真4(Law)


大天使

ミカエル
天使のヒエラルキーの頂点に立つ四大天使の
一者であり「神の如き者」を意味する名を
持った最高位の天使。

神自身が右腕とたのむ最も優れた存在で、
手には、いかなる刃と斬り結んでも打ち克つ
神秘の武器を握るという。

セラフ
天使のヒエラルキーの最高位である熾天使。
神に最も近いとされる。

捉えがたい存在で、人間の意識で感知できる
ことはめったに無いが、4つの頭と6枚の
翼を持った、人間に近い姿で現れることも
できるという。

ガブリエル
天使のヒエラルキーの頂点に立つ四大天使の
一者。聖母に受胎を告知したという聖告天使。
名は「統括する者」を意味する。
顔立ちは少女のようであり、天使の中で
ガブリエルだけは性的に中立でなく女性だと
する解釈もある。

メタトロン
天使の中で最も偉大で最も謎に満ちている者。
神の顔、契約の天使など多数の異名を持つ。

世界を維持する務めを担っているとされる
反面、人々に残虐な行為を為す側面も併せ
持つという。

ラファエル
天使のヒエラルキーの頂点に立つ四大天使の
一者。名は「癒す者」を意味する。

エデンの園で知恵の樹と一対を成す生命の
樹を護る存在だとされる。

マンセマット
ヘブライ伝承で悪を告発するといわれる天使。
刑罰の執行者として神のために働くという。

彼は人間を誘惑し、信仰心を試すことを
神から許されているとされる。神に頼み込み、
悪魔を配下として従えてさえもいる。
「サドクの断片と死海写本」には、彼は
災いの天使で、全ての悪の父であり、神に
へつらう者だとも記されている。

ウリエル
天使のヒエラルキーの頂点に立つ四大天使の
一者。名は「神の炎」を意味する。

最後の審判の日に復活と裁きを執行する天使
とされる。また、天の星の運びを管理する
役割も担う。

ハニエル
美の天使。その名は「神の優美」の意である。
愛の星である金星と深く関わり、
女神イシュタルと同様の役目をするとされる。

人々に愛の心をわき上がらせ、若い男女を
愛の絆で縛るという役割を持つ。

スラオシャ
ゾロアスター教では、人間の叫びを聞く
アフラ・マズダの耳の役目を果たす。

悪を討つために太陽が沈んだ後に地上に降り
立つ大天使。その名は「耳を傾ける」という
意味を持つ。

アズラエル
イスラム教の死の天使。
4つの顔と4枚の翼を持った姿をしている。

アズラエルは全ての人間の名前が載った
リストを持ち、アラー神の命を受けては、
生まれてくる人間を加えたり、死んだ人間を
消したりしている。
また、彼の体には無数の目が付いており、
これらのどれかが、ひとつまばたきすると、
地球上のどこかで誰かが死に瀕するとされる。

カズフェル
罪深く、「契約の長」として伝えられている
天使。本来の名前は「善き人」の意のビクァ
とされる。

堕天し、「神に嘘をつく者」という意味の
カズビエルに改名したという。
またミカエルに神の秘密の名前を尋ねたこと
があったが、ミカエルはそれを拒んだという。

イスラフィール
音楽を司るイスラムの天使。最後の審判の
日に終末のラッパを吹く一人とされる。

四つの翼を持ち、地に足が着いた状態で、
天を突き抜けるほとに巨大な姿をしていると
いわれる。地獄の監察を任務とし、昼に3回、
夜に3回ずつ地獄で苦しむ人間を見ては、
巨大な涙を落としていき、神が地獄での罰を
やめない限り涙を流し続けるといわれている。

ヴィクター
アイルランドにキリスト教を広めた
聖人パトリックに啓示を与えた天使。

ヴィクターの役目は、指導的役割を担う
人物に、神の意志を伝えることであったと
される。

ライラ
ユダヤ伝承にある夜の天使。
人々の懐妊を司る役割を持つとされる。

懐妊した女性と神との間をつなぐのが役目で、
人間の女性が懐妊すると、その精液を神の
前に差し出す。神はこれを元に、やがて
生まれくる子供の性別や美醜、裕福になるか
貧乏になるかなど、運命に関する一切の
事項を決定し、その女性の子宮の中に
新たな魂を入れるとされる。

