放送部平部員である赤穂永矩のハイテンションな掛け声で開催を告げられたこのイベント――しかしながらそれに拍手を返したのは審査員席に座る審査委員長・
藤神門御鈴とそして、まばらに客席に座る観客生徒数人のみという寂しさであった。
それというのもこのイベント自体、今日の文化祭前日に企画されそして告知された突貫のモノであったからだ。
ゆえにその開催場所も学園内庭にしつらえられたテニスコート内ならば、主役であるはずの調理人が鎮座するキッチンも、テーブル机と調理用の携帯コンロのみを並べただけという簡素なものであった。
もちろん予算はゼロだ。集まっている観客達といういのも、このイベントが目的ではなく、ただ通りすがったら何かやってたから、休憩がてら座っていこうという連中ばかり……。しまいには外の晴れ舞台のゴミとしてまとめられた段ボールが会場の隅に置かれているといった、まさに文化祭最果ての地がここなのであった。
その中においても一人テンション高く実況を務める赤穂。今年高等部一年生の彼にとってはしかし、こんなイベントであっても初舞台だ。空回りする気持ちと高音について行けずにかすれるダミ声はただただ一人熱く、この寒い会場に響き渡るのであった。
『それではこのイベントの趣旨を説明いたします! 今回のイベントでは、B級グルメに
的を絞って、調理人達に独創性あふれる料理を作っていただきます。それでは審査員のご紹介をしましょう! まずはご存じこの方、我らが
醒徒会会長・藤神門御鈴会長だ!!』
「パンダー!!」
赤穂の紹介に、片手をあげ満面の笑顔で応える御鈴。赤穂に負けないくらいの意味不明なテンションで応える。
『続きましては、我が学園会計部の人間TOPIXこと、成宮金太郎会計!!』
「え? あ、あぁ……どうも」
急に振られたこと、さらには赤穂と右隣りの御鈴のテンションについて行きかねてつい及び腰になっている金太郎。この温度差からも分かる通り、金太郎はこのイベントの詳細を知らされぬまま、何も判らずに駆り出されてきているのであった。というか、イベント趣旨を発表された今に至っても、自分がなぜこの席に座らされているのかを理解していない。
そんな成宮をよそに赤穂の紹介はさらに熱を帯びる。
『『龍河が真っ裸(まっぱ)なら、俺はマッハだ!』。本日最後の審査員は、この学園最速の男!
早瀬速人だー!!』
「や、やめろー! 離してくれー! まだ死にたくなーい!!」
紹介する赤穂の右手の先、審査員席の末席にはその全身をさなぎのように頭から足もとまでロープに緊縛された速人が、必死に体をよじらせて抵抗をしているのであった。
今回の催しにおいて、この速人は唯一このイベント趣旨の全容を知る者であった。それゆえに彼はこれに参加すること――しいては、今回このイベントの為に集められた『料理人』の料理を食わされることに危機を感じて逃げ出そうと試みたのである。
しかしながらそこは我らが会長・藤神門御鈴。その気配を敏感に察知すると見事に白虎とともに彼を踏ん縛り、この審査員席へと無理やりに着席させたのであった。
そんな速人の反応は『一般人』であったのならば至極当然のことと思えた。なぜなら今日のこのイベントに招かれた料理人こそ……
『それではいよいよ本日の主役であるシェフたちを紹介しましょうー!! まずは青竜の方角、烈火の紅竜・
龍河弾だァー!!』
「ぅおっしゃー!! 今日はおめーら全員、食中毒にしてやるぜ!!」
赤穂の紹介に、けっして笑えないジョーク(本気?)で応えるのはご存知、全裸広報・龍河弾その人。
『さらには白虎の方角! 成宮家のリーサルウェポン、金太郎会計の秘書・
