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        「電話とメモリと???」



                              A-Part 開始



 いつも思い出すのは、あの日の夢だ。

 咲が去ってしまうなんて、身に覚えのない夢ではない。
 俺が殺してしまった。俺のせいで命を失ってしまった人たちの夢。

 どうしてああしてしまったんだろう。
 あの時あれをやれてさえいれば。

 そんな“もしも”の話をしたって――今は変わらない。
 それこそ、イマジンにでも頼らない限りは。


 あの人たちは、体を焼かれて死んだ。
 俺が殺したのだ。もう二度と出会えない。

 もっと俺が強ければ。俺に考えが回れば。俺が大人だったのなら。
 あの人たちは、死なずに済んだ。その筈だ。


 俺は罪を背負っている。消せない罪を。


 だから――俺は、死にたいのかもしれない。


 小走先輩を殺そうとしたときに。あのライダーから攻撃を受けて。
 カザリと先輩を庇って、俺は少し安心した。

 これで死ねるかもしれないと――楽になれるかもしれないと。
 そう思ったのもまた、確かだった。


京太郎「ここは……?」

明「おっ……目、覚めた?」


 頭をゆっくりと起こすと。
 そこには、四つの人影があった。

 一人は――スマートブレイン学園の保険医、伊達明。
 筋骨隆々の雄々しい男。世界を股にかける医者だったらしいが、どういう訳か今は学校の保険医だ。
 そのフランクさと逞しさ、外見のいかつさとは裏腹な博識ぶりに一部の女子生徒や男子生徒から人気があるらしい。

 胸がズキリと痛む。
 あたりを見回して、そして伊達の言葉を鑑みて認識した。
 どうやらあのライダーの攻撃を受けて、京太郎は気絶してしまったらしく。
 それから、学校の保健室に運ばれたのだろう。

 保健室と言っても、ちょっとした病院並みの治療ができると聞く。
 勿論、あまりにひどい場合は即座に学園の敷地にある病院へと搬送されるらしいが。
 どうやらこの分では、それほどの怪我でもなかったらしい。


小蒔「あの、気分とか……大丈夫でしょうか?」


 二人目。
 京太郎の様子を問いかけてくる神代小蒔。
 目に涙を浮かべているところを見ると、どうやらかなりの心配をさせてしまったらしい。
 それもそうだろう。
 ドーパントと戦うって言って、それっきりだ。
 また、殺されているとでも思ってもおかしくはない。


カザリ「やあ。息はできるみたいだね」


 三人目。
 壁に背中を預けたまま、飄々とこちらの顔を窺うカザリ。
 先ほど激昂したような声を上げているのを聞いた気がしたが――気絶する前だったし、果たして真実であるかどうか。

 それから――


セーラ「……」


 学ランの美少年……?
 見知らぬ人間だ。


京太郎「誰……っすかね?」

セーラ「え、えーと……俺は……」


 声から考えるのなら女だけど。
 これはどうなんだろうか。変声期が来ていないだけとも考えられる。
 それに、どんな事情があってこの場にいるのか。
 ひょっとしたら――目撃者、なのだろうか。

 カザリに目線で窺う。そうすると、首で外を指された。
 どうやらこの場で喋るわけにはいかない。そんな事を言いたいらしい。


カザリ「それじゃあ、彼も目が覚めたみたいだし……僕たちは行くけどいいかな?」

明「おう。お大事にな」


 そう言って手をひらひらとさせると、彼はおでんに向き合った。
 何故保健室におでんが。そして、その机に並べられた原稿用紙はなんなのだろうか。
 聞きたいことは色々あるが、今はそれよりこちらの方が重要だ。
 会釈をして、保健室を後にする事にした。

 ところで……それなりの大けがであったはずなのだが。
 何故、こうも平然としているのだろうか。
 戦場での傷のそれにくらべたら、軽いだろうが……日常で負う瑕ではない。
 普通の病院に駆け込んだら、警察へと即座に通報されるはずだ。