女神

ラクシュミ
インド神話における、美と幸福の神。
ヴィシュヌの妃であり、愛の神カーマの母。

女性の理想像を具現化した容姿を持ち、
大変な美貌を誇る。
妖艶な踊り手としても知られ、多くの神々を
魅了したとされる。

ノルン
北欧神話の運命の女神たち。
巨人族であるといわれる。

世界樹イグドラシルの根の下に湧く井戸を
住み家としており、彼女たちの決定する
運命には、神々も従わざるを得ないという。

イザナミ

アナト
生誕と死を司るオリエントの女神。豊饒の神
バアルの妹であり妻でもあるといわれる。

アナトはバアルと同じく豊饒の神であったが、
同時に死の呪文を司る恐ろしい女神でもある
とされている。
天界の父であるエルでさえ、彼女の呪いを
恐れ、逆らうことができなかったという。
彼女は息子であり婿でもある冥界の支配者
モトに、毎年死の呪いをかけることによって
大地に豊饒をもたらしたといわれる。
男性の血液によって受胎したとされる彼女の
祭祀には多くの若者が生け贄とされ、流血が
絶えなかったと伝えられる。

トラソルテオトル
古代アステカ神話の不浄の女神。肉欲と淫行
を司ると共に、罪の贖いを助けるといわれる。

トラエルクァニという異名を持つが、これは
「排泄物を食す者」という意味で、彼女が
贖罪と浄化に関連する神であることを表した
ものだといわれる。

パラスアテナ
ゼウス神の娘で、戦いを得意とする処女神。
アテナの名で呼ばれることも多い。

彼女はゼウスの額から武装した姿で生まれた。
ただしゼウスのみを親としているわけでは
なく、ゼウスに飲み込まれた女神メティスを
母とする。
彼女は自分の国家や家庭を守るために戦いは
するが、戦いのための戦いをすることは
なかったという。
また彼女はアテネ市の守護者で、オリーブを
自身の木としている。

イシュタル
アッカドの愛欲と戦争の女神。
「天の女王」と呼ばれ、金星と同一視された。

「ギルガメシュ叙事詩」では、彼女は多くの
英雄を愛人にするが、しばらくすると
殺したり、動物に変えてしまうとされている。

スカアハ
ケルト神話の戦いの女神。
「影の国」なる異界を統べる女王でもある。

呪術師ながら武芸にも秀で、武勇でその名を
轟かせた。自分の所へ来た若者に対しては
修行をさせ、戦いの秘術を授けた。
かの英雄クー・フーリンも彼女の修行を
受けた一人であり、彼が免許皆伝の腕前と
なった時、彼女は魔槍ゲイボルグを授けたと
いう。

ブリジット
ケルト神話の火の女神。工芸や学問、
詩や治療などを司る神でもある。

その姿は、火鉢を象徴する魔法のカップを
携えた姿で描かれる。
ブリジットという名前自体が「女神」と
同義語として使われるほどに権威があった
女神で、民衆の厚い信奉を得ていたとされる。
アイルランドにキリスト教が広まった際も、
彼女があまりに民衆に崇拝されていたので、
教会は彼女を聖人とし、キリスト教に
取り込んだといわれている。

