世界観

スレ立て用テンプレ

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其は剣と魔法の物語、其は伝承と冒険の物語────何処か、彼方に存在する幻想世界"アルタナティブ"。
この世界は悠久の時を経て未だ尚色褪せぬ神秘の楽園。魔法に代表される幾多もの幻想が実在し、人ならざる種族もまた数多く存在する。
異種族間の衝突も数え切れぬほどに────然し、皆が平和を望んだことで彼等は手を取り合い、そうしてこの世界に平和な時代が築かれた────筈だった。
この世界に住める者同士の争いは確かになくなった。だが、平和を手に入れた人々を嘲笑うかのように、"彼等"はある日突然、世界の外側よりその姿を現した。
そして世界が漸く手に入れた安寧は呆気なく破壊され──────絶望と混沌が渦巻く災厄の時代が幕を開けた。



"彼等"について判明している情報は余りにも少ないが、確かなことが三つだけある。
一つ────"彼等"は己が存在を"魔神"と名乗る。
一つ────"彼等"は合計で五体、この世界に現出を果たしている。
一つ────"彼等"は其々の手段は異なれど、共通してこの世界の破滅を望んでいる。


一体目の魔神が現出を果たしたその日、その魔神の手によってまず一つの王国が"消滅"した。
冗談のような話だった。嘗て栄華を極めた大国が、一夜にしてその領土全域を焦土に変えられた等、誰もが信じようとはしなかった。
だが魔神の暴虐は続き、更に幾つもの国が決死の反抗も虚しく滅ぼされ────漸く人々は、此れはこの世界の存亡を賭けた戦いであると理解する。
魔神の現出に呼応するかのように、世界各地にて強力な魔物の出現が多数確認された。また魔神によって滅ぼされた地域は人智の及ばぬダンジョンへと変容し、これらは"異界"と呼称されるようになる。

"異界"────魔神の力の影響を受け、一帯が魔物の巣食うダンジョンへと変容した地域の総称。
その内部では人の生存が困難な極限環境が形成されており、凶暴な魔物のみならず地形や気候、植生、果ては重力までといった環境そのものが侵入者に牙を剥く危険地帯と化している。
だが、異界を消し去り、嘗ての在るべき姿を取り戻す方法が一つだけ存在する。
全ての異界には例外なく、その領域を総べる“異界の主”と呼ぶべき魔物が君臨している。その命を奪いさえすれば異界はその在り方の維持が不可能となり、やがて崩壊を迎えることになる。
ただし“主”は魔神の影響を色濃く受けた魔物であり、その力もまた魔神には到底及ばないものの並の魔物とは比較にならないほどに強大なものであり────解放を成し遂げたという話は、未だ存在しない。



そして────最初の魔神が現出した日から、五年が経過した。既に多くの命が奪われ、多くの国が滅ぼされ、多くの大地が魔神の手に堕ち、人の生存を許さぬ異界へと変容した。
人々の生存圏は確実に縮小し続け、今や嘗ての4分の一にも満たないまでとなっていた。
だが、それでも人々は抗い続けた。魔神という世界の危機を討ち果たす為に人々は団結し、国、種族、言語、あらゆる垣根を超えた連合国家を樹立し、一丸となって世界の滅びに立ち向かった。

連合国家首都“ユニアス” ────世界に現存するありとあらゆる武力、財産、技術が結集して成立した、この世界に生ける人々にとって最後の牙城となる要塞都市。
各国軍が再編、統合され誕生し、国と民を守る為にその力を振るう“騎士団”。そして騎士団に所属せずとも各々の理由で戦う者達を束ね上げる“ギルド”。二つの巨大な戦力が、残された人々の領域を敵の魔の手から護り続けていた。

それでも、敵は余りに強大は存在だった。単騎にて一国を容易く滅ぼす魔神は当然のこと、その影響下で増殖を続ける魔物の力もまた、既に並の兵士や魔術師では太刀打ちできないような存在と化していた。
しかし────絶望的な力を前にして、それでも立ち上がる者がいた。一騎当千の武力を以って、民を護る盾として、敵を斬る剣として、戦い続けた者達がいた。
人々の希望となり、世界を守る為に戦い続けた彼等を────────人々は“英雄”と呼んだ。


これは、滅びの時代を迎えながらも抗い続けた人々の軌跡が紡ぐ、英雄譚に他ならない。
最終更新:2017年12月17日 00:57