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信じるということ/GET WILD(後編) - (2008/08/18 (月) 00:04:53) のソース

**信じるということ/GET WILD(後編) ◆14m5Do64HQ


「しかし、エイジャの赤石が本当にあるとはな……BADANって野郎共も侮れねぇぜ……」 
「ああ、敵さんは強大や。 
俺らも気張らなぁあかん……かがみの姉ちゃんも折角核鉄を交換してくれたコトやしな……」 

先程、ジョセフと服部は彼らと情報を交換すると共にお互いの持ち物を確認した。 
波紋使いであるジョセフにとって一振りの木刀――正宗は特に使用する機会がないので、元の世界で使用した事のあるヒナギクに。 
独歩が持っていたエイジャの赤石はジョセフにとってとても馴染み深いものであり、独歩も特に拘りはなかったので彼が受け取った。 
また、危険人物が少なくなったといえども、三村と劉鳳の死体を埋葬するのにあまり長い時間を掛けるのは好ましくない。 
よって、波紋戦士としての修行を終えた、超人的な身体能力を誇るジョセフの走力に、 
服部は出来るだけ合わせた方が時間を短縮出来るのは当然な事。 
足場が悪いため、自転車ではあまり良い手段とはいえない。 
そのために、飛行するだけで黒死の蝶を精製する――疲労を伴う二アデスハピネスよりも、かがみの持つモーターギアの方が、都合が良かった。 
付け加えて、かがみは村雨の運転するクルーザーに乗せて貰う予定であったから。 

「ん? そういえば、ジョセフはん。あの独歩っていうおっさんになんか汚らしいディスクもろてたな。 
あれ、確かめてみたんか?」 
「おいおいおいおい~! 勘弁してくれよ~~~、あの変なディスクを入れるのは結構シンドイコトはおめぇも知ってるだろ? 
既に鳥公の分も入れてるんだしよ~~~、てなわけで未だやってねぇぜ」 
「んーまぁ、確かに気持ちいいもんやないけどなぁ……ほな、なんで譲ってくれるように頼んだんや?」 
「それだ、その指摘は鋭い! このジョセフ・ジョースターは服部、おめーのその良く働く脳みそに敬意を表するぜ! 
実は俺にもわかんねーんだよなー、何故かこのがこの俺を呼んだような気が……あ! 僕ちゃん、ちょっと危ない人に見える? 
見えないよなぁ? 服部~~~~~」 
「だー!気色悪い声だすなや! まぁよーわからんけど……いつかは試してみた方がいいんちゃうか?」 
「そうだな……オーケー、オーケー! 肝にめいじておくぜ!」 

また、ジョセフは独歩から一枚のディスクを譲り受けていた。 
しかし、何故貰ったのかという服部の質問に要領を得ない返事を行うジョセフ。 
服部も特にそれ以上追及せずに、妥当な提案を行い、ジョセフは意外にも素直に了承する。 


「ほな……武装錬金」 
「準備はいいみてぇだな……そんじゃあいくぜ、服部?」 
「ああ……いこか、ジョセフはん」 

やがて服部が武装錬金を発動させ、チャクラムのような金属の輪――モーターギアを両足首に装着。 
地上走破に適したスカイウォーカーモードを発動させ、前方へ視線を送る。 
服部が、ジョセフが向ける視線は神社の方角だけに向いている。 
彼らにはもう迷いはない。 

「そうだ。言い忘れてたコトがあったぜ、服部」 
「なんや?」 
「俺のコトはジョセフじゃなくて、ジョジョと呼んでくれ。 
皆、そういう風に呼ぶからな」 
「……わかった。じゃあ行くで、ジョジョ!」 
「おうよ! 遅れるじゃねぇぞ!!」 

互いに走り出すジョセフと服部。 
ジョセフは走りやすいように先程、服部に見せたディスクをズボンのポケットに戻す。 
ほのかな朝日がジョセフの持つディスクを照らし、鮮やかな輝きを齎す。 
そう。ジョセフが独歩から譲り受けたディスクが―― 
何故だか自分の手元に置いておきたいとジョセフが感じたディスクが―― 
どんなものにも換えられない、大いなる遺産をもいうべきものが詰まったディスクが―― 