パールヴァティ
インド神話における、シヴァの妃の一柱。

その姿は非常に美しく、あらゆる美の象徴と
される。常にシヴァの傍らにあり、シヴァの
第三の眼を開かせる一助を担ったという。

ハトホル
エジプト神話の豊穣の女神。
子供の誕生の世話をし、美や愛、結婚の
守護神と見なされてきた。

太陽の円盤を持った雌牛、あるいは角の間に
太陽の円盤を持つ、雌牛の角を持った女性
として表現される。

フォルトゥナ
ローマの幸運の女神。
運命の車輪を司るといわれる。

元々は家畜や穀物の多産・増殖をもたらす
神であったとされる。またギリシャ神話の
女神デュケーと同一視されている。

霊鳥

ガルーダ
インド神話の聖なる鳥。

ナーガ族の陰謀で捕われた母を救うため、
不死の甘露を狙って一度は天界を襲った。
この際、多くの神々を退けた力をヴィシュヌ
に買われ、不死の獲得と引き換えに、以後
ヴィシュヌの乗り物となる。

ヤタガラス
日本神話に伝わる霊鳥。3本の脚を持った
聖なるカラスで、アマテラスが人間に
遣わしたという。

戦で道に迷った神武天皇の東征軍を導き、
勝利させたといわれる。
高い神格ゆえ、資格の無い者が直視すると
気がふれてしまうという。

スザク
中国の多くの神話や思想に語られる
「四聖獣」の一柱。

方角の南、季節の夏、五行思想の火を司る。
ウズラに似た姿の巨鳥で、五色の美声で
さえずるという。

サンダーバード
北アメリカ先住民の神話に登場する、
天界の精霊である巨大な霊鳥。

鷲に似た姿で、空の高みに棲んでいると
いわれる。鳴き声や羽ばたきは雷となり、
眼から発する光は稲光になるとされる。
また湖全体を背中に乗せて運んだとも、
クジラを丸ごと食べてしまったともいわれ、
その巨大さが伝えられている。

ヴィゾフニル
北欧神話の光り輝く牡鶏。
世界樹イグドラシルの頂上に棲むという。

「木の蛇」という意味の名を持つこの
ヴィゾフニルは、イグドラシルの頂上にて
自ら光を放つが、その輝きを浴びることで、
イグドラシルはその姿を空に浮かび
上がらせるとされている。

フェニックス
不死鳥として有名な、エジプトの聖なる鳥。
炎の中より生まれるという。

深紅の体を持った鷲くらいの大きさの鳥で、
青い尾にはバラ色の羽毛が飛び出していたと
伝えられる。
500年ほど生きると、自身を火の中に投じ、
幼鳥となって再生したという。
これが、フェニックスが不死鳥だとされる
ゆえんである。

スパルナ

ハンサ
その背中にブラフマー神を乗せる、
インド神話の聖なる白いガチョウ。

インドでは冬になるとガチョウが渡ってくる。
その空を飛ぶ堂々とした純白の姿は、知恵の
神であるブラフマーに到達しようと修行する
バラモン僧の気高さの象徴とされた。
ハンサがブラフマー神の乗り物となった
背景には、こういうイメージがあったものと
考えられる。

神樹

イグドラシル
北欧神話の世界樹とされるトネリコの大木。

その枝は全世界に広がり、幹は天を突き抜け、
天上の妖精の国アールヴヘイムを支えている。
三本の根はそれぞれ、霧の巨人たちが住む
ヨツンヘイム、死者の国ニヴルヘイム、
そして天界アースガルドへと伸びており、
神々の黄昏ラグナロクの後もなお生き続ける
といわれる。

ハオマ
ペルシャ、ゾロアスター教の植物の神。
生命力を与える神であり、大地と天空とを
媒介する者でもあった。

元々は強い興奮剤の原料となった神聖な植物。
ただそれがどのような植物であったかは、
現在では不明である。
興奮剤としてのハオマは、神の命令を
よりよく伝える助けになるとして、
宗教儀式で用いられたという。

