「ちょーっとぉ、生きてる人、居ないんですかぁ・・・?」
宇佐美渚は、Aー7エリアで氷山を殺害後、その場で荷物の整理をしたあと
このB-8エリアにやって来た。
もしかしたら、生きている誰かと一戦交えられるんじゃないか、そう思ってもいたのだが・・・
最後に訪れた廃れた神社には、2人の女子生徒の死体だけが転がっていた。
「うっわぁ、二人とも頭ぐっちゃぐちゃ・・・・・・」
宇佐美は手が汚れるのも構わずに、入口付近に横たわる死体に手を伸ばした。
肩を押して、仰向けにさせる。
「・・・んー・・・青色の制服・・・2年生で黒髪・・・如月先輩か寄川先輩・・・だけど」
「胸が小さいから寄川先輩ですね」
「このツインテールは・・・相田先輩かぁ」
「せっかくの可愛らしいお顔が台無しです」
死体の肩を乱暴に押してまたうつぶせの状態に戻すと、宇佐美は一つ大きなあくびをした。
「鉄の匂いやっばいですね」
「出血量がひどいからだ」
「誰がやったんだろう・・・」
「あのメンツでこれぐらいなんでもなさそうなのは・・・」
「月彦さんとか椿先輩?」
「あの人たちマジで犯罪やってそうな顔してんもんな」
「(笑)」
相田と寄川の荷物を奪ったあと、六條柊はすぐ、島の南の方角を目指して此処を後にしていた。
宇佐美がやってきたのはそのすぐ後である。
氷山と高里のカバンからは、武器と水だけを抜き取っていた。
しかし、高里に支給されたボウガンは、使い方が今いち分からなかったので此処に来る道中に捨ててきている。
宇佐美の思考は、至って明快単純である。
参加者全員皆殺し。
これだけだった。
別に、死ぬのが怖いとは思っていない。
【死】を身近に感じる事こそが、このプログラムの醍醐味であるという事も、
彼女は度が過ぎるほどによく分かっているつもりだ。
この緊迫した状況は、今までののほほんとした日常に飽き飽きしていた宇佐美にスリルを
与えるのには十分だった。
さっき氷山の細い身体を撃ち抜いた時のあの高揚感ったら無かった。
昨日までの日常に足りないものを、このプログラムは与えてくれる。
握り締めた拳銃を、彼女は高く高く翳した。
「さ、次はどこへ行きましょうか」
【B-8】
【宇佐美渚】
[状態]健康
[装備]ワルサーP99コンパクト
[道具]支給品一式(氷山、高里妹に支給された物も含む)
[思考・状況]参加者の抹殺
※高里妹から奪ったボウガンは、来る途中に捨ててきました。
B-7エリアに落ちています。
※相田、寄川を殺害したのは東雲弟、六條妹のどちらかでは
ないかと推測しています。