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        「秘密と噂と???」


                              A-Part 開始





カザリ「……で、結局無駄骨か」


 その後。
 小走やえを助け起こした京太郎たちは、彼女からガイアメモリの情報を聞き出そうと思っていた。
 だが、それは叶わなかった。

 思った以上にメモリに汚染されてしまっていた――京太郎が死んだと思い込んだ事による――彼女は、
 メモリブレイクに際し、軽度の記憶障害となってしまっていた。
 幸いそれは重度のものではなく、仮面ライダー、ガイアメモリ、そして須賀京太郎に関する記憶だ。

 それでよかったと思う。
 自分が自分でなくなる恐怖。麻薬的な暴力の衝動。
 人を殺してしまうかもしれないと言う葛藤。殺してしまったという自責。

 そんな悪夢が消えるなら、それでいいだろう。
 むしろそれは、悪い効果ではないと思う。

 結局のところ、彼女の問題は解決していない。
 ガイアメモリに手を出すほど悩んでしまった彼女の問題は。
 しかしそれは彼女自身の人生。彼女が悩む、彼女だけに与えられた試練だ。
 だから、その必要がないのなら京太郎は手を貸さない。

 乗り越える、そのためにある壁。
 乗り越えようとすること、それ自体が重要なものだから。

 それに……彼女なら、乗り越えられるだろうとも信じている。


京太郎「……無駄じゃないぜ、カザリ」

京太郎「こうして……一人、助けられたんだしな」

カザリ「……はいはい」

カザリ「僕としては、もう少しメダルとか……そういう特になる事をして欲しいんだけどね」


京太郎「メダルっていえば、あの時のアレはなんだったんだろうな」


 結局は使用しなかったものの、受け渡されたあの剣。
 それとカンドロイド。ライドベンダーとかいうバイク。
 カンドロイドは、小走やえの捜索に実に貢献した。ライドベンダーもそうである。

 しかし、渡すだけ渡されて、それっきり。
 それが何とも不気味である。


カザリ「……さあね」

カザリ「まあ、用があるんだったらまた来るんじゃないの」

京太郎「そうか」

京太郎「まあ、『また会おう』って言ってたしな」

カザリ(……)


カザリ「それより、学校に行かなくていいの?」

カザリ「このままだと遅刻すると思うんだけど」

京太郎「げっ、マジかよ!?」

京太郎「お前はどうするんだ?」

カザリ「僕?」

カザリ「また、色々情報を調べてみるよ」

京太郎「そうか。ま、気を付けてな」

カザリ「そっちこそ」

カザリ「この間みたいに、誰かを庇って死ぬとかはやめてよね」

カザリ「それじゃ、メダルが集まらないからさ」



【昼】

アレクサンド「それじゃあ、今日はここまでです」

アレクサンド「今日の内容を、しっかり復習するように」


 倫理のアンデルセン先生はにこやかで理知的な先生だ。
 その眼鏡も相俟って、実に落ち着いて穏やかな人間性を醸し出している。
 が、その顎のあたりにある傷はなんなんだろう。やけに凄味を感じさせる。


+ 判定
直後、コンマ判定
1~50:見知った人間と会話
51~80:誰かと出会う
81~99:何かイベントの……

ゾロ目:遭遇イベント

782 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 00:46:14.90 ID:w5yTKVaIO [4/30]
は


菫「淡、どういう事なんだ! 麻雀部を辞めるって!」


 また、いつものように屋上にでも向かおうか。
 そう考えていたとき、廊下から怒鳴り声が聞こえてきた。
 何かと思って顔を出すと、中々のおもち――ビューティフォー――なストレートの先輩(3年生)と、
 金髪の1年生が言い合っているのが見えた。


淡「そのままの意味ですよ」

淡「辞めたくなっちゃったんだから、仕方ないじゃないですか」

菫「仕方ないって……お前」

菫「あれほど、麻雀を楽しんでたのに……どうしたんだ?」

淡「……」

淡「……だって」

淡「とにかく、ごめんなさい。私は麻雀部を辞めるんで」

淡「そういう事でお願いします、菫先輩」

菫「~~~~~~~~~~~ッッ」

菫「……分かった。お前にも、家庭の事情とか、そういうことがあるかもしれないのは」

菫「だが、よければ……たまにでいいから顔を出してくれないか?」

菫「お前が来てから、照の奴もどこか楽しそうだったんだ」

菫「私も、お前と打ちたい。一緒に打てたらな……と思っている」

淡「……」

淡「気が、向いたらね」

菫「……それでいい。待ってる、からな」


 どうやら、退部の問題だったらしい。
 京太郎は部活に入っていないので良くわからないが、そういうのは大変なんだろう。
 そのあたりを避けている自分にはわからない事だ。

 それから、その金髪の女子生徒が京太郎の方に歩み寄ってくる。
 そして、京太郎の前で立ち止まる。


京太郎「……俺に何か?」

淡「邪魔。道塞いでる」

淡「どいてよ、邪魔だから」

京太郎「あ、ああ……」


 どうやら用なんてのはなかったらしい。
 それでも廊下なんだから避ければ十分通れるのに……。

 まあ、気が立ってたんだろう。




【放課後】

慧音「……と言う訳で、この時後鳥羽上皇が」

慧音「こら! 寝るな!」


 日本史(新城先生は世界史だ)の上白沢先生は何と言うか生真面目だ。あとおもち。
 だけどなんというか――恐ろしい。

 まず一点。
 授業がクッソ眠くなる。それはもう眠くなる。カッチリキッチリしすぎて眠くなる。
 二点目。
 寝ると怒る。頭突きが飛んでくる。凄い痛い。ハリケーン・ミキサーか。

 あの眠さからの頭突き攻撃である。最早頭突きをするために眠くさせてるとしか思えない。
 死のコンボだ。ガタキリバコンボ顔負けである。



京太郎(あー、ねみぃ……)


+ 選択判定
1:普通に帰宅する
 (そのレスでコンマ判定へ)
 1~15:何事もない 16~74:誰かに出会う 75~99:イベント発生 ゾロ目:特殊イベント
 ※出会う人間も一緒にお書きください

2:誰かに連絡を取る (特訓・相談など)

↓3


※1ならば 「1:カザリ」
※2ならば 「2:神代小蒔」のようにお書きください
※2については、連絡先を交換した相手のみとなります


790 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:07:29.47 ID:OvxPR+Ss0 [2/11]
2 小蒔

791 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:07:39.22 ID:w5yTKVaIO [6/30]
1 淡

792 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:07:40.18 ID:15qFJQnAO [2/13]
1カザリ

カザリ「やあ」

京太郎「……おう、カザリか」

カザリ「随分と眠そうだけど、どうかした?」

京太郎「あー、授業がなんつーかなー……うん」

カザリ「ふーん」

カザリ「その、眠たくなるってのも分からないね」

京太郎「そうなのか?」

カザリ「退屈っていうのはあるけどね、僕たちには睡眠も必要ないんだ」

カザリ「だから、眠気とか……そういうのはないよ」

京太郎「そうか」


 それも、なんかつまらないな。
 そんな風に思える。


京太郎「それで、調べてたのは……何かわかったか?」

カザリ「……ああ」

+ 判定
直後、カザリさん情報収集判定

1~30:収穫? なかったよ
31~70:そう言えば、噂なんだけどね……
71~99:二色のライダーってのについて調べてたんだけどさ

ゾロ目:カザリさん、会長に接触

798 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:14:12.31 ID:w5yTKVaIO [7/30]
は