明「……あ、そうだ」

明「コンロが爆発したんだって? ま、これから古い缶ボンベには気をつけな」


 振り向いてそう呼びかけると、再び鍋に向き合う伊達明。

 ……。

 ……まあいいや。そっとしておこう。

 土下座。
 それは命への執着の究極形態。


セーラ「ホンマ――すんませんしたぁああああ!!!」


 とりあえず話せる場所に移動という事で、屋上にやってくるなりこの状況だ。
 カザリから話をまとめるにはこうだ。

 彼女――断じて彼ではない――が先ほどの仮面ライダー。名前はアクセル。
 彼女の持つガジェットによって、校内での戦闘を感知。
 現場に向かうと、ドーパントと思わしき人間が複数いたので、先手必勝という事でデカいのをブッ放した。

 そしてドーパント=小走やえに逃げられて、
 その場でカザリと一触即発の空気となったところを、
 戦闘音を聞いて駆け付けた神代小蒔に止められて、今に至るらしい。

 京太郎が目覚めるまで、三十分ほど。
 その間三者は、実に座り心地の悪い空気の中、京太郎のベッドの周りを囲んでいたらしい。


カザリ「まったく……謝って済まされる問題じゃないよね」

カザリ「君たち人間の言葉にも、謝って済むなら警察はいらないってのがあるよね?」

セーラ「ホンマ、なんといってええんやら……」

セーラ「何でもするんで、許してくれ! すまん!」


 どうやら珍しく。
 カザリが感情を露わにしている。
 それほどまでに心配をしてくれているのは、何とも嬉しいものがある。
 少し、カザリと分かり合えた気がする。


カザリ「なんでも……ねぇ」

カザリ「じゃあ、手に入れたセルメダルとコアメダルは全部僕に渡してもらおうかな」


 ……気のせいだった。
 どうやら、その言葉を引き出すためだったらしい。
 なんというか、流石だ。大体知ってた。

 まあ、それはともかくとして。
 セルメダルとコアメダルについて、特に説明なく伝えられるという事は――つまり。
 こちらの事情も説明しているという事だ。

 なら、話が早い。
 聞きたいことがいくつかある。

 彼女――仮面ライダーはどんな経緯でドーパントと戦っているのか。
 そして、ドーパントとはなんなのか。
 それから――これが一番大事だ。


京太郎(いきなり……俺たちを殺そうとしたんだ)

京太郎(そこを、その真意を聞かなきゃ……共闘なんてできるわけがない)


 不利だからと言って、初手で殺しに来たこと。
 それが一番、引っかかる。

 結果的に無事だったから、京太郎自身にやられた事については別にいい。
 だが、一歩間違っていたなら。
 あの場で、カザリもやえも死んでいた。

 躊躇いなく人を殺せる人間なのか確かめなければ。
 とてもじゃないが、共闘なんて出来やしない。どんな事情があったとしても。


京太郎(いや――違う)

京太郎(ひょっとしたら、彼女が行った通り……ドーパントはもう殺すしか方法がないのかもしれない)

京太郎(だったら……正しいのは彼女だ)

京太郎(俺ができなかった事。俺がやろうとしていた事。俺があのままならやっていた事)

京太郎(それを彼女が行ったからといって……俺がそれを責めるのは、筋違いかもしれない)

京太郎(……)


京太郎「――メモリブレイク?」

セーラ「そやから、別に殺そうとしたワケじゃないんや」

セーラ「いや、こんな事になってしもーたんは俺も反省しとるけど……」

京太郎「いや、別にいいっすよ。俺も、こうして無事っすから」


 彼女から聞くところによるならば、以下だ。

 ・ドーパントは人間がガイアメモリを生体コネクタに突き刺す事で発現。
 ・ガイアメモリとは地球の記憶を内包したメモリ。利用する事で、その記憶にあった能力を手に入れる。
 ・ガイアメモリには副作用――精神を侵す毒素があり、使用者は多くの場合汚染によって自らを制御出来なくなる。
 ・ガイアメモリはセールスマンの手によって売買される。そして、生体コネクタ手術も彼らによって行われる
 ・ドーパントとなった人間には強い衝撃を与える事で、ガイアメモリが分離する
 ・これをメモリブレイクと呼ぶが、メモリブレイクに際し人体には様々な影響がある
 ・軽度の栄養失調などが主だが、酷い場合、一時的な昏睡に陥る事もある