――空条承太郎の記憶DISCがジョセフの手に握られながら、星の煌きのような輝きを放っていた。 


【E-2 西部/2日目 早朝】 
【服部平次@名探偵コナン】 
[状態]:肉体疲労中(ニアデスハピネス換算で一発分のみ)、精神疲労大、三村を殺したことから大分立ち直りました。 
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、携帯電話、モーターギア(スカイウォーカーモード)@武装練金、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 
[道具]:支給品一式×2(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、 色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、 ギーシュの造花@ゼロの使い魔、キュルケの杖、拡声器、 ソードサムライX(核鉄状態)@武装錬金、包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック) 病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり)、バヨネット×2@HELLSING、 紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回) 
[思考・状況] 
基本:首輪のトリック、事件の謎を解除する。三村や仲間達に恥じることの無い行動をする。 
1:ジョセフと共に劉鳳の遺体を埋葬するために、神社へ向かう 
2:ルイズの最後の願いについてはどうするか。 
3:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 
4:1が終わり繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合 
[備考] 
※劉鳳、コナン、神楽、ジョセフの事は全面的に信用しています。 
※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への  呼びかけの策」 等については、まだ他の人間に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 
※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 
※三村信史の死ぬ直前の記憶を見ました。 
※第四回放送の内容は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。 
※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。 
※ルイズの最後の願いについてはまだ話し合っていません。 
※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F-2民家の中にあります。 
※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。 
※ジョセフとの相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました 


【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】 
[状態]:左手骨折、全身重度の打撲、精神疲労大、体力消費大、深い悲しみ、脇腹にダメージ大、核鉄の治癒力により回復中 
[装備]:マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険 、ソードサムライX(核鉄状態)@武装錬金 
[道具]:七原秋也のギターをばらしたて出来た弦@BATTLE ROYALE、支給品一式×2、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険 
[思考・状況] 
基本:BADANとかいうボケ共を一発ぶん殴る。 
1:服部と共に劉鳳の遺体を埋葬するために、神社へ向かう 
2:マップの端を見に行く。 
3:1が終わり次第繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合 
4:気が向いたらこのディスクでも確かめてみるか……けど、なんでこれが気になったんだ? 

[備考] 
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。 
※吉良の名前に何か引っかかっているようです。 
※水を使うことで、波紋探知が可能です。 
※三村の留守電を聞き逃しました。 
※主催者の目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。 
※少なくともかがみとは別の時代の人間であるということを認識しました。 
※波紋の力を使うことで対象のディスクを頭部を傷つけることなく強制排出することができます。 
 ただし、かなりの集中力を要求します。 
※マジシャンズ・レッドの火力は使用者の集中力によって比例します。 
 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。 
 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します 
 また、ジョセフのマジシャンズ・レッドは通常の炎の威力の調節が極端に難しい状態です。 
 ただし、対象に直接マジシャンズ・レッドの手を当てて炎を出した場合に限り調節が可能です。 
 修練をすれば通常の炎の精度が上がる可能性があります。 
※S7駅がかなり脆くなっていることを発見しました。 
※第四回放送は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。 
※服部との相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました 
※服部の時のような誤解による失敗を二度とすまいと考えています 

[共通備考] 
※ 覚悟、村雨、かがみ、ヒナギク、独歩、エレオノールと情報交換をし、友好関係を結んでいます。 
また、アカギとパピヨンは協力者、川田は危険人物と認識しています。 

※以下の事を考察しています。 
このゲームの主催者はBADANである。 
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。 
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc) 
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある 
だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。 
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。 
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。 
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。 
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。 



「では、我々も行くとしよう」 
「ええ、わかったわ」 

時間は少し遡る。 
服部とジョセフと別れた後、覚悟がそう口を開き、答えを返すのはヒナギク。 
そして、村雨とかがみ、エレオノールの三人も同意を示すかのように頷く。 
服部とジョセフにやりたい事があったように彼らにもどうしてもやっておきたい事があったからだ。 

「もし、川田君がパピヨンさんとアカギさん、津村さんを襲ってたら……一刻も早く止めないとね」 
「ああ、その通りだ」 
「恐らく、あの川田という男は学校の方へ向かったハズ……急ぎましょう」 

覚悟の知り合いで、協力者でもあるパピヨンとアカギ、津村斗貴子との合流。 
そして、エレオノールが数時間前に接触した川田を止める事。 
なんとしてでも行わなければならない二つの目的。 
そのために彼らはパピヨンとアカギ、斗貴子が今もなお待っていると思われる学校。 
其処へ向かう事を決めていた。 

「乗れ、かがみ。エレオノール、あんたも乗ってくれ」 
「うん!」 
「わ! わかりました!」 

ホテルの直ぐ前の歩道に停めて置いたクルーザーへ向かう村雨。 
村雨のその言葉にかがみは短く、それでいて元気良く答え、直ぐに彼の後を追う。 
だが、かがみとは対照的にエレオノールは意外そうな返事を返す。 
少し言葉を詰まらせながらも、あるるかんの鞄を持ち、そそくさと村雨とかがみの後を追うエレオノール。 
そんな不審な動きをするエレオノールに対し、村雨は訝しげな表情を浮かべた。 