アダムスだァー!!』
「Hey! この勝利、BOSSに捧げるヨー」
先の龍河とは、その中央に実況・赤穂を挟んで向かい合うように対峙する巨漢の黒人秘書アダムス。
紹介にもあった通り、彼は成宮金太郎の秘書を務めるアメリカ人だ。2メートルを超える巨体に黒飴のよう奇麗に丸まった禿頭とサングラスの様相は、見るからにボディガード然とした武骨さと威圧感を見る物に感じさせる。
この二人が対決する料理イベント――そしてその味見をさせられるのが、誰でもない自分達審査委員であることを知るからこそ、速人はこの場からの逃走を図ろうとしたのである。
その心配をさらに煽るかのよう、キッチンスタジアムではすでに、龍河とアダムスの激しいにらみ合いが展開されていた。
「相手が誰だろうと、俺は容赦しねぇぞ。覚悟は出来てんだろうな?」
「HAHAHA、BOY。それはMeの台詞ネ。BOSSの前で失態は演じられないヨ」
並みならぬ二人の殺気と迫力、それら視線が混ざり合う空間はさながら夏の陽炎のよう会場を歪ませた。
かくして――
『制限時間は30分! それでは各自、レッツクッキングスタートォー!!』
赤穂はその宣言と共に、ゴング代りのフライパンをお玉で力の限りに叩くのであった。
開幕早々動いたのは龍河。
独自に調達してきたであろう食材の詰め込まれた段ボールを調理台の上に乗せたかと思うと、そこから生きた鶏を一羽取り出す。
そしてその首根をワシ掴んだそれを高々と天に振りかざしたかと思うと次の瞬間、
「どぅおらぁー!!」
『キー!!』
興奮の頂点に達した龍河は、人竜への変身を遂げながらに掌の中の鶏を絞め捌く。
『おぉっとー! 早くも龍河選手から大技が繰り出されたー!! これをどう見ますか、成宮審査員?』
「はぁ? いや、アイツの犠牲になったとしか……」
『犠牲になったのだ!! さすがは審査委員に選ばれるだけああります! 心憎いまでに時事ネタを絡ませてくるその芸人魂!!』
「はぁ? いや、だから……何?」
「それよりもアイツ、全裸で料理作るつもりじゃねーだろーな!?」
一人エキサイティングしていく赤穂に困惑する金太郎と、一方で調理とは別の部分に危機を感じて声を荒げる速人。
「龍河ァー! おめー、服着ろー!! 料理にチ○毛入ったらどうすんだよ!? 食わされるの俺なんだぞー!!」
「ゴチャゴチャうるせーな! ワカメだと思ってありがたく頂戴しやがれ!!」
もはや審査員の怒号と料理人との罵声が飛び交う会場は、お世辞にも『料理大会』の様相を呈してはいない。その喧騒さが文化祭といってしまえばそうなのかもしれないが、それにしてもこのイベント会場のそれはあまりにも常軌を逸していた。
かくして混沌の内に調理が終わる。
そして運命の試食タイムが訪れようとしていた。
『それではまずは龍河選手の料理から審査していただきたいと思います! 龍河選手、料理と共に審査員席へ!!』
「おうよ!」
赤穂の声に導かれ、審査員席の前へと出る龍河。
調理も終え、すっかり人間の姿に戻っている龍河であったが……
「ッ? ぶふぅ!!」
「おぶぁ!? 龍河、てめー!!」
その龍河の姿に思わず金太郎と速人は吐き気をもよおす。
運ばれてきた料理に反応したのではない。問題は龍河その人――鍋を持ち進んでくる龍河は、裸エプロンにその身を包んでいたのであった。
「おめーがその格好すんじゃねーよ! もうビデオ屋でAVコーナー見られねーじゃねーか!!」
「さっきからウルセーな、何か服着ろって言ったのはおめーだろーが!! ここにある衣類なんて言ったらエプロンぐれーしかねーよ!」