カザリ「そういえば、噂なんだけどさ」

京太郎「噂?」

カザリ「あの、ドーパント関連で何かないかなって思ってたら……あったよ」

京太郎「聞かせてくれ」

カザリ「って言っても、そこまで凄い事じゃないんだけど」

カザリ「舞姫って本、知ってる?」

京太郎「あー」

京太郎「何か授業で習ったような習わないような……」

カザリ「……はぁ」

カザリ「ま、その……森鴎外って人間が書いた『舞姫』」

カザリ「その本に、依頼ができるらしいんだ」

京太郎「依頼?」


 そう聞くと、何か殺し屋でも雇いでもするような印象を受ける。
 それとも、怪盗とか。探偵とか。
 そっち関係の言葉である気がするのだ。


カザリ「ま、当たらずとも遠からずってところかな」

カザリ「行方不明の人間とか、悩みがどうとか……そんな事から」

カザリ「『怪物』に関わる事に関して、依頼ができるらしいんだ」

京太郎「『怪物』?」

京太郎「……っていうとこの場合やっぱり、ドーパントか」

カザリ「だろうね」

カザリ「とにかく、この『舞姫』の貸し出しカードに名前を書くのか」

カザリ「それとも中に依頼を願う手紙を挟んでおくのかは知らないけど……」

カザリ「そうすると、そんな関係の悩みを解決してもらえる……らしいよ」


京太郎「……なるほどな」

京太郎「場所とか、分かるか? この学校? 公民図書館?」

カザリ「さあ……そこまではね」

カザリ「詳しく聞けば分かるかもしれないけど、要するに――そんな馬鹿な噂にでも、真剣に食いつく」

カザリ「そんな人間を相手にするんじゃないの? ある意味選別だね」

京太郎「なるほどな……」

カザリ「ま、ただの噂かも知れないけど」

京太郎「いや、何か関係あると思うぜ」

京太郎「ドーパントとか仮面ライダーもそんな都市伝説だったんだしさ」

京太郎「サンキューな」

カザリ「……どういたしまして」


+ アナウンス
【大星淡と弘世菫の口論(?)を聞きました】
【カザリから、舞姫とドーパントの噂を聞きました Level.1】


【朝】

京太郎「しかし……グリードの方に動きはないよな」

カザリ「君がいきなりコアメダルを奪ったからじゃないの?」

カザリ「あんな事されたら、そりゃ警戒もするよね。僕が同じ立場なら猶更」

京太郎「そういうもんか?」

カザリ「まあね。ウヴァあたりは焦ってそうだけど」

カザリ「それに……」

京太郎「ドーパントとイマジンか」

カザリ「ああ」

カザリ「両方とも目的が見えないのに、狙うところが一緒だからさ」

カザリ「全員、人の欲望に関わってる……つまりそのままだと食い合いになるんだ」

京太郎「……確かにな」

カザリ「そうなったら、ただでさえ現代の知識がないんだ。猶更慎重になる」

京太郎「つまり、しばらくはそこまで目立った動きはないけど――」

カザリ「――逆に動くときはかなり厄介って事だよ」

京太郎「そうか」


京太郎「で、今日は?」

カザリ「まだ情報を集めに行くよ」

カザリ「髑髏か、それとも二色の仮面ライダーに繋がる……かもしれないしね」

カザリ「どっちの情報も、持っていて損はない」

京太郎「確かにな」

京太郎「江口先輩……いや、セーラ先輩はあんな人だったけど」

京太郎「他がどうか、分からないとな」

カザリ「そういう事」



【昼】

切嗣「……これをモンロー効果と言って」

切嗣「これを利用して爆発の焦点を絞る事でその威力を上げたのが……」

切嗣「……おっと、今日はここまで」


 物理の衛宮先生は、なんというか草臥れているような印象を受ける人だ。
 それでも身のこなしとか、色々な知識は凄い。海外を転々としていたらしい。
 この学校、国際的な人が多くないか?


+ 判定
直後、コンマ判定
1~50:見知った人間と会話
51~80:誰かと出会う
81~99:何かイベントの……

ゾロ目:遭遇イベント


821 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:46:13.96 ID:1nAfgphIO [4/11]
灼ちゃん!!!!!

良子「……テディ、だからそれは」

良子「ノーウェイ、ノーウェイ」


 屋上に続く階段のところで、話し声が聞こえた。
 誰か、電話でもしているのだろうか。
 基本的に緊急の時以外の通話は禁止されている。まあ、殆どの先生はそこまで強く取り締まろうとしないが。
 それにしてもテディ……外人……?


良子「……おっと、人が来ました」

良子「失礼」

京太郎「あ、はい」


 人ごみをかき分けるように手をかざして、スッと京太郎の横をすり抜ける。
 なかなかのものをお持ちだ。善き哉。


 誰だろうか。
 制服でないという事はつまり、教師であるが。
 教師にも見えないし――尤もあまり詳しくはないが――職員か、それとも部活関係者か。
 この学校は色々な部活に外部からコーチを呼んでいるし。

 もしかしたら、その関係であるかもしれない。

 ……でも、あの携帯電話通話状態になってなかったよな?


 ひょっとしたらそういう病気の人なのかもしれない。
 そっとしておこう。



【放課後】

ミッドバレイ「次の時間は楽器のテストをする」

ミッドバレイ「各自、練習して来るように」


 音楽のホーンフリーク先生は、昔はオーケストラだか何かしらないが、有名なバンドに居たらしい。
 なんでも、その音楽を聞いた人が気絶するくらいに感動的なんだとか。
 そんな人が、どうしてこの学校にいるのだろう。謎だ。
 それにしても……ホーンフリークって凄い名前だな、コレ。


+ 判定
1:普通に帰宅する
 (そのレスでコンマ判定へ)
 1~15:何事もない 16~74:誰かに出会う 75~99:イベント発生 ゾロ目:特殊イベント
 ※出会う人間も一緒にお書きください

2:誰かに連絡を取る (特訓・相談など)

↓3


※1ならば 「1:カザリ」
※2ならば 「2:神代小蒔」のようにお書きください
※2については、連絡先を交換した相手のみとなります


831 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:57:36.83 ID:+CWuyGKe0 [2/5]
2小蒔

832 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:57:42.06 ID:TkLJDV4Qo [3/13]
2 セーラ

833 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 01:57:48.62 ID:OvxPR+Ss0 [5/11]
2小蒔


 そう言えば。
 あれっきり、神代さんにも会ってなかったな。

 色々と世話になっていて申し訳ないと思うし。
 それにあの、モモタロスに怒鳴られそうだし。


小蒔『――はい、もしもし。神代です』

京太郎「ドーモ、神代=センパイ。須賀です」

小蒔『なんで片言なんでしょうか』

京太郎「いや、ノリです」


さて……と。
それで、どうしようか。



+ 選択判定
1:(特訓に)付き合ってください
2:(相談に)付き合ってください  ※何か内容も。なければこちらで選択肢を

↓3

840 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:03:52.22 ID:TkLJDV4Qo [4/13]
1