セーラ「ゆーても、俺もそんなに倒してるわけじゃないんやけどなー」

京太郎「……いや、これだけ情報をもらえるだけありがたいですよ、江口先輩」


 何もなかった先ほどまでとは――大きく状況が変わっている。

 メモリブレイク。つまり、殺さずして彼女を止める事が可能になった。その事が一番大きい。
 勿論依然として、油断は許されない。
 だけれども、道が開けたのだ。
 彼女を殺さずに――彼女を救う道が。


京太郎(良かった……まだ、助けられる。その方法があるんだ)

京太郎(俺にも、まだ何かできるんだ……)


 江口セーラが言っていた、ガジェットと言うのも興味深い。
 ビートルフォンと呼ばれるそれは、半自立的に飛びまわり、ドーパントを見つけたときに知られせてくれるのだとか。
 人のいけないような場所を通れる。そして隠密性がある。

 勿論人間と違って、聞き込みができないと言うのもあるが……これは大きな戦力であろう。


京太郎(……となったら、やる事は一つだ)

京太郎(小走先輩を見つけ出す。そして、そのガイアメモリを――砕く)

京太郎「江口先輩」

セーラ「なんや?」

京太郎「俺に――協力してください」

京太郎「俺は彼女を、助けなきゃいけない」

京太郎「今だって、こうしている間にも……ガイアメモリによって苦しめられている」

京太郎「そんな彼女を、助けたいんです。だから……力を貸してください」

セーラ「ん?」

セーラ「ああ……んー」

セーラ「一つ、条件があるんだけどええか」

京太郎「条件?」


+ 選択
1:「氷の能力を使うイマジンやドーパント、ヤミーに心当たり……あるか?」
2:「セーラって呼んでくれや。京太郎って呼ぶから」
3:「これで、さっきのチャラにしてくれる……?」

↓3

627 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 00:48:20.17 ID:gQKdusGAO [1/18]
1

628 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 00:48:49.33 ID:rbz7UkFuo [4/15]
2

629 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 00:49:07.71 ID:UABtPIP50 [1/8]
2


セーラ「その……な」

京太郎「はい。なんでしょうか、江口先輩」


 それこそ。
 カザリを殺せとか。小走先輩を救う事を諦めろとか。
 そんな事でもなければ、大体の条件は頷ける。


セーラ「その……なー。江口先輩っての」

セーラ「俺、どうにもそういう堅苦しいの苦手やから……」

セーラ「セーラって呼んでくれや。俺も、京太郎って呼ぶから」

セーラ「これからは同じライダーっちゅーか、仲間として戦うんやし……そっちの方が気持ちもええからなァ」


 そう、一応は身構えてみたものの。
 彼女の口から飛び出してきたのは、条件ともいえないような条件で。
 思わず、顔を綻ばせてしまった。


京太郎「そんな事なら、お安い御用っすよ」

京太郎「よろしくお願いします、セーラ先輩」

セーラ「んー。まだ堅苦しいけど……合格」

セーラ「それじゃあ、よろしくな――京太郎」


 それから、握手を交わした。
 どんな人間かと思ってはいたけど。
 思った通り――いや、それ以上に。
 彼女はヒーロー然としていて、気持ちのいい人だった。


セーラ(……仲間、か)

セーラ(まぁ、言えん事も……あるけど)

セーラ(そこは、許してくれや)


+ 情報
【江口セーラと連絡先を交換しました!】
【ドーパントとガイアメモリ、仮面ライダー(W系統)の情報を得ました!】


 さて――それではこれからの話だ。
 小走やえ。彼女を見つけ出さなければならない。

 だが、手掛かりが少ないというのがある。
 思えば京太郎は、彼女について何も知らない。


 ドーパントになってしまった彼女が、何を思って、どんな行動をしているのか。
 出来れば直ぐに探しに行きたいところだが……それで空振りに終わってしまっても仕方がないし。
 彼女について、何かしらの情報を集めるのもまた、正着と言えよう。