「何か変なコトを言ったか?」 
「いえ、違います! 実は私は徒歩を命じられると思っていましたので。 
声を掛けてもらえて……ちょっと驚いただけです」 
「む…………そうか」 
「いやいや、ちよーっと待った!『そうか』って軽く済ませるんじゃないわよ! 
というかエレオノールさん……もしかして天然ボケ?」 
「天然ボケ……ですか……? かがみさん、それは一体どのようなコトを?」 
「かがみ、俺にもよくわからん」 
「あー……はいはい……もう、わかったわ。よーく、わかったわ……」 

心底不思議そうな表情を浮かべる村雨とエレオノールの二人。 
予想以上の反応を見せてくれる二人に対し、かがみはがっくりと肩を落とし、何かを諦めたような様子でクルーザーへ向かうのを再開する。 
『この天然ボケコンビが……』、とボソッと呟き、歩を進めるかがみの背中にはなんともいえない様子が垣間見えた。 
かがみの言葉の意味を良く理解できなかったが、ともかくクルーザーの元へ向かおうとするエレオノール。 
そんな時、村雨が口を開いた。 

「エレオノール、覚えているな。 
俺は綾崎ハヤテという男……いや、仲間から三千院ナギを守るように頼まれたコトを。 
そして、俺がお前と同じように……罪もない人間を殺した事も……」 
「はい。勿論です…………」 

村雨の鋭く研ぎ澄まされたような眼光がエレオノールに突き刺すように射抜く。 
先程、ホテルでの一件の後、情報交換をし、エレオノールは村雨の事を大体聞き知っている。 
村雨が綾崎ハヤテと共にラオウと闘い、彼の遺言――三千院ナギの保護をしかと心に留めた事を。 
エレオノールとヒナギクが握手をした時、村雨は只、無言での光景を見つめていた。 
その後、今に至るまでエレオノールと村雨は一対一で言葉を交わした事はない 
そのため、エレオノールは村雨が自分をどう思っているのかが気掛かりだった。 
次第にエレオノールに緊張が走り、彼女は村雨の次の言葉に全神経を集中させる。 

「俺もお前と同じように悩んだ……本当にあいつらを一緒に闘っていいのかを。 
何度も何度も血を浴びてきた俺が、本当に……」 

エレオノールに話すというよりも、自分自身に言い聞かせるように呟く村雨。 
無骨な顔立ちをしている村雨が浮かべる表情。 
そこに怒りという感情はなかった。 
只、自分自身の罪をもう一度心に焼き留めるために。 
エレオノールに言葉をぶつけるために。 
村雨は口を開く事をやめようとはしない。 

「だが、あいつらはそんな俺を受け入れた……信じてくれた……。 
俺に言葉を投げ掛けてくれたんだ…………」 

そんな時、村雨がチラリとある方向に眼をやる。 
村雨の視界に映る人影、それはクルーザーの後部座席に陣取ったかがみの姿。 
いつも自分の傍に居てくれた年端もいかない少女。 
だが、村雨は直ぐに視線をエレオノールの方へ向きなおす。 
「だから、俺もお前を信じる。 
あいつらが俺を信じてくれたように……お前のコトを信じる。 
今のお前をつくったもの……お前のするべきコトを見つけたもの……お前が手に入れた『記憶』を俺は信じるコトが出来る」 


村雨はそう言って、直ぐに背を向け、クルーザーの元へ歩き出す。 
一人残されたエレオノールはその場に立ち尽くしている。 
直ぐにその場で、村雨の背中に向かってお辞儀をする。 
そんなエレオノールが浮かべる表情。 
やはりそれもまた―― 


「ありがとう……ありがとうございます……村雨さん…………」 


涙に塗れた『いい笑顔』だったに違いない。 

「ふふ、騒がしいわね。 
そういえば覚悟くん……私達はどうするのよ?」 

微笑を浮かばせながらヒナギクは隣に居る覚悟に問う。 
クルーザーが幾ら大型のバイクといえども、三人以上乗るのは困難に思える。 
更に覚悟は強化外骨格『零』を纏っており、重量的にも問題があるかもしれない。 
そのため、学校へ向かうための自分達の移動手段について覚悟に相談していた。 
生憎、ヒナギクには良い移動手段が浮かばなかったからだ 

