『理由』 ◆o9OK.7WteQ
突然目の前に人間が降ってきた場合の正しい対処というのはどんなものだろうか。
……少なくとも、御坂美琴はそんな特殊な状況に対処する術を学んだ覚えはないし、これからも学ぶつもりはなかった。
しかし、今、ここではそれをする必要があった。
御坂はとりあえず無意識の内に開いていた口を閉じ、目の前の男に視線を向け観察した。
……少なくとも、御坂美琴はそんな特殊な状況に対処する術を学んだ覚えはないし、これからも学ぶつもりはなかった。
しかし、今、ここではそれをする必要があった。
御坂はとりあえず無意識の内に開いていた口を閉じ、目の前の男に視線を向け観察した。
(……チンピラ、ね)
その男、いや、少年と呼んでもさしつかえのない年齢だろう――に抱いた印象はそれだった。
むき出しの敵意に、“あの野郎”といった乱暴な言葉。
右腕の袖がないジャケットの左肩には、
御坂が昔見た懐かしいアニメの特集番組で見た世紀末的なプロテクターが取り付けられている。
むき出しの敵意に、“あの野郎”といった乱暴な言葉。
右腕の袖がないジャケットの左肩には、
御坂が昔見た懐かしいアニメの特集番組で見た世紀末的なプロテクターが取り付けられている。
(オタク……には見えないけど)
とにかく話しかけてみよう。
目の前の男は怪我をしているようで、痛みに耐えるようにして左手で右腕を押さえている。
見ればその右目も閉じられたままだ。
相手がどんな人間であるにせよ、自分ならば不足の自体にも対処出来る。
その自信があった。
男は重傷ではないようで、男はこちらに気付くとそのまま視線をこちらに合わせゆっくりと立ち上がった。
目の前の男は怪我をしているようで、痛みに耐えるようにして左手で右腕を押さえている。
見ればその右目も閉じられたままだ。
相手がどんな人間であるにせよ、自分ならば不足の自体にも対処出来る。
その自信があった。
男は重傷ではないようで、男はこちらに気付くとそのまま視線をこちらに合わせゆっくりと立ち上がった。
(とりあえず話は出来そうかな。無理なら、まあ……ちょっと痛い目を見て貰うことになるけどね)
「あの、大丈夫ですか……?」
御坂美琴は、可能な限り優しい声で男に聞いた。
「空から降ってきたみたいだけど、右腕の方は――」
「おい」
だが、御坂美琴の問いかけは男の乱暴な言葉に遮られることとなった。
出鼻をくじかれた形になって御坂はほんの少し苛立ったが、それを顔に出さずに男と会話を続けた。
出鼻をくじかれた形になって御坂はほんの少し苛立ったが、それを顔に出さずに男と会話を続けた。
「……はい、なんですか?」
ほぼ確実に相手は自分の事を知らないだろうと御坂美琴は推測した。
自分が学園都市で7人しかいないレベル5の内の一人で第三位の『電撃使い(エレクトロマスター)』。
『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴だと知ってこのような口調で話しかけてくるのは、
よほど親しい人間か自分のことをビリビリと呼ぶあの少年くらいなものだ。
自分が学園都市で7人しかいないレベル5の内の一人で第三位の『電撃使い(エレクトロマスター)』。
『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴だと知ってこのような口調で話しかけてくるのは、
よほど親しい人間か自分のことをビリビリと呼ぶあの少年くらいなものだ。
(相手は能力者じゃない一般人?)
御坂美琴はそう思い、とりあえず今はこちらの素性を明かさないことに決めた。
もし自分が何者かを明かして怖がられてしまったら後が面倒だからだ。
今はとにかく情報が欲しい。
そのためには、か弱い女子中学生を演じてコミュニケーションを円滑にさせた方がいいだろう。
幸い自分は学園都市の名門お嬢様学校に通っていたので、言葉遣いに関しては問題ない。
もっとも、それが素の口調ではないから聞く者が聞けば違和感を感じるだろうが、
目の前の男相手ならば問題はないように思えた。
もし自分が何者かを明かして怖がられてしまったら後が面倒だからだ。
今はとにかく情報が欲しい。
そのためには、か弱い女子中学生を演じてコミュニケーションを円滑にさせた方がいいだろう。
幸い自分は学園都市の名門お嬢様学校に通っていたので、言葉遣いに関しては問題ない。
もっとも、それが素の口調ではないから聞く者が聞けば違和感を感じるだろうが、
目の前の男相手ならば問題はないように思えた。
「テメエも参加者か?」
(……て、“テメエ”って私のこと!? コイツ、なんでこんなに態度がでかいわけ!?)