ククノチ
「古事記」や「日本書紀」に登場する
樹木の神で、クグノチともいわれる。

ククノチはトヨウケヒメ神とともに
屋船神と称する家屋の守護神とされ、
上棟祭や新宅祭の祭神の一柱とされる。

マヤウェル
アステカの伝承に登場する若い女神。
酒の原料となる竜舌蘭を地上にもたらしたと
される。

ツィツィミトルの孫とされる彼女は、人間に
酒の楽しみを与えようとケツアルカトルと
共に下界に降り、大樹の枝となったが、
孫娘を連れ出され怒ったツィツィミトルに
見つかり、体をばらばらに引き裂かれ
食べられてしまった。
元の姿に戻ったケツアルカトルは、彼女の
遺骨を集め簡素な墓を作ったが、そこから
最初の竜舌蘭が生まれたと伝えられる。

ナルキッソス

ダフネ
ギリシア神話で、アポロン神の求愛から
逃れるために、その姿を月桂樹に変えられた
妖精の乙女。

元々は狩りをして日々を過ごす少女の妖精で
あったが、愛の神エロスが放った矢によって、
執拗に追い回して捕らえようとする
アポロンから逃げ続ける運命になる。
ペネイオス川の岸で遂にアポロンに捕まりそ
うになるが、ダフネは父である河神に願をか
け、その姿を月桂樹に変えてもらったという。

天使

ケルプ
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第2位「智天使」に数えられる上級天使。
複数形はケルビム。

4枚の翼と4つの顔を持った姿で表され、
神の御座(みくら)を運んだり、神の戦車を駆ったり
する。聖書においては、エデンの園の門番
として知られる。
彼らは炎の剣を持って、命の樹を守っている。

ソロネ
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第3位「座天使」に数えられる上級天使。
名は「車輪」の意。

物質の体をもつ天使としては最上級に当たり、
神の玉座を運ぶ者とされる。

ドミニオン
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第4位「主天使」に数えられる中級天使。
名は「統治」の意。

天界の行政官として、天使たちの働きを
統制する役割を担うとされる。
彼らの行動は、神の意思の表れであり、その
統治が宇宙に行き渡ることを望んでいる。

ヴァーチャー
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第5位「力天使」に数えられる中級天使。
名は「高潔」の意。

実現象としての奇跡を司り、それをもって
人間に勇気を授けるとされる。

パワー
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第6位「能天使」に数えられる中級天使。
名は「神の力」の意。

天界への悪魔の侵入を防ぐため、
常に前線に立ち、天の回廊を巡るとされる。

プリンシパリティ
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第7位「権天使」に数えられる下級天使。

国家や文明の盛衰を司るとされる。

アークエンジェル
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
第8位「大天使」に数えられる下級天使。

神の意志を人間に伝える役目を担っている。
また天界の戦士でもあり、闇の軍勢との
戦いでは天の軍勢を率いるという。

エンジェル
神学に基づく天使のヒエラルキーにおいて、
最下である第9位「天使」に数えられる
下級天使。

神の使いである天使の中で、最も人間の
近くにいる存在。
人間個人の守護を担い、その人間が正義を
なすよう監視し、また悪に向かう心を戒めて
いるとされる。

妖鳥

タイホウ
中国の伝説上の巨鳥。
漢字では「大鵬」あるいは「大鳳」である。

「荘子」に登場するこのタイホウは、
何千キロメートルあるか分からないほどの
体長があると伝えられる。
9万里、すなわち3600キロほどの上空を
飛んでおり、大空いっぱいに広げた翼は、
雲のように空を覆うという。

ルフ
アラビア伝説の、鷲に似た姿の巨鳥。
ロックの名でも知られる。

「アラビアンナイト」の中のシンドバットの
冒険に登場することで知られ、インド洋の
とある島に棲むといわれる。
その巨体ゆえ、食物とするものもケタ違いで、
象をひと呑みにする蛇を食べるだとか、
象そのものを爪で抱えては空から落とし、
その死骸を食べるなどと伝えられる。

タクヒ
中国に伝わる、フクロウに似た体を持つ鳥。
足は鋭い爪のついた一本足で、顔は人面で
あるという。

その姿が見られるのは冬だけで、夏は岩場で
眠って過ごすとされる。
タクヒを捕まえてその羽根を取り、
身に着けていれば、雷の被害に遭うことは
無いと伝えられている。