841 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:04:14.57 ID:w5yTKVaIO [17/30]
2

842 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2013/02/07(木) 02:04:47.58 ID:CczNgP7zo
1


小蒔『それで今日は、一体……』

京太郎「実はですね……その、何と言いますか」

京太郎「ずっと、言おうと思ってたんだけど……なかなか言い出せなくて」


 非常に言いにくい事である。
 事であるが、言わなければならないだろう。勇気を出して。


京太郎「付き合って下さい」

小蒔『……そうですか』

小蒔『私も、思ってたんです』

小蒔『須賀さんも、特訓しようと思ってたんですよね?』

京太郎「ええ、お恥ずかしながら……」


 須賀京太郎は弱い。
 須賀京太郎、神代小蒔、江口セーラと3人を並べたとき。
 おそらく自分が、その中でも最も弱いだろう。

 素の身体能力ならば、小蒔には勝つ自信がある。
 だけどもイマジンが憑依した彼女を相手にしては、それこそコンボでも使用しなければ勝ち目はない。

 そして流石は麻雀部に所属していただけあって。
 その集中力や冷静さ、勝負勘などは彼女が勝る。


小蒔『それじゃあ、どうしましょうか?』

京太郎「ええと――」


+ 判定
1:模擬戦闘     (通常バトル形式の戦闘。ただし戦闘で状態以上の条件>>3を満たしてしまうと怪我をする場合)
2:特訓や基礎訓練 (コンマで判定)

↓3

845 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:13:53.12 ID:TkLJDV4Qo [5/13]
エスパーか!
2

846 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:14:15.05 ID:w5yTKVaIO [19/30]
2

847 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:14:27.75 ID:dp0p3tRKo [8/19]
2


850 自分:1 ◆B6xkwd67zxGJ[saga] 投稿日:2013/02/07(木) 02:23:27.87 ID:GXJ7AD1Qo [25/37]
847の選択:2

京太郎「出来れば一緒にトレーニングできたらな、と」

小蒔『分かりました。それじゃあそちらに向かいますね』

京太郎「お願いします。校門のところに居るんで」


 そう言って、電話を切る。

 さて、それから気付いたんだが……恥ずかしいな。
 確かに戦闘に関して女性に教えを乞うというのもそうであるが……。
 なんというか、「付き合ってください」だけじゃあ……誤解されないか?

 よくそれだけでこちらの気持ちを読み取ってくれたもんだ。エスパーか。


1:技能を磨く
2:打たれ強さを強化する
3:スタミナを付ける
4:精神を鍛える


 1~20:失敗
 21~50:経験+1 (経験+4で1上昇)
 51~70:経験+2
 71~99:経験+3

 ゾロ目:技能・HP・スタミナ・気力(選んだもの) +2


↓3 &そのコンマで判定

851 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:24:12.87 ID:OvxPR+Ss0 [7/11]
ほい

852 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:25:02.85 ID:dp0p3tRKo [9/19]
1

853 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:25:21.50 ID:TkLJDV4Qo [6/13]
3


小蒔「それじゃあ……ランニングでもしましょうか」


 そう言って出てきた彼女は、ジャージ姿だった。
 なるほど、これも新鮮でいいな。


小蒔「私も、体力がないのを気にしてて……」

京太郎「そうなんですか? 電王の時、そうは見えないけど」

小蒔「あれは、モモさんたちのおかげなんです」

小蒔「それでも……結局は、その憑代である私の身体能力が低いと十分な力が出せないみたいで」

京太郎「なるほどなぁ」

小蒔「だから、頑張りましょうね!」

京太郎「ええ、お互いに……これからの為にも。負けない為にも」

小蒔「はいっ!」



 ……さて、結論から言おうか。


 おい、知ってるか?

 乳首ってのは、ばんそうこうを張ってないで走ると擦れて痛い、らしいぜ。

 俺には胸はない。

 でもな、それをガン見する事は出来る!


 いやあ。
 あれを、見るなって方が無理だって……。
 だってほら、凄いんだぜ? あれ。


+ アナウンス
【スタミナの経験+1された】
【神代小蒔の好感度がちょっぴり上がった】


【夜】

カザリ「どうしたの? やけに嬉しそうだけど」

京太郎「いや……そのな。ちょっといい事があったんだ」

カザリ「ふーん」

カザリ「ま、何だっていいけどさ。無駄に体力を使って、肝心な時に役に立たないとかはやめてよね」

京太郎「言い方が酷いな……」

カザリ「事実だからさ」

京太郎「でも、鍛えておいてもいいだろ? オーズになっても、戦うのは俺ってことに変わりないんだし」

カザリ「ま、それもそうだけどね」

カザリ「前みたいに、他のグリードに囲まれたら本当にどうしようもないからね」

京太郎「その時の為に、せめて真っ当にコンボを使えるぐらいの体力付けとかないとな」

カザリ「それもそうだね」

カザリ(……ま、コンボの怖さはそれだけじゃないんだけど)


京太郎「……で、どうだったんだ?」

カザリ「ああ、僕の方?」

カザリ「えーっと――」


+ 判定
直後、カザリさん情報収集判定

1~30:収穫? なかったよ
31~70:あの、舞姫の続きなんだけど……
71~99:二色のライダーと骸骨について調べてたんだけどさ

ゾロ目:カザリさん、会長に接触


860 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 02:41:50.86 ID:1nAfgphIO [9/11]
勢い余って間違えた


カザリ「ああ、あの舞姫の続き。それを調べてたら面白い事が分かったんだ」

京太郎「面白い事?」

カザリ「順を追って説明するよ」

カザリ「あの、舞姫の噂。あの依頼をすると……どうやらね」

カザリ「二色の仮面ライダーに出会えるらしい」

京太郎「なんだって、それは本当か!?」

カザリ「ま、そういう書き込みがあったって事さ」

カザリ「書き込みには大きく2パターンがある」

カザリ「『そんな噂本当か』って程度の軽い気持ちで行ってみたもの」

カザリ「本当にそんな噂位にしか、縋るものがなかったもの」

カザリ「出会ったのは――言うまでもないよね?」

京太郎「ああ、勿論後者だよな?」


カザリ「そう。そんな都市伝説に頼るしかない人間は、すべからく二色の仮面ライダーに出会っている」

カザリ「細かい事情がどうかは書いてなかったけど、解決して貰えたってね」

カザリ「勿論、中には語りがあるだろうけど」

京太郎「なるほどな……」

京太郎「でもそうなると、凄いよな」

京太郎「どこの人間かは分からないけどさ、一々相談者の事情も調べてるって事だろ?」

京太郎「名前とか、連絡先とか……書くのか? その紙にさ」

カザリ「いや、書かないみたい」

カザリ「当然、別のところに悪用されかねないからね」

カザリ「ただ、ある程度詳しくはその内容を書かなきゃいけないらしいけど」

京太郎「なるほど」

京太郎(ってなると、怪しいのはその本を置いてある場所のスタッフだよな)