――早くも御坂美琴のかぶったお嬢様という仮面ははがれようとしていた。
だが、御坂美琴は諦めずに男と会話を続けるべくはがれかけた仮面をかぶりなおした。
「参加者、というよりも訳もわからずここに連れて来られて……」
御坂美琴は肩を落とし俯いた。
そして、指でかるく目尻を拭う。
その姿は、この状況に怯え助けを求めるか弱い少女そのもの。
そして、指でかるく目尻を拭う。
その姿は、この状況に怯え助けを求めるか弱い少女そのもの。
(――さすがにここまでやればコイツも少しは態度を変えるでしょ!)
……中身はそうではないが。
さすがにこんな弱気な様子を見せれば、目の前の男も自分を心配する気持ちが多少は芽生えるだろう。
自画自賛もなんだが、見た目が可愛い女の子が困っているのを放っておく男はほぼいないと思っている。
相手に下心が生まれるにせよ、これである程度の会話は成り立つはずだ。
御坂美琴はそう思っていた。
が、
さすがにこんな弱気な様子を見せれば、目の前の男も自分を心配する気持ちが多少は芽生えるだろう。
自画自賛もなんだが、見た目が可愛い女の子が困っているのを放っておく男はほぼいないと思っている。
相手に下心が生まれるにせよ、これである程度の会話は成り立つはずだ。
御坂美琴はそう思っていた。
が、
「そうか。じゃあテメエも……」
男の口調はあくまでも乱暴なままだった。
さすがにそのことに御坂美琴は憤った。
さすがにそのことに御坂美琴は憤った。
(目の前で女の子が困ってるっていうのに、そんな態度を取る?
普通だったら心配するとかちょっと態度を優しくするとかあるでしょうが)
普通だったら心配するとかちょっと態度を優しくするとかあるでしょうが)
「ちょっとあんた。いくらなんでも――」
流石に自分がここまでやったのに態度を変えないことに御坂美琴は腹を立て、
かぶっていたお嬢様の仮面を脱ぎ捨て、粉砕した。
そして、その顔が怒りをあらわすものに変わろうとした瞬間、
かぶっていたお嬢様の仮面を脱ぎ捨て、粉砕した。
そして、その顔が怒りをあらわすものに変わろうとした瞬間、
「参加者ってことだな」
目の前の男に敵意をぶつけられ、予定していた表情の変更を余儀なくされた。
「……だったらどうだっていうのよ?」
御坂美琴が見せた表情は呆れ。
「あんたまさか、このゲームに勝って願いを叶えようって思ってるの?」
男の言動や容姿などは、ただのいきがっている街のチンピラそのもの。
そして、先ほどまでの態度を考慮して御坂美琴が導き出した答えがそれだった。
そして、先ほどまでの態度を考慮して御坂美琴が導き出した答えがそれだった。
「先に教えておいてあげるわ。このゲームは、ただのケンカ自慢が勝ち残れるようなものじゃない」
そう、このゲームの参加者には……あの『一方通行』がいる。
例え目の前の男がどれだけ腕っ節が強かろうとそんなことは関係ない。
例え目の前の男がどれだけ腕っ節が強かろうとそんなことは関係ない。
「あんたが超能力者だとしても――」
御坂美琴はその力を示すように体から電気を男にも見えるように発生させた。
それを見て、男は目を左目を少し見開いた。
そして、右目は相変わらず閉じたまま。
それを見て、男は目を左目を少し見開いた。
そして、右目は相変わらず閉じたまま。
「『超電磁砲(レールガン)』の……レベル5の私を知らない程度じゃ話にならない。
だから馬鹿な――」
だから馬鹿な――」
考えはやめておけ。
そう言おうとした時、御坂美琴は男の上半身がフラリと揺れたことに気付いた。
立ち上がったときは一見平気そうに見えたが、やはり落ちた時の衝撃でダメージを負っていたのではないか?
このまま倒れる。
そう思い、御坂美琴は男に駆け寄ろうとした――
そう言おうとした時、御坂美琴は男の上半身がフラリと揺れたことに気付いた。
立ち上がったときは一見平気そうに見えたが、やはり落ちた時の衝撃でダメージを負っていたのではないか?
