mangaroyale @ ウィキ内検索 / 「徳川光成! きさま! 聞いているなッ!」で検索した結果

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  • 徳川光成! きさま! 聞いているなッ!
    徳川光成! きさま! 聞いているなッ! ◆ZhOaCEIpb2 ―――それでは、バトルロワイアルを続行する!!』 ガチャンとマイクのスイッチが切れる音がする。第一回目の放送が終わりを告げる。 C-1の大通りを歩く一人の老人。長く伸びた立派の髭を手で弄びながら、放送の内容を一言一句聞き入っていた。 フェイスレスは内容を聞き終えるとふーんと息を漏らし、 放送で追加された事項を書き留めるためにパックから名簿と地図とメモを取り出す。 名簿に亡くなった順に横線を引く、地図に進入禁止エリアとその時間を書き込む、メモには追加されたルールを書き込む。 「よかった、よかった。死なれちゃ困るからね」 さも当たり前かのようにフェイスレスは頬を緩ませる。 自分の生まれ変わり先である才賀勝と愛しきエレオノールの二人は強い、簡単には命を落としはしないだろう。 でも、安心...
  • ◆O4VWua9pzs 氏
    ...詐欺師) 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 104 以前の彼女 109 ギャラン=ドゥ ジグマールのバトルロワイアル 136 ――――降臨 183 I bet my belief 氏が執筆したキャラ 2回 白金(フェイスレス)、マーティン・ジグマール 1回 ジャギ、津村斗貴子、加藤鳴海、しろがね(才賀エレオノール)、赤木しげる
  • 眠れる奴隷?
    ... 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 投下順 090 パピ☆すた 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 時系列順 090 パピ☆すた 085 Drastic Soul アミバ 101 極めて近く、限りなく遠い『運命』へ
  • MY DREAM
    ...師) 白金 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ!
  • 第051話~第100話
    ...ルケ、神楽 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! ◆ZhOaCEIpb2 A-1 老人ホーム周辺 朝 白金 089 眠れる奴隷? ◆hqLsjDR84w E-6 路上 朝 アミバ 090 パピ☆すた ◆TzQ8TPLtkI D-3 喫茶店 朝 パピヨン、泉こなた 091 Justice to Believe ◆VACHiMDUA6 C-8 西部 朝 平賀才人、葉隠散、村雨良、劉鳳 092 続:ハッキング ◆bH5ADDHScw D-6民家 朝 ジョセフ、三村信史 093 デッド・ライン ◆TJ9qoWuqvA D-4 北東バイパス通り 朝 赤木しげる、加藤鳴海 094 仮説 ◆BeXslSbd9c F-4 病院2F/F-3 路上 F-4 病院3F 午前 江戸川コナン、マリア、坂田銀時、吉良吉影、ルイズ、志村新八、葉隠覚悟、ジグマール 095 いま賭ける、この―― ◆VACH...
  • 第2回放送までの本編SS
    ...ルケ、神楽 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! ◆ZhOaCEIpb2 A-1 老人ホーム周辺 朝 白金 089 眠れる奴隷? ◆hqLsjDR84w E-6 路上 朝 アミバ 090 パピ☆すた ◆TzQ8TPLtkI D-3 喫茶店 朝 パピヨン、泉こなた 091 Justice to Believe ◆VACHiMDUA6 C-8 西部 朝 平賀才人、葉隠散、村雨良、劉鳳 092 続:ハッキング ◆bH5ADDHScw D-6民家 朝 ジョセフ、三村信史 093 デッド・ライン ◆TJ9qoWuqvA D-4 北東バイパス通り 朝 赤木しげる、加藤鳴海 095 いま賭ける、この―― ◆VACHiMDUA6 C-2 路上 朝 才賀勝、才賀エレオノール 午前 082 不死王、一人 ◆L9juq0uMuo A-5 中部 民家内 午前 アーカード 094 仮説 ◆...
  • 悪魔の子
    ...』 投下順 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 086 漫画キャラバトルロワイアル特別編『SAGA』 時系列順 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 073 帝王と死神 ケンシロウ 106 人の名前とか間違えるの失礼だ 068 マダオはマダオであってマダオ以外の何者でもない キュルケ 106 人の名前とか間違えるの失礼だ 068 マダオはマダオであってマダオ以外の何者でもない 神楽 106 人の名前とか間違えるの失礼だ
  • 状況は……? 勘違い真っ最中!!
    状況は……? 勘違い真っ最中!! ◆hqLsjDR84w  ――――定時放送。  バトルロワイアルの哀れな参加者の大半が、それを聞くために行動を中断する。  殺し合いに乗った者も、主催者へ対抗しようと心に決めた者も、未だどっちつかずの者も、等しく耳を傾ける。  それが、6時間ごとに主催者が行う定時放送だ。  バトルロワイアル開始から18時間経ったいま。 『さて諸君、午後18時の定時放送を始める。調子はいかがだろうか?』  その定時放送の第3回目が始まり、徳川光成の声が会場全体に鳴り響く。 『午後19時からB-1、午後21時からD-7、午後23時からH-6』  まず告げるのは禁止エリア。  禁止エリアは2時間ごとに1つずつ増えていき、参加者の行動範囲は限定されてしまう。  殺し合いを円滑に進たいという、主催者の意図が...
  • あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を(中編)
    あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を(中編) ◆40jGqg6Boc 校舎の屋上の上に腰を落とし、不敵に見下ろす人影。 金色のボディに、風にたなびかせるマントを持つその人影はZXに酷似していた。 そう。その人物こそがこのバトルロワイアルの発端となりし存在。 大首領、“JUDO”がその場に悠然と彼らに自分の存在を示していた。 ◇  ◆  ◇ 「ッ! ジュドオオオオオオオオオオオオオッ!!」 ZXが吼える。 何故、ここに大首領が居るのか。 もしや、現世への復活が強化外骨格を使う以外の方法で成功したのだろうか。 様々な疑問が浮かんでは消えてゆき、ZXを惑わす。 だが、今は詳細について考えている暇などない。 変身解除を強引に取り止め、身体を捻じ曲げるように振り向き、ZXは数歩の助走を経て地を蹴り飛ばした。 更に両脚裏に内蔵...

  • 乱 ◆hqLsjDR84w  バトル・ロワイアルの会場に放送が鳴り響いてから、五分が経過する。  迫る物体に稲妻を放つ迎撃装置に守られし、バトル・ロワイアルの会場の遥か向こう側に存在するBADANの砦。その一室、薄暗い部屋。  そこで顔面を伝う冷や汗を拭う余裕すらないほどに、焦りを募らせている男が一人。  伊藤博士と呼ばれている、BADANの研究者だ。  ちなみに、バトル・ロワイアルの参加者に嵌められた首輪の構造を発明したのは、彼とその部下達である。  まあ、それを可能にしたのは、BADANの持つ最先端のさらに上を行く技術なのだが。  その技術を使いこなし首輪を作り上げたというのは、大いに評価されてしかるべきであろう。  さて、そんな彼が焦っている理由だ。  それは、彼の眼前にあるPCのモニターに映るオンライン雀荘サイト。  彼はそのオンライ...
  • 見えない俺から君に打ち明ける(後編)
    見えない俺から君に打ち明ける(後編) ◆hqLsjDR84w ■  コールタールを波紋で弾いていたジョセフが、何故何かに足をとられそのままズッこけたのか。  それは、あくまで偶然。偶然により発生したこと。  その偶然は、劉鳳と服部にとってこれ以上無い幸運であったが、ジョセフにとっては最悪のことだった。  ジョセフが足をとられたものは、コールタールではない。  弾力があり、全体にヌメヌメとした液体がコーティングされ、曲げると自分で元の形状に戻ろうとする――『クレイジー・ダイヤモンド』のDISC。  三村信史がジョセフの為を思って託したDISCが―― 「撃ち滅ぼせえええええええッ! 絶影ッ!!」  劉鳳の叫び声。  転倒中のジョセフが空中で振り返り、驚愕。目に映ったのは、触鞭を伸ばしている絶影。  ジョセフにとって、絶影の触...
  • 心に愛を
    ...ズキ 死亡 088 徳川光成! きさま! 聞いているなッ! 白金 死亡 096 真赤な誓い 三千院ナギ 121 君には花を、いつも忘れないように
  • 地獄の季節
    地獄の季節 ◆3OcZUGDYUo 「どーして誰も来ないのだぁーっ!!」 ソファ席に寝転びながら、小柄でツインテールの少女が不機嫌そうに叫ぶ。 彼女の名は三千院ナギ。知る人ぞ知る名家のお嬢様である。 ナギは喫茶店に着くまでの道中で訊いた、新たな合流者がたった一人も居なかったどころか、戻って来ない事に腹を立てていた。 ちなみに彼女が寝転がっているのは今まで碌に休憩も取らなかったため、疲れ果ててしまっていたからだ。 やはり高校生といえども所詮飛び級、しかも体力は人一倍少ないナギの身体は悲鳴を上げていたのだろう。 「お嬢様、落ち着いてください。でも変ですね……何処かへ行かれたのなら、そろそろ誰か戻ってきてもいいと思いますけど」 怒鳴り喚くナギを、漆黒の執事服に身を包んだ青年が優しくなだめる。 青年の名は綾崎ハヤテ。三千院家に住み込みで執事の...
  • 今にも落ちてきそうな星空の下で
    今にも落ちてきそうな星空の下で ◆MANGA/k/d.  「…これは、『聞いた話』だから、どこまで正しいかは分からない…が…。  『スタンド能力』を引き出すモノがあるそうだ…。  私の父が、エジプトの占い師の老婆から聞いたと言っていた。  それを使うと、先天的にスタンド能力を持っていない人間も、スタンド能力に目覚める…。  しかし、『素質がない』 場合は、まれに… 『死ぬことがある』 らしい…。  私には関係ない事だと…そんなに信憑性のある話でもないと…そう思ったから、ほとんど忘れていたし………たいして信じても居なかったよ…。  だが…まさか…いや…。  『コレ』がそうなのか…?  今ここで、これだったとでもいうのか…?  そんな馬鹿なことが…いや…馬鹿げたことが…」  ◆◆◆  おん…おん…おん…おん…。  音が。  ...
  • 薔薇獄乙女
    薔薇獄乙女 ◆3OcZUGDYUo 赤と白で彩られた一台の消防車が大地を疾走する。 本来は消火作業のため使われる消防車だが当然この場ではそんな役目を請け負っていない。 只参加者の移動を円滑に行うために、そして強いて言うなら……参加者を轢き殺すために。 「ふぅ……もうすぐあの老人が言っていた放送の時間か」 何の罪もない一般人を自分の不注意で轢いてしまうような事は絶対に避けなければならない。 そのため鼻の上に特徴的な傷跡を持つ少女、津村斗貴子は全神系を運転に集中させていたが あの忌々しい光成という老人が言っていた定時放送の事を思い出す。 慣れない消防車の運転に今まで注いできた集中力を一旦停止させ、同時に斗貴子はブレーキを踏んで消防車を停止させる。 そしてテキパキとデイパックから鉛筆と地図、そして名簿を取り出す。 数時間前、花山薫と共に範馬勇次郎と...