 さて……。

+ 選択
1:手分けをして小走やえを探す
2:手分けをして街で小走やえの情報を集める
3:小蒔とセーラに、3年生の中で小走やえについての情報を集めて貰う(今日は解散)
4:担任にでも聞きに行って、彼女の家などをあたる

↓3

643 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:09:49.59 ID:gQKdusGAO [3/18]
4

644 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:10:07.44 ID:UABtPIP50 [3/8]
4

645 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:10:09.80 ID:rbz7UkFuo [7/15]
1


京太郎「あの分だと……おそらく、傷は深い」

京太郎「体力も消耗しているだろうし……きっと、そう遠くにはいけてないはずです」

セーラ「誰かを襲ってるって言うのは?」

京太郎「……」

京太郎「多分、ありえません。俺は……あの人とほんの少ししか会話してないけど」

京太郎「それでもあの人は……ああなっても、俺への攻撃を止めるぐらいに」

京太郎「誰かを傷つけるぐらいなら、自分の命を経とうとするぐらいに……」

京太郎「それぐらい、人を思いやっている人です」

セーラ「りょーかい」

小蒔「逆に言うなら……」

小蒔「このまま、命を絶ってしまう事も……ありえるのでしょうか?」

京太郎「……ッ」

京太郎「……あり得なくは、ないでしょう」

京太郎「だから……そう、だから――」

京太郎「なんとしても、彼女をすぐに見つけなきゃいけない。なんとしてでも!」


 そう。
 これ以上。誰かが死ぬ事を。不幸に巻き込まれる事を。
 京太郎と関わってしまったばっかりに、誰かが死ぬ事を――見たくはなかった。


カザリ(これで赤いライダーってのは分かったけど)

カザリ(他のは、どうなのかな)

カザリ(ま、お手並み拝見ってところだよ……オーズ)


+ 判定
↓1 須賀京太郎による捜索判定
↓2 神代小蒔による捜索判定
↓3 江口セーラによる捜索判定
↓4 ビートルフォンによる捜索判定
↓5 カザリによるネット情報での捜索判定


※いずれかゾロ目にて、小走やえ発見


649 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:20:17.36 ID:UABtPIP50 [4/8]
おりゃ

650 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:20:17.80 ID:rbz7UkFuo [9/15]
は

651 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:20:19.56 ID:gQKdusGAO [4/18]
おまかせあれ!

652 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:20:34.50 ID:qJUGtA5Fo [3/6]
おまかせあれ!

難易度跳ね上がった
+ 判定
直後、小走やえ汚染度判定。現在の汚染度52。現在値以下にはならない
  • 自制 -20
  • 時間経過 +5
  • 罪悪感  +5

659 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/06(水) 01:25:00.98 ID:UABtPIP50 [5/8]
ん

京太郎「そっちは、どうですか?」

小蒔「いえ……残念ながら」

セーラ「こっちも、空振りや……すまん」

カザリ「ネットにも、目撃情報はないね」

京太郎「クソッ……!」


 握りしめた拳を、壁へと叩きつける。
 拳の皮が破けるが、構わない。
 どうしても――見つからない。

 やはり、闇雲に探すだけではだめなのだろうか。
 こうしている間にも、彼女の命は――刻一刻と蝕まれているというのに。
 それ以上に、彼女自身で命を絶ってしまうかも知れないのに。

 あえて――言うのであれば。
 実に皮肉ながら、ガイアメモリの中毒性。それが、彼女の命綱だ。

 彼女がガイアメモリに侵されていれば。その暴力を甘受したいと願っていれば。
 それだけ彼女は、死から遠くなる。自ら死を願う事は、しないはずである。
 何とも――実に皮肉的だ。
 小走やえは彼女の未来を代償に、現在を食いつないでいるのだから。

 そしてそれは、誰かの現在と未来を食いつぶす事も意味する。

 もしも、だ。
 彼女がガイアメモリの力を楽しんでしまったのなら。
 そうなった場合、誰かの命が脅かされる。被害を受ける彼らの――“今”が奪われる。

 どちらも避けなければならない。

 だが――どうやって?


 なんの手がかりもなしに、小走やえの居場所を探す。
 彼女が命を絶つ前に、汚染され切る前に、誰かを襲う前に。
 彼女を、見つけ出さなければならないのだ。


京太郎(クソ……ッ!)