京太郎(それなら、本に挟まった依頼を見つける事をしやすいし)

カザリ「で、次」

カザリ「この条件――場所の指定がない」

京太郎「……どういう事だ?」

カザリ「どこでもいいんだよ。どこでもいいか、その舞姫に依頼を挟む。それだけで、オッケーなのさ」


京太郎「嘘だろ……!?」

京太郎「そんなの、どれだけ手間がかかるか分かったもんじゃないぜ」

カザリ「不思議だよね」

カザリ「だからこその都市伝説なんだろうけど」

カザリ「……あ、勿論。この学園都市の中限定で、流石に自宅の本棚とかは無理みたい」

京太郎「そっちまで探してたら、手に負えないもんな」

京太郎「……それにしても」

京太郎(異常なまでの調査能力だぜ、それ)

カザリ「よっぽどの組織ぐるみ。そうとしか思えないけどね」

京太郎「それにしても、ヤバイだろ」

カザリ「ま……これが調べて分かった事の一つ目」


カザリ「この話には続きがある」

京太郎「続き?」

カザリ「実は――昔その二色のライダーが目撃されていたときには、そんな都市伝説なんてないんだ」

京太郎「どういう事だ?」

カザリ「詳細は不明。だけれども、ドーパントと戦ってたって事さ」

京太郎「……順番が逆じゃないのか?」

京太郎「それなら、組織力が拡大したって理由が付く」

京太郎(それまで依頼でしか動かなかった奴が、大きな調査能力を持ったから依頼が不要になった)

京太郎(そう考えられる。逆なら)

京太郎(ま、もう一個……)

京太郎(それまで場当たり的にしか戦ってなかったのが、大きな調査能力を持った――そんな線もあり得るか)

京太郎(それなら、この順番で正しい)


カザリ「いいや、この順番で正しいんだよ」

京太郎「あー、だったら」

京太郎「以前は、ドーパントを倒すのに取りこぼしがあったってのは?」

カザリ「さあ? 詳しい数なんてどれくらいかは分からない」

カザリ「だけど、昔も今も変わってないだろうね。そのあたりは」

京太郎「……おいおい、本当かよ」


京太郎「いや――ああ、もう一個センがあるか」

京太郎「実は昔も今も依頼型。ただし、昔はそれが知られてなかった。その噂が流されてなかった」

京太郎「だから、開きがある。昔は依頼方法があまり広まってなかったんだ」

カザリ「あー」

カザリ「確かに、それもありえるだろうね」

カザリ「……というか、常識的に考えるならそれが正しいのかな」

京太郎「……ハハ」

京太郎「それでも、十分非常識だよな」

カザリ「本当にね」


カザリ「それから――最後の噂」

京太郎「まだあるのか」

カザリ「誰かさんが中々ヤミーやグリードと戦わないから、時間だけは余ってるんだよ」

京太郎「俺に言うなよ」

京太郎「……ま、何か起きなくていいじゃないかよ。それで」

カザリ「僕は良くないけどね。メダルが溜まらないしさ」

カザリ「約束、忘れてないよね?」

京太郎「ああ」

京太郎「それでも、誰かが傷付く事が起きない方がいいってのは本心だよ」

京太郎「お前との約束も、大事だと思ってるけどさ」

カザリ「ふーん」

カザリ「ま、忘れてないならそれでいいんだけど」


カザリ「髑髏の仮面ライダー」

カザリ「こいつは、目撃されてない」

京太郎「……?」

京太郎「いや、噂になってるだろ。ってことは、目撃されてるんじゃないのか?」

カザリ「ああ、ごめん」

カザリ「最近になっては、目撃されてないらしいんだ」

カザリ「昔は居たけど――最近、彼に出番がない」

カザリ「その入れ替わりに、あのアクセルの目撃情報が増えてるんだけど」


京太郎(……)

京太郎「つまり、他のライダーが出てきて出番が減ったのか?」

京太郎「わざわざ出る必要もなく、他の二人が倒しちまうとかさ」

カザリ「おめでたい発想だね」

カザリ「……だけども、君自身思ってはいるだろう?」

カザリ「流石に、そう思わないほど馬鹿じゃないって信じてはいるんだけど」

京太郎「……」

京太郎「……ああ」

京太郎「もう一つの可能性を上げるとしたら、それは……」

カザリ「既にドーパントにやられている、って事だね」

京太郎「……だよな」

カザリ「ま、怪我で済んでるとか。単純に隠れてるだけかもしれないけど……」

カザリ「とにかく、ここ最近は人前に出られない状態って事さ」

京太郎「……」


カザリ「ま、もう一つ敢えて言うとすれば」

カザリ「あの、アクセルに倒されちゃった……とかね」

京太郎「……。セーラ先輩が、そんな事をする人に見えるか?」

カザリ「さあ? 表面的には、どうとでも取り繕えるでしょ」

カザリ「それが人間って奴じゃないの?」

京太郎「それは……そうだろうが。でも……」

カザリ「僕たちの事をいきなり攻撃してきたのも、実は殺そうとしてだったりして」

カザリ「……で、見慣れない相手だから警戒して、今は情報収集として君と一緒に居るとか」

京太郎「……おい、カザリ」

京太郎「やめとけよ、そういう言い方するのは……!」

カザリ「……はいはい」

カザリ「でも、疑うって事は別に悪い事じゃないと思うけど」

カザリ「疑っておいて、対策をしておいた方がいいってところはあるでしょ」

カザリ「それともまさか、『信じて裏切られる方がいい』とかそんな事を言うタイプだっけ」

京太郎「それは……違うけどな」


京太郎(裏切られて、俺だけに被害が来るならそれでいい)

京太郎(だけどそいつは、絶対に同じことをやる。他の誰かにも)

京太郎(……俺はいいさ)

京太郎(いや……やっぱり嬉しいもんじゃないけど、騙された自分が悪いって諦めはつく)

京太郎(だけど、他の誰かが同じ目に遭うのは許せない)

京太郎(俺がそれに目を瞑るって事は、他の誰かを同じ目に遭わせるって事につながる)

京太郎(だったら、信じて裏切られるなんて御免だ。たしかにカザリの言う事には一理ある)

京太郎(あるのは確かだけど……それにしても)

京太郎(セーラ先輩が、仮面ライダーを――ドーパントと戦う人間を、排除する……?)

京太郎(そんな事、あり得るわけがないだろ……!)