  • 鬼が来たりて笛を吹く
    鬼が来たりて笛を吹く ◆05fuEvC33. 神楽の頬の透き通りそうな位白い肌に、淡い桃色の花びらが舞い落ちる。 満身創痍の身体に、しかし花に囲まれ穏やかな笑みを浮かべた神楽の亡骸は皮肉なほどに美しい。 それを江戸川コナンは、生気の無い表情で眺めていた。 もうどれ位こうしているだろう? 時間の感覚を失くした為に分からない。 『私はこっちが良いアル』 そう言って神楽は、友と決別した自分に同行してくれた。 理由は良く分からない。 神楽より年少の姿をした自分が、一人で行動するのを不憫に思ったのだろうか? 同行する理由は何であれ、そんな神楽の存在がどれ程心強かった事か。 範馬勇次郎の凶行から、身を挺して守ってくれた。 『お前、無茶苦茶ネ!』 『お前が言うんじゃねえよ!』 何より共にいるのが、楽しかった。 出会って一日...
  • 何をしても勝利を
    何をしても勝利を ◆9igSMi5T1Q  数時間前に伊藤博士から言われた事は分かる。  地下闘技場のような道楽を持っているとは言え、光成とて、人並みの倫理観も持ち合わせているつもりだから、 彼の期待に応えたいと思う気持ちはある。  けれど、自分に何が出来るのだろう。  それなりの財産はある。祖先から守り続けてきた権力もある。  だが、一匹の雄としてはすこぶる無力だ。  BADANという得体の知れない組織に対して、何をもって抗うことが出来るのか。自分には殆ど分からない。  この20時間で、彼らの姿が輪郭だけぼんやりと見えてきた気がする。  それは、山にたとえるなら富士山と言うよりエベレストと言うより、海中深くに存在する標高10000mを超えた巨大な存在。  それは、星にたとえるなら地球と言うより太陽と言うより、ブラックホール。  そこにあること...
  • 運命の罠
    運命の罠 ◆05fuEvC33. 「武装錬金」 全く感情のこもらない声が響く。 「オレ参上…………ってえええええええ!! 何でお前が居るの!? ナギリンは!?」 「私があなたの持ち主だからだ」 核鉄から練成された、エンゼル御前は 自身の持ち主が三千院ナギから、敵対していた才賀エレオノールに替わっていた事に驚きを隠せない。 エンゼル御前とは対照的に、エレオノールは淡々と答える。 エレオノールはエンゼル御前の矢で、前方の木の枝を3つ撃ち落した。 (自動照準による精密射撃…………やはりそれがこの武器の特性か) 「武装解除」 騒ぐエンゼル御前を無視して核鉄に戻し、足早に出発する。 ナギとの戦いで、エンゼル御前に意思が有る事を知っていたエレオノールは 自分にもエンゼル御前が扱えるか性能テストを兼ねて試したのが、今の射撃実験。 (問題無い。これ...
  • 遥かなる正義にかけて(中編)
    ...謝の意を示してやろう徳川光成! 闘争という形でな!」 そう言い放ちアーカードは己の頭部にそのDISCを文字通り差し込む。 一度桐山がやっているところを見ていたブラボーに驚きはないが、彼以外の全員はアーカードの予想外の行動に驚く。 その瞬間――全身の所々にテントウムシの形をした装飾、肩には天使の羽のような装飾が施された人形。 まるで頭部がテントウムシそのものとも言える、黄金の人形がアーカードの傍に浮いていた。 「ゴールドエクスペリエンス、『黄金体験』か……味な名を付けたものだ」 そうアーカードが開いたエニグマの紙には『ゴールドエクスペリエンスのDISC』という文字が書かれていた。 ザ・ワールドのスタンドを持つDIOの息子であり、気高き覚悟と果てしなき夢を持つ少年、汐華初流乃、またの名をジョルノ・ジョバァーナ。 彼が持つゴールドエクスペリ...
  • AWAKEN-目醒め
    AWAKEN-目醒め ◆hqLsjDR84w  何やら暗闇大使がやたらと怒りに身を震わせながら部屋を飛び出していったが、そんなことは私の興味の範疇から大きく外れている。  はっきり言ってしまえばバトル・ロワイアル自体、心の底からどうでもいい。  世界征服? 大首領のボディの選定? 強化外骨格? BADAN症候群? 挙句の果てには、貴様等が神に愛されし者? 下らない。  BADANだか知らんが、貴様等は所詮下らない事を目的にしている――藁の家に住まう者にすぎない。  身の程を知れ。深遠なる『天国』を目的とする、私とDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあない。  まあ、DIOを蘇らせてくれたことと、空条承太郎の記憶を見せてくれたことには、ほんの少し思うことはある。  それはただ、『天国』の『引力』がそういう『運命』を引き寄せただけだが、一応の感謝くらいはしておこう。 ...
  • ふしぎなおくりもの
    ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w  さてさて、今回はランダムアイテムについての話をしよう。  まずはランダムアイテムとはいったい何なのか、それについての説明かな。  集められたバトルロワイアルの参加者達は、徳川光成にルールを説明された後に、バトルロワイアルの会場のあらゆる地点に飛ばされた。  飛ばされる瞬間、参加者の足元に大首領の力による魔方陣が出現したのだが、それに気付くものはいなかった。  ほぼ全ての参加者が、葉隠覚悟の宣戦布告に目を取られていたためなのだが、覚悟自身もそれを知ることはないだろう。  参加者が飛ばされた場所の付近に、デイパックが置いてあったのだ。  なに? 気付いた時には、デイパックを所持していた者達がいる?  ああ、知っているさ。志村新八とマリアの二人だろう? なに、彼等の勘違いさ。  彼等は、自らデイパックを背負ったの...
