新田 良太(あらた りょうた)
通称「アラタ」。秋田県出身の日本人男性。民間軍事会社就職時は30歳。ゲームクリエイターを目指して専門学校を出たが就職口が見つからず、ようやく採用されたデザイン事務所も3年で倒産してしまい、年収につられ民間軍事会社に就職した。生来の記憶力の良さと得意としていた戦術シミュレーションゲームの経験から、適性テストで戦術オペレーターとしての才能を開花させ、米軍の下で警備任務等を行うタジキスタンの基地に配属される。当初はコンピューターゲーム感覚で業務をこなしていたが、やがて研修時代に指揮した村落の掃討作戦がシミュレーションではなく実戦だったこと、その戦闘で女子供を含む非武装の村民までも殺害していた事を知り、自分の指揮によって人が死ぬという現実を目の当たりにする。
タジキスタンを離れた後はオマルや、彼の指揮の下で戦ったジブリールら少年兵たちと独立した傭兵業を生業とし、一年間アジア各地を巡りながら仕事を請け負い子供たちのための蓄財をしていたが、子供達の教育のためと日本を訪れた際に政府組織に目をつけられる事になった。子供達に戦闘とは無縁の生活をさせたいと願いながら、その手段として子供達を使った傭兵業で稼ぐしかない、という矛盾に悩んでいる。恋愛経験が皆無のため、ジブリールやジニからの好意を父親に対するものだと思い込んでいる。
本人は否定しているが、戦術指揮の他に戦闘後の交戦相手との和平交渉にも長けている。
その場に居もしないのに全てを見通すような非凡な指揮ぶりは、彼を知る者からは天空より地上を見渡す「イヌワシ」と綽名される。また、1巻以降、少年兵を率いた傭兵稼業により業界から注目を集め、2巻以降では「子供使い」の異名でその筋に知られるようになる。
本編の事後編にあたる、FI巻・FII巻によると、その後順調にバングラディシュでの廃船解体業、ミャンマー国境地域でのコーヒー農園業などを成功させ、いわゆる「子供の国」を一応の安定軌道に乗せた。