「安心してくれ、ヒナギクさん」 
『うむ、問題はない!』 

だが、ヒナギクの意図に反して、覚悟と零はあっさりと答える。 
覚悟と零の共に自信に満ちた声を聞いて、ヒナギクの懸念も吹っ飛ぶ。 
覚悟も零も嘘をつく性格ではないので、彼らの言葉は信用できるからだ。 
一体、二人はどういう案を思いついたのだろう。 
そんな事を考えながら、ヒナギクは覚悟と零の次の言葉を待つ。 

「――え?」 

その時だ。 
ヒナギクは、何故だか急に自分の身体が浮き上がるような感覚を覚えた。 
ヒナギクにそんな感覚を覚えさせた要因。 
それは―― 

「な!ななななななな、何するのよ!!」 
「すまない、ヒナギクさん。少しの間、我慢してくれ」 
『ははは! 覚悟よ、少し手荒だったようだ。精進するのだな』 
「了解だ、零。しかしあまり暴れないでくれ、ヒナギクさん。 
落ちたら、擦り傷を負ってしまうかもしれない。」 
「そ!そうじゃなくて!!」 

覚悟がいきなりヒナギクを抱きかかえ――所謂、お姫様抱っこの形で彼女を持ち上げていたからだ。 
真っ赤な顔でじたばたと覚悟の腕の中で暴れるヒナギク。 
幾ら、仲が良いといえども、いきなりこんなコトをされてはヒナギクがたじろぐのも可笑しくない。 
だが、覚悟もヒナギクが地へ落ちないように彼女の身体にかける手の力を強める。 
零を纏っているといえども、覚悟の感触を尚更感じる事になったヒナギクの胸の鼓動は一層速いものとなった。 
しかし、覚悟は直ぐに視線をヒナギクから離したせいで、ヒナギクの動揺に特に気がついた様子は見せない。 

(待っていてくれ、パピヨン殿、アカギ殿、津村さん……。 
川田、お前がもし彼らを傷つけるようなコトをしたならば……友といえども、もう見逃すコトはできん!) 

此処から遥か遠い、目的地学校で待つ仲間達。 
そして其処に向かったと思われる川田へ覚悟は決意を打ち立てる。 
既に戦友・零との再会の瞬着は完了済み。 
己を一振りの剣として守るべき仲間の存在は覚悟に計り知れない力を与えてくれる。 
ならば、覚悟に立ち止まる事など有り得ない。 
覚悟の心中に浮かぶ、彼の生き様を指し示した言葉。 

――覚悟完了 

その言葉を噛み締め、覚悟はヒナギクを抱えたまま、腰を落として構える。 
一方、未だに覚悟の意図がわからないヒナギクは只、混乱するのみ。 
やがて、再びヒナギクは自分の身体が――いや、今度は前方へ引っ張られるような感覚を覚えた。 

「しっかりと掴まっていてくれ、ヒナギクさん。 
それと、舌を噛まないように注意を」 
「え!え、ええええええ!?」 
『よし、ゆけ! 覚悟よ!!』 

ヒナギクを抱え、覚悟が地面を滑空するように突き進む。 
その速度はいうなればとても人の走力で出せる筈もなく、尋常なもの。 
ヒナギクの身体を襲った圧倒的な速度の正体。 
それは零の背中部分を始めとする各所に取り付けられた推進装置によるものだった。 
零の持つ無数の推進装置で生み出される速度の最高値は約、秒速270mであり、時速になおせば972kmとなる。 
単純計算では最高時時速700kmを誇るクルーザーの速度を優に上回るが、ヒナギクを抱えている事もあり、 
覚悟が最高時速まで速度を引き上げる事はないだろう。 
だが、それでも覚悟が現在出している速度があまりにも速いものであるという事に変わりはない。 
抱きかかえられたまま、そんな異常な速度で移動を余儀なくされたヒナギクは―― 

「と!止めてえええええええええええええええええ!!」 

案の定、大声で絶叫しながら覚悟の腕にしっかりとしがみついていた。 
いつもの気高き態度など微塵も見せずに、歳相応な少女のような焦りを見せながら。 
只、ヒナギクは喚いていた。 
そりぁあ、もう清々するくらいに。 


【D-3 北東部/2日目 早朝】 

【葉隠覚悟@覚悟のススメ】 
[状態]:全身に火傷(治療済み) 胸に火傷、腹部に軽い裂傷。頭部他数箇所に砲弾による衝撃のダメージあり 
    胴体部分に銃撃によるダメージ(治療済み) 頭部にダメージ、 
    両腕の骨にひびあり、零の推進剤により高速移動中 
[装備]:強化外骨格『零』@覚悟のススメ 
[道具]:大阪名物ハリセンちょっぷ 滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり) 
[思考] 
基本:牙無き人の剣となる。この戦いの首謀者BADANを必ず倒し、彼らの持つ強化外骨格を破壊する。 
1:川田を説得する。 
2:斗貴子を牙無き人々の一人と見なし、守る。 
3:ヒナギク、村雨、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。 
4:3が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合 
5:村雨が再び記憶を失い、殺し合いに乗るようならば倒す 
【備考】 
※こなたの死を知りました。それが川田のせいである事も知っています。 
※パピヨンとアカギを全面的に信用しています。 
※ラオウを倒した男が劉鳳だと知りました 
※零と一体になる事に迷いはありません 