京太郎(俺は、あの人を信じたい……仲間と言ってくれた、あの人を)

京太郎(……)

京太郎(もしそうなったなら、俺が止めなくちゃいけない。誰かにその手が行く前に)

京太郎(……だけど、考えにくいよな。それにあんまりいい気分がするものでもないし)

京太郎(まあ、お互いまだそれほど仲がいいって訳じゃないんだ)

京太郎(もっと、他のライダーの皆と……話をしてみないとな)


カザリ(……ま)

カザリ(少なくとも、このスカルってのは……障害にはならないみたいだね)

カザリ(一応、もう少し調べてみるけど)


+ アナウンス
【カザリから、舞姫と仮面ライダーとドーパントの噂を聞きました Level.3】



【朝】

京太郎「……」

京太郎(裏切られる……か)

京太郎(そういうのも、やっぱり怖いな)


 自分自身が臆病者だという自覚はある。
 失うのが怖い。手放すのが怖い。守れないのが怖い。別れるのが怖い。先立たれるのが怖い。
 だから、人間関係が怖い。

 それでもこうして人と関わろうと思っているのは。
 今、自分にオーズの力があるからだ。
 ただの須賀京太郎ならば、誰と関わる事なくとも、問題は無かった。
 必要があれば。求められれば手を貸す。それ以上の事は要らなかった。
 だが、今は違う。
 この力を持ちながら誰とも関わらないというのは、その誰かを見捨てているという事を意味する。

 ――できる力を持ちながら、それを行わない。

 勿論、それを行わない他人がいたとしても咎める気はない。
 それはその人間なりのポリシーがあっての事だし、その人にはその人の人生や考えがある。
 だから、そんなもんか……と思う。
 勿論、その行為に大して、好き嫌いというものは存在するが。
 ただ、須賀京太郎にとって、自分自身がそれを行うと言うのは、許されざる事だった。

 もう二度と、あの怖さを味わいたくはない。
 だから、須賀京太郎は人と関わろうと思った。思い始めた。

 失うのが怖い。
 手放すのが怖い。
 守れないのが怖い。
 別れるのが怖い。
 先立たれるのが怖い。

 そして――。
 自分が目を閉じてしまったせいで、それが起きてしまう事。
 自分が気付かなかったばかりに、それが起きてしまう事。
 自分が関わらなかったがために、それが起きてしまう事。
 誰かに自分と同じ怖さを味わわせてしまう事。

 それが今、何よりも怖かった。

 だから、手を伸ばす事に決めた。
 故に、歩き続ける事を誓った。
 その為、戦う事を選んだ。

 オーズとなって。カザリと出会って。
 一番変わったのは、そこだろうか。


カザリ「どうしたの? 遅刻するよ」

京太郎「……ああ、今いく」

カザリ「……」

京太郎「……どうした?」

カザリ「いや……」


 歯切れが悪そうに逡巡して、結局口を閉ざすカザリ。
 何か、と思ったら――カザリが前を顎で示した。
 前方。見慣れない少女がいる。


カザリ「君に用じゃないの?」

京太郎「……見覚えないけどなぁ」


 赤みがかった腰ほどまでの茶髪。頭の左右で一房ずつ止めている。
 それから、勝気そうな瞳。
 街で見かければ、視線を向ける人間も多そうだ。実際今、通行人の中にも振り向きかえる者がいる。
 そんな少女は、京太郎の姿を認めると、こちらに向けて歩を進めてきた。

 さて、誰だろうか。
 心当たりと言うのはない。恨まれる覚えも、そのほかも。
 そして、およそ数メートルの位置まで来ると立ち止まり、言った。


憧「……須賀京太郎さん?」

京太郎「そうだけど、なんで俺の名前を……」

憧「会長が呼んでるみたいだから、一緒に来てもらえますか?」


 疑問形ながらそれは実際のところ、断定と同じ意味を持っていた。

 会長――生徒会長か?
 だけれども、生徒会に呼び出しされる謂われは無いと思うが……。


カザリ「……この間の、あれじゃないの?」

カザリ「メダルのときのさ」

京太郎「……ああ、そうかもな」


 で、どうするの。
 少女はそうとでも言いたげな視線を送る。
 京太郎と同じスマートブレイン学園生。学年称から察するに、一年生だろう。同級生だ。

 授業があるからという言い訳は存在しない。
 彼女自身からも、自分がサボる事になっているのだからという、言葉にならない不満の声が聞こえてくる。

 しばし考える素振りをしてから、同行を決めた。


会長「ようこそ、須賀京太郎くん!」


 鴻上ファウンデーションという、一大企業。
 訪れるとそこに居たのは、この間の声の主。
 何が嬉しいのか、ケーキなど作っている。そんな大柄の、スーツの男だ。
 隣の少女――名前は知らない――は「うへぇ……」と顔を背ける。
 ひょっとして、あのケーキを食べさせられているのだろうか。


京太郎「この間はどうも。助かりました」


 あのカンドロイドとやらがなければ。
 小走やえはもっと最悪の事態になっていただろう。
 そういう意味でこの目の前の男は、小走やえの恩人であり、須賀京太郎の恩人である。
 頭を下げると、鷹揚に笑い返した。


会長「役に立ったようで何より! 素晴らしい!」

京太郎(……一々テンションたけーな、この人)

京太郎「それで、俺に何の用なんですか……今日は」

会長「君にオーズ、グリード、セルメダル……そして契約の話がある」

京太郎「契約……?」

会長「まず、順を追って話そうじゃないか!」


 それから、しばし説明が入った。

 ・オーズとは、この国ではないどこかの国の王が錬金術師に作らせた力
 ・グリードもオーズもともに、欲望というものを力にしている
 ・文献に残されていたオーズの力を研究するために取り寄せたところ、グリードが復活
 ・セルメダルを元に様々な武装を研究しているので、これからもオーズの力になれるという事

 そんなところだ。


京太郎「……どうして、オーズの力を研究しようと?」

会長「未確認生命体が、また現れないとは限らないからね。そのための備えだ!」

京太郎(……なるほど。本当ならその通りだし、筋も通るか)

京太郎「それで、契約と言うのは?」

会長「まず、わが社が開発したカンドロイド、ライドベンダー、そして必要ならバックアップを君に提供しよう!」


 それがこちらのメリット。
 それは純粋にありがたい。あの力があれば、もっと効率よく人を助けられる。
 ただ、契約と言うのは双方にメリットがあるものだ。たとえば自分とカザリのように。


会長「その代わり――獲得したセルメダルをわが社に収めて貰う! 比率は七:三。私が七で、君が三だ!」

京太郎「――なッ!?」


 七対三。それはあまりに暴力的な割合だ。
 たとえばセルメダルを五十枚獲得したとしても、実際のところ手に入れられるのは十五枚。
 そしてこの口ぶりでは――カンドロイドやライドベンダー。
 それらを稼働させるためのセルメダルは、こっち持ちだろう。

 それじゃあ結局、倒してもセルメダルは手に入らない。


カザリ「……七:三って」

カザリ「せめて、六:四ぐらいにならない?」

会長「駄目だ! 私が七、君たちは三。これは変わらない」

会長「どうしてもと言うのならば、私に何かメリットを提示してほしい」

カザリ「……」

カザリ「……どこかの誰かと一緒か」


 そう、本当に屈辱だと呟くカザリ。
 七対三。その言葉には覚えがある。

 以前、カザリが話していた――“王”とのセルメダルの割合。

 それとそのまま、一緒である。
 当然カザリは、良い気分はしないだろう。あの口ぶりではそうだ。


 確かに、ここで強力を断るという選択肢は――ありえない。
 あの時だって、この鴻上ファウンデーションの力がなければ、小走やえを助けられなかった。
 仮に、もっと早く協力できていたなら、ああなる前に止められたはずだ。

 メダルを人命よりも優先しない。

 それは須賀京太郎のルールだ。
 当然ながら変わらない。ここで彼の手を取らないという事は、まだ見ぬ誰かを見捨てる事に等しい。
 それは怖い。嫌だ。許されない。
 セルメダルを人命よりも優先するのと、同じ行為である。
 故に、拒絶は不可能だが――。


