ジャンケン・・・・・。
それは、運ですべてが決まるのか。
ちょっと変わった中学生の達也は、小さい頃からジャンケンを
するのが好きで、ジャンケンの事をいつも考えていた。
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学校で一人が欠席していたある日、給食の時間がやけに盛り上がっていた。
その日の給食で、ケーキが出ていたのだ。
先生が欠席者の分のケーキを持って、勢いよく言った。
「このケーキ欲しい人!!」
クラスの30人ほどが、声も出しながら手をあげた。とても騒がしくなった。
あまりにも人数が多いので最初は混乱したが、
結局、30人ほどが先生とジャンケンをすることになった。
騒がしかったが、急に教室全体が緊張感に包まれた。
達也は相手の手の動きを見れば、次に何を出すかだいたい分かるのだった。
最初のジャンケンで達也は軽々と先生に勝った。
他にも勝ち残った生徒が数人いた。負けた生徒は悔しがってはいたが、
だんだんとクラスを盛り上げ始めた。
クラスのみんなは誰が勝つか、騒ぎながら注目していた。
そしてジャンケンが始まり、数回あいこが続いた。
その結果、達也一人だけが勝って、ケーキをゲットした。
クラスのみんなは、達也をうらやましい目で見た。
達也はケーキを貰って、自分の席へ戻った。
そこで、友達が達也のところへ駆けつけた。
「達也っていつもジャンケン強いよなぁ。」
達也はケーキを食べていたが、手を休めて言った。
「だって俺は・・・世界で一番ジャンケンの強い人になるんだ!!」
友達は達也の言葉を聞いて、プッと吹きだした。
「ジャンケンなんて運だろ?」
その後、達也が少し間をおいて言った。
「そうかもしれない。でも俺にとってはジャンケンは
相手の心を読む勝負なんだ。ジャンケンの研究もしている。
だからこんなに俺は、みんなと違って勝つことができるんだよ。」
それを聞いていた他のクラスメイトが近寄ってきて、疑うように言った。
「どうせ後出しとかしてるんだろ。それなら、今から俺とジャンケンしてみろよ。
俺が10回中、10回負けたら、達也の言ったことを認めてやるよ。」
そしてジャンケンが始まり、クラスのほとんどの人が注目した。
しかし達也は、4勝しかできなかった。
「ほらな。俺の言ったとおりだろ?ジャンケンなんか運だって。
もう世界一になろうなんて考えないほうがいいぞ!」
達也は何も答えられなかった。いつもとは何か違う感覚だった。
「もう少しマシな希望を持てよ。」と言ってその生徒はさっていった。
達也は、それがきっかけでジャンケンで世界一になるという希望
をあきらめかけていた。
ある日、校内で賞品つきのジャンケン大会が開かれることになった。
ルールは、ジャンケンのトーナメントをして優勝したら
賞品がもらえるというものだった。
「参加したい人は、今日の放課後に体育館に集まってください。」
先生が朝の時間にみんなに伝えた。
そこで、ある生徒が質問をした。
「賞品ってなんですか?」
「賞品は一本で2000円程度するシャープペンです。」
みんなは、このシャープペンが欲しくてたまらなかった。
「俺が、手に入れてやる!」
「いや、ゲットするのは俺だ!」
教室全体が騒がしくなった。
そこで、ある冷静な女子がこういった。
「他のクラスもたくさん参加するんでしょ?こんなの優勝できるわけ
ないじゃん。」
「それもそうか・・・」
しかしある男子生徒が、その静けさを断ち切るように言った。
「達也に頼めばいいじゃん!」
「でも、達也だからって勝てるわけじゃ・・・」
「いや達也を信じようよ!このままじゃ優勝なんてできないだろうし。
そしてクラスのみんなで、使い合えばいいじゃん。」
達也はとても嬉しかったが、プレッシャーもかなり重かった。
そこで達也は決断した。
「俺やってみる。勝てるか分からないけど、みんなが応援してくれるなら
やるしかないよ。」
そしてジャンケン大会が始まった。
達也はみんなの想いを背負い、ジャンケンに勝っていたときの感覚の思い出した。
「この調子なら勝てる!」
達也は決勝戦まで勝ち上がっていった。
クラスの生徒はみんな達也を信じて応援していた。
そして決勝戦は・・・・・・・
達也はグーをだして勝ったのだった。
「うわぁ~!勝ったぁ!!」
達也のクラスはものすごい盛り上がった。
達也はクラスのみんなから教室に戻ってから
「ありがとう。」といわれた。
「さすが達也だ!」
達也は今までになかったぐらいに、嬉しい気持ちになった。
達也はもうジャンケンで世界一になんてならなくていいと思った。
いや、すでに世界一になった気分だった。
おわり
最終更新:2008年06月30日 18:56