京太郎(このままじゃ……最悪の展開になっちまう)

京太郎(だけど、俺たちだけじゃ……!)


 そこで……何かが羽ばたく音に気付いた。
 そして、エンジン音。こちらを照りつけるバイクの光。

 その所為で、運転手の顔は窺えない。


京太郎「なんだ……?」


 もしや、セーラの言っていたミュージアムの新手だろうか。
 カザリが身を寄せた。
 小蒔が身を固くする。
 セーラが身構える。

 何があるのか、そう思ったところで……唐突にその声は響いた。


???『ハッピーバースデー、オーズ! 新しいライダーの誕生だ!』


 がなり立てる低音。やけに張りがあって、そして力強い声。
 自信に満ちていると言おうか。
 いや、何かもっと別の……強力なものに後押しされている。そんな印象を受ける。


京太郎「……なんなんだよ」

セーラ「誰や……?」

小蒔「……」


 敵なのか味方なのか、あまりに判別がつきにくい。
 敵ならば――こちらに気付かれないうちに、そのまま突撃してくるだろうし。
 味方ならば、こうもなんというか……芝居がかった行為をしないはずだ。こんな状況で。


???『私が何者か、そんな事はいい!』

???『それよりも!』

???『オーズ、君は大変な欲望に駆られている!』

???『実に素晴らしい!』


京太郎「欲望……?」

カザリ「……」


 言っている意味が分からない。
 イカレているのだろうか、この状況で。
 そう考えると、腹が立ってくる。こちらは今、そんな場合ではないというのに……。


???『そんな君の欲望に、私からバースデイプレゼントだ!』

???『受け取りたまえ!』


 それから、唐突にライトが消された。
 それまでの眩しさに瞳孔を開いていた筋肉が混乱。
 却って、あたりが闇に包まれた。そんな錯覚を覚える。

 そのまま、バイクに跨っていたライダー――男か女か不明である・仮面ライダーではない――が。
 おそらく、こちらに歩み寄ってきたのだろう。
 何か、箱のようなものを差し出した。


京太郎(……重い?)


 そして京太郎にその箱を押し付けて。
 件の、フルフェイスメットのライダーは、自動販売機へと歩き出した。
 唐突な事態に、制止や呼びかけを忘れた。
 それを意にも介さず、そのライダーは次々に自動販売機に硬貨を投入していく。

 その度に吐き出される缶。
 やはり状況が読めない。
 謎の声の主と、訳の分からない箱。それに加えて、どれだけ喉が渇いているのか、缶ジュースを大量購入するライダー。
 理解の範疇を逸していた。

 そして止めを言うならば――。
 そのライダーが自動販売機を軽くたたいた瞬間、自動販売機が、バイクに変形した事だ。


京太郎(夢でも見てるのか……? 俺は……)


 声が出ないのは、セーラも小蒔も同じらしい。
 カザリに関しては分からないが、押し黙ったままだ。


???『そのプレゼントは、どれもセルメダルで動く! 君の役に立ってくれるだろう!』

???『それでは君の誕生を! 君の健闘を! 祝福するよ、オーズ!』

???『また会おう!』


 そのまま、状況に取り残された京太郎たちを残して。
 ライダーは、バイクにまたがって去っていこうとする。
 が、その去り際……。


???『ちなみに、この学園は私有地だ!』

???『免許を持っていない君たちがバイクを乗り回したとしても、何の罪にもならない!』


 テレビの前の良い子に警告をするアナウンスのように。
 そんな耳に残る大声を残して、謎のライダーと、謎の声は去って行った。


京太郎「……」

カザリ「……」

セーラ「……」

小蒔「……なんだったんでしょうか、今のは」


 小蒔の一言は、この場の人間すべての気持ちを代弁していた。

 だけれども、そう言われても……何とも言いようがない。
 京太郎にも状況がつかめない。セーラにも分からない。小蒔は言わずもがな。カザリについては黙殺中。


 だが、敢えて言うとするならば。
 件の声の主は――セルメダルを知っている。
 つまり、こちら側。

 いや、もっと言うならば……。
 グリードを封印から解き放った人間。或いは、それに類するものだろうか。

 何の目的があるのか。
 どんな意図があるのか。
 何故、こちらの事情を知っているのか。
 彼の言う欲望とは、いったい如何なる意味なのか。
 彼の持つ情報は、どのような経緯で集められたのか。