京太郎(……それにしても、七:三か)

会長「さあ、君の答えを聞こう!」

京太郎「……」


+ 選択
1:「分かった……その話、受けます」
2:「……考えさせてください」
3:「七:三? 一:九の間違いじゃないのか? 俺が九、あんたが一だ」


↓5

903 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:36:28.62 ID:w5yTKVaIO [24/30]
2

904 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:37:20.65 ID:BndaydFco [3/4]
2

905 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:37:38.59 ID:C5UYB3sQo [1/8]
2

906 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:38:30.97 ID:dp0p3tRKo [14/19]
2

907 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:38:32.19 ID:15qFJQnAO [8/13]
1


判定
1~20:カザリの好感度大幅減
21~50:カザリの好感度変化なし
51~70:カザリの好感度アップ
71~99:カザリの好感度大幅アップ

ゾロ目:まさかの憧ちゃんが……! 憧ちゃんマジ天使!


↓3

939 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 21:01:54.55 ID:w5yTKVaIO [29/30]
ら

940 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 21:01:59.59 ID:+yFO7/o/o [2/4]
あこちゃんがたすけてくれる

941 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 21:02:24.57 ID:89vFCaEBo [6/12]
えい


京太郎「分かりました……その話、受けます」

カザリ「ちょっと……何考えてるのさ……!」

カザリ「それじゃあ、メダルが集まらない! ただでさえ、メダルに困ってるんだよ!」

カザリ「僕との約束はどうしたのさ!」

京太郎「……約束、確かにあったけど」

京太郎「でも、俺は言ったよな……『人の命より、メダルを優先するな』って」

カザリ「オーズ……!」

京太郎「お前が譲れないように、俺もその線は譲れない」

京太郎「ここでこの人の手を跳ねのけると、人を助けられなくなる」

京太郎「だから……俺はこの提案を、受ける」

カザリ「……ふーん」

カザリ「あっ、そう? じゃあ、好きにしたら?」

カザリ「僕はもう何も言わないよ。君が戦うんだしね」

カザリ「……君の勝手にしたらいい」

京太郎「……ああ、そうするよ」


 そう言って、ふいと後ろを向くカザリ。
 気分を損ねたのだろう。当然だ。
 カザリは、「七:三」という数字にいい思い出がない。
 その話を聞いておきながら、須賀京太郎は相手の提案を受けたのだ。
 これはカザリにとって、自分をないがしろにされたのと同然である。

 おそらく思うに、半ばこちらを信頼し始めていたからこそ、彼はここまで激怒した。当然の帰結だろう。
 或いはこれは自惚れかも知れないが……。
 どちらにしても、カザリの心を強く踏みにじったのは変わらない。


会長「ふむ、それでいいのかな?」

京太郎「……ええ。それでも俺は、人を助けたい」

会長「なるほど、それもまた欲望だ! 歓迎しようじゃないか!」

京太郎「ええ、俺が倒したヤミーのセルメダルを『七:三』で渡す。それでいいですね」

会長「違うな、須賀京太郎君」

会長「ヤミーだけでなく、グリードもだ」

会長「倒しただけじゃない。手に入れた分だ」

会長「そうじゃないと、そこの彼が意図的に倒さずに逃がし続ける事もありえるからね」

京太郎「それは困ります」

京太郎「戦闘中に必要になるかも知れない。そうなったときに、使った分については全体数から引いてください」

京太郎「カザリがどうあっても、戦うのは俺です。俺がわざと逃がすなんてことはあり得ない」

京太郎「『別の何かに使った場合それにはカウントしない』『倒したときのセルメダル』」

京太郎「ここは守ってください。あなたが俺の欲望を評価したのなら、その欲望を信じてください」

京太郎「俺は人を助ける為に戦う。だから、ヤミーをわざと見逃したりなんてしない」

京太郎「だからこんな割合でも、あなたの提案に乗ったんだ……」

会長「……いいだろう! 君の欲望を信じよう!」

会長「私からはカンドロイドやライドベンダーの技術やバックアップの提供。ただしカンドロイドなどに使うセルメダルは君たちが持つ!」

会長「倒したヤミーとグリードのセルメダルを七:三で収める。戦闘中に君が別に使った分に関してカウントしない!」


会長「契約は成立だ! 素晴らしい!」

京太郎「……一応、契約書を書いてもいいですか?」

京太郎「こっちの足元を見られて、割合を跳ねあげる提案をされたり」

京太郎「勝手に、条件を追加されても困ります」

京太郎「まあ、口約束と変わらないですけど……破られたら、俺は金輪際頷きません」

会長「いいだろう! 用意しようじゃないか!」

京太郎「いや、俺が書きます。あとで小さく『ここに書いてあった』なんて言われても困るから」

京太郎「カザリ、それならいいだろ?」

カザリ「……勝手にしろ、って言ったよね」

カザリ「僕は知らないよ。好きにしたら?」


 そんな冷たい言葉を受けながら、契約書をしたためる。
 当然ながら、それは鴻上光生も確認して、先ほど同意したものだ。



  『甲、須賀京太郎。乙、鴻上光生。以下に契約を取り交わす。

   一:甲が倒したグリードとヤミーから入手したセルメダルを、七:三の割合で乙に収める
   二:この際、甲が戦闘中に何らかの形で使用した分に当たっては、入手したセルメダルに数えない
   三:ただし倒せなかった場合のメダル消費に関しては、二を適用しない
   四:甲はグリードとヤミーを恣意的に逃走させたり、見逃したりはしない
   五:乙はこれと引き換えに、セルメダルを使用した技術の提供、戦力の提供を行う
   六:ただし、セルメダルを使用した技術を甲が使用するに際して、必要分のメダルは甲が持つものとする
   七:戦闘以前にカンドロイド・ライドベンダーに使用した分に関しては、二を適用しない
   八:両者の合意なく、この契約を破棄・改竄はできない

                                              以下、署名                』


京太郎「これでいいですか?」

会長「ああ、いいだろう! 君の欲望を歓迎しよう! 素晴らしい!」


 そして互いの名前を書き、捺印を押し。
 先ほどの少女――会長曰く、新子憧に送られて、その場を後にする。
 会長室を出て、鴻上ファウンデーションから去る間、カザリは無言だった。