  • 君には花を、いつも忘れないように
    君には花を、いつも忘れないように◆YbPobpq0XY (私のせいだ……) あの戦いの後、三千院ナギはその場にうずくまったまま動こうとしない。 空を見上げれば誰が見ても快晴。 雲ひとつ無いのがまたやけに空しかった。 (私がでしゃばったりしたせいでカズキは……カズキは! いや……それより───! そもそも……。そもそも私がここに残ったりしなければ……疲れただなんてワガママを言わなければ!) 枯れ尽くした悲しみの涙の代わりに、後悔の涙と懺悔の涙がボロボロと流れ続ける。 間接的に自分が足を引っ張って人を死なせてしまった……。 そう思うと、カズキを一人だけにしておく事がどうしてもできなかった。 「…………ま!」 遠くから聞こえる声。 聞き間違えるはずの無い、最愛の人の声……。 「お嬢様!!」 綾崎ハ...
  • あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を
    あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を ◆40jGqg6Boc 辺り一面が砂で覆われた大地、運動用のグラウンド。 本来の目的はその学校に通学する生徒達の体育の授業、休み時間の息抜きに使用するもの。 だが、言うまでもなくこの場ではそんな意味は持っていない。 BADANが大首領・JUDO(ジュドー)の現世への復活のために、開催した鮮血の儀式。 通称“バトルロワイアル”のための会場の一部として用意された学校の周辺施設でしかない。 そして、そんなグラウンドに静かな風が吹いていた。 心地よい、だがそれでいてどこか荒々しくもある矛盾した風が。 「いくぞ、変身……!」 漆黒のジャケットを羽織ったパーマの男――村雨良が口を開く。 足を肩幅程に開き、両腕を構え、真っ直ぐ前を見据える。 続けて、村雨の腰にベルトのようなものが巻かれ、眩い閃光が広がった。 ...
  • 燃える決意――Resolution――
    燃える決意――Resolution――  ◆3OcZUGDYUo 太陽が沈みかけ、ほのかに映える橙の色彩が空一面に、これでもかというくらいに広がっている。 橙の大空の下には、それと同じようにどこまでも広がる黒々とした力強い大地。 所々に緑の草木が生い茂っている事が、その大地の力強さをひっそりと印象付ける。 橙と黒と緑の協調によって描かれたこのエリアD-3。 そんなエリアD-3というキャンパスに銀という、異色ともいえる色が混じっていた。 その色の正体は、短く、それでいて丁寧に整えられた銀一色の髪。 そして強い意志を秘め、髪と同じ鋭い光沢を放つ銀色の両眼。 人形破壊者(しろがね)の名を持つ、才賀エレオノールだった。 「たしかこの辺りだったな……ギイ先生のオリンピアは」 透き通るような白い体躯に、ピエロのメイクをしたエレオノール。 しろが...
  • 夜兎と範馬
    夜兎と範馬 ◆6YD2p5BHYs 月明かりの下、少年は唐突に足を止めた。 「……あ、そうだ」 「何か忘れ物でもしたアルか?」 病院近くの、何の変哲もない民家の玄関先。そこから数歩踏み出したところで。 急に動きを止めた江戸川コナンに、神楽は怪訝そうな顔を向ける。 波乱万丈の大暴れの末、勇次郎も撒いた。シャワーも浴びて気分も一新した。 楽しく笑い合って、2人の絆もさりげなく確認しあった。 さあこれからだ、という時に、何を言い出すつもりなのだろう? と思っていると……。 「ごめん、ぼく、トイレいきたい。今のお家にちょっと戻ろう? ちょっとだけでいいから」 「なぁぁぁぁ!? おまえッ、よりにもよってこの流れで水差すネ? 嫌がらせアルか!?  てか便所くらい人がシャワー浴びてる間に済ませとけェェェ! こんガキがぁぁぁぁ!」 ...
  • Reckless fire
    Reckless fire  ◆bnuNxUeVnw 「なぁ~服部、そろそろ行こうゼェ~。僕ちゃん疲れちゃった。」 「ジョセフはん、あんた自分からこの駅のまわりを探す言うたやないかい。」 「だってよぉー、めんどくさいんだもん」 S3駅周辺で三人の男たちが疲れた様子で周囲の捜索を行っていた。わずか数時間前に誤解と偶然によって危うく互いに殺し会うところだったとは到底思えない三人組み。 色黒の西の名探偵、服部平治。 リサリサを師とする波紋の戦士、ジョセフ・ジョースター。 アルター能力「絶影」を操るHOLYの誇り高き隊員、劉鳳。 彼らは当初神社に向かおうとしていたが、綾崎ハヤテの死から自分たちには情報が必要だと思いとりあえず主にE-2の北の繁華街を捜索していた。が結局何も見つけられず今現在S3駅の周りにいるということだ。 しかしながら三人はとても...
  • 地獄へ道連れ
    地獄へ道連れ ◆bnuNxUeVnw 「本当にいいのか……?もし違ったらお前は彼らの信頼を大きく裏切ることになるんだぞ……?」 「これしかないんや。このままじゃ安心して話ができへん。協力するにも脱出するにも100%互いに信頼できるようならなあかん。ここは賭けるときなんや」 カチリ カチリ 運命の輪が回りだす。 今、さいは投げられた…。 ひんやりとした空気が流れ、風が少し強くなり、肌寒くなってきた。空気は澄んでいて木の葉がゆれる音がコーラスのように心地よい眠気を誘う。 「綺麗な月やな、かぐや姫でも降りてきそうな夜や」 「君がそんなロマンチストだとは思わなかったよ」 小さい笑い、静寂。 「冷えるな…」 「せやな、風が出てきたな。風邪をひかないように気ぃつけな」 風が窓をガタガタ揺らす家から服部と吉良が外を眺めながら取りとめも無い会話に...