カラドリウス
病気の兆候を読み取ったり、病気そのものを
治してくれたりする、不思議な力を持つ鳥。

カラドリウスはそのくちばしで病気を
吸い取り、治療してくれる。しかしそれは
まだ助かる場合に限った話であって、既に
手遅れである場合は、関心すら示さない。
姿については諸説あり、チドリの一種とも、
セキレイに似ているともいわれるが、体の
色が白いということだけは確かなようである。

コカクチョウ
中国に伝えられる、鬼神の類だともされる
妖鳥で、人間の少女をさらっては自分で
育てるといわれる。

普段は鳥の姿をしているが、羽毛を脱いで
人間の女性と同じ姿にもなれるといわれ、
この時のコカクチョウは「天帝少女」とも
呼ばれる。
人間の少女を好んで養女にし、養女として
さらわれてきた子供は、コカクチョウに育つ
という。

ハーピー
ギリシア神話に登場する風の精。
元はクレタ島の女神であったといわれる。

ハーピーとは英語名で、神話上では
「ハルピュイア」と呼ばれる。
アエロ(疾風)、オキュペテ(速き者)、
ケライノ(黒雲)の三姉妹で現れるという。
性格は臆病で、戦闘を嫌う半面、意地が悪く
悪戯好きな性格でもあるとされる。

タンガタ・マヌ
イースター島において崇拝された鳥人。
部族の長となった者には同じ名の称号が
与えられた。

イースター島では、部族の新しい酋長を
決める際、近辺の小島から海ツバメの卵を
競争して持って帰る儀式が行われ、最初に
卵を持って帰ってきた者は
「タンガタ・マヌ(鳥人)」の称号を受け
新しい酋長となり、神に等しい存在として
崇められたという。

妖魔

ガネーシャ
インド神話の象頭神。

元来は夫シヴァに入浴を見られまいとした
パールヴァティが護衛の為に垢から作った。
しかしたちまちシヴァに首をはねられ、
その遺骸を最初に発見した象の頭を代わりの
首として与えられ、現在の姿になったという。

マスターテリオン
魔術師アレイスター・クロウリーが自称した
といわれる獣。本来は黙示録に記述される
テリオンと呼ばれる存在である。

黙示録によれば、テリオンは人類の敵であり、
サタンの力と権威を得た獣であるという。
その獣は海から上がってきて、10の角と
7つの頭を持ち、身体は豹のようで、
足は熊のようにがっしりしているとされる。
また、もう一頭の獣は小羊の角を持ち、
先の獣を崇拝するように人々に強要し、
獣の刻印、またはその名か数字がなくては
何も売買できないようにするという。
この数字とは666であり、
俗に「獣の数字」として知られている。

シウテクトリ
アステカの神話で、巨大な火柱、または緑の
羽根飾りをつけた裸形で表現される火の神。

全ての家の炉で燃える火はシウテクトリに
よるものとされ、古代メキシコの人々は、
毎朝この神に1切れのパンと1杯の酒とを
捧げたという。
人間の死に際しては、魂の導き手として、
死霊が大地に帰る助けをするとされる。
シウテクトリの祭儀は残酷で、犠牲となる
人間は、生きたまま燃え盛る石炭の中に
放り込まれたと伝えられる。

ヴァルキリー
北欧神話の主神オーディンの娘たち。

その名は「死者を運ぶ者」の意で、来るべき
神々の黄昏ラグナロクに備え、人間の勇士の
魂をヴァルハラ宮に導く役を担うとされる。
鎧兜をまとい、駿馬を駆り、自らも空を駆け
戦ったという。

シワンナ
北アメリカのプエブロ族の間に伝えられる
精霊。名前は「雲の人」の意。

死者と関係するとされ、「雲の人」の
「雲」が精霊と死者を表しているとされる。
池または泉の下にある山の中や、海辺の町の
中などに住むといわれている。

ディース
北欧神話において、
人間の霊的な随伴者とされる存在。

農耕牧畜の守護者とされる一方、戦運の司者
ともいわれ、ヴァルキリーに付き従う霊、
ないしは同等の役割を果たす者と見なされる
ことがある。
また低級の女神と見る解釈も存在する。