京太郎「……カザリ」

カザリ「……何?」

京太郎「悪いな、あんな事になって……」

カザリ「僕は好きにしたらいいって言ったはずだよ」


 そう言いながらも、こちらを見ようとはせず。
 明らかに不機嫌である。気が立っているから話しかけるな。
 そうとでも言わんばかりの背中を見せる。


京太郎「……本当に悪いな。お前が七:三に関していい思い出がないって知ってるのに」

京太郎「それでも俺は、あんな割合にしちまった」

カザリ「……別に。僕には関係ないね」

京太郎「本当に悪かったと思ってる。だけど、俺が謝るのはそこだけだ」

カザリ「……どういう事?」

京太郎「あとは、あの契約をした事に対して後悔なんてない。お前に対する負い目もない」

カザリ「……ふーん」

カザリ「ま、僕には関係ないからいいんだけどさ」

カザリ「どうせ君は、それでも人助けがしたいんだろう?」

カザリ「……分かってたさ。そんな事は、最初から」

京太郎「……ああ。そこに関しては譲れない」

京太郎「だけども、それ以外はお前の協力が必要なんだよ」


カザリ「変身できないからね」

京太郎「それもある。だけど、それだけじゃない」

京太郎「まず一つ。あれは、俺が倒したヤミーとグリードに関しての話だ。そう書いた」

京太郎「だから、お前とか他のライダーが倒したのはそれに含まない」

京太郎「お前、セーラ先輩に言ってただろ? セルメダルとコアメダルを手に居れたら寄越せって」

京太郎「だから、あれは入らない。あくまで俺が倒した分についての話だ」

京太郎「それに、『何らかの形で使用した』って書いた。戦闘中に使ったって」

京太郎「お前の身体を治すのに使ったら、それは使用したって言えないか?」

カザリ「……ただの屁理屈じゃないの」

京太郎「屁理屈だよ。ただ、契約書にはそう書いてある。それ以上は書いてない」

京太郎「ハッキリ言って、俺はあの手の足元を見る奴が嫌いだ。だから容赦はしない」


カザリ「あれ、君ってそんなタイプだっけ?」

京太郎「俺は誰かの為に戦うヒーローなんかじゃない」

京太郎「人の為に生きる勇者でもないし、誰かを救い出そうとする統治者でもない」

京太郎「あくまで、ただ弱い人間だ。たまたまオーズの力を手に入れた人間だ」

京太郎「俺は、俺が後悔しない為に戦ってる。俺が怖いと思う事を取り除きたくて戦ってる」


 あの時できなかったことを、今やる。
 やらなきゃいけない力を手に入れた。だからやる。
 それだけであって、別に誰かの都合とか、何かの事情の為に戦っている訳じゃない。

 自分を含めて、自分の手に届く範囲内のものを守りたいと思っている。
 それは自分の心であるし、また、カザリとの約束もそうだ。


京太郎「前にお前、言ってたよな。信じて裏切られた方を選ぶタイプだったか……って」

京太郎「だから、ここで言っておく」

京太郎「俺は臆病だし、弱い。だからそういうのは……やっぱり考えちまう。嫌だと思ってるけど」

京太郎「それでも、相手によっては容赦しない。そう決めた」

京太郎「……まあ、あの人は多分そんなの見抜いてただろうな」

カザリ「それでも、契約したって事?」

京太郎「だからきっと、まだ何か切り札を持ってるんだ」

京太郎「あの契約書をここで交わしても、後で変えられるって感じの何かを」

京太郎「そうなったらあの人は多分、それを出す」

京太郎「……或いは本当に、俺の欲望を歓迎して、分かってて契約したってのもあるかもしれないけどさ」

カザリ「それって……」

京太郎「……多分、お前のコアメダルだ」

京太郎「あの人が原因でグリードが世に出たなら、あの人が持っていてもおかしくない」

京太郎「別に契約自体はどうでもよかった……正直、そんな条件がなくても俺は飲みたいと思ってた」

京太郎「ただ、一方的にやられるのが気に食わなかったんだ。なにかこっちも手札が欲しかった」

カザリ「……」

京太郎「安心しろよ。お前との約束、ちゃんと覚えてるから」

カザリ「……はいはい」



【昼】

ワイリー「それじゃあ、ここの文法は……」


 英文法のコヨーテ先生は、大柄の黒人だ。
 バージニア大学に進んで建築学を学び、それからデルタフォースに行って、何の因果かここに居る。
 語学担当なんだけど、数学も出来ると思うんだが……本人曰く「あまり得意じゃない」とか。
 彼の言う得意ってのはどのレベルなのか気になる。
 改めて思うけど、どうしてこの学校に居るんだろう。
 『ワイリヤバイ超ヤバイ』『10点が爆破されて60点が50点になった』とか、そんな風に恐れられる先生だ。


+ 判定
直後、コンマ判定
1~50:見知った人間と会話
51~80:誰かと出会う
81~99:何かイベントの……

ゾロ目:遭遇イベント

961 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 22:30:52.51 ID:fIEUaFYIO [1/6]
灼ちゃん


966 1 ◆B6xkwd67zxGJ[saga] 投稿日:2013/02/07(木) 22:32:41.61 ID:8zTkuZN6o [8/11]
961の判定:51

よって、誰かと出会う。



誰と出会った?


 龍門渕・鶴賀・風越・姫松・宮守・永水・阿知賀・白糸台・千里山・新道寺・その他(荒川憩、佐々野いちご、プロ勢等)

↓3

967 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 22:33:25.46 ID:LbpamgC3o [3/5]
ときぃ

968 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 22:33:26.88 ID:TkLJDV4Qo [11/13]
しず

969 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 22:33:33.43 ID:fIEUaFYIO [3/6]
灼ちゃん


京太郎「……あ」

灼「あ……」


 いつものように屋上に上がると、以前見た人がいた。
 名前は聞いていない――確か二年生の人だったか。
 人付き合いを拒絶するその姿に、どこか似ているものがあるなと思った。

 まあ、お互いに欠ける言葉なんてない。
 ただ無言で腰を下ろし、弁当をあける。
 向こうも、他に人が来たからか……その場を立ち去ろうか逡巡の後、パンを取り出した。

 さて……まあ。
 なんというか、話す言葉がない。
 彼女から『話しかけるなオーラ』が出ているし、
 そもそも須賀京太郎とて、必要もない限り人に話しかけるタイプではない。今、必要があるとも思えない。

 黙々と。
 ただお互いに無言で、飯を頬張る。

 しっかり弁当を用意しているこちらと違って、コンビニのパンで済ませている彼女は食べ終わるのが早い。
 そのまま、こちらの前を横切って、立ち去ろうとしたその時だった。

 突風が吹いた。
 彼女のポケットから何かが零れ落ち、風にさらわれる。

 一瞬見えたが――あれは、ネクタイか?


灼「待っ……」


 しかし無情にも。
 風はそれを浚って、どこかに吹き飛ばしてしまった。
 屋上のフェンスを越えて、消えていくネクタイ。


京太郎「……探すの、手伝いましょうか?」


 わざわざ問いかけたのは。
 彼女がそれを是とする人間か、非とする人間かによる。
 あまり人の内面に立ち入ることを、須賀京太郎はしたくはない。
 勿論、大事なものなら――聞くまでもなく助けた方がいいのだろうけど。

 ヤミーやドーパントに襲われている人間に比べて、それは分かりにくい。
 ながらく人との付き合いを拒絶していたのも相俟って、そのあたりの機微が掴み難かった。


灼「いらな……」


 そして、ぷいと顔を背けると。
 彼女は、屋上から立ち去った。

+ アナウンス
【鷺森灼のネクタイ紛失の場面に立ち会いました!】



【放課後】

玲司「この、モナリザのリザはエリザベータという意味で」

玲司「他にもジョコンダという……」


 美術の藤田先生は、元々はメトロポリタン美術館で“学芸員(キュレーター)”をやっていたらしい。
 それからはギャラリーフェイクという画廊を経営しているのだが、美術の臨時講師としてこうして教えに来ているそうだ。
 他の先生に比べて、体が凄そう……というのはないが。
 色々、生死の境をさまよっている。そんな気迫を感じさせる人だ。
 というか、画廊の名前にフェイクってどうなのよ。