だからといって着るか? 正常な思考の持ち主である審査員二人と数少ない観客達は誰もがそう心の中でツッコミを入れた。
ただ二人……
「そうか? よく似合っておるぞ」
「お? 会長は分かってるじゃねーか」
『私も『1・2の三四郎2』の一巻の背表紙で、こんな格好を見たことがあります!』
御鈴と実況の赤穂二人を除いて。
ともあれ試食タイムに入る。
改めて目の前に出されたその鍋に、速人と金太郎は大きくため息をついた。
そこに在ったものはどす黒く変色した緑色の液体……。さながら放置されて久しい用水路の藻を連想させるその眺めからは、どう見ても『食べ物』のイメージを持つことはできない。
「俺の自慢料理、その名も『ドブ鍋』だ。今、取り分けてやるからな」
そんな審査員の不安をよそにそれぞれの小鉢にその鍋を取り分け出す龍河。
「ここに醤油を気持ち多めに入れてくれ。薬味のネギと酢は好みで調整するといい。――さてと、速人には俺が食わせてやるか」
御鈴と金太郎の前に小鉢を置くと、龍河は速人の分を手にその前へと歩み出す。
「や、やめろ……近づくな。やめてくれ……!」
「遠慮してんじゃねーよ。いいから騙されたと思って食ってみろ」
「料理のことをいってるんじゃない!! 裸エプロンの男に『あーん』されるのが嫌だといってるんだァー!!」
そんな心の声を叫ぶ速人。その瞬間を逃さず、龍河はレンゲにすくった具材のひとつをその大口の中に頬り込んだ。
「う、うぐ!? むぐ、むぐむぐ……」
それを頬張らせられ、口の中に広がるであろう衝撃に構える速人。しかし……
「むぐむぐ……んぐん。あれ?」
口の中に広がる予想外の旨味に思わず呆けてしまう。
「え? なんだ? 舌までおかしくなっちまったのか、俺は?」
そんな自分の味覚に困惑して独りごつる速人。
しかし、
「いや……アンタは正しいよ。これ、本当に美味い」
隣の金太郎からもそんな驚きの声が上がる。
緑色に濁ったスープの正体は鳥ガラとほうれん草であった。鍋には鳥の肉や手羽、そしてハツに砂肝・レバといった鶏の旨みが、混沌を化した見た目の鍋を渾然一体にまとめ上げている。純粋に鶏の旨みが抽出された煮汁には、他の不純物を思わせる雑味などは一切ない。
「ホウレンソウもトロトロで美味いな。私はもっと堅い歯触りを想像していたぞ」
「菜っ葉の歯ごたえを楽しみたいって言うのなら、早い段階で食っちまうことだ。今回は柔らかくなるまで煮込んじまったが、そこらへんの調整は好みでやるといい」
御鈴からも上がる賛辞の声に龍河も太陽のような笑顔で応える。イメージとは怖いもので、いざ料理が美味くなってくると途端にこの男の雄々しさが魅力的に見えてくる。……裸エプロンはいただけないが。
その後、そのスープの残りにご飯を加えた醤油雑炊を食べて龍河のターンは終わりを迎える。当然のことながらそれもまた美味で、しまいには少ない客の会場からもそれを食べてみたいと名乗り出してくる生徒がチラホラ見られた。
『素晴らしい料理でした! 龍河選手、ありがとございます!! それでは次の料理を、アダムス選手よろしくお願いします!!』
「YES! おまたせしまーシタ」
赤穂の進行に導かれて前に出るアダムス。
龍河の料理によって一度は沈静した会場ではあったが――そんなアダムスの登場に会場は再び沸点まで熱せあげられる。
「ん? んん? ッッヴぼぉぉえぇぇぇぇ~~~~~!!」
「あ、アダムス! おまッ――!」
アダムスの姿に泡を吹いて卒倒する速人と、仁王のように表情をゆがませて困惑する金太郎。お馴染の如く常識人二人の感覚をぶち壊したアダムスの格好は――何者でもないバニーガールの姿であった。