カラステング
天狗の同族。

天狗の象徴とされる高い鼻を持たず、
一説には、その名の通りカラスに似た鋭い
クチバシを隠し持つともいわれる。
人に取りついて堕落させようとする邪悪な
性格を秘めている。

コッパテング
天狗の同族。

霊力において他の天狗に劣るため、姿は小柄。
長寿の狼が化身して生まれるといわれ、
変化の後はカラステングと同様の姿を得ると
される。

アガシオン
人間などに使役される使い魔で、実体のない
精霊。真昼にだけ現れるとされる。

アガシオンについて伝えられる容姿は
一定しておらず、獣や人間のような姿の他、
小鳥の姿をしているともいわれる。
主に壺や瓶の中に封じられるが、他にも
指輪や魔方陣、護符の中に封じられることも
あるという。
またアガシオンという言葉自体が、使い魔の
総称として用いられる場合もある。

ヴォジャノーイ
スラヴに伝えられる水の妖魔。変身能力を
持ち、人間を捕らえて食料や奴隷にすると
いわれる。

女の水の妖魔であるルサールカを妻に持ち、
内陸の水辺に棲息するという。
夕方から活動を始め、泳いでいる人間や、
水辺を歩いている人間を捕まえて喰べると
いわれる。
大きさは人間より一回り大きく、魚人や
カエル人間といった姿だが、人間に姿を
変えることもあるとされる。

ケンタウロス
ギリシア神話に登場する、半人半馬の怪獣。
馬の首から上が人間の上半身に置き換わった
姿をしているとされる。

賢者もしくは人格者であるとされ、英雄に
戦いを教えたりするという。
名前の由来は「Centuria(センチュリア)」という
ギリシャ語だとされ、意味は「百人隊」。
東方の騎馬民族と戦ったギリシャ人が、
彼らを怪物と見間違えたか、擬人化したもの
だと考えられている。

天女

ペリ
ペルシアの、白い鳩のような翼を持つ妖精
あるいは精霊。美しい女性の姿で描かれる。

ジャコウなどのかぐわしい香りを食べて生き、
その血は固まると、宝石になるといわれる。
魔術を使うことにも長けており、変身や
空中飛行、予言などをすることができる。
英雄や勇者たちを自らの魔術で助ける話が
よく知られ、時にはその妻になったとも
伝えられる。

サラスヴァティ
インド神話の女神で、ブラフマーの妻。

河の化身とされ、その名は「水をもつ者」の
意である。
一方で技芸の神としても知られ、64もの
音楽や芸術を自在に使うとされている。

キクリヒメ
菊理姫(くくりひめ)。白山姫とも呼ばれる白山の女神。

イザナミの言葉を取り次ぐ巫女が神格化
された神で、イザナギとイザナミが黄泉の
国で争った時、仲裁役として黄泉平坂(よもつひらさか)
現れたとされる。
愛と縁結びの女神であり、縁をつなぐという
意味で「ククリ」の名が付いたと考えられる。

センリ
長命の山猫が化身して生まれるという妖怪。
美女に化けては人間の男から精気を集める。

ネコマタに類する化身の最高位とされる。
獣の化身たちが皆、精を集めるのは、
センリになることを目指すからだという。

アプサラス
インド神話の水の精。
その名は「水の中で動くもの」を意味する。

歳若く妖艶な女性の姿で、苦行の成就を阻む
煩悩の例えに用いられる。
また、戦死者の霊をインドラの待つ天界へ
運ぶ役目も担うとされる。

邪神

デミウルゴス
グノーシス主義では、ひねくれ者の天使で、
神の存在しない物質世界を創り支配していた
とされる。

ローマ帝国時代の世界的宗教
グノーシス主義は、旧約聖書での善悪を
逆転させて解釈しているが、そこでは
ヤハウェを気取るデミウルゴスが世界を
支配し、アダムとイヴが蛇に「知恵」を
授けられると、怒って楽園から追放して
しまった、としている。
デミウルゴスは、全ての人間の魂が永遠に
地上の物質世界に囚われていることを
望んでいるという。