+ 判定
1:普通に帰宅する
 (そのレスでコンマ判定へ)
 1~15:何事もない 16~74:誰かに出会う 75~99:イベント発生 ゾロ目:特殊イベント
 ※出会う人間も一緒にお書きください

2:誰かに連絡を取る (特訓・相談など)

↓5


※1ならば 「1:カザリ」
※2ならば 「2:神代小蒔」のようにお書きください
※2については、連絡先を交換した相手のみとなります

26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 23:23:21.23 ID:WQjgsEWlo
1 カザリ

27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 23:23:31.78 ID:89vFCaEBo [4/4]
1 淡

28 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 23:23:33.17 ID:OvxPR+Ss0 [2/2]
2小蒔

29 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 23:23:46.45 ID:15qFJQnAO
ksk

30 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/07(木) 23:23:50.96 ID:w5yTKVaIO [2/2]
1淡


 ……それは。砂だった。

 少なくとも、砂の塊。そうとしか考えられないものであった。
 何かがやってきた。
 そんな衝撃を感じた途端、鷺森灼の目の前に現れたのは。


灼「あ、ああ……」


 それから、“それ”は言った。


???『お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやる。お前が払う代償はたった一つ……』

灼「望みなんて、な…」

???『言え……! あるだろう、望みが……!』


 そう言われて――思い浮かんだのはあのネクタイだ。
 先ほど、風に飛ばされてなくなってしまった思い出のネクタイ。

 鷺森灼に両親はいない。いるのは祖母だけ。
 物心がついたころからそうであり、それが故の苦労もあったが、灼は気にしていなかった。

 だけど、世間からそう見られるかと言えばそうでもあるまい。
 無意識に皆、可哀想な人間であると下に見始めるし。
 また、何かをすれば、両親がいないからと侮蔑される。

 故に灼は、強い人間でなければならなかった。その必要があった。
 だれに求められる訳でもなく、物心が漸く芽生えるか。
 そんなときから、灼はそう決心した。強くあろうと。

 しかし一口に強さと言っても、色々とある。
 腕っぷしを鍛えるのも強さであるし、困難でも歯を食いしばるのが強さでもある。
 色々なものがあり過ぎて、一概には言えない。
 どれが強さなのだろうかと、灼は考えた。


 それから、灼は知った。
 麻雀と言う競技がある。それは人気競技だ。
 つまり、これで強くあれたのなら。手っ取り早く人から認められて、そして強いと言われるのではないだろうか。

 だから、麻雀が目標となった。
 大人に交じって打つ。店番の傍ら麻雀を学ぶ。常連から話を聞く。
 そんな風に、灼は灼なりに、彼女の思う強さに近付いていった。

 そして――ある出会いがあった。


 その人は。
 言うならば、こうなりたいという目標だった。
 灼が目指す、その先であった。

 高校一年生にして、当時無敗であった高校を破り、レジェンドと呼ばれる。
 その強さを見たときに。凛としたあり方を見たときに。
 鷺森灼は、これだと思った。

 そして、インターハイに出場した彼女――赤土晴絵が。
 再び奈良に戻ったその時に、勇気を出して会いに行った。

 ひょっとしたら――いや確実に――敗れた事に残念がっているかもしれない。
 自分は勇気を貰った。その姿に。
 だから、彼女が今度は苦しいのなら。辛いと思っているのなら。
 一声かけて、伝えたかった。

 この街におかえりなさい。あなたは胸を張って良いんだと。
 破れてしまったとしても、彼女の雄姿はこの目に収めたと。
 一時どうあっても、これからもがんばって欲しいんだと。

 それは子供なりの「自分がやらなければ」という思い込みで、実際はただの迷惑かも知れない。
 だけどそれでも何か、いわゆる恩返しのような形のものをしたかったのだ。
 その時、鷺森灼は魅せられていた。彼女の打ち筋に。

 そんな出会いのあと、貰ったネクタイ。


 あれから――彼女に出会ってはいない。

 子供麻雀部に通っていたというのは知っているが、そんな彼女は見たくなかった。認めたくなかった。
 自分が憧れにした彼女は、魅せられた彼女は。
 凛として、一人でも、周囲の期待を背負って歩き出せる。そんな人だったのだから。
 地に落ちた赤土晴絵に会う気にはなれなかった。

 或いはそれには――僻みも含まれているのだろうか。
 人の輪に入れない自分。麻雀を通して戦う事はあっても、誰かと気分を共にする事はない自分。
 それとは違うんだと、見せつけられているような気もしたから。

 或いはまた、今となってはそこに――後悔もある。
 ひょっとしたらあの時の自分が言った、「がんばって」という言葉が。
 それが却って彼女を追い詰めてしまったのではないか、と。
 こうして、今。この街で暮らし始めて。灼は思う。
 「頑張って」という言葉は。期待は思った以上に重いものであるのだと。


 スマートブレイン学園への入学の引き換えは、麻雀部に入れと言うものだった。

 今更、麻雀か。  
 そうも思った。そこを駆けても、灼の望む姿にはなれないのだと思ってからは、麻雀と離れていた。
 だけれども、仕方なかった。

 未確認生命体による襲撃の後。その脅威は収まったと言えども、また何があるかは分からない。
 祖母の為にも、安全なこの街で暮らした方がいい。
 生まれた場所を離れるという事には抵抗など――なかった。それは弱いから。

 結局今では、幸いながら新しいボウリング場を立てる費用まで出してもらった為、以前と変わらない生活を送っている。
 だけれども――思う。

 期待と言うのは、重いものだと。

 ひょっとしたらと考える。

 麻雀部への入部を条件とした転入の内容。
 これはもしかすれば、お前の実力を期待している――などという生易しいものではなく。
 お前の実力がそぐわない場合は、この学園から退去させる。
 そういう意味での、通知ではないだろうか。

 ある意味は期待されている。そう考えてもいいだろう。
 それはあまりにも重い。
 灼の双肩に、祖母の生活までがかかっている。

 そう考えたときに、一歩進む事は難しくなる。


 そこで頼ったのが、縋ったのがあのネクタイだ。
 あの頃の。強かったあの頃の彼女も、自分と同じように期待を負わされていた。
 それを励みにして、頑張ろうと。

 灼は常にネクタイをポケットに忍ばせた。
 一緒にあれば、強くなれると思ったから。

 それから、強さを目指した。
 他のものはいらない。自分が立ち上がる、自分に持てる、それだけの荷物でいい。
 だから、人付き合いというのは無縁であるし、なれ合いは必要ない。
 それは――彼女を弱くしたから。


 そしてそのネクタイを紛失した灼は。
 藁にもすがる気持ちで、その灰燼の塊へと――言ってしまった。


灼「ネクタイを、見つけて……」

???『――契約は成立だ』






        「秘密と噂と理不尽な契約」



                              A-Part 終了



最終更新:2014年03月23日 04:55