「てめー、外人! コノヤロー!! なんて格好してやがる!!」
再び声を荒げる速人。今後さらにAVのバニーガールコーナーも回れなくなってしまったであろう悲哀は、その声に比例して大きくなる。
「チッチッチ。Mr龍河が日本の正装『裸エプロン』で来たのならば、Meも本場アメリカの盛装『バニーガール』で応えるのが筋というものでショウ」
「アダムス……お前さん、見た目以上に熱い漢だったんだな」
まるで当然のことに様に応えてくるアダムスとそれに賛同する龍河に、もはや速人は何も返せない。それについて主はどう思ってるのか視線を巡らせば、金太郎もまた立て肘にして組んだ両手を額に当て項垂れるばかりだ。
かくして一同の前に運ばれる料理。くしくもアダムスのそれもまた鍋であった。
土鍋のふたを解放すると、たちどころにカレーの香ばしい香りが会場を満たす。その湯気の先に在ったものは『カレーうどん』のようであった。
「見た目は……普通だな」
「っていうか、匂いも上手そうだぜ?」
それを覗き込む金太郎と速人は生唾を飲み込む。いつの時代もカレーは最強だ。
そしてそれを審査員それぞれに取り分けて各自の前に置くアダムス。その姿に、
「な、なぁ。そろそろ俺の縄も解いてくれよ。もう逃げださねぇからさ」
とある『不安』を感じ取り速人は緊縛からの解放を乞う。
しかし、
「OH。どうぞ、おくつろぎくだサーイ。Youは大切なゲストだからネー」
速人の文の小鉢を手にしたアダムスは、そこからうどんの幾筋かを箸ですくい、その口元まで運ぶ。
それを前に、
「料理のことをいってるんじゃない!! バニーガール姿の男に『あーん』されるのが嫌だといってるんだァー!!」
再び心の叫びを轟かせた速人の口に、アダムスはすばやくそのうどんを押しこむのであった。
その試食をして最初に声を上げたのは、
「おぉ、なんというまろやかな味だ!」
誰でもない御鈴その人であった。
「私は辛いものが得意ではない。しかしこのカレーうどんときたら、まったく舌先に辛さが残らない。それどころかどこまでもクリーミーでその辛味の中に甘さすら感じる」
夢中になってうどんをすする彼女の姿にサングラスの奥で笑みを浮かべているであろうアダムス。そしてその視線は主である金太郎へと向けられた。
「Doですネ、BOSS? 美味しいでーすカ?」
「うむ、文句無しだ。お前は調理のスキルも持ち合わせていたのだな」
「YES。それでこそアナタの執事が務まるというものデスヨ」
慇懃に頭を下げてくるアダムスに金太郎も満足げに頷いてみせる。……もっともバニーガール姿だけはいただけないが。
「見直したぞ。……時にアダムス、この料理の正体を教えてくれ。御鈴会長も言っていたがこのスープ、何か仕掛けがあるのだろう?」
そして金太郎から尋ねられるその質問に会場の一同もアダムスの答えに注目する。
辛味をここまでクリーミーにさせた仕掛けの正体それこそは、
「このカレーうどん、タレの正体は『豆乳鍋』ネ。まろやかさの秘密はそれヨ」
答えられるそのカラクリに、「そうであったか」と御鈴も膝を打つ。
通常の醤油だしである汁6に対して、豆乳鍋のだしを4加えたものこそがこのスープの正体であった。豆乳のタンパク質がカレーの唐辛子を包み込むことにより、その味わいに甘みと奥行きを引き出させたのである。
「最初はネタ先行の料理大会と思ったが、思わぬ結果になったな」
「味はともあれ、両者の印象は最悪だけどな……」
龍河・アダムス両者の料理を食べ終え、それぞれにその余韻を楽しむ(?)金太郎と速人。
かくして、