セト
エジプト神話の悪神。元は上エジプト地方で
崇拝された主神であった。

兄であるオシリス神を謀略により殺害し、
神々の支配者となるが、オシリス神の息子
であるホルス神に討たれる。

ヤソマガツヒ
八十禍津日神(やそまがつひのかみ)。災厄の源である不浄、凶、
不幸、悪などを象徴する神とされる。

黄泉の国から現世に戻ったイザナギは
死の穢れを洗い落とすために禊を行ったが、
その時に落ちた穢れから2つの神が生まれ、
そのうちの片方がヤソマガツヒであった。

パレス
北アフリカから中東、ローマにまで至る広い
地域で崇拝された、ロバの頭を持つ神。

古代世界において、そのロバの頭を豊穣の
象徴として、広く崇拝された。
ローマのパラティヌスの丘にパレスの神殿が
あったことが知られており、これが英語の
「Palace(宮殿)」の語源だとされる。

アルシエル
カルデア人における冥界に住む「黒い太陽」
で、奈落の底にいるとされる暗黒の神。

本来の名はアシーエルだが、ユダヤ人の
記者たちがこれを「ゲヘナの王」とし、
アルシエルと転訛したといわれる。
オリエントの宗教では、万物は冥界の暗黒の
中で初めて再生できるとされ、そのため
アルシエルは必ずしも悪しきものとは
限らなかったという。

トウテツ
古代中国で「四凶」と恐れられた怪物の一柱。
その姿は人面の羊で、鋭い牙を隠し持つ。

夢幻の食欲で全てを喰らい尽くし、不毛に
帰するといわれる。
また自分より弱い者からは財宝を奪い、
強い者にはへつらうという。

パチャカマク
大地の精霊にして創造を司っていた神。
海岸沿いに住む人々には、海の神ともされる。

大地から生まれ出るものに生命と活力を
与える霊であったパチャカマクは、創造神と
されると共に、地震を司る神ともされた。

ミシャグジさま
大和政権の勢力が入る以前から、信濃地方で
信仰されていたとされる土着の神。

石や岩に神霊が宿るとする古代の信仰形態
から生まれた神だといわれる。

バフォメット
黒ミサを司る、山羊の頭を持った悪魔。
この名をもって悪魔全体を指す場合もある。

世に言う「テンプル騎士団」が偶像崇拝の
糾弾を受けた際、この名の魔神を奉っていた
とされる。
後に魔女たちの崇拝対象ともなった。

凶鳥

フレスベルグ
北欧神話において、世界樹イグドラシルの
最も高い梢にあり、全世界を見渡すとされる
全知の大鷲。

世界に風を起こす役割を担うとされる。
また幹を挟んで反対側、最も深い根元に棲む
大蛇ニーズホッグとは常に対立している。

カウ
火烏(かう)。中国に伝わる、太陽の中に棲むと
される烏で、その足は3本ある。

太古の中国には10個の太陽があり、
1個ずつ順に天空を旅していたとされるが、
ある時10個の太陽が一度に空に現れ、
地上は灼熱の焦土になったという。
これをゲイという男が9個まで射落としたが、
それらは太陽に棲むカウに他ならなかった。
かくして太陽は1つとなったが、10個で
あった頃の名残りは、十干十二支の十干や、
10日を一旬とする暦法に見ることができる。

アンズー
バビロニアの伝承に登場する邪悪な巨鳥。

鷲の体にライオンの頭を持つとされる。
神々の王になりたいという邪念から、
主神エンリルが体を水で清めているスキに
天命のタブレットを盗み出した。

グルル
スリランカの神話に伝わる巨鳥の姿の悪魔。

思想的に敵対するインド神話の霊鳥
ガルーダが、スリランカ神話において
悪魔として解釈された存在である。

チン
中国の伝説に語られる、猛毒を持った鳥。

銅に似た色のクチバシを持ち、蛇を好んで
食べる。また強力無比の毒を持ち、チンが
耕地の上を飛べば作物は全て枯死し、
羽毛を酒に浸せば、一口で死に至る毒酒に
変わるという。