  • 月下の死闘、そして……(後編)
    月下の死闘、そして……(後編) ◆L9juq0uMuo 「残念だったなぁ、鳴海。このDIOの首をはねた時、貴様は『勝った』と油断した。だがな、首を落とした程度ではこの『帝王』を倒す事などできない」 地に落ちながらも首だけで笑顔を浮かべるDIOの姿が目に入った。 ドサ、と言う音と共に、鳴海が地に伏し、顔だけをDIOの首へと向ける。 「テメェ……」 「言っただろう? 『ザ・ワールド』以外にも力があると。もっとも、体力の消費はスタンド以上であるからあまり多様はしないがね、」 首が飛ばされた瞬間、DIOは気化冷凍法で血を凍らせ、首からの出血を抑えた。 そして、落下しながらも、先程鳴海の肩を抉った裂眼刺驚を発射、狙いはずれたが、鳴海のわき腹を抉る事には成功した。 「あの時、ジョナサン・ジョースターに敗れた時は、既に胴体は無く、ジョナサンの体を...
  • 『二人の探偵』(後編)
    『二人の探偵』(後編) ◆1qmjaShGfE その光景を、コナンは信じられない思いで見つめていた。 服部が、吉良を撃った? まだ劉鳳を説得すれば、殺さずに捕える事も出来たはずだ。 確かに吉良はスタンドを出した。だが、それすらも困難ではあるが克服不可能な障害ではなかったはずだ。 誰も死なずに事を収める方法は、まだ残っていたはずなのだ。 もう劉鳳の動きも目に入らない。 「服部! 何故撃った!?」 服部はその一撃で倒れ臥した吉良の様子を確認した後で、こちらを向いた。 「吉良の命より、劉鳳はんや他のみんなの命の方が大事やからや」 コナンの言いたい事も理解しているようだ。その上で撃つ? 何を考えているかまるでわからない。 殊更に事務的な口調を続ける服部。 「吉良の意識は無い。瞳孔も開いとるから、死んだと考えて間違い無いやろ」 吉良は...
  • 君にこの言葉が届きますように(中篇)
    君にこの言葉が届きますように(中篇) ◆14m5Do64HQ ジグマール、独歩、ケンシロウから僅かに離れた、エリアD-3の西部。 そこに一人の女性と少女が対峙している。 銀色の髪の毛を生やす女性は才賀エレオノール。 金色の髪の毛を生やす少女は三千院ナギ。 背丈も、身の上も違う二人には共通点などはない。 性別、そして加藤鳴海と一時の交流があった事を除いては。 「さぁ、ナルミのコトを聞かせてもらおうか。抵抗すれば……わかっているな」 そういうや否や、エレオノールはスーツケースからあるるかんを取り出す。 力ずくで、即急にナギから話を聞き出すためなのだろう。 慣れ親しんだその動作に一切の無駄は見受けられない。 瞬く間に、あるるかんがナギとエレオノールの間に立ちそびえる。 見たこともないあるるかんの出現に、ナギの身体が僅かに身震いを起こす...
  • 束の間の休息
    束の間の休息◆9igSMi5T1Q  数分前まで神社にいた男は、近くの禁止エリアに向かっている。  今は神社に留まるべきではない。  JUDOとの邂逅はそれなりに興味深かったが、長居は禁物なのだ。  手に入れた煙草を蒸かしながら、ぽつぽつと歩いていく。  着いたら、軽く休憩するのも悪くない。  赤木とて、ただの人間なのだから疲れたときぐらい一睡もする。  歩きながら、不意に空を見やる。 (いい加減なものだな……)  降ったり止んだり、天も忙しい。  神を自称する男に付き合わされて重労働だ。  オレンジから深い藍色に変わるグラデーション。  空にはもう、不規則に並ぶ星座たちは見当たらず、朝になった事を伺わせる。  とはいえ、天の下にいる男は、そんな事など微塵も考えない。ただ空を仰ぎ見るだけ。 「……クックックッ」  案...
  • 男とアルター
    男とアルター ◆d4asqdtPw2 「ハア、ハア……こんなことなら賭けなんかに乗らなければ良かった……アカギ!! いや、アカギさん!! 助けてくれー!!」 涎をまき散らしながら無様に走る男が1人。 数時間前まで放っていた高貴なオーラは、どこか汚れて黒ずんだオーラになっているように見える。 有名な芸術家の生み出した彫刻のように美しいはずのその顔は、汗と涙でグチャグチャに歪んでいた。 彼の後方、十数メートルには髑髏を模した小型の戦車のような物体。 杜王町に発生した史上最悪の殺人鬼、吉良吉影。 その男のスタンド、キラークインの能力の1つ、シアーハートアタックだ。 「コッチヲ見ロ~ッ!」 「……って、ぬおー!」 叫んだせいで走る速度が落ちたのだろうか、シアーがジグマールに肉迫してきた。 シアーが右足に接触する……寸前のところでジグマールが右に大...
  • Justice to Believe
    Justice to Believe ◆VACHiMDUA6 「ここがホテルか」  防人こと――英語とフランス語のチャンポンだが――キャプテン・ブラボー、桐山と別れてから暫くして、ホテルに劉鳳は到着した。  真・絶影から飛び降り、解除。 「く……思った以上に、疲労が大きい」  疲労に少し歩を弱めながらもホテルの入り口を開く。 「平賀才人はいるか!」   いるか、いるか、いるか――――  ホテルに声が木霊する。  どうしてなかなか、人が出す音の無いホテルというのには音が響くらしい。 「平賀才人はいるか!」  再度の呼びかけ、   いるか、いるか、いるか――――  木霊以外は全くの無音。  平賀才人という人物の返答、存在は期待できない。  時間的に考えて、彼がまだ到着していないということは考えられないだろう。 「遅か...