このまま倒れる。
そう思い、御坂美琴は男に駆け寄ろうとした――
「――ちょっ、だいじょ」
――が、
「ゴチャゴチャうるせえ!」
男はその揺れた上半身を支えるように両足を肩幅よりも大きく開いて腰を落とし……吼えた。
・ ・ ・
男には、背負っているものがあった。
その命を燃やし続けながらも、守りたいものがあった。
だが、それはここには存在しない。
この殺しあうために用意された場所には。
その命を燃やし続けながらも、守りたいものがあった。
だが、それはここには存在しない。
この殺しあうために用意された場所には。
(すぐに戻らなきゃならねえ)
その思いが男を支配していた。
どんなことをしてでも、元の世界に帰る。
それが困難であることもわかっている。
わかってはいるが、
どんなことをしてでも、元の世界に帰る。
それが困難であることもわかっている。
わかってはいるが、
(知ったことか!)
本来ならば、男は他人の言うことには従わない。
自分に命令する者がいたら、真っ先にその人物を殴るだろう。
しかし、男が今一番殴りたい人物は恐らくこの場所にはいない。
探したわけではないが、こんな手のこんだ事をする人間がわざわざ自らを危険に晒すとは思えない。
それに、元々考えることは得意ではないのだ。
自分に命令する者がいたら、真っ先にその人物を殴るだろう。
しかし、男が今一番殴りたい人物は恐らくこの場所にはいない。
探したわけではないが、こんな手のこんだ事をする人間がわざわざ自らを危険に晒すとは思えない。
それに、元々考えることは得意ではないのだ。
「……とりあえず、テメエはボコる」
現状でわかっている、すぐに元の世界――ロストグラウンドに帰れる可能性が一番高い方法。
それは――
それは――
――この殺し合いに乗ることだった。
……男の名はカズマ。
ネイティブアルターのカズマ。
ネイティブアルターのカズマ。
・ ・ ・
「……何よ。やろうっての?」
御坂美琴は肩をすくめてため息をついた。
「一応教えておいてあげる」
体からほとばしる電気が激しさを増していく。
しかし、カズマはそれを見ても表情を変えず右腕を左手で持ち上げ、一直線に御坂美琴に向けた。
いまだ何をするでもないカズマに対し、御坂美琴は体中から電気をほとばしらせ、微笑みながら言った。
しかし、カズマはそれを見ても表情を変えず右腕を左手で持ち上げ、一直線に御坂美琴に向けた。
いまだ何をするでもないカズマに対し、御坂美琴は体中から電気をほとばしらせ、微笑みながら言った。
「私は御坂美琴。
レベル5の――『電撃使い(エレクトロマスター)』。『超電磁砲(レールガン)』とも呼ばれてるわ」
カズマはそれに対し、
「テメエの名前は刻まねぇ。……だが、一応こっちも言っておく」
御坂美琴はカズマの言葉と態度を疑問に思った。
何故なら、今の名乗りも力を誇示するような能力の使い方も威嚇のつもりで行ったのだが、
カズマの反応は御坂美琴の予想していたものとは間逆だったからだ。
何故なら、今の名乗りも力を誇示するような能力の使い方も威嚇のつもりで行ったのだが、
カズマの反応は御坂美琴の予想していたものとは間逆だったからだ。
「……『シェルブリット』のカズマだ」
口元を歪めながらカズマがそう言い放ったのを合図にしたかの様に、
御坂美琴の足元付近の地面が音を立てて光の粒子に変わった。
御坂美琴の足元付近の地面が音を立てて光の粒子に変わった。
「――っ!?」
そして、カズマの周辺の地面や木々の所々も同じ様に削り取られていく。
それを見た御坂美琴は一気に緊張を強め、カズマから距離を離すように後ろに下がった。
それを見た御坂美琴は一気に緊張を強め、カズマから距離を離すように後ろに下がった。
(あの能力は何!?……あんなのをまともに食らったら一瞬で……!)
精神感応性物質変換能力――通称アルター能力は生物を分解することはない。
アルター使いの中には自分自身を分解する者もいるが、それはあくまで能力者本人だけだ。
しかし、初めてアルター能力を目の前にした御坂美琴がこう思うのも無理はないだろう。
アルター使いの中には自分自身を分解する者もいるが、それはあくまで能力者本人だけだ。
しかし、初めてアルター能力を目の前にした御坂美琴がこう思うのも無理はないだろう。
(周辺の物質を削り取る能力!? なんてデタラメなっ!