【零についての備考】 
※零の探知範囲は制限により数百メートルです。 
※零はパピヨンを危険人物と認識しました。 
※零は解体のため、首輪を解析したいと考えています。 
※零は村雨の体を調べ、その構成が、極めて高位の霊魂ならば、強化外骨格同様受け入れられる構造になっていると知ります 


【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 
[状態] 顔と手に軽い火傷と軽い裂傷。右頬に赤みあり。右肩が外れている、手の平に裂傷、勇次郎平手によるダメージ 、核鉄の治癒力により回復中 、覚悟に抱きかかえられている 
[装備] バルキリースカート(核鉄状態)@武装錬金(アーム四本中三本破損) 木刀正宗@ハヤテのごとく 
イングラムM10(9ミリパラベラム弾0/32)454カスール カスタムオート(6/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(28発) 陵桜学園高等部のセーラー服@らきすた 
[道具]支給品一式、ボウガン@北斗の拳、ボウガンの矢17@北斗の拳 
[思考・状況] 
基本:BADANを倒す。 
1:斗貴子については戸惑い 
2:覚悟、村雨、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。 
3:2が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合 
4:川田を説得する。 
5:と、止めて…… 
[備考] 
※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです 
※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1~3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています 
※核鉄に治癒効果があることは覚悟から聞きました 
※バルキリースカートが扱えるようになりました。しかし精密かつ高速な動きは出来ません。 
 空中から地上に叩きつける戦い方をするつもりですが、足にかなりの負担がかかります。 
※エレオノールと和解しました 
※独歩が持っていた陵桜学園高等部のセーラー服@らきすたを着ています 

[共通備考] 
※服部、ジョセフ、エレオノールと情報交換をし、友好関係を取っています。 



「おーおーおー……あいつらも行ったみたいだな。 
じゃあ、お前らも気をつけろよ」 
「ああ、わかった、独歩」 

爆走してしいく覚悟とヒナギクを見送り、独歩がクルーザーに跨った村雨に声を掛ける。 
移動手段も特になく、五人も行けば充分だと思ったので独歩は学校へ向かわない事にした。 
戦力的にも村雨、覚悟、エレオノールの三人が居るので川田と戦闘になっても遅れを取る事はまずないだろうからだ。 

(それに……俺よりもこいつらの方が適任だろうからな……) 

確かに独歩もパピヨンとアカギの事は気になる。 
だが、それよりも川田と先程の五人の因縁は海のように深いのもまた事実。 
そのために、独歩は彼らにケリをつける役目を譲った。 

「愚地独歩……貴方には本当に申し訳ないコトをしました……。 
ナギのコトは勿論、貴方とは何度も闘い……それどころかケンの助けにもなれずに……」 
「へっ……もう、そのコトは言うな。さっさと村雨達の手伝いでもしてこい」 
「はい、わかりました……」 

かがみの後に腰掛けるエレオノールが深く頭を下げ、独歩が碌に視線も合わさずに言葉を返す。 
どう考えても愛想が良いといえない独歩の返答に思わずエレオノールは更に頭を項垂れる。 
覚悟、ヒナギク、川田の三人に深い因縁があるように、独歩とエレオノールの間にも深い因縁が根付いている。 
一度目は独歩が才賀勝と共に居る時に行った騙まし討ち。 
二度目はマーティン・ジグマールと共に芝居をして行った奇襲。 

三度目は二度目の奇襲の後、あるるかんを手に入れたエレオノールによって不覚にも気絶させられた事。 
自分を一番恨んでいても可笑しくない独歩への謝罪の気持ちでエレオノールの表情は暗い。 
そんなエレオノールを尻目に独歩は背中を向け、村雨達と顔を合わせようとしない。 
益々、元気を失くし、今にも涙がこぼれそうになるエレオノール。 
しかし、エレオノールの顔から涙がこぼれる事はなかった。 

(そうだ、このくらい……当然な報いです。 
だから今は……証明してみせます。私の言葉が偽りではないコトを……私の意思を!) 