 疑問は尽きない。


 だが――まあ、それにしても。


京太郎(なんだっていい……)

京太郎(この状況をどうにかしてくれるなら、なんでもいい)


 京太郎に言えるのは、それだけであった。


+ 情報
【須賀京太郎はメダジャリバーを手に入れました!】
【須賀京太郎はオーズバッシュが使用可能となりました!】
+ ステータス
須賀京太郎のステータスを更新します

【オーズ タトバコンボ】  須賀京太郎
技能:21
HP:45/45
スタミナ:43/43
気力:64/64
ATK:40
DEF:40
  • スタミナ消費半減。レンジ:至近距離~近距離
  • 欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
★オーズバッシュ:使用時の戦闘判定-15。判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで固定HPダメージ20。DEFを無視する
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
           ゴリラメダル所持によりレンジを超遠距離に、クジャクメダルにより遠距離に、クワガタ・シャチ・ウナギメダル所持によりレンジを中距離に変更
           カマキリメダルによりレンジを近距離に変更、タカ・トラメダルはコンマゾロ目での戦闘判定勝利にてメダルを奪取
           チーターメダル所持によって、高速を得る
★コンボチェンジ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定勝利にて次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《ガタキリバコンボ》
 ATK:45 DEF:45
  • 毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
  • 昆虫の王:戦闘判定+25。相手撤退判定-10。敵の数的優位による補正を無効化

※現在の所持メダル タカ×1、クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1、ライオン×1、トラ×1、チーター×1
※ただし、猫科系メダルは同時に1枚までしか使用不可能


江口セーラのステータスを更新します

【アクセル】 江口セーラ
技能:45
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:70/70
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離)
  • エンジンブレード:戦闘・撤退判定+5、相手へのダメージ+3。所持時、レンジを~中距離に変更
☆変形:追撃・撤退判定+20。【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動。変形時、この効果を仲間に与える事も可能
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能


神代小蒔のステータスを更新

【電王】 神代小蒔
技能:7
HP:31
スタミナ:31
気力:85
ATK:20
DEF:20

(レンジ:至近)
  • イマジンズ:以下のフォームにおける場合、小蒔の戦闘技能+40。HP・スタミナ+10
 《ソードフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+20・DEF+20。戦闘・追撃判定+10。初期のみ気力+30
 《ロッドフォーム》=(レンジ:~中距離)。ATK+15・DEF+20。戦闘判定+5、撤退・追撃・奇襲判定+15。相手の気力を毎ターン-10
 《アックスフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+25・DEF+25。初期のみ気力+20
 《ガンフォーム》=(レンジ:~遠距離)。ATK+25・DEF+20。戦闘・奇襲判定+10。追撃・撤退判定-10。ダメージを受ける度に気力-10
★フルチャージ:戦闘判定-10。『自分ATK-相手DEF』+『気力消費分/4』の固定HPダメージ。DEFによる減衰可能
※フルチャージの際の気力消費は戦闘判定への使用とは別計算


小走やえのステータスを更新
【クインビー・ドーパント】 小走やえ
適合値:52
汚染値:88
技能:44(25)
HP:46/46
スタミナ:46/46
気力:40/40
ATK:40
DEF:35

(レンジ:至近距離~近距離)
  • 【女王蜂の記憶】:飛行を得る
  • 【毒針】:相手にダメージを与えた場合発動。毎ターン、相手は【こちらが与えたダメージの10分の1】+【相手のスタミナ消費値と同等】のダメージを受ける。
  • 【汚染値】:汚染値が50を超えている場合、その差分を技能にプラスする。超えていない場合、技能は通常のものを用いる (+38)
  • 【適合値】:適合値/5を技能に追加する (+11)






        「電話とメモリとプレゼント」



                              A-Part 終了


最終更新:2014年03月23日 02:43