  • 夜兎と範馬(後編)
    夜兎と範馬(後編) ◆6YD2p5BHYs 空気が、凍りついた。 はらはらしながら戦いの行方を見守っていたコナンも、必死に番傘を振るっていた神楽も、共に凍りつく。 こいつは、何ていった? ついさっきまで戦っていた相手に、一体何を? 「――おい、勇次郎。おめぇ、こんな時に何を」 「そうアル! まったくなんてぶしつけな男ネ?! プロポーズするなら、その前に愛の告白アル!」 「そうだ物事には順番ってものが……ってちょっと待て!?」 思わず突っ込みかけたコナンは、割り込むように叫んだ神楽に一瞬同意しかけて、ぎょっとする。 見れば神楽は頬を真っ赤に染め、モジモジと身をくねらせ…… 「……いやいやいや、それはねーだろ!  なんで『まんざらでもない』って顔してんだよ、お前は!」 「でも綺麗で可愛いジャンプヒロインの私に一目惚れしちゃう気持ち...
  • 君にこの言葉が届きますように
    君にこの言葉が届きますように ◆14m5Do64HQ 雨が降りしきる。 大雨とはいえない、小雨の雨が降りしきる。 その雨がこの殺し合いに集められた参加者の髪を、衣服を濡らしていく。 しかし、その事に気を掛けている参加者は数える程しかいないだろう。 それは何故か? 一つには参加者の人数が減ってきた事が挙げられる。 だが、それは決定的な理由ではない。 彼ら参加者には雨が降っているという、そんな些細な事には気を回せないのだ。 彼らにはやるべき事が、演じるべき役割が、喜劇を演じなければならない舞台があるから。 そこに己の命を賭けてまでの価値がある限り。 「だいたいの事情はわかった。そしてその銀髪女には俺も借りがある」 お互いの名前などの、おおまかな情報交換を終えた三人組の内の一人、ケンシロウが口を開く。 先刻合流し、今は黒王号から降りた...
  • あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を(後編)
    あの忘れえぬ思い出に『サヨナラ』を(後編) ◆40jGqg6Boc ◇  ◆  ◇ 「デルフリンガー……徳川さん、ゆっくりと眠ってくれ……」 学校から少しはなれた場所。 一段と土が盛り上がった場所を振り返り、村雨がそう言って立ち去ってゆく。 出来るものであればもっと時間を掛けて、立派な墓を造ってやりたい。 だが、生憎、碌な時間はないため、村雨は下唇を噛みながら、自分の前を歩くかがみとエレオノールの元へ進む。 既に涙は流れていない。 涙を流しきる時間は、無力さを悔しむ時間、デルフリンガーと光成を悼む時間は充分に経過したから。 「村雨さん、やはり急がねばなりませんね」 「ああ、そうだな……」 口を開いたのはエレオノール。 首輪を外したため、今までその存在をBADANから隠すために発言を避けてきたエレオノール。 しかし、エレオノールは惜しげもな...
  • I bet my belief(後編)
    I bet my belief(後編) ◆O4VWua9pzs 闇夜の中を歩く一人の男がいた。 シアーハートアタックの死線を超えた赤木しげるであった。 今アカギは目的地である学校へと足を運んでいた。 この半日の間に有力な情報を携え、主催者に対抗できる力を着々と身につけていった。 だが、しかし・・・ 「承太郎を失ったのは……痛かった」 あまり会話を交わしていないとはいえ、承太郎の瞳は鳴海と同じように強い意志を持っていた。 どんな逆境に立ち向かえる強い意志。 主催者に立ち向かうにあのような強い意志を持った人間が必要だったのだ。 それに加え、承太郎はスタンドという未知の能力を持っていた。 主催者に立ち向かえる筆頭になるはずだった。 …だが…死んだ。 「とんだ災難だったな…承太郎」 普通なら弱かったから死んだと思うだろう。しかし、アカ...
  • 鳥の歌に導かれて
    鳥の歌に導かれて ◆rnjkXI1h76 「どうして……どうしてこんなことになっちゃったのかな……?」  エリアF-5に位置する6階建てマンションのとある一室。そこに柊つかさはいた。  部屋の明かりは点いておらず、つかさも部屋の隅で体育座りをしながらじっとしていた。  ――いや。『じっとしていた』というのはさすがに間違いかもしれない。なぜなら彼女の体はまりで貧乏ゆすりをしているかのように小刻みに震えているのだから。  もちろん、その理由は恐怖によるものだ。  今しがた自身がそう呟いたように、どうしてこのようなことになってしまったのかつかさには理解できなかった。  いきなり見ず知らずの場所にいて、いきなり殺し合いを強要され、さらには目の前で一人の少女が頭を吹っ飛ばされて死んだ……  悪い夢なら早く覚めて欲しいとつかさは思う。しかし、自身のいる空間に漂う空気と首...
  • デッド・ライン
    デッド・ライン ◆TJ9qoWuqvA 「……ついたぜ。鳴海」  グリモルディのキャタピラが土埃を舞い上げるのを止め、朝日に照らされる校舎へ赤木は降り立つ。  白髪を揺らし、とがった顎先と高い鼻を持つ顔。怜悧な瞳で周りを見渡し、安全を確認した。  鳴海のほうを向くと、彼は怒りに満ちた表情をしていた。  定時放送を聞いたときから彼は押し黙り、身体中に熱を持ち押し黙っている。  彼の知り合いはフェイスレス一人。その名が呼ばれなかったことから、知人が死んで怒っているわけではない。  ならなぜ怒っているのか?  答えは単純。多くの犠牲者が出て、それを仕込んだ主催者、たしか徳川とかいった爺さんに対して怒りを感じているからだ。  六時間ほど共にして、鳴海がそういう男だというのは理解した。  同時に赤木は考える。  この定時放送で呼ばれた知り合いはいる。だが...