『それでは審査員達によります結果発表をしていただきたいと思います! 各員それぞれの前には『龍河』・『アダムス』双方の札がございます! 今回の対決において、すぐれていたと思われる方の札を上げてください!!』
いざその瞬間を迎え緊張感に包まれる会場。そして下された採決は――
『今日のMeの頭には『金運・上昇↑』が輝いているとBOSSが言ってくれた! つまりは優勝はMeだ! 栄光の名誉と賞金はすべてBOSSに! ご存じ前大会にて伝説を作った厨師(料理人)、成宮金太郎が秘書アダムスここに登場だァー!!』
アダムス同様に落ち着いた素振りで登場するその人・蛇蝎兇次郎。しかしながらその表情にはこの大舞台に臨むという意気込みは感じられない。どこまでも涼やかな視線で観客を一望すると、小さく鼻を鳴らして歩を進めるのであった。
注目は再び白虎の入場口へと戻る。
『この世に米がある限り、俺はそいつらを炒めつくす! タイ米・ジャポニカ米・オッパイ、残らず俺の所へ来い!! ご存じ24区のMrチャーハン、拍手敬だァー!!』
『ハトにくれてやる豆はないが、今日の選手全員には『ハトが豆鉄砲くらった』ように吠え面かかせてやる!! つまんないこと言う奴は、撃つ! 今のお前はどうなんだ!? 愛銃デリンジャーをうならせて、山口・デリンジャー・慧海が登場だァー!!』
『ラルヴァもOKなんて言うから本当に来ちゃったぞ!? どこまでやる気だ醒徒会!! ラルヴァにだって味覚はある! 涙もあれば愛もある!! 4本腕のデミヒューマン、アシュラマンレディーだァー!!』
ちこちこと入場口から出るや否や歓声に驚いてひるんでしまう見た目少女のラルヴァ。ゴスロリを思わせる衣装に、一昔前の超人プロレス漫画にあったキャラクターよろしくの鉄仮面に顔を隠して登場する。
これでようやく登場選手は半分を超えた。再び青竜の入場口からは、
『美味く(強く)なる為に明日を捨てた! 冷血な微笑に騙されると火傷どころじゃ済まされないぞ! ステロイド(ハッピーターン)ユーザー、笑乃坂導花がここに参戦だァー!!』
足音すら感じさせない、まるで風に舞う桜の花びらのよう優雅に歩を進めてきた導花は、ふと見上げた観客席へと微笑みをひとつ送る。その笑みに充てられ、男女を問わず卒倒者が現れ一時騒然とする会場。
選手入場もいよいよ佳境だ。白虎の方角からはさらに女性選手が続く。
先の導花とはまた違った冷静な笑みを浮かべると、今が選手入場にも関わらず純子は取り出した煙草に火をつけてその紫煙をくゆらせる。元祖・風紀委員らしからぬその堂々としたふるまいに、会場からは感嘆のどよめきが巻き起こるのであった。
そしていよいよ以て選手入場は最後の一人を迎える。
入場口は青竜。そこよりトリを務めて出てきたのはこの人――
アナウンスの残響をさらにかき消さんばかりの咆哮を上げたのは、誰でもない紅き竜人・龍河弾その人。今日のこの戦いを前に熱しあげられた体は、いつも以上に巨大で雄々しい竜の姿へと龍河を変えていた。
『以上8名によって、賞金獲得戦を行ってもらいます!』
選手入場を終え、実況解説である赤穂は改めて今大会のルールを解説していく。
『今大会はトーナメント戦による勝ち抜き形式にて、覇を争ってもらいます。料理時間は30分、材料は各自で準備。なお審査員には前回同様、醒徒会会長・藤神門御鈴を筆頭に成宮金太郎・早瀬速人の3名を迎えてお送りさせていただきます』
続いて司会は注目の対戦カードの発表へと進行する。
今日の日の為に学園校舎の設えられた巨大モニターに光が灯る。
そしてそこに集まる、選手はもとより大観衆の視線――そこには運命の対戦カードが掲示された。