あれに巻き込まれたらただじゃすまないだろうし、電気だってもしかしたら――)
あれに巻き込まれたらただじゃすまないだろうし、電気だってもしかしたら――)
「……お、おお……おおおおおっ……!」
「!?」
「!?」
そして御坂美琴は見た。
カズマの右腕が拳の先から肩にかけて一直線に三つに裂けていくのを。
カズマの右腕が拳の先から肩にかけて一直線に三つに裂けていくのを。
(能力の暴走!? でも、それにしては力を止めようとする気配が全然しない……)
そう思った矢先、その裂けた腕を中心にして金色の無数の輪が突如出現した。
その輪は三枚におろされた右腕を無理矢理一つにまとめるかの様にその直径を狭めていく。
紐に縛られたハムのようになった腕には、既に先ほどまであった裂け目は見当たらなくなっていた。
そして、さらにその上に金色の装甲が纏われ、右肩の後ろには赤い羽根が出現した。
その輪は三枚におろされた右腕を無理矢理一つにまとめるかの様にその直径を狭めていく。
紐に縛られたハムのようになった腕には、既に先ほどまであった裂け目は見当たらなくなっていた。
そして、さらにその上に金色の装甲が纏われ、右肩の後ろには赤い羽根が出現した。
「……行くぜ」
カズマは右目を見開き、言った。
(まずい……安定した! ひとまずここは距離を取らないと――!)
現在、二人の距離は約10メートル程。
先ほど後退したとはいえ、相手の射程がわからない以上もっと距離をあけた方が良いと判断した。
先ほど後退したとはいえ、相手の射程がわからない以上もっと距離をあけた方が良いと判断した。
(最初に私を攻撃しなかったのは威嚇? それとも、攻撃する場所は任意に選べないランダム型の能力?)
いつでもカズマの動きに対処出来るように、御坂美琴は電気を放出したまま足元を取られないように慎重に、
しかし、その視線は真っ直ぐにカズマを見据えながら後退した。
しかし、その視線は真っ直ぐにカズマを見据えながら後退した。
結論から言えば、御坂美琴の推測は間違っていた。
空間が削り取られるのは、アルター使いがその力を発現させるために必要な準備段階。
アルター使いは削り取った――分解した物質を再構成させたものでその力を示す。
空間が削り取られるのは、アルター使いがその力を発現させるために必要な準備段階。
アルター使いは削り取った――分解した物質を再構成させたものでその力を示す。
(あの変化した右手が能力を操る鍵? それなら対処方法は……)
そしてカズマの力、アルター能力が示す力とは――
「……衝撃のファーストブリット……!」
――唯、殴ること。
カズマはその右手を突き出しながら、距離を少しずつ離していく御坂美琴に向かって駆けだした。
生い茂る草と斜面に足を取られる事なく、その距離を一気に縮めていく。
生い茂る草と斜面に足を取られる事なく、その距離を一気に縮めていく。
「まずいっ――!」
そんな御坂美琴の声のした直後、それをかき消すように轟音が響き渡った。
「……っぐ」
カズマは突如目の前に現れた物体――黒い壁を睨みつけた。
その黒い壁の正体とは、
その黒い壁の正体とは、
(どうやら、念のため後ろに下がりながら砂鉄を集めておいて正解だったみたいね……!)
御坂美琴は電気を操るという能力を利用し、周辺の砂鉄を用いて壁を作り出したのだ。
その質量と密度はさすがレベル5の能力者といったところ。
その質量と密度はさすがレベル5の能力者といったところ。
「おおおおおぉっ!」
緑色の炎を噴出しながら加速し、威力を増したカズマの一撃にも耐えることが出来ている。
だが、御坂美琴は違和感を感じていた。
だが、御坂美琴は違和感を感じていた。
(おかしい。どうして物を削り取る能力を使わないの?)
壁を挟んでいるため、反対側でカズマが何をしているかは御坂美琴には確認出来ていなかったのだ。
そしてそれが、この二人の接触の結果を大きく左右することとなる。
そしてそれが、この二人の接触の結果を大きく左右することとなる。
(……もしかしてあの右腕は――)
御坂美琴がカズマの能力が何なのかを考え出した時、
「撃滅の……セカンドブリットぉっ!!」
壁の反対側から声が聞こえたのと同時に、一筋の亀裂がピシリと黒い砂鉄の盾に入った。
「なっ!?」
ピシリ……ピシ……ピシリッ……!
「なんでこの厚さと密度の塊にヒビが入るのよ!?」
そのことに驚いていた。
並の攻撃では打ち破ることの出来ない壁を作り出していたはずなのに。
並の攻撃では打ち破ることの出来ない壁を作り出していたはずなのに。
「くっ!」
能力を全開にし、壁の密度をあげる。
ここで電撃を相手に食らわせても、その攻撃をする時には壁の制御を解かなくてはならない。
だが、もし相手がそれを狙っているとしたら……。
ここで電撃を相手に食らわせても、その攻撃をする時には壁の制御を解かなくてはならない。
だが、もし相手がそれを狙っているとしたら……。
(考えろ……考えろ考えろ考えろ考えろっ!)