  • 今にも落ちてきそうな星空の下で(中編)
    今にも落ちてきそうな星空の下で(中篇) ◆MANGA/k/d.  まとわりつく、粘ついた空気。  暗闇の中で呼吸も出来ずに、もがいている。  脚に、腕に、身体に…そしてのどに、無数の手がからみついて、引き戻そうとしてくる。  誰だ?  振り返りたい衝動。  しかし、振り返ってはならない。  何故か、そんな気がする。  耳元に息がかかる。  生暖かい。  首筋に液体がかかる。  ぬらりとした感触。  うめき声が、悲鳴が、嗚咽が、怨嗟が。  耳の奥へとぬるりぬらりと入り込んでは、ぐるりぐらりと渦巻いて脳を揺さぶる。  痛い…苦しい…助けて…何故…。  何故こんな非道いことを…。  お願いします、子供だけは…。  痛い、痛い、痛い…身体が…中から…。  顔にかかる液体の暖かさ。  爆ぜる肉体の、はらわたから立ち上る湯気...

  • 弟 ◆WXWUmT8KJE  ガタンゴトン……  電車の揺れにハヤテは身を任せ、外を見つめる。  次々と電柱が通り過ぎ、夜の街を映す。電車の窓に映る自分の顔は憂鬱そうだった。  それもそうだろう。ジョセフとの約束どおり、ナギと合流して村雨を止めることができるのか、不安でたまらないからだ。  ハヤテとしては、村雨に幾らか感情移入していることもあり、できれば助けてやりたい相手でもある。  かがみに関しても、こなたを知っている身としては、どうしても助けてあげたい。  村雨を悪者にしない。  かがみを助け出す。  二つを叶えるのは都合がよすぎるのかもしれない。  しかし、ハヤテには『覚悟』がある。己が命をも厭わないほど、強烈な覚悟が。  もともとはガモンに対する怒りだった。  仲間を失った村雨に対する同情であった。  アーカードに対する、大切な...
  • 吸血鬼
    吸血鬼 ◆IXRLXwC0Ds  一介の日本人高校生だった俺が「ハルゲニア」に召喚されたのはいつのことだっただろうか。  今までの知り合いが誰もいない世界、唯一繋がりのあるルイズからは犬扱いされて苛められる。心から日本に帰りたいと思った日々。  そんな時に唯一優しく接してしてくれたのが、シェスタを始めとする厨房の皆だった。まさに心のオアシス――彼女達がいてくれたからつらい事も我慢して生活できた。  そして過ぎていく時間と共に生活は変わっていく。タバサ、キュルケ、ギーシュを始めとする友達や、アンリエッタ王女やコルベール先生という良き理解者ができた。  ひたむきに好意を寄せてくれる恋人のような友達、シェスタ、高飛車で意地悪だけどたまに見せる優しさが可愛らしいご主人様、ルイズ。二人に囲まれるて過ごす日々は幸せだった。 (そう、別に日本に戻れなくても構わない、「ハルゲニア」...
  • その男、反逆者につき
    その男、反逆者につき ◆qvvXwosbJA F-7エリア、その東部に位置する駅、S9――「ステーション9」。 この駅には、もっというならこの区画の駅全てには、参加者には知らされていない事実がある。 それは、この駅を通っているのは通常の路線ではなく『地下鉄』であるということ。 地上にあるのは整然と並ぶ券売機と無人の改札、商品が放置されたままの売店ぐらいで、改札を通った先には地下へ続く階段が奥へと延びている。 しばらくはろくに整備されていないのか(もっともこのフィールドがいつから存在するかなど知る由もないのだが)、 切れかけの蛍光灯の明滅する光がその明るさとは裏腹に深夜の陰気な不気味さを醸し出している。 階段を降りた先のホームには無機質なリノリウムが敷き詰められていて、くすんだ黄色の点字ブロックが形ばかりの存在感を主張している。 こちらは地上ほどは暗くはないも...
  • 遥かなる正義にかけて
    遥かなる正義にかけて ◆3OcZUGDYUo 白銀のコートを纏った一人の男が力なく大地に膝を屈し、彼の前で転がる惨めな少年の亡骸を凝視している。 その男は錬金戦団戦士長と言う肩書きを持つ者……防人衛、またはキャプテン・ブラボーと名乗る男。 そして彼の目の前で口元から赤く、生々しい臓物をだらしなく垂らし、 つい先程20にすら満たない僅かな人生に終幕のカーテンを下ろした男。 防人衛の同行者、桐山和雄が横たわっていた。 今このエリアA-8にはこの二人、いや、酷な言い方になるが人間が一人と有機物の塊が存在していると言う方が正しいのが現状だった。 またいつもはその両の眼は揺ぎ無い信念、正義の色で染まっているブラボーのそれが今ではその面影を微塵も感じさせない。 「桐山……」 全ての人類を守るため全てのホムンクルスをその鍛え抜かれた拳、正義、信念で打ち砕...