決意を新たにエレオノールは顔を上げる。 
その表情に何かを諦めるような意思は見えない、見えるわけもない。 
自分を信じてくれた人、救ってくれた人に報いるために自分の役目を演じる。 
その使命に全てを賭ける決意。 
それがエレオノールに力を分け与えてくれるから。 

「……行くぞ」 

エレオールの様子を少し心配そうに見やる村雨だが、意を決したかのようにクルーザーのアクセルグリップに掛けた手に力を込める。 
クルーザーがゆっくりと動き出し、独歩との距離が少しずつ開いていく。 
だが、そんな時、クルーザーのエンジンの排気音に紛れながら独歩が小さく呟いた。 
とても小さな声であるため、本当に届いたのかはわからないが。 
自分の傍を過ぎ行く村雨達に――いや、エレオノールに対して。 

「――頑張れや」 

独歩は背中を向けながら、短い言葉を送る。 
それは彼なりの優しさだったのかもしれない。 


【E-2 南西部/2日目 早朝】 
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】 
[状態]全身に無数の打撲、頬に軽い腫れ 全身に更なる重度の打撲傷を負う 核鉄の治癒力により回復中 
[装備]十字手裏剣(0/2)、衝撃集中爆弾 (0/2) 、マイクロチェーン(2/2) 核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金 
[道具]地図、時計、コンパス、 女装服 
    音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾、 
[思考] 
基本:BADANを潰す! 
1:ハヤテの遺志を継ぎ、BADANに反抗する参加者を守る 
2:ヒナギク、覚悟、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。 
3:2が終わった後、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合。 
4:かがみを守る 
[備考] 
※傷は全て現在進行形で再生中です 
※参戦時期は原作4巻からです。 
※村雨静(幽体)はいません。 
※連続でシンクロができない状態です。 
※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。 
※D-1、D-2の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあるのを確認しました。 
※記憶を取り戻しました 
※独歩、覚悟と情報交換をしました。 
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。 
※勇次郎の放送を聴きました。 
※エレオノールから改心に至る事情を聞きました 
※ラオウ、勇次郎との戦闘を経て戦闘技術が劇的に向上しました 
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました。 
※ジョセフと和解しました。 
※怒り等感情に任せて行動しないよう自制する事を覚えました 

【柊かがみ@らき☆すた】 
[状態]:全身に強度の打撲、左腕欠損(止血済み)、休息により(?)それなりに回復 、核鉄の治癒力により回復中 
[装備]:巫女服 
[道具]:二アデスハピネス (核鉄状態)@武装錬金 ニードルナイフ@北斗の拳 
[思考・状況] 
基本:BADANを倒す 
1:みんな元気になれっ……もちろん自分も 
2:村雨と行動を共にする 
3:神社の中にある、もう一つの社殿が気になる。 
4:川田を止める 

[備考] 
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。 
※勇次郎の放送を聴きました。 
※零の暗雲についての推測を知りました。 
※かがみの主催者に対する見解。 
①主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている 
②主催者は時を越える"何か"を持っている 
③主催者は①・②の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある 
④だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。 
※首輪の「ステルス機能」および「制限機能」の麻痺について 
かがみがやった手順でやれば、誰でも同じことができます。 
ただし、かがみよりも「自己を清める」ことに時間を費やす必要があります。 
清め方の程度で、機能の麻痺する時間は増減します。 
神社の手水ではなく、他の手段や道具でも同じことが、それ以上のことも可能かもしれません。 
※ステルス機能について 
漫画版BRで川田が外したような首輪の表面を、承太郎のスタープラチナですら、 
解除へのとっかかりが見つからないような表面に 偽装してしまう機能のことです。 
ステルス機能によって、首輪の凹凸、ゲームの最中にできた傷などが隠蔽されています。 
※S1駅にハヤテのジョセフに対する書置きが残っています 
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました 
※村雨との協力を申し出てくれた服部に感謝しています 

【才賀エレオノール@からくりサーカス】 
[状態]:疲労大 全身に火傷 、核鉄の治癒力により回復中。 
[装備]:エンゼル御前(核鉄状態)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス(頭部半壊、胸部、腹部に大きな損傷、全身にへこみと損傷あり) 
[道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ) 
[思考・状況] 
基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。 
1:仲間達と共に行動する。 
2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器を破壊する。 
3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。 
4:一人でも多く救う。 
[備考] 
※ジグマール、村雨達(村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、服部、ジョセフ)と情報交換をしました。 
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。 
※夢の内容はハッキリと覚えていますが、あまり意識していません。 
※エレオノールが着ている服は原作42巻の表紙のものと同じです。 
※ギイと鳴海の関係に疑問を感じています。 
※フランシーヌの記憶を断片的に取得しています。 
※「願いを叶える権利」は嘘だと思っています。 
※制限についての知識を得ましたが、細かいことはどうでもいいと思っています。 
※自転車@現実は消防署前に落ちています。 
※才賀勝、三千院ナギの血液が溶けた生命の水を飲みました。2人の記憶を取得した可能性があります。 
 が、断片的かもしれないし、取得していないかもしれません。 
 才賀正二の剣術や分解などの技術は受け継いでいません。 
※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。 
※独歩の言葉が聞こえたかは不明です。 
※BADANによって加工された核鉄は本来の核鉄の特性と若干異なる可能性があります(エンゼル御前が勝手に発動するなど) 

