだろ? 」
リリ(そういえば、ロックもあんなリュックを背負って、ジャージすがたで課題に出かけたのよね)
だから最初にロクーを見たとき、リリアーナは思いきりロックと勘違いしたのだった。
ミル「え?どこどこ…あ。あれか…」
レベッカに言われてみれば、確かにリュックの口に隙間が見えた。
でも狭い穴だな…あの大きさじゃ中が見えないんじゃないのか?
レヘ「そこによ、ロクーに気づかれねぇように、俺の頭を近づけてみてくれよ。
 リュックの中身が確認できるかもしれねぇ。狭い隙間に挿入するのは俺の十八番だからな。」
イヤな十八番だなおいと思いながらロクーの方を見ると。
マジックレンジ持ったアホ姉が、トコトコとロクーの方に近づいていくじゃないか。
ミル「頭って穂先の方?気づかれないようにするのは難しそうだけど…
 いくらなんでも槍持った人間が近くに来たら、警戒されるんじゃない?」
レヘ「たしかに…だが、安心しな。おめぇの姉貴が警戒される役を引き受けたらしいぜ。」
良くやったお姉ちゃん!!これはチャンス!
リリ「いや、その話なんだけどね、私が思うに、多分彼はロクーじゃなくてロ」
ミル「良し!あたしが行ってくる!
 ごめんリリアーナ、代わりにメイレンさんを預かってて!」
レヘ「久しぶりの挿入だ。緊張するぜ。」
リリアーナから槍レベッカを受け取ると、あたしは急いでロクーに近づいた。
リリ「え?あのミルク、ちょ、待っ・・・・・・・!話はまだうわああああ?!」
レベッカの代わりにメイレンを頼まれたリリアーナは、うっかり生首を落としかけた。
リリ「もう、話まだ終わってないのに・・・・・・ごめんオウカさん、もう少しこうしててもいい?」
桜「あぁ、構わないが…」
そういう桜花の目はロックに釘付けであった
桜(ロック?ロクーではないのか?なんだ知り合いなのか?そしてなんだリリアーナさんのデレデレっぷりは?)
ロックの事を知らない桜花は当然リリアーナのデレデレっぷりの理由も分からない。
リリアーナはそわそわとジャージ姿の青年に視線を向けつつも、
 引き続き、オウカが持っている玉の上にメイレンの首を乗せようとする。
桜(解せぬ…)
自然と眉間のシワが深くなる
リリ「あれ?メイレン様の口に入れた雷龍の鱗は?」
リリアーナは不思議そうにメイレンの口元を覗き込んだ。
桜「…………!?」
明らかにメイレンの表情が変わっている。
桜「メイレンさん…?メイレンさん…?」
何度か呼び掛けてみる桜花、果たして効果はあるのだろうか?

レン「にゃ~ん↓」
桜花が呼びつづけていたかいがあり、非常にテンションが低いが、メイレンが返事をした。
なんと彼女は生きていたのだ。だが、しかし、虫の息であるのもまた事実。
栄養を補給しなければ彼女はこの先生きのこれないだろう。
桜「……メイ…レンさん」
桜「本当に……良かった………本当に…」
ポロポロと涙を流しながら喜ぶ桜花
メイレンがどう思っているかはわからないがムムムとの戦いの時、桜花はメイレンのおかげで生き延びている。
命の恩人が生きていたのだ
桜「……すみません…お見苦しい所を見せました。」
涙を拭き、このグッドニュースを皆に伝えようと顔を上げようとするが
レン「男…若い男を食べたい…」
メイレンが上目づかいでオウカをじっと見つめた。
メイレンの言葉に苦い顔する桜花
桜「申し訳ない、メイレンさん…人を食べさせる訳にはいきません。ですが…」
桜花は何かを準備し始めた。

(178で〆)

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最終更新:2010年01月05日 16:52
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