揚水発電(ようすいはつでん,Pumping-up generation)は、夜間などの電力需要の少ない時間帯に原子力発電所などから余剰電力の供給を受け、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池)へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池から下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式である。
原子力発電では炉心の構造物に日常的に温度変化を与える運転を行えば、それがストレスとなって劣化を加速することになり、安全余裕度を狭めると考えられている。例えば日本では、原子力発電での出力変化はなるべく避ける方式が採られ、夜間の電力は近くの揚水発電所で水の位置エネルギーとして蓄えるようにしている。
蓄電池としてみた場合、効率が良いとはいえないが、現実的に大容量を持ちうる手段が他に無いため、電力においては最大の蓄電池として活用されている。 21世紀現在では世界的に
スマートグリッドの一環として、巨大な本物の蓄電池で余剰電力を蓄える構想が進められており、実証実験も始まっている。
特徴
- 発電開始や最大出力までの時間が短く、出力調整が容易である
- 100の揚水電力で、70程度の発電が出来る。30%程の損失がある
- 機能的には蓄電池である。効率、電力量、設備寿命の点で揚水発電が最大の電力貯蔵の方法であり、電力の安定供給には不可欠な設備である
最終更新:2010年12月21日 18:01