ホテルの前で、一人取り残された愚地独歩。 
特にやる事もないのでもう一度身体を休める事もいいかもしれない。 
だが、勇次郎とラオウとの戦闘は主に村雨と覚悟が行ったため、独歩が負った負傷はそれ程のものではなかった。 
試しに全身を動かし、自分の身体の調子を確かめる独歩。 
左腕、左肩の負傷は大きいが特に活動に支障はない。 
休める内に休んでおくのも大切な事だと思うが、どうにも時間が勿体無いと独歩は思い始める。 
何か出来る事は、暇つぶしになるような事はないか。 
そんな事を独歩は考え始めるが―― 

「そうだ。そういえばヒナギクの嬢ちゃんが言ってたな……」 

何か妙案を思いつき、独歩はそそくさと己のデイバックを漁る。 
直ぐに名簿を取り出し、メモ帳として用意されたと思われる一枚の白紙を破り取り、支給された鉛筆で文字を書き始める。 
『ちょっと宝探しに行って来るわ、その内戻る』。 
と、独歩は極めて簡潔に用件を書いた紙を持って、ホテルのエントランスに入り、受付口のテーブルに置く。 
一応、紙が飛ばされないようにジャッカルを錘として。 
ジャッカルは不死王・アーカードのために作られた専用銃であり、殺傷性能は極めて高い。 
かがみやヒナギクのような女子校生は勿論の事、服部にも仕える代物ではない。 
使えそうな村雨、覚悟、ジョセフ、エレオノールの四人の装備は充分であったため、独歩が持っていた。 
しかし、独歩はそんなジャッカルをあっけなくホテルへ放置し、直ぐにエントランスから出ようとする。 

「……と、こいつらもいらねぇな」 

と思いきや、独歩は他の支給品――ベレッタM92、仕込み傘、棍棒、麻雀セットをドア近くのソファに適当に放置した。 
数多くの支給品を手放した独歩。 
だが、不思議と彼の表情には全くそれを惜しむような顔は見られない。 
何故なら、独歩がこれから行う事――『宝探し』には不必要なものだから。 

「確かH-4だったなぁ。ちぃーっと距離があるが……まぁいい暇つぶしになるだろうよ」 

独歩が行おうとしている事。 
それは先程の休憩の時、ヒナギクがふと思いだしたように、自分の最初の支給品を忘れてきたという話に関係している。 
アレクサンド・アンデルセンから逃げる時にH-4の森林地帯にデイバックを落としてしまったヒナギク。 
そう。独歩はそのデイバックを探しに行こうとしていた。 
もしや、とてつもなく良い支給品が入っている可能性もあるため、回収する事に越した事はないからだ。 
そして、日々鍛錬を積んだお陰で培われた独歩の身体能力は常人を遥かに越えるといっても、銃などを持ち歩いては速度が遅くなるのも当然。 
そのために、身体を軽くするためにも独歩はジャッカルなどを放置を決めた。 
ホテルから出た独歩は素早く地図とコンパスを取り出し、自分の行くべき方向を確認する。 

「へっ……やっぱり、俺には銃なんて似合わねぇなぁ……」 

一度は使い慣れていない銃さえも使って、闘う事を決意した独歩。 
独歩は大人といえるほど充分な歳は取っているが、人格者という程素晴らしい人物とはいい難い。 
相手に勝つためなら、たとえ騙まし討ちを使う事になっても一切のためらいは持たない。 
だが、それでも独歩は銃を使う事に抵抗があったのかもしれない。 
銃を一切手放した事で不思議と心が軽くなっていくような感覚が独歩を襲う。 

(ケンシロウ……てめぇが守りたかったものは全部俺が引き継いでやるぜ。 
だから、そこで見とけ……) 

早すぎた死を迎えたケンシロウに独歩は思いを飛ばす。 
顔を上げればどこまでも広がっていそうな青空が広がっている。 
顔を撫でる様な風の心地よさに少し眼を細めながら、独歩はあるものを取り出す。 
それは六角形の形をした金属片――核鉄。 

「武装錬金」 


初めて武装錬金を発動させる独歩。 
核鉄が分解し、BADANの技術によって固定された武装錬金が形を成していく。 
山吹色の輝きを放つ太陽の槍ではない。 
銀色の煌きを放つ六本の処刑鎌でもない。 
漆黒の闇を齎す黒死の蝶々でもないもの。 

(力を借りるぜ……嫌でも貸してもらうけどなぁ!) 