相手の能力は何なのか。
相手の狙いは何なのか。
相手を倒すためには――
相手の狙いは何なのか。
相手を倒すためには――
(――待った。別に……)
「……倒す必要はないっ!!」
御坂美琴のその言葉をきっかけにして、
「抹殺の……ラスト――っおおおおおおおっ!?」
圧縮をされていた砂鉄が本来の柔らかさを取り戻し、一斉にカズマに降り注いだ。
・ ・ ・
「―――はあっ!……はあっ……!」
自分は途中から大きな勘違いをしていた。
相手の能力や言動に気を取られ、本当に重要なことを忘れかけていた。
目的はこのゲームに勝つことではない。
勝って生き残るという案は、『一方通行』がこのゲームに参加していると知った時点で没にしたばかりだったのに。
相手の能力や言動に気を取られ、本当に重要なことを忘れかけていた。
目的はこのゲームに勝つことではない。
勝って生き残るという案は、『一方通行』がこのゲームに参加していると知った時点で没にしたばかりだったのに。
「勝ちっ……負けにこ、だわるなんて……馬鹿っ、らしいわ……よね……!」
それは、御坂美琴がいつもつっかかっていた少年の言葉だということに彼女自身は気付いていない。
あの時とっさに思いついた策とは、砂鉄で相手の視界を一定時間奪い――逃げることだった。
これならば、相手が視界を奪われたことでやってきたかもしれない無作為な削り取る能力に巻き込まれる可能性が少ない。
トドメを刺そうとその場に残って相打ち、では駄目なのだ。
相手の能力がどんなものにせよ、結果的に自分は逃げのびることが出来た。
これならば、相手が視界を奪われたことでやってきたかもしれない無作為な削り取る能力に巻き込まれる可能性が少ない。
トドメを刺そうとその場に残って相打ち、では駄目なのだ。
相手の能力がどんなものにせよ、結果的に自分は逃げのびることが出来た。
「重、要なのは……生き残、ること……!」
(それに――人を殺しちゃった後、どんな顔をして“あいつ”に会えばいいかわからないしね)
もしかしたらあの男を倒す機会を無駄にしてしまったのかもしれない。
(……“たら”“れば”を考えても仕方ないか。とりあえず今は――)
「きゅっ……休憩っ!」
【A-4 緩やかな斜面の茂み/一日目・黎明】
【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
【状態】:疲労(大) 土埃塗れ
【装備】:なし
【道具】:基本支給品 不明支給品1~3
【思考・状況】
1:脱出狙い。上条を探す。
2:休憩っ!
【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
【状態】:疲労(大) 土埃塗れ
【装備】:なし
【道具】:基本支給品 不明支給品1~3
【思考・状況】
1:脱出狙い。上条を探す。
2:休憩っ!
※カズマの能力(アルター能力)を完全に理解してはいません。
・ ・ ・
カズマは全身についた砂鉄を払うことなく、そのまま木の幹に背中を預けるようにして座っていた。
既にその右腕のアルター化は解けていて、右目も硬く閉じられている。
乱暴に拭ったためか、左目が赤く充血していた。
既にその右腕のアルター化は解けていて、右目も硬く閉じられている。
乱暴に拭ったためか、左目が赤く充血していた。
「っぐうあっ……!」
カズマは思わず呻き声をあげた。
だが、それは先ほどの戦いだけの影響によるものではない。
だが、それは先ほどの戦いだけの影響によるものではない。
痛みの正体とは、その体を蝕むアルター。
だが、“その程度のこと”ではカズマは止まらない。
今もその目は――
今もその目は――
――前を見続けている。
【A-3 森の中/1日目 黎明】
【カズマ@スクライド】
【状態】:疲労(中) 墜落による全身に軽い負傷 砂鉄まみれ 右腕に痛み 右目の瞼が上がらない
【装備】:なし
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
1:とにかくあの野郎をぶん殴る。(誰かはよく分かっていない)
2:優勝狙い。
【状態】:疲労(中) 墜落による全身に軽い負傷 砂鉄まみれ 右腕に痛み 右目の瞼が上がらない
【装備】:なし
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
1:とにかくあの野郎をぶん殴る。(誰かはよく分かっていない)
2:優勝狙い。
※とりあえず前を見ているだけです。この後どこに向かうかは後続の書き手さんに任せます。
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