イツマデ
疫病や飢餓で見殺しにされた人間が、
妖怪変化してなったとされる怪鳥。

昔の日本では、疫病の流行や飢饉が起こる
度に多くの死者が出て、普通なら葬られる
はずの死体も、そういった時には放って
おかれるだけだった。
こういう死体の場所にイツマデは現れ、
葬ることすらされなかった自分をあわれむと
共に、見殺しにした者に恨みを込めて、
「いつまで(放っておくのか)」と
鳴くのだという。

モー・ショボー
モンゴル系のボリヤド民族の伝承の魔物。

愛を知らぬまま死んでしまった少女の霊が
なるといわれる悪しき鳥。
美しい娘の姿をして旅人を誘惑し、
隙を見せるとくちばしで頭をつつき、
穴をあけ、脳みそを吸い取るという。

カマソッソ
マヤ神話の地下界シバルバに棲むという
悪しきコウモリ。

マヤの双子の英雄であるシュバランケと
フンアフプが死神たちの住むシバルバに
赴いた際、最後のコウモリの館にて、
フンアフプの首をはねたとされる。

フケイ
中国に伝わる凶鳥。
フケイと鳴くことからこの名が付けられた。

古代中国の地理書である山海経(せんがいきょう)の西山経で
その記述を見ることができる。
雄鶏のような姿で、頭は鶏冠のついた人間、
耳は尖っているとされる。
フケイの出現は凶事の先触れであり、
まもなく戦争が起こるものとされる。

妖樹

アールキング
ドイツのシュバルツバルト(黒森)に
現れるという悪しき樹霊。
人々を惑わし、破滅に導くとされる。

その名は「ハンノキの王」という意味で、
シュバルツバルトに自生する樹木ハンノキの
支配者であるとされる。
ハンノキは湿った土壌に生え、痩せた土地
でも成長するとされる樹木で、その中でも
アールキングは最も強い生命力を
持っているという。

アルラウネ
美しい女の姿をした呪いの樹霊。
絞首刑に処された男が血を落とすと、
そこから生まれるという。

元々はゲルマン神話に登場する悪しき
女性霊で、その名は「秘密に通じる」という
意味があるとされる。

ザックーム
イスラム教の地獄に生えるといわれる木。
悪魔の頭のような実をつける。

ザックームはイスラム教の聖典コーランに
記述が見られる木で、ジャハンナムという
地獄の底に生えているとされる。

スクーグスロー
スウェーデンの妖精伝説に登場する森の精の
一種で、美しい女性の姿をした樹木。

前面は美しい女性の姿だが、背中は樹木
そのものであるとされる。
狩人の銃に息を吹きかけ幸運を授けたり、
森の中で旅人が眠っている際に炭焼きの火を
守るという。またその見返りとして男に愛を
求めてくるが、前面の美しさに惑わされた
男は、背面の姿を知った途端に逃げ出して
しまうのだという。

マンドレイク
その根が二本足の人間の姿である異形の植物。
男女の性別がある。

万病に効く貴重な霊薬だとされるが、土から
引き抜かれる時にとてつもない叫び声を
上げて人を殺してしまうため、入手が非常に
困難であったという。

サンショウ
中国の山中に棲む樹木の精。鬼の一種だとも
いわれ、人里に現れては人間を襲うとされる。

梁に届くほど背が高く、熟したウリのような
顔色で、眼光はらんらんと輝き、口は盆の
ように大きく、三寸ほどのまばらな歯が
生えているとされる。
また一本足だとする説もある。
民家の戸をつかんだ際に、五本の指で穴が
開くほどの怪力を持っているという。