  • 揺ぎ無い意思貫くように
    揺ぎ無い意思貫くように  ◆3OcZUGDYUo 我が物顔に太陽が眩しい輝きを放ちながら、大空に顔を出している。 その太陽から放たれる太陽光がどこまでも生茂る草木に必要不可欠な成長活動、光合成を行わせる。 そして太陽光は人体にも当然利点がある。 人間の生活習慣を制御する機能にあたる生活リズム。 この生活リズムは元々一時間のズレが生じており、太陽光を浴びる事によりこのズレを修正している。 また人体を支える役目を持つ骨。 この骨の新陳代謝を活性化させ、骨を強固なものとさせる役目を持つビタミンDの合成過程にも太陽光を浴びる事は一枚噛んでいる。 人体にとって太陽光は紛れもなく重要な働きがあると断定できるだろう。 だが、残念ながら利点ばかりではない。 あまり太陽光を浴びすぎても過剰な日焼けにより皮膚ガンなどの弊害も生じるからだ。 また体温の上昇も引き起こ...
  • 蜘蛛の糸~キラキラと輝くもの(後編)
    蜘蛛の糸~キラキラと輝くもの(後編) ◆MANGA/k/d.  こなたは言う。  「パピヨンはパピヨンだ」  あいつとは違う。  パピヨンは言う。  「今日今まででお前に見せた俺も、紛れも無く蝶人パピヨンたる俺自身の姿だ」  あいつとは違う。  それは事実だ。  それでも。  同じだ。  耳元で、囁かれる。  『私と君の、何が違う? 私は石仮面の力で人を辞め、人を越えた吸血鬼となり、欲望のままに人の血を飲み、意のままに支配する。  君も又、自らの意志で人を辞め、練金の力で人を喰らうホムンクルスとなり、欲望のまま人を喰らい、ホムンクルスを生み出し支配する。  何が違う? 君と私の、何が違う?  私たちは同類だ。人を越えた存在だ。  殺し、喰らい、破壊する。人を越えた化け物。  何が違う?』  違わない。  詳細名簿に書...
  • 深い傷を抱いて、繰り返そう 悲劇が待ってたとしても……!
    深い傷を抱いて、繰り返そう 悲劇が待ってたとしても……!◆YbPobpq0XY 薄れる意識の中で、星の無い空を見上げていた。 (空が……きれい……) 視界の端に割り込む、色とりどりのネオンなどは不純物にすぎない。 黒はこんなにも深い物だと言う事を、かがみは今日まで知らなかった。 吸い込まれそうなほど単調な風景に、どこまでも心を奪われる。 闇を切り裂いて、一筋の流れ星が目に入る。 誰も見ていないが、この舞台では過去二回流れ星が降った。 『かがみの見ていない所で』三つ目の流れ星が落ちたのだ。 ほんの一秒ほどで消えたかすかな光。 だが、それは人工的に作られたネオンなどと違って、いつまでもかがみの目に焼き付いていたのだった……。 ☆   ☆   ☆ 「かがみ……」 かがみのその瞳が急にドス黒く濁っ...
  • 愛すべき日々
    愛すべき日々 ◆1qmjaShGfE それは微かな振動。 今にも消え入りそうな、そんな音。 ずっと待ち望んでいたそれを、しかしヒナギクはどうしても信じられず、すぐ側に居る村雨に聞いて確かめる。 「ねえ……今、動いた……わよね」 心臓マッサージを担当していた村雨は、ヒナギクと全く同じ顔をしていた。 「お前も……そう、感じた、のか」 独歩が二人の肩を掴みながら、横になるかがみの顔を覗き込む。 「お、顔に赤みが戻ってきてやがる。やったじゃねえか二人共」 そう言って、ぽんと二人の肩を同時に叩く。 四つんばいになりながらかがみに人工呼吸を行っていたヒナギクは、上体を起こすと地面に座り込んでしまう。 独歩に倣って心臓マッサージを行っていた村雨も、ヒナギク同様に腰を落とし、両手を後ろに回して地面に付く。 「やった……やったぞ」 村雨の心の底から...
  • 戦闘潮流(後半)
    戦闘潮流(後半) 柊かがみは普通の女子高生であり、別段恨みを買うような事はした事がなく、 特に殺してやりたいと思われるほど恨みを買うような事は今までしたことがなかった。 だが今エリアD-8で乗用車を走らせている人間は恨んでいた……彼女を殺したい程に。 「柊……てめぇはゆるさねぇ……ジョジョを殺したてめぇはな」 マジシャンズ・レッドによって炎上した乗用車をクレイジー・ダイヤモンドの能力で完全に直した三村が一人呟く。 そして後部座席にはこれも同様にクレイジー・ダイヤモンドの能力で直したデイパックが二つ載っている。 実は三村は三つ直していたが、直した後で「あまり持ちすぎていては不自然か?」と思い直し一つはエリアD-7に放置していた。 「罪を憎んで人を憎まずって言葉があるが……俺にはそんな割り切る事は出来ない」 一時はかがみを殺せば、自分も彼女と同...
  • 双剣のサーヴァント―I have created over a thousand blades.―
    双剣のサーヴァント―I have created over a thousand blades.― ◆7jHdbxmvfI 突如として戦場全域に響き渡る老人による放送。 そしてその放送の内容をじっくりと聞いた後、隻眼の男は助手席に座る少女に声を掛けた。 「良かったな。あんたの探してる劉鳳って奴はまだ生きてるぜ」 「ええ、安心したわ。まあ劉鳳に限っては死ぬなんて絶対にありえないんだけどね」 二人は車内で和気藹々とした会話を楽しんでいる。 シェリスも独歩と一緒にいて、この男が自分を傷つける心配は無いと確信出来たおかげで、ようやく持ち前の明るさを取り戻しつつあった。 最も独歩の方はというと、年頃の少女との会話の心得などあるわけも無く、一方的に受身になっているだけなのだが。 「でもまあ安心したぜ。始めに会った時は今にも死にそうな表情してたからな」...
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