それは服部平次が一番上手く扱えると思われる独歩に、使ってくれるように頼んだ武装錬金。 
それは自分を王と錯覚し、反逆の拳にその身を打ち砕かれた男が使っていた武装錬金。 
それは反逆の志を受け継いだ、かっての外道が己の誇りにしていた武装錬金。 
それは揺ぎ無い正義を翳し、最期までその正義を失わなかった男の武装錬金。 
それは自分の死よりも自分自身の喪失を恐れ、綱渡りの人生を渡ってきた男が使っていた 
武装錬金。 


「さて……行こうか。何が出てくるか……楽しみだぜ」 

ヒナギクから譲ってもらった武装錬金・シルバースキンを全身に纏い、独歩が口を開く。 
シルバースキンは己の格闘術を用い、相手に打撃を与える武装錬金。 
これほどまでにも独歩向きの支給品は他にもないだろう。 
そして独歩は自分の目的を再確認する。 
未だ知らないヒナギクの支給品。 
――もしかすれば取るに足らないものが入っているかもしれない。 
――もしかすれば主催者達の居場所を記した地図のようなものが入っているかもしれない 
――そして、もしかすれば勇気ある伊藤博士が密かに入れた秘密兵器というべき支給品が入っているかもしれない。 
テンガロンハットを被り、独歩が一陣の風となり、地を駆ける。 
この殺し合いを潰す――揺ぎ無い意思を胸に抱きながら。 

【E-2 南東部/2日目 早朝】 

【愚地独歩@グラップラー刃牙】 
[状態]:体にいくつかの銃創、頭部に小程度のダメージ、左肩に大きな裂傷 左腕を深く抉られている 
[装備]:キツめのスーツ、(15本)、シルバースキン@武装錬金 
[道具]:基本支給品一式×2、首輪×2 、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達     
[思考・状況] 
基本:闘うことより他の参加者 (女、子供、弱者) を守ることを優先する 
1:H-4でヒナギクの支給品を探す(時間は未定) 
2:可能なら、光成と会って話をしたい。 
3:適当な時に繁華街のホテル(E-2中心部)へ戻る 

[備考] 
※パピヨン・勝・こなた・鳴海・覚悟・村雨・ヒナギク・かがみと情報交換をしました。 
※刃牙、光成の変貌に疑問を感じています。 
※独歩の支給品にあった携帯電話からアミバの方に着信履歴が残りました。 
※BADANの存在を知り、かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。 
※愚地流奥義にしたいと思っている技を会得しました(意を消した拳、これを拳のみならず他の空手技にも用いる事が出来る) 
※繁華街のホテル(E-2中心部)内に ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、ベレッタM92(弾丸数0/15)、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 
鷲巣麻雀セット@アカギ、置手紙が放置されています。 


【村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、エレオノール、服部、ジョセフ、八人の共通備考】 
※一通りの情報交換は終えています 
※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。 
※主催者の目的に関する考察 

主催者の目的は、 
①殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、 
②最強の人間の選発、 
の両方が目的。 
強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。 
強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。 
※五人の首輪に関する考察及び知識 
首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。 
首輪には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている 。 
首輪にはステルス機能があり、身を清め水を掛ける事で解除可能 
※五人の強化外骨格に関する考察。 
霊を呼ぶには『場』が必要。 
よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論 
※BADANに関する情報を得ました。 
【BADANに関する考察及び知識】 
このゲームの主催者はBADANである。 
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。 
光成は司会役として脅されている。 
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc) 
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある 
だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。 
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。 
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。 
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。 
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。 

[[前編>信じるということ/GET WILD]]

|236:[[乱 AWAKEN-目醒め>乱]]|[[投下順>第201話~第250話]]|238:[[第五回放送]]|
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|233:[[決戦]]|才賀エレオノール|242:[[襲来!蝶男の帝王舞]]|
|233:[[決戦]]|村雨良|242:[[襲来!蝶男の帝王舞]]|
|233:[[決戦]]|柊かがみ|242:[[襲来!蝶男の帝王舞]]|
|233:[[決戦]]|ジョセフ・ジョースター|241:[[